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103 実在証明
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神が実在する!
俺は心底驚き、口をあんぐりと開けた。
「本当に!?本当に神がいると?」
ジトー侯爵は少しだけ口元を緩ませた。
「確実ではないと言ったろう?だがわたし自身はいると思っている」
「それはなんで?ジトー侯爵はなんでいると思っているの?もしかしてそれも王家に伝わる秘中の秘が関係しているの?」
するとジトー侯爵がゆっくりと大きくうなずいた。
「そうだ。君はすでに悪魔と出会った。しかも戦い、退けた。だから言う。秘中の秘には神と悪魔に関することが記載されているのだ」
「記載、ということは何らかの書物なの?」
「そうだ」
「その書物には、神と悪魔の実在を証明することが書かれている……いや、違うか。悪魔の実在は証明されているけど、神の実在は証明まではされていない。そうだね?」
するとジトー侯爵がニコリと微笑みながらうなずいた。
「そうだ。よくわかったな」
「さっきジトー侯爵は神について、確実じゃないけどいると思っていると言った。悪魔に関しては実在しているとはっきり言ったのに。つまり秘中の秘には、神の存在が書かれてはいるけど、その実在を確実に証明するまでには至っていないってことだと思ったんだ」
「そのとおりだ。さすがだな」
「いや、そんなさすがってほどのこともないけどね」
俺はまたぞろ得意げになった。
ジトー侯爵はそんな俺を見て楽しげに笑みを浮かべた。
「でもさあ、やっぱりその王家相伝の秘中の秘という書物、読んでみたいな」
するとジトー侯爵が何やら少しだけ考え込んだ。
俺はすぐさま断わられるだろうと思っていたので、それが意外だった。
しかも、ジトー侯爵の次の言葉はさらに意外すぎるものであった。
「そうだな。それは少し考えてみる価値はあるな」
「え?もしかして見せてくれるの?」
「いや、わたしにそんな権限はないさ。だが、君は実際に悪魔と戦い、退けた。その君があれを読んだら、どう思うのかはわたし自身も興味がある。それに、それはおそらく陛下もだろう」
「陛下って、ヴァルカ王陛下?」
「そうだ。陛下はことのほか、あの書物に興味がおありだった。それ故、この話を陛下にお伝えしたらば、まず間違いなく興味を持たれるだろうと思う」
「でもさ、その書物って王家の中でもごく限られた人しか見られないんでしょ?」
「うむ。現在はな。だがそれも陛下が読んで良しと言えば問題ないだろう。何せ陛下は一番偉い方なのだからな」
「そうなったら凄いな。でも期待半分にしておくよ。そうでないと、やっぱり駄目だったってなったらガッカリするしね」
するとジトー侯爵がニコリと微笑んだ。
「そう思っていてくれるとありがたい。だがおそらく陛下よりお召しはあると思うからそのつもりでいてくれ」
「お召し?陛下に会うってこと?」
「そうだ。陛下はあの書物に関心がおありだ。それはつまり悪魔に対しても、ということだ。だから実際に悪魔と戦い、それを退けた君に会いたがるであろうことは必定というわけさ」
「わかった。でもそれにしても凄いな。一介の市民の俺が、陛下からお召しがあるなんて」
するとジトー侯爵が苦笑した。
「そうは言うが、わたしはこれでも陛下の弟だし、リリーサも陛下の娘なのだがね」
「いやまあそうなんだけどさ……やっぱ王って特別でしょ?」
「まあな。我が国の最高位者は常に一人だ。それは王を置いて他にはない。いくら貴族がたくさんいようと、王家の者が何人もいようと、王は常にお一人だからな」
ジトー侯爵の言葉に俺は大いにうなずいた。
それにしても、ここ数ヶ月の出来事ってとんでもないな。
ついに王に謁見するところまで来ちゃったよ。
俺は数ヶ月前の境遇と今とを比べ、隔世の感を持つのであった。
だがそこである重大な事を思い出した。
「そうだ!」
突然大声を出した俺に、さすがのジトー侯爵も驚き、尋ねた。
「どうした?急に大声を出して」
「いや、そのう、実はジトー侯爵に言っていなかったことがあるんだけど」
「ふむ、何かな?」
「実は、この王宮に来たのは、俺とリリーサの二人でじゃないんだよ」
「ふむ、従者を連れてきていたと?」
「まあ従者っていうか、なんていうか」
「ずいぶん歯切れが悪いな」
「そうだね。実は意図的にその存在を隠していたんだよ。だからちょっと言いづらくてね」
「わかった。言ってみてくれ」
俺は一つ息を大きく吐き出すと、意を決して言った。
「実はネルヴァ=ロキとレイナ=ベルンの二人と一緒に王宮まで来ていたんだ」
するとジトー侯爵が大いにうなずいた。
「なるほど。あの二人か。彼らはリリーサの家庭教師をしていたことがあるからな」
「そう。だから一緒に来たんだけど、その、今二人とも行方不明なんだよ」
するとさすがのジトー侯爵が目を剥いて驚いた。
「あの二人がか?二人とも?」
「そう。でさ、あの例のトリストの奴がさ。どうも二人を」
「殺したと言うのか!?」
俺はゆっくりと首を横に振った。
「わからない。かもしれないし、何処かに閉じ込められているのかもしれない。だけどトリストの奴がネルヴァたちと戦ったのは間違いないんだ。だからお願い。捜索に協力をして欲しいんだ」
するとジトー侯爵が俺の目を見て力強くうなずいたのだった。
「わかった。わたしの持てる限りの情報網を使って、必ず探し当ててみせようじゃないか」
俺は心底驚き、口をあんぐりと開けた。
「本当に!?本当に神がいると?」
ジトー侯爵は少しだけ口元を緩ませた。
「確実ではないと言ったろう?だがわたし自身はいると思っている」
「それはなんで?ジトー侯爵はなんでいると思っているの?もしかしてそれも王家に伝わる秘中の秘が関係しているの?」
するとジトー侯爵がゆっくりと大きくうなずいた。
「そうだ。君はすでに悪魔と出会った。しかも戦い、退けた。だから言う。秘中の秘には神と悪魔に関することが記載されているのだ」
「記載、ということは何らかの書物なの?」
「そうだ」
「その書物には、神と悪魔の実在を証明することが書かれている……いや、違うか。悪魔の実在は証明されているけど、神の実在は証明まではされていない。そうだね?」
するとジトー侯爵がニコリと微笑みながらうなずいた。
「そうだ。よくわかったな」
「さっきジトー侯爵は神について、確実じゃないけどいると思っていると言った。悪魔に関しては実在しているとはっきり言ったのに。つまり秘中の秘には、神の存在が書かれてはいるけど、その実在を確実に証明するまでには至っていないってことだと思ったんだ」
「そのとおりだ。さすがだな」
「いや、そんなさすがってほどのこともないけどね」
俺はまたぞろ得意げになった。
ジトー侯爵はそんな俺を見て楽しげに笑みを浮かべた。
「でもさあ、やっぱりその王家相伝の秘中の秘という書物、読んでみたいな」
するとジトー侯爵が何やら少しだけ考え込んだ。
俺はすぐさま断わられるだろうと思っていたので、それが意外だった。
しかも、ジトー侯爵の次の言葉はさらに意外すぎるものであった。
「そうだな。それは少し考えてみる価値はあるな」
「え?もしかして見せてくれるの?」
「いや、わたしにそんな権限はないさ。だが、君は実際に悪魔と戦い、退けた。その君があれを読んだら、どう思うのかはわたし自身も興味がある。それに、それはおそらく陛下もだろう」
「陛下って、ヴァルカ王陛下?」
「そうだ。陛下はことのほか、あの書物に興味がおありだった。それ故、この話を陛下にお伝えしたらば、まず間違いなく興味を持たれるだろうと思う」
「でもさ、その書物って王家の中でもごく限られた人しか見られないんでしょ?」
「うむ。現在はな。だがそれも陛下が読んで良しと言えば問題ないだろう。何せ陛下は一番偉い方なのだからな」
「そうなったら凄いな。でも期待半分にしておくよ。そうでないと、やっぱり駄目だったってなったらガッカリするしね」
するとジトー侯爵がニコリと微笑んだ。
「そう思っていてくれるとありがたい。だがおそらく陛下よりお召しはあると思うからそのつもりでいてくれ」
「お召し?陛下に会うってこと?」
「そうだ。陛下はあの書物に関心がおありだ。それはつまり悪魔に対しても、ということだ。だから実際に悪魔と戦い、それを退けた君に会いたがるであろうことは必定というわけさ」
「わかった。でもそれにしても凄いな。一介の市民の俺が、陛下からお召しがあるなんて」
するとジトー侯爵が苦笑した。
「そうは言うが、わたしはこれでも陛下の弟だし、リリーサも陛下の娘なのだがね」
「いやまあそうなんだけどさ……やっぱ王って特別でしょ?」
「まあな。我が国の最高位者は常に一人だ。それは王を置いて他にはない。いくら貴族がたくさんいようと、王家の者が何人もいようと、王は常にお一人だからな」
ジトー侯爵の言葉に俺は大いにうなずいた。
それにしても、ここ数ヶ月の出来事ってとんでもないな。
ついに王に謁見するところまで来ちゃったよ。
俺は数ヶ月前の境遇と今とを比べ、隔世の感を持つのであった。
だがそこである重大な事を思い出した。
「そうだ!」
突然大声を出した俺に、さすがのジトー侯爵も驚き、尋ねた。
「どうした?急に大声を出して」
「いや、そのう、実はジトー侯爵に言っていなかったことがあるんだけど」
「ふむ、何かな?」
「実は、この王宮に来たのは、俺とリリーサの二人でじゃないんだよ」
「ふむ、従者を連れてきていたと?」
「まあ従者っていうか、なんていうか」
「ずいぶん歯切れが悪いな」
「そうだね。実は意図的にその存在を隠していたんだよ。だからちょっと言いづらくてね」
「わかった。言ってみてくれ」
俺は一つ息を大きく吐き出すと、意を決して言った。
「実はネルヴァ=ロキとレイナ=ベルンの二人と一緒に王宮まで来ていたんだ」
するとジトー侯爵が大いにうなずいた。
「なるほど。あの二人か。彼らはリリーサの家庭教師をしていたことがあるからな」
「そう。だから一緒に来たんだけど、その、今二人とも行方不明なんだよ」
するとさすがのジトー侯爵が目を剥いて驚いた。
「あの二人がか?二人とも?」
「そう。でさ、あの例のトリストの奴がさ。どうも二人を」
「殺したと言うのか!?」
俺はゆっくりと首を横に振った。
「わからない。かもしれないし、何処かに閉じ込められているのかもしれない。だけどトリストの奴がネルヴァたちと戦ったのは間違いないんだ。だからお願い。捜索に協力をして欲しいんだ」
するとジトー侯爵が俺の目を見て力強くうなずいたのだった。
「わかった。わたしの持てる限りの情報網を使って、必ず探し当ててみせようじゃないか」
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