5 / 196
番外編 前日談 (本編11話後推奨)
アレンの話2
しおりを挟む
「おい、アレン」
聞き覚えのある声がした。
やっと眠りについたのに起きてたまるか。
「おい、アレン!気づいてるのだろう。無視するな。」
「グーグーzzz」
「わざとらしい、いびきをかくな!
全く、お前くらいだぞ?
この私にそんな態度をとるのは。」
「うるせえぞ。コア。
俺は疲れてんだ。
それに明日も大量に書類仕事しなきゃいけねぇんだから安眠の邪魔すんな。」
「安心しろ、ここはお前の夢の中だ。
身体はちゃんと寝てるから疲れはとれる。」
「んなことはわかってるわ。
めんどくさがり屋のお前が直接俺のとこ来るわけないだろうが。
そういうことじゃない。
気持ちが安らがないっていってるんだ。」
「ほぅ、そんなことを言ってもいいのか?
せっかくアレンが公的に休みをとる機会を与えてやろうとしてるのに。
まぁ、お前がどうしても休みなく書類仕事をしたいと言うなら仕方ないな。
さらばだ!」
ん?公的に休みだと?
去っていこうとするコアの気配に向かって急いで声をかけた。
「おい、コア待て。
なんだ、公的な休みって?」
「お?話を聞く気になったか?」
「あぁ、なったなった。早く話せ。」
「お前、現金なやつだなぁ。
まぁ、いい。私の頼みを聞け。」
「内容による。」
「返答は、はい、いいえのどちらかのみだ。
ちなみにいいえの場合は、ショック過ぎてこの先この国への加護が無くなるかもしれないなぁ。」
コアはイタズラな笑みを浮かべてサラッと怖いことを言ってくる。
「はぁ?ずるいぞ?脅しじゃねぇか!」
「アレンがちゃんと最初から話を聞かなかったのが悪いんだろうが。
さぁ、どっちだ?」
「休みとの関係は?」
「なにを言ってる。
この私、守護竜ケツァルコアトルの頼みを直々に聞くんだぞ?
どんな仕事よりも最優先に決まってるじゃないか。
つまり、明日からの書類仕事は休みだ。」
「………お前、休みの概念が間違ってるぞ。」
「しらん!私はいつでも休みだからな。」
コアはニヤニヤと、してやったりと言う顔をしていた。
「クソッ……。
まぁ、野菜だけのサンドイッチを食ったり、書類仕事をやったりしなくていいならなんでもいい。
で、頼みって?」
「おぉ、引き受けてくれるか!
お前なら引き受けてくれると思っていたぞ。」
「ほぼ脅しだったけどな。」
俺の言葉を無視してコアは続ける。
「明日から2~3日知らずの森に行って捜し物をしてこい。」
知らずの森。
王都から馬を全力で飛ばして2~3時間くらいだろうか?
神隠しのおとぎ話がある場所だ。
こいつの加護が何故かその森では消えてしまい魔物が住処にしていると専らの噂で誰も近づかない。
「知らずの森で捜し物だと?」
「そうだ!」
「で?何を探すんだ?」
「しらん!」
「は?意味がわからん。」
「何かわからないが、落ちている、もしくはこれから落ちるものを大切にしなくてはいけない気がする。だから探して持ってこい。」
「そんなんで、あのバカでかい森をどうやって探せと?」
「しらん、自分で考えろ。
行けばわかるとしか言えん。」
「クソッ、わかったよ。
見つからなくても知らないからな?
見つからなかったら休みを満喫してやるからな?」
「いや、お前なら大丈夫だ。
絶対みつけられる。」
「全く意味がわからん…。
こんな意味不明な話、ヴェインにして納得して貰えるか……。」
「あぁ、安心しろ、王にも話しといてやる。」
「あぁ、それは有難い。
むしろ、王様に頼めばよかったんじゃないか?」
この国でコア、守護竜ケツァルコアトルに会う資格があるのは俺と王様の2人だ。
王様は、大層コアを崇めてるからなんでも言うこと聞くだろう。
「いや、アレン、お前じゃなくてはいけないのだ。そんな気がする。
お前1人で行くのだぞ?わかったな?」
「はあ?それどう」俺の言葉を遮ってコアがさらばだ!と消えてしまう。
………このクソ蛇、帰ってきたら樹に結び付けてやる。
はぁ、寝るか。
そうして夜が更けて行くのだった。
聞き覚えのある声がした。
やっと眠りについたのに起きてたまるか。
「おい、アレン!気づいてるのだろう。無視するな。」
「グーグーzzz」
「わざとらしい、いびきをかくな!
全く、お前くらいだぞ?
この私にそんな態度をとるのは。」
「うるせえぞ。コア。
俺は疲れてんだ。
それに明日も大量に書類仕事しなきゃいけねぇんだから安眠の邪魔すんな。」
「安心しろ、ここはお前の夢の中だ。
身体はちゃんと寝てるから疲れはとれる。」
「んなことはわかってるわ。
めんどくさがり屋のお前が直接俺のとこ来るわけないだろうが。
そういうことじゃない。
気持ちが安らがないっていってるんだ。」
「ほぅ、そんなことを言ってもいいのか?
せっかくアレンが公的に休みをとる機会を与えてやろうとしてるのに。
まぁ、お前がどうしても休みなく書類仕事をしたいと言うなら仕方ないな。
さらばだ!」
ん?公的に休みだと?
去っていこうとするコアの気配に向かって急いで声をかけた。
「おい、コア待て。
なんだ、公的な休みって?」
「お?話を聞く気になったか?」
「あぁ、なったなった。早く話せ。」
「お前、現金なやつだなぁ。
まぁ、いい。私の頼みを聞け。」
「内容による。」
「返答は、はい、いいえのどちらかのみだ。
ちなみにいいえの場合は、ショック過ぎてこの先この国への加護が無くなるかもしれないなぁ。」
コアはイタズラな笑みを浮かべてサラッと怖いことを言ってくる。
「はぁ?ずるいぞ?脅しじゃねぇか!」
「アレンがちゃんと最初から話を聞かなかったのが悪いんだろうが。
さぁ、どっちだ?」
「休みとの関係は?」
「なにを言ってる。
この私、守護竜ケツァルコアトルの頼みを直々に聞くんだぞ?
どんな仕事よりも最優先に決まってるじゃないか。
つまり、明日からの書類仕事は休みだ。」
「………お前、休みの概念が間違ってるぞ。」
「しらん!私はいつでも休みだからな。」
コアはニヤニヤと、してやったりと言う顔をしていた。
「クソッ……。
まぁ、野菜だけのサンドイッチを食ったり、書類仕事をやったりしなくていいならなんでもいい。
で、頼みって?」
「おぉ、引き受けてくれるか!
お前なら引き受けてくれると思っていたぞ。」
「ほぼ脅しだったけどな。」
俺の言葉を無視してコアは続ける。
「明日から2~3日知らずの森に行って捜し物をしてこい。」
知らずの森。
王都から馬を全力で飛ばして2~3時間くらいだろうか?
神隠しのおとぎ話がある場所だ。
こいつの加護が何故かその森では消えてしまい魔物が住処にしていると専らの噂で誰も近づかない。
「知らずの森で捜し物だと?」
「そうだ!」
「で?何を探すんだ?」
「しらん!」
「は?意味がわからん。」
「何かわからないが、落ちている、もしくはこれから落ちるものを大切にしなくてはいけない気がする。だから探して持ってこい。」
「そんなんで、あのバカでかい森をどうやって探せと?」
「しらん、自分で考えろ。
行けばわかるとしか言えん。」
「クソッ、わかったよ。
見つからなくても知らないからな?
見つからなかったら休みを満喫してやるからな?」
「いや、お前なら大丈夫だ。
絶対みつけられる。」
「全く意味がわからん…。
こんな意味不明な話、ヴェインにして納得して貰えるか……。」
「あぁ、安心しろ、王にも話しといてやる。」
「あぁ、それは有難い。
むしろ、王様に頼めばよかったんじゃないか?」
この国でコア、守護竜ケツァルコアトルに会う資格があるのは俺と王様の2人だ。
王様は、大層コアを崇めてるからなんでも言うこと聞くだろう。
「いや、アレン、お前じゃなくてはいけないのだ。そんな気がする。
お前1人で行くのだぞ?わかったな?」
「はあ?それどう」俺の言葉を遮ってコアがさらばだ!と消えてしまう。
………このクソ蛇、帰ってきたら樹に結び付けてやる。
はぁ、寝るか。
そうして夜が更けて行くのだった。
応援ありがとうございます!
5
お気に入りに追加
5,489
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる