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本編
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皆の後について行き、訓練所に到着する。
訓練所には、ちらほら鍛錬している騎士さんや、見習い騎士さん達が見えた。
あ、昨日、厨房にいた見習い騎士の子達も何人かいる。
カイルくんは居ないみたいだ。
「アレン様、ヴェイン様、お疲れ様です!」
「アレン様のお客様!スープすごく美味しかったです。ありがとうございました!」
なんて口々に話しかけてくれる。
ちなみに、訓練所にいた人達が話しかけてきたあたりからアレンが俺を引き寄せ、横にピッタリとくっついて来てとても歩きにくかった。
ヴェインさんとラインハルトは、必死に笑いを堪えていた。
「アレン様、そんなにお客様を隠さなくていいじゃないですか!」
「そうですよ!
俺達にも紹介してくださいよ。
スープのお礼だってしたいのに……。」
集まって来た人達がアレンに向かってそう言っている。
「お前ら、早く鍛錬に戻れ!」
アレンは、何故か不機嫌そうに騎士さん達へ怒鳴っていた。
「アレン、俺、ここの料理人になるんでしょ?
挨拶くらいさせてよ?」
アレンにそう言ってみたが
「明日ちゃんと紹介するし、アイツらに捕まったら魔力測定どころかコアに会いに行くのも遅くなるだろ?」
「あぁ、そっか…。
じゃあ、仕方ないか…。
明日は、絶対に紹介してよね?」
「あぁ、約束する。」
そう言うと、アレンはヴェインさんに命じて人払いをさせた。
「おーい、皆、団長様は早く用事を終わらせてデートに行きたいんだから邪魔してやんなよ。
今、冗談通じないから灰にされるぞー?」
ラインハルトがそう茶化しながら人払いの協力をしている。いや、あれ協力してるのか?
………アレンとデートか。
恥ずかしいから皆に気付かれたくないけどちょっとだけドキドキしてるし、ちょっとだけ楽しみだ。
ちょっとだけだからな。
「え?あの団長がデート?」
「は!?あのお見合い断り続けてる団長が?」
「あの料理上手なお客様が団長のお相手か?」
「やっと団長にも春が来たか?」
「いや、あの文官、死んだだろ?」
なんて、ザワザワしていた。
俺にも視線が向けられちょっとだけ気まずい。
「ほぉう?ラインハルト、まずはお前から灰になりたいようだな?」
アレンは、いつも以上に低い声を出して手を振りかざしラインハルトに向かって炎を放った。
ラインハルトは、その場で魔法を使い炎を防いだ。
あれ?炎魔法って強すぎて水を蒸発させるって言って無かった?
ラインハルト、普通に防いだよ?
疑問に思ったのは周りの騎士さん達もだったらしく
「団長の魔法を防ぐなんてあの人何者だ?」って口々に言っていた。
「おい、アレン!何すんだよ?危ねぇだろうが!」ってラインハルトは言っているが全然余裕そうだ。
どういう事だろう?
アレンは、また魔法を放とうとしている。
が、次の瞬間、俺達とラインハルトの上に滝が降り注いだ。
しかも、不思議な事に俺は何か膜のようなもので覆われて全く濡れていない。
昔行った、某水族館の水中にある部屋みたいな感じだった。
滝が無くなるとラインハルトとアレンだけがずぶ濡れになっていて近くでヴェインさんが怖い顔をしていた。
「おい、お前ら?頭は冷えたか?
トオルの魔力測定するんだろ?
俺だって暇じゃないんだよ。
見習いの魔法講義に書類仕事があんだよ?
俺ひとりでもよかったのにお前らが着いてくるって言ったんだろ?
邪魔するな。分かったか?」
こ、怖い……。
そしてヴェインさんは、周りの騎士達を見ると一言「鍛錬メニュー5倍」と呟く。
全員青ざめた顔をしていた。
「返事は?」
「「「「はい。すみませんでした!」」」」
騎士さんたちは揃った声で返事をしてその場から居なくなった。
「ラインハルト、アレン、今日、トオルの飯抜き。トオルもいいな?」
短く吐き捨てると、2人が真っ青な顔をする。
俺?
逆らえるわけないじゃん!
光の速さで首を縦に振りましたよ。
アレン、ラインハルト、なんかごめん……。
そして、この先、ヴェインさんだけは怒らさないと決めた瞬間だった。
ヴェインさんは、何事も無かったかのようにその場に模様のようなものを書き始める。
魔法陣?かな
周りに10個、円が付いた十角形みたいな模様だ。
書き終わると
「トオル、こっちに来てこの真ん中に立て。」と言う。
さっきの今だから「はい!」と素早く返事をしてその場に向かう。
「今から、トオルの魔力測定をする。
この陣は、俺のオリジナル魔法でな、発動するとトオルの魔力を吸ってこの周りの10個の円が光る。
光った数で魔力の強さを見るんだ。
じゃあ、始めるぞ?
魔力を強制的に吸うから少しだけ息苦しいかもしれないが、身体に害はないから安心しろ。」
「はい。お願いします!」
ちょっと緊張してきた。
俺がそう言うとヴェインさんはしゃがみこんで陣に手を当て何か呟く。
すると、陣の全体が淡く白い光で光始めた。
「トオル、大丈夫か?」
ヴェインさんが少しだけ首を傾げながら聞いてきた。
なんだろ?なんか変なのかな?
「うん、ちょっとだけ息がしずらいけど、平気かな。」
身体から何かが吸い出されているような気がする。
これが魔力なのかな?
例えるなら、山の上の空気が薄いところに居る気分だ。
次第に周りの円が光り始める。
1個、2個、3個………。
3個目以降は光らなかった…。
そして、陣は、光を失った。
「おい、ヴェイン、どういう事だ?
失敗したのか?」
少し離れたところでラインハルトと様子を見ていた、ずぶ濡れのアレンが怪訝そうな声で聞いた。
「いや、成功のはずだ。
だが、少し妙だな。」
え?やっぱり何か変だったの?
「どういうこと?」
「さっきは周りの円を含めて陣全体が光ってただろ?
この陣はな、魔力測定で光る時、周りは光らないんだ。」
ん?どういうこと?
俺が首を傾げてると
「ラインハルト、ちょっと来い。」
「あぁ、すぐ行く。」
ラインハルトが陣までやって来る。
「トオル、ラインハルトはこの陣の8個目まで光るんだ。
ラインハルトにやらせるからちょっと陣から出てみろ。」
ヴェインさんはそう言って俺が居た位置にラインハルトを立たせて陣を発動させる。
すると、陣が淡い緑色の光を放って周りの円が8個目まで光った。
「色は、1番強い属性の色が出るからとりあえず置いておいて。
こっちの光って無い円2つを見ろ。
普通は、ラインハルトみたいに全く光らないはずなんだ。」
確かに、俺の時は円も含めて陣全体が光っていたのにラインハルトは光っていない。
「え?つまりどういうこと?」
「いや、わからんなぁ。
こんなこと初めてだ。」
陣の魔法を辞めながら首を傾げながらヴェインさんが呟く。
「なぁ、もしかしての仮説だけどさ」
ラインハルトが口を開いた。
「何か分かったのか?」
ヴェインさんはラインハルトを見る。
「いや、仮説だからな。
この陣って今ある魔力の量を測るやつだよな?
トオルってこっちの世界にきてまだ日が浅いし、元の世界に魔法って概念が無かったんだろ?
なら、魔力の器としての最大量が10個分で今、身体にある魔力が3個分って事じゃないか?」
ヴェインさんは、ラインハルトの話を聞いて納得したような顔をする。
「確かに有り得るな。」
「え?ヴェインさんつまりどういうこと?」
理解が追いつかず聞いてみた。
魔力って身体から溢れてくるものじゃないの?
ヴェインさんは、土の魔法で箱を作って解説してくれた。
「この箱をトオルの身体だとするだろ?」
「うん。」
「元の世界に居た時は魔力が存在しないから空っぽの状態だ。」
そう言って、箱の中身が空なのを見せてくれる。
「うん。そこまでは分かった。」
「で、この世界に来てから魔力が身体で作られるようになったから今はこのくらい魔力があると仮定する。」
そう言いながら箱に水を3割くらい入れた。
「じゃあ、このまましばらく過ごせば満タンまで溜まるってことかな?」
「まだ、仮定の話だがな。
なら、明日もう一度試してみて増えてればそうってことだろうな。」
「ヴェイン、トオルは、料理をしてるときに魔力が漏れだしていたんだろ?
それじゃ、増えても結局減るんじゃないか?」
アレンがそんなことをいいだす。
俺が何か言う前にヴェインさんが一言放った。
「大丈夫だ。アレンと、ラインハルトは今日、トオルの料理抜きだから問題ない。」
あ、ヴェインさん忘れてなかったのか…。
訓練所には、ちらほら鍛錬している騎士さんや、見習い騎士さん達が見えた。
あ、昨日、厨房にいた見習い騎士の子達も何人かいる。
カイルくんは居ないみたいだ。
「アレン様、ヴェイン様、お疲れ様です!」
「アレン様のお客様!スープすごく美味しかったです。ありがとうございました!」
なんて口々に話しかけてくれる。
ちなみに、訓練所にいた人達が話しかけてきたあたりからアレンが俺を引き寄せ、横にピッタリとくっついて来てとても歩きにくかった。
ヴェインさんとラインハルトは、必死に笑いを堪えていた。
「アレン様、そんなにお客様を隠さなくていいじゃないですか!」
「そうですよ!
俺達にも紹介してくださいよ。
スープのお礼だってしたいのに……。」
集まって来た人達がアレンに向かってそう言っている。
「お前ら、早く鍛錬に戻れ!」
アレンは、何故か不機嫌そうに騎士さん達へ怒鳴っていた。
「アレン、俺、ここの料理人になるんでしょ?
挨拶くらいさせてよ?」
アレンにそう言ってみたが
「明日ちゃんと紹介するし、アイツらに捕まったら魔力測定どころかコアに会いに行くのも遅くなるだろ?」
「あぁ、そっか…。
じゃあ、仕方ないか…。
明日は、絶対に紹介してよね?」
「あぁ、約束する。」
そう言うと、アレンはヴェインさんに命じて人払いをさせた。
「おーい、皆、団長様は早く用事を終わらせてデートに行きたいんだから邪魔してやんなよ。
今、冗談通じないから灰にされるぞー?」
ラインハルトがそう茶化しながら人払いの協力をしている。いや、あれ協力してるのか?
………アレンとデートか。
恥ずかしいから皆に気付かれたくないけどちょっとだけドキドキしてるし、ちょっとだけ楽しみだ。
ちょっとだけだからな。
「え?あの団長がデート?」
「は!?あのお見合い断り続けてる団長が?」
「あの料理上手なお客様が団長のお相手か?」
「やっと団長にも春が来たか?」
「いや、あの文官、死んだだろ?」
なんて、ザワザワしていた。
俺にも視線が向けられちょっとだけ気まずい。
「ほぉう?ラインハルト、まずはお前から灰になりたいようだな?」
アレンは、いつも以上に低い声を出して手を振りかざしラインハルトに向かって炎を放った。
ラインハルトは、その場で魔法を使い炎を防いだ。
あれ?炎魔法って強すぎて水を蒸発させるって言って無かった?
ラインハルト、普通に防いだよ?
疑問に思ったのは周りの騎士さん達もだったらしく
「団長の魔法を防ぐなんてあの人何者だ?」って口々に言っていた。
「おい、アレン!何すんだよ?危ねぇだろうが!」ってラインハルトは言っているが全然余裕そうだ。
どういう事だろう?
アレンは、また魔法を放とうとしている。
が、次の瞬間、俺達とラインハルトの上に滝が降り注いだ。
しかも、不思議な事に俺は何か膜のようなもので覆われて全く濡れていない。
昔行った、某水族館の水中にある部屋みたいな感じだった。
滝が無くなるとラインハルトとアレンだけがずぶ濡れになっていて近くでヴェインさんが怖い顔をしていた。
「おい、お前ら?頭は冷えたか?
トオルの魔力測定するんだろ?
俺だって暇じゃないんだよ。
見習いの魔法講義に書類仕事があんだよ?
俺ひとりでもよかったのにお前らが着いてくるって言ったんだろ?
邪魔するな。分かったか?」
こ、怖い……。
そしてヴェインさんは、周りの騎士達を見ると一言「鍛錬メニュー5倍」と呟く。
全員青ざめた顔をしていた。
「返事は?」
「「「「はい。すみませんでした!」」」」
騎士さんたちは揃った声で返事をしてその場から居なくなった。
「ラインハルト、アレン、今日、トオルの飯抜き。トオルもいいな?」
短く吐き捨てると、2人が真っ青な顔をする。
俺?
逆らえるわけないじゃん!
光の速さで首を縦に振りましたよ。
アレン、ラインハルト、なんかごめん……。
そして、この先、ヴェインさんだけは怒らさないと決めた瞬間だった。
ヴェインさんは、何事も無かったかのようにその場に模様のようなものを書き始める。
魔法陣?かな
周りに10個、円が付いた十角形みたいな模様だ。
書き終わると
「トオル、こっちに来てこの真ん中に立て。」と言う。
さっきの今だから「はい!」と素早く返事をしてその場に向かう。
「今から、トオルの魔力測定をする。
この陣は、俺のオリジナル魔法でな、発動するとトオルの魔力を吸ってこの周りの10個の円が光る。
光った数で魔力の強さを見るんだ。
じゃあ、始めるぞ?
魔力を強制的に吸うから少しだけ息苦しいかもしれないが、身体に害はないから安心しろ。」
「はい。お願いします!」
ちょっと緊張してきた。
俺がそう言うとヴェインさんはしゃがみこんで陣に手を当て何か呟く。
すると、陣の全体が淡く白い光で光始めた。
「トオル、大丈夫か?」
ヴェインさんが少しだけ首を傾げながら聞いてきた。
なんだろ?なんか変なのかな?
「うん、ちょっとだけ息がしずらいけど、平気かな。」
身体から何かが吸い出されているような気がする。
これが魔力なのかな?
例えるなら、山の上の空気が薄いところに居る気分だ。
次第に周りの円が光り始める。
1個、2個、3個………。
3個目以降は光らなかった…。
そして、陣は、光を失った。
「おい、ヴェイン、どういう事だ?
失敗したのか?」
少し離れたところでラインハルトと様子を見ていた、ずぶ濡れのアレンが怪訝そうな声で聞いた。
「いや、成功のはずだ。
だが、少し妙だな。」
え?やっぱり何か変だったの?
「どういうこと?」
「さっきは周りの円を含めて陣全体が光ってただろ?
この陣はな、魔力測定で光る時、周りは光らないんだ。」
ん?どういうこと?
俺が首を傾げてると
「ラインハルト、ちょっと来い。」
「あぁ、すぐ行く。」
ラインハルトが陣までやって来る。
「トオル、ラインハルトはこの陣の8個目まで光るんだ。
ラインハルトにやらせるからちょっと陣から出てみろ。」
ヴェインさんはそう言って俺が居た位置にラインハルトを立たせて陣を発動させる。
すると、陣が淡い緑色の光を放って周りの円が8個目まで光った。
「色は、1番強い属性の色が出るからとりあえず置いておいて。
こっちの光って無い円2つを見ろ。
普通は、ラインハルトみたいに全く光らないはずなんだ。」
確かに、俺の時は円も含めて陣全体が光っていたのにラインハルトは光っていない。
「え?つまりどういうこと?」
「いや、わからんなぁ。
こんなこと初めてだ。」
陣の魔法を辞めながら首を傾げながらヴェインさんが呟く。
「なぁ、もしかしての仮説だけどさ」
ラインハルトが口を開いた。
「何か分かったのか?」
ヴェインさんはラインハルトを見る。
「いや、仮説だからな。
この陣って今ある魔力の量を測るやつだよな?
トオルってこっちの世界にきてまだ日が浅いし、元の世界に魔法って概念が無かったんだろ?
なら、魔力の器としての最大量が10個分で今、身体にある魔力が3個分って事じゃないか?」
ヴェインさんは、ラインハルトの話を聞いて納得したような顔をする。
「確かに有り得るな。」
「え?ヴェインさんつまりどういうこと?」
理解が追いつかず聞いてみた。
魔力って身体から溢れてくるものじゃないの?
ヴェインさんは、土の魔法で箱を作って解説してくれた。
「この箱をトオルの身体だとするだろ?」
「うん。」
「元の世界に居た時は魔力が存在しないから空っぽの状態だ。」
そう言って、箱の中身が空なのを見せてくれる。
「うん。そこまでは分かった。」
「で、この世界に来てから魔力が身体で作られるようになったから今はこのくらい魔力があると仮定する。」
そう言いながら箱に水を3割くらい入れた。
「じゃあ、このまましばらく過ごせば満タンまで溜まるってことかな?」
「まだ、仮定の話だがな。
なら、明日もう一度試してみて増えてればそうってことだろうな。」
「ヴェイン、トオルは、料理をしてるときに魔力が漏れだしていたんだろ?
それじゃ、増えても結局減るんじゃないか?」
アレンがそんなことをいいだす。
俺が何か言う前にヴェインさんが一言放った。
「大丈夫だ。アレンと、ラインハルトは今日、トオルの料理抜きだから問題ない。」
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