8 / 41
第二章――華やかなり、学園の庭
第7話 最悪の目覚めと、予期せぬ再会
しおりを挟む
窓から差し込む朝日は、やはり故郷とは違う。
それは故郷を遠く離れたせいであり、気候の違いのせいであり、瞼の裏に焼きついた光景のせいでもあった。
(聖堂で死んでいた、女の子)
不意に思い出される血の匂いが、吐き気とともに喉元まで遡ってくる。
セシュナは頭を振って暗い記憶を振り払うと、毛布を跳ね除けた。ベッドから立ち上がり、ぼんやりとしたままクローゼットへ向かう。
裸の胸を無意識に掻きながら、見様見真似で制服を着る。
ティンクルバニア学園の初日は、波瀾万丈だった。
風紀委員のジャンに絡まれたことに始まり、呪術師と噂される少女“冷酷女王”に危うい所を救われ、結局授業開始には間に合わず、陽気なクラスメイトのルチアに出会い、風紀委員と対立する特待生“拳骨魔女”と出会い、放課後にはまたしても風紀委員に追い掛け回され――
(……そして、死体を囲む黒ずくめの連中を見つけた)
またしても、胃液がこみ上げてくる。
聖堂に横たわっていたあの少女は、確かに死んでいた。黒い髪を浸すほどの血溜まり。そして落ち窪んだ虚ろな眼差しが、それを証明していた。
だというのに。
セシュナは少女の死を誰かに知らせることは出来なかった。
何故なら死体が失われてしまったから。
黒ずくめ達は遺体を収めた棺と共に姿を消した。
立ち去ったのではない。文字通り、消えてしまったのだ。
あれだけ床に広がっていた血さえ綺麗に消し去って。
何らかの魔法を駆使したことは、疑いようもなかった。ジャンが使ったような姿を消す魔法なのか、それとも瞬間移動のような魔法か。
いずれにせよ、彼らの儀式を――いや、犯罪を知っているのは、彼ら自身を除けばセシュナの他に誰もいない。
(真実を見たのは、僕だけ)
姿見の前でネクタイに挑戦する。
鏡に映っているのは、長すぎる黒い髪の下で真紅の瞳を瞬かせる少年――いつもの自分の顔だった。
そういえば、昨日見た血の色はもっと黒ずんでいた気がする――自分の眼と死体が流した血を比べるのは、どうにも気が滅入るが。
確かに紅い眼は不吉を催す凶相だと言われる。史上でも悪名高き人物は赤眼が多い。近世で言えば“暴虐王”ゲオルグに盗掘者ウィトラ、もっと遡れば血塗れ侯爵――
いや、何よりも有名なのは“裏切者”だろう。ついぞ刃を持たなかった従者テスラに剣を手渡し、自死させた張本人。その罪業故に、聖典には名前も記されていない――
(なのに瞳の色だけ伝わってるなんて、ホント迷惑な話だよ)
旧大陸では、気味悪がられるのはまだ良い方で、目を合わせた途端に泣かれたこともあれば、石を投げられたこともあった。
祖母や叔母さえ、セシュナの瞳の色について語ることを避けていた。
(多分、父さんの話をしたくなかったんだろうな)
冒険者として世界中を駆け巡っている父。数年に一度、思い出したように戻ってきては、少しの土産を置いて去っていく風来坊。
セシュナが知る限り、唯一同じ紅い瞳を持つ人物。
(……父さんも、この眼のせいで気味悪がられたりしてるんだろうか)
分からない。
そんな話をする時間を持ったこともない。
――舫い結びになってしまったネクタイを上着のポケットに突っ込み、セシュナは部屋を出た。
中二階になっている廊下から、一階の食堂へと降りていく。
「おはよう、セシュナさん。よく眠れました?」
少し掠れた優しげな響き。亜麻色の髪をまとめ上げ、木綿の質素なドレスに白いエプロン。
下宿屋の主であるジェイン・コールは、セシュナが知る限り最も穏やかな女性だった。
「はい、あの……一応」
「どうぞ、座っていてくださいね。すぐに朝ご飯を用意しますから」
テーブルに水差しを置くと、調理場へと戻っていく。
セシュナは食欲を呼び起こそうと胃のあたりをさすりながら席に着いた。
一息をついて、そして――
椅子から転げ落ちる。
「……ミロウ、さん?」
思わず呟いたその姿は、自分でも間が抜けていたと思う。
古いがよく磨かれた四人がけのテーブル。繊細な柄のクロスと、花瓶に活けられた白い花が一輪。
その向こう。
彼女は――ミロウ=ミリア・ミリットは、まるで花の影に眠る妖精だった。
伏し目に見えるほど、食事に熱中している。丸パンを小さく切っては、黙々と口に運ぶ姿の優雅なこと。
彼女が口付けると、炒り卵でさえ黄金色に光る花の蜜に見えた。
「な、なんで、えっ、ど、どうしてここに!?」
「どうしたんです? なんだかすごい音が……あら」
調理場から、ジェインが心配そうな顔を覗かせる。
セシュナは彼女を振り向き、何かを言おうとして、口をぱくぱくとさせた。
「あらあら、大丈夫? まだおねむなのかしら?」
「なん、あ、え、どうし、て、ミロウさんが……っ?」
「あら? 紹介が、まだだったかしら。昨日は、ばたばたしていたものね」
ようやく何かを察したのか、炒り卵と煮豆、そして丸パンを載せた皿を片手に、ジェインは食卓へとやって来た。セシュナの眼前に皿を置くと、ミロウを掌で示して。
「こちら、ミロウ=ミリア・ミリットさん。セシュナさんと同じ、ティンクルバニア学園の生徒さんですよ。十四歳だから……同級生、になるかしら?」
それは知っている。
問題は何故彼女が同じ食卓を囲んでいるのか――いや、単純な話だ。
「ミロウさんも、ここに下宿してる、ってこと!?」
「そんなに驚かなくても。セシュナさんって、面白い子ですねぇ」
ミロウがパンをちぎる手を止めて、こちらへ視線を運んだ。
複雑かつ流麗に編み上げられた銀髪が、窓から差し込む朝日に煌めく。こめかみの辺りから一房落ちる編み髪の瞬きは、磨き上げた髪飾りより綺羅びやかだった。
髪から覗く耳が尖っているのは、妖精族の特徴――その身に古妖精の血が流れている証なのだろう。
セシュナは動けない。見惚れることしかできない。
「……どうも」
初めて聞いた彼女の声は、小鳥のように細やかで。
「ミロウさん、こちらでズッコケてるのが、セシュナ・ヘヴンリーフさん。今日から、いえ、本当は昨日からだったんだけど、私達の同居人よ」
呼ばれて、ようやく正気を取り戻す。
慌てて立ち上がて身だしなみを確認すると、セシュナは右手を差し出した。
「よっ、よろしくお願いします、ミロウさんっ」
ミロウはしばらくの間、じっとこちらを見つめていた。
その肌は白く透き通り、頬から顎にかけての線には気高さすら感じる。小さな唇は、芽吹き始めた薔薇のように控えめなピンク色。すっと通った鼻筋も、細く可憐な眉も、何もかもが完璧な造作だった。
そして、何よりも。
真夜中の森のような、底知れない静けさを湛えた漆黒の瞳。
「え……っと、ミ、ミロウ、さん?」
「……あっ」
半開きの口に、見開かれた目。
つまりミロウは虚を突かれていたのだろう。
「あの。その」
ミロウは少しだけ、自身の右手を見つめて――白百合のように繊細な指だった――手近なナプキンでパンくずを落とすと、セシュナの手を握った。
「……よろしく」
「う、うん。よろしく!」
余りにも華奢な感触に、思わずミロウの手をじっくり眺めてしまう。
彼女の存在自体がまるで夢か幻のようで――
「……セシュナさん。卵、冷めちゃいますよ」
「あっ、はっ、はい、ごめんなさい! いただきます!」
熱いものに触れた時と同じく、さっと手を放す。
「…………」
ミロウは無言のまま、ちぎったパンを小栗鼠のように囓る作業に戻ってしまった。ジェインがおかしそうに笑って、調理場へと戻る。
そしてセシュナは呆然と、椅子に腰を落とした。
(……なんてことだ)
口に出してしまうのを、ぎりぎりの所で堪える。
触れれば崩れてしまいそうなミロウの指。大き過ぎる指輪に刻まれた、星屑の校章。
輝く七星の刻印、その隙間に。
――赤黒い何かが張り付いていた。
その色、その匂い。
間違えるはずもない。
それは人の血だった。
それは故郷を遠く離れたせいであり、気候の違いのせいであり、瞼の裏に焼きついた光景のせいでもあった。
