料理人は騎士団長に食べさせたい

本編

32

更新予約を失敗していました。
遅くなってしまい申し訳ありませんm(_ _)m



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「あ、でも、デートに出かける前に水を指して悪いが、先にトオルの魔力測定をするぞ？」
ヴェインさんが、アレンに言う。

アレンは、しかめっ面で
「わかってる。」とだけ言った。

俺の脳はやっと処理落ちから復帰して魔力が漏れだしていた話を思い出す。

「あ、魔力！俺も魔力があったんですね？」


「あぁ、こっちの人間は誰でも量の差はあれど必ず魔力があるからな。
身体の作りが同じならトオルにだってあってもおかしくはない。
それにトオルは資格持ちだしな。」
ヴェインさんがそんなことを言う。

「ん？資格持ちって守護竜様が見えるだけじゃないの？」
疑問に思い聞いてみる。

「その話はアレンのが詳しいからアレンに聞いた方がいい。」
そう言いながらヴェインさんはアレンのことを見る。

アレンは、ヴェインさんの視線に頷くと教えてくれた。

「資格持ちは、コアに会えるってだけじゃなくてコアから加護を与えられてるんだ。
加護って言うか力ギフトだな。
特殊な能力を与えられるって思えばいい。」


特殊な能力？
俺からしたら魔法だって十分特殊な能力だから全く実感が湧かない。

「じゃあ、俺にも力ギフトってやつがあるの？
と言うか、魔力があるなら魔法も練習すれば使えるってこと？」


「あぁ、魔法ももちろん使えるし、力ギフトもあるはずだ。
ただ、どんな力ギフトかは使うまでわからないんだ。
例えば、俺は無限の魔力が力ギフトだったらしい。
人よりも魔力が多いってくらいの実感しか無かったからずっと気づかなかったし、今も実感がない。
むしろ、炎の魔法がそれかと思っていたくらいだ。」

無限の魔力って、物語のチートキャラが持ってるやつじゃん？
強くない？

ん？炎の魔法？ゲームとかだと普通に出てくるけど特別な力なんだろうか？

「炎の魔法って特別なの？」

その質問にはヴェインさんが答えてくれた。

「魔法は基本的に火、水、風、土、光、闇の属性しかないんだ。まぁ、風から派生して雷、水から派生して氷もあるが。
こんなふうにだ。」

そう言いながら、ヴェインさんは自分の掌の上にビー玉くらいの大きさのそれぞれの属性の魔法をだした。

「おぉ！凄い！ヴェインさんかっこいい！」

「ヴェインは、魔法に関してはこの国1番だからな。」
なぜか、ラインハルトが誇らしげに言って来た。

ラインハルト、ヴェインさん大好きだな笑

「ん？火と炎って違うの？」
だって同じ火じゃん？


「正確には違うんだ。
炎魔法は、火魔法の上位だ。使える人はほぼ居ない。威力が違いすぎる。アレンの固有魔法みたいな物だな。」

「固有魔法？」

「固有魔法って言うのはさっき見せた誰でも訓練を積めば使えるようになるものとは違って、その人物だけしか使えない魔法って言えばわかりやすいか？」

「う、うん？わかったようなわからないような...。
つまり、アレンの炎魔法は特別ってことでいいのかな？」

頭が混乱して来た。

「まぁ、それくらいの認識でいいだろう。
固有魔法を持っている人間自体が滅多に居ないからな。
じゃあ、トオル、両方同じ強さだとして、火に水をかけたらどうなる？」

なんか、ヴェインさんが先生みたいな顔をしている。

「え？両方同じ強さ？
なら、火が消える？」

ヴェインさんは、頷く。

「あぁ、そうだ。同じ強さって言うのは込めた魔力の量だと思ってくれ。
まぁ、使う人間の魔力操作の質によっても変わるがそれは今度にしよう。
しかし、炎魔法の場合、同じ魔力の量なら水が蒸発するんだ。」

「え？もうすでに頭がパンパンなんだけど？
とりあえず、アレンがすごく強い炎の魔法を使えるって言うのはわかった気がする。」


「ヴェイン、とりあえず今は力ギフトの話だ。
魔法については魔力に慣れてからおいおいでいい。」

混乱してる俺をみかねてかアレンが助けてくれた。


「あ、そうだったな。すまん、いつも見習い達に教えてる時の癖がでた。」

ヴェインさん、先生なのか...。
絶対、鬼教師だと思う...。

「トオル、俺の力ギフトは参考にならないが、王様の力ギフトは未来視らしい。
俺たち、資格持ちの未来は見ることが出来ないし、使う魔力や制約もでかいらしいがな。」

「え！！未来視？未来予知ってこと？凄いじゃん！」

未来予知も、物語のチートキャラが持ってそうな奴だ。

え？じゃあ、俺にもチートな能力があるって事なんだろうか？

ちょっとだけワクワクしてしまう。
「それは、どうやったら分かるものなの？」


期待を込めてアレンを見てみる。

「いや、分からん。
コアに聞いて分かるなら手っ取り早いんだが多分、分からないんだろうな...。」

アレンが申し訳なさそうな顔で見てくる。

「そっか...。
まぁ、残念だけどそのうち分かるんだろうし、今は特に困ってないからいいかな。」


「そうだな。トオルの事だから料理関連だったりしてな。」
アレンは、笑いながらそう言っていた。


料理関連かぁ、発酵の時間を早めるとか、沢山泡立てが出来る様になる！みたいな便利な能力ならいいなぁ……。


「じゃあ、とりあえず、守護竜様に会いにいく前に魔力を測りに訓練場に行くか！」
とヴェインさんに言われちょっとだけワクワクしながら皆んなに案内されて訓練場に向かった。