(聖堂で死んでいた、女の子)
不意に思い出される血の匂いが、吐き気とともに喉元まで遡ってくる。
セシュナは頭を振って暗い記憶を振り払うと、毛布を跳ね除けた。ベッドから立ち上がり、ぼんやりとしたままクローゼットへ向かう。
裸の胸を無意識に掻きながら、見様見真似で制服を着る。
ティンクルバニア学園の初日は、波瀾万丈だった。
風紀委員のジャンに絡まれたことに始まり、呪術師と噂される少女“冷酷女王”に危うい所を救われ、結局授業開始には間に合わず、陽気なクラスメイトのルチアに出会い、風紀委員と対立する特待生“拳骨魔女”と出会い、放課後にはまたしても風紀委員に追い掛け回され――
(……そして、死体を囲む黒ずくめの連中を見つけた)
またしても、胃液がこみ上げてくる。
聖堂に横たわっていたあの少女は、確かに死んでいた。黒い髪を浸すほどの血溜まり。そして落ち窪んだ虚ろな眼差しが、それを証明していた。
だというのに。
セシュナは少女の死を誰かに知らせることは出来なかった。
何故なら死体が失われてしまったから。
黒ずくめ達は遺体を収めた棺と共に姿を消した。
立ち去ったのではない。文字通り、消えてしまったのだ。
あれだけ床に広がっていた血さえ綺麗に消し去って。
何らかの魔法を駆使したことは、疑いようもなかった。ジャンが使ったような姿を消す魔法なのか、それとも瞬間移動のような魔法か。
いずれにせよ、彼らの儀式を――いや、犯罪を知っているのは、彼ら自身を除けばセシュナの他に誰もいない。
(真実を見たのは、僕だけ)
姿見の前でネクタイに挑戦する。
鏡に映っているのは、長すぎる黒い髪の下で真紅の瞳を瞬かせる少年――いつもの自分の顔だった。
そういえば、昨日見た血の色はもっと黒ずんでいた気がする――自分の眼と死体が流した血を比べるのは、どうにも気が滅入るが。
確かに紅い眼は不吉を催す凶相だと言われる。史上でも悪名高き人物は赤眼が多い。近世で言えば“暴虐王”ゲオルグに盗掘者ウィトラ、もっと遡れば血塗れ侯爵――
いや、何よりも有名なのは“裏切者”だろう。ついぞ刃を持たなかった従者テスラに剣を手渡し、自死させた張本人。その罪業故に、聖典には名前も記されていない――
(なのに瞳の色だけ伝わってるなんて、ホント迷惑な話だよ)
旧大陸では、気味悪がられるのはまだ良い方で、目を合わせた途端に泣かれたこともあれば、石を投げられたこともあった。
祖母や叔母さえ、セシュナの瞳の色について語ることを避けていた。
(多分、父さんの話をしたくなかったんだろうな)
冒険者として世界中を駆け巡っている父。数年に一度、思い出したように戻ってきては、少しの土産を置いて去っていく風来坊。
セシュナが知る限り、唯一同じ紅い瞳を持つ人物。
(……父さんも、この眼のせいで気味悪がられたりしてるんだろうか)
分からない。
そんな話をする時間を持ったこともない。
――舫い結びになってしまったネクタイを上着のポケットに突っ込み、セシュナは部屋を出た。
中二階になっている廊下から、一階の食堂へと降りていく。
「おはよう、セシュナさん。よく眠れました?」
少し掠れた優しげな響き。亜麻色の髪をまとめ上げ、木綿の質素なドレスに白いエプロン。
下宿屋の主であるジェイン・コールは、セシュナが知る限り最も穏やかな女性だった。
「はい、あの……一応」
「どうぞ、座っていてくださいね。すぐに朝ご飯を用意しますから」
テーブルに水差しを置くと、調理場へと戻っていく。
セシュナは食欲を呼び起こそうと胃のあたりをさすりながら席に着いた。
一息をついて、そして――
椅子から転げ落ちる。
「……ミロウ、さん?」
思わず呟いたその姿は、自分でも間が抜けていたと思う。
古いがよく磨かれた四人がけのテーブル。繊細な柄のクロスと、花瓶に活けられた白い花が一輪。
その向こう。
彼女は――ミロウ=ミリア・ミリットは、まるで花の影に眠る妖精だった。
伏し目に見えるほど、食事に熱中している。丸パンを小さく切っては、黙々と口に運ぶ姿の優雅なこと。
彼女が口付けると、炒り卵でさえ黄金色に光る花の蜜に見えた。
「な、なんで、えっ、ど、どうしてここに!?」
「どうしたんです? なんだかすごい音が……あら」
調理場から、ジェインが心配そうな顔を覗かせる。
セシュナは彼女を振り向き、何かを言おうとして、口をぱくぱくとさせた。
「あらあら、大丈夫? まだおねむなのかしら?」
「なん、あ、え、どうし、て、ミロウさんが……っ?」
「あら? 紹介が、まだだったかしら。昨日は、ばたばたしていたものね」
ようやく何かを察したのか、炒り卵と煮豆、そして丸パンを載せた皿を片手に、ジェインは食卓へとやって来た。セシュナの眼前に皿を置くと、ミロウを掌で示して。
「こちら、ミロウ=ミリア・ミリットさん。セシュナさんと同じ、ティンクルバニア学園の生徒さんですよ。十四歳だから……同級生、になるかしら?」
それは知っている。
問題は何故彼女が同じ食卓を囲んでいるのか――いや、単純な話だ。
「ミロウさんも、ここに下宿してる、ってこと!?」
「そんなに驚かなくても。セシュナさんって、面白い子ですねぇ」
ミロウがパンをちぎる手を止めて、こちらへ視線を運んだ。
複雑かつ流麗に編み上げられた銀髪が、窓から差し込む朝日に煌めく。こめかみの辺りから一房落ちる編み髪の瞬きは、磨き上げた髪飾りより綺羅びやかだった。
髪から覗く耳が尖っているのは、妖精族の特徴――その身に古妖精の血が流れている証なのだろう。
セシュナは動けない。見惚れることしかできない。
「……どうも」
初めて聞いた彼女の声は、小鳥のように細やかで。
「ミロウさん、こちらでズッコケてるのが、セシュナ・ヘヴンリーフさん。今日から、いえ、本当は昨日からだったんだけど、私達の同居人よ」
呼ばれて、ようやく正気を取り戻す。
慌てて立ち上がて身だしなみを確認すると、セシュナは右手を差し出した。
「よっ、よろしくお願いします、ミロウさんっ」
ミロウはしばらくの間、じっとこちらを見つめていた。
その肌は白く透き通り、頬から顎にかけての線には気高さすら感じる。小さな唇は、芽吹き始めた薔薇のように控えめなピンク色。すっと通った鼻筋も、細く可憐な眉も、何もかもが完璧な造作だった。
そして、何よりも。
真夜中の森のような、底知れない静けさを湛えた漆黒の瞳。
「え……っと、ミ、ミロウ、さん?」
「……あっ」
半開きの口に、見開かれた目。
つまりミロウは虚を突かれていたのだろう。
「あの。その」
ミロウは少しだけ、自身の右手を見つめて――白百合のように繊細な指だった――手近なナプキンでパンくずを落とすと、セシュナの手を握った。
「……よろしく」
「う、うん。よろしく!」
余りにも華奢な感触に、思わずミロウの手をじっくり眺めてしまう。
彼女の存在自体がまるで夢か幻のようで――
「……セシュナさん。卵、冷めちゃいますよ」
「あっ、はっ、はい、ごめんなさい! いただきます!」
熱いものに触れた時と同じく、さっと手を放す。
「…………」
ミロウは無言のまま、ちぎったパンを小栗鼠のように囓る作業に戻ってしまった。ジェインがおかしそうに笑って、調理場へと戻る。
そしてセシュナは呆然と、椅子に腰を落とした。
(……なんてことだ)
口に出してしまうのを、ぎりぎりの所で堪える。
触れれば崩れてしまいそうなミロウの指。大き過ぎる指輪に刻まれた、星屑の校章。
輝く七星の刻印、その隙間に。
――赤黒い何かが張り付いていた。
その色、その匂い。
間違えるはずもない。
それは人の血だった。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
元オタク腐女子は異世界で愛される
夜凪さよ
恋愛
ティアラール・エトランジェ。BLゲームの悪役令嬢でなおかつ主人公の恋敵。そんな悪役令嬢に転生したのは…。
なんと、オタク腐女子だった!
転生先が好きなゲームの世界だと気付いた彼女。ゲーム内のティアラールと違って、決して邪魔をせず、あくまで恋を応援することに決め、早速舞台であるソレーユ学園にて奔走する。
「絶対にBLを眺めるモブ令嬢になるんだから…!」
第一の敵レオナルート王子や主人公の恋人候補によってくる令嬢。同性の結婚は認めない法律に攻略結婚の壁。いろんな壁を超えつつ、ティアラールの野望は叶うことができるのだろうか――――
※表紙絵は星宝転生ジュエルセイバー様からお借りしています。サイト→https://jewel-s.jp/
精霊のお仕事
ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
【完結】
オレは前世の記憶を思い出した。
あの世で、ダメじゃん。
でもそこにいたのは地球で慣れ親しんだ神様。神様のおかげで復活がなったが…今世の記憶が飛んでいた。
まあ、オレを拾ってくれたのはいい人達だしオレは彼等と家族になって新しい人生を生きる。
ときどき神様の依頼があったり。
わけのわからん敵が出てきたりする。
たまには人間を蹂躙したりもする。?
まあいいか。
逆襲のグレイス〜意地悪な公爵令息と結婚なんて絶対にお断りなので、やり返して婚約破棄を目指します〜
シアノ
恋愛
伯爵令嬢のグレイスに婚約が決まった。しかしその相手は幼い頃にグレイスに意地悪をしたいじめっ子、公爵令息のレオンだったのだ。レオンと結婚したら一生いじめられると誤解したグレイスは、レオンに直談判して「今までの分をやり返して、俺がグレイスを嫌いになったら婚約破棄をする」という約束を取り付ける。やり返すことにしたグレイスだが、レオンは妙に優しくて……なんだか溺愛されているような……?
嫌われるためにレオンとデートをしたり、初恋の人に再会してしまったり、さらには事件が没発して──
さてさてグレイスの婚約は果たしてどうなるか。
勘違いと鈍感が重なったすれ違い溺愛ラブ。
グリムの精霊魔巧師
幾威空
ファンタジー
古の技法たる魔法が失われた異世界「ステイルフィア」。
多くの研究者たちが魔法の復活を目指しては挫折する中、神秘の力を宿す「精霊石」や「精霊結晶」を用いた「精霊導具」と呼ばれる機械が広く流布するに至る。
人々はその革新的な技術によりもたらされた繁栄を『精霊革命』と呼んでその恩恵を享受し、精霊導具を作り出す技術者を「機巧師」と呼んだ。
そして時巡り、「精霊導具」が出現し、広く普及してから早十五年が経過した。
そんな異世界に、地球でプログラマーとして働いていた本宮数馬(もとみやかずま)は転生を果たした。事故に巻き込まれ、死亡したはずの数馬は自らの名を「セロ」と改め、第二の人生を歩み始める。
偶然にも転生を果たした彼は、その前世の知識から「魔法」と「精霊導具」に多くの共通点を見出す。そして研鑽を続けた結果ーー古の技法とされる魔法が彼の手により復活を遂げる。
これにより、セロは「魔法」を使える「機巧師」という、唯一無二の存在となる。
しかしながら、彼の目の前には転生した当初から厳しい困難が次々と立ちはだかるのだった。
これは、転生を果たし、魔法の力を手に入れた少年の物語。
※週一ペースで更新予定です。
※誤字・脱字など、指摘がありましたら、感想欄等に書き込んでいただけると幸いです。
※2019.05.12 ツギクルのサイトにも登録しました。
【第三部】『こちら転生者派遣センターです。ご希望の異世界をどうぞ♪』【追放者編】
阿弥陀乃トンマージ
ファンタジー
どこかにあるという、摩訶不思議な場所『転生者派遣センター』。その場所では簡単な面談を行い、自身の希望を伝えることによって、好みの異世界へ転生することが出来る。
今日も様々な思い(主に欲望)を抱いたものたちがその場所を訪れ、それぞれの希望にできるだけ沿った異世界へと旅立つ。あくまでもできるだけではあるが……。
これは転生者派遣センターを気軽な気持ちで利用し、様々な予期せぬ事態に見舞われ、翻弄されるものたちを描いたオムニバスストーリーである。
※オムニバス形式です。ケース1~3、いずれから読んで頂いても構いません。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
ストーリー・フェイト──最強の《SS》冒険者(ランカー)な僕の先輩がクソ雑魚美少女になった話──
白糖黒鍵
ファンタジー
「「お前が泣くまで──いや泣いても殴んの止めねえからなああああああッッッッ!!!!」
先輩は最強だった。それはもう理不尽な程に。どうしようもない程に、最強だった。
指先を弾くだけで岩壁を砕き。拳を振るえば、山一つが消し飛ぶ。地面を蹴りつければ、その周囲一帯の地形が変わる。
そのあまりにも人外、否それ以上の。桁違いの埒外で、出鱈目極まりないその強さで。
国を屠る巨人も、国を喰らう魔獣も。古に封じられし禁断の悪魔だろうが、伝説に語られる滅亡の邪竜だろうが。
果てには、予言に記されし厄災の神すらも。その身一つ、拳一つで。先輩は悉く討ってしまった────それ程までに、先輩は最強だった。
……そんな、僕の先輩は。ある日突然────
「俺、なんか女になっちまった」
────スライムにも大敗を喫する、か弱い女の子になってしまった。
此処はオヴィーリスと呼ばれる世界。創造主神(オリジン)によって創み出された、剣と魔法の世界。
オヴィーリスには冒険者(ランカー)と呼ばれる者たちがいて。その中でも、世界最強と謳われる三人の《SS》冒険者がいる。
『極剣聖』、サクラ=アザミヤ。
『天魔王』、フィーリア=レリウ=クロミア。
『炎鬼神』、ラグナ=アルティ=ブレイズ。
三人全員が後世に永劫語れられ、そして伝説となり、やがては神話へと昇華されるだろう数々の逸話の持ち主であり。
そしてラグナ=アルティ=ブレイズは僕、クラハ=ウインドアの先輩。
これは女の子になったラグナ先輩と、僕の物語。このどうしようもない程に救えない、神すらも度し難い世界を舞台にした物語。
報われないその結末を最期に約束された、運命の物語(ストーリー・フェイト)。
なろう版↓
https://ncode.syosetu.com/n0057hf/
ハーメルン版↓
https://syosetu.org/?mode=ss_detail&nid=230941
カクヨム版↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889714213
糞ゲーと言われた乙女ゲームの悪役令嬢(末席)に生まれ変わったようですが、私は断罪されずに済みました。
メカ喜楽直人
ファンタジー
物心ついた時にはヴァリは前世の記憶を持っていることに気が付いていた。国の名前や自身の家名がちょっとダジャレっぽいなとは思っていたものの特に記憶にあるでなし、中央貴族とは縁もなく、のんきに田舎暮らしを満喫していた。
だが、領地を襲った大嵐により背負った借金のカタとして、准男爵家の嫡男と婚約することになる。
──その時、ようやく気が付いたのだ。自分が神絵師の無駄遣いとして有名なキング・オブ・糞ゲー(乙女ゲーム部門)の世界に生まれ変わっていたことを。
しかも私、ヒロインがもの凄い物好きだったら悪役令嬢になっちゃうんですけど?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる