１×∞（ワンバイエイト） 経験値１でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました！

第二章

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　俺とゼロスがオルダナに戻ってから、早三か月が経過した。

　今のところ帝国には、大きな動きはないと聞いている。

　対するこちらは、順調に練兵に勤しんでいた。

　とはいっても兵士たちを練兵するのは、ギャレットだ。

　俺の仕事は、レノアやゼロスと共にレアモンスターたちを練兵することだった。
　
　そう、もはやレアモンスターたちは調教というレベルを超え、練兵といっていいほどに仕上がっている。

　多くのレアモンスターたちは、俺たちの指示にかなり細かく適応できている。

　もちろん中にはおおざっぱな指示しか理解できないものもいる。

　だが全体的には、かなり戦術レベルが上がったことは間違いない。

　レアモンスターたちの仕上がり具合には、レノアでさえ舌を巻くほどだ。

　これなら、いつでもいける。俺はそう確信していた。

　だがアルデバラン奪還作戦で絶対に必要なピースがまだ欠けている。

　それは、ベルガン帝国の北に位置するさらなる大国エルブリーズに動いてもらうことだ。

　エルブリーズは、ベルガンと長く国境を接している。

　その国境沿いにエルブリーズが大軍を配備すれば、ベルガンは対抗するためにやはり大軍を割かねばならなくなる。

　当然アルデバラン駐留軍からも兵たちが多く割かれて、撤兵せざるを得なくなる。

　そこが狙い目だ。

　バーン翁がアルデバラン領内の反乱分子を糾合し、オルダナから攻め込んだ俺たちと呼応すれば、ベルガンの連中はきっと混乱の極みとなるだろう。

　そうなればアルデバラン王国の奪還は成る。俺たちはそう思い、日々練兵をしてその日に備えていた。

　だが今のところ、この件に関するバーン翁からの連絡はない。

　アルデバラン領国内の反乱軍醸成に関しては、かなり上手くいっているらしい。

　全国各地に潜んでいる反乱分子たちを、秘密裏に構築した連絡網を駆使して糾合し、蜂起の合図を今か今かと待っているとのことだ。

　だがエルブリーズとの交渉作業に関しては、どうも遅々として進んでいないようだ。

　レノアも、オルダナにいるエルブリーズの駐留大使と頻繁に会合しているのだが、やはり上手くいっていないらしい。

　この間、俺に散々愚痴を言ってきた。どうやら百戦錬磨のエルブリーズ大使に、のらりくらりとかわされまくっているらしい。それもそのはず、エルブリーズとしてもベルガン相手にはそうそう軽率には動けない。それにアルデバランは亡国だ。しっかりとした軍隊があるわけではない。寄せ集めで何が出来るかと、足元を見られているということもある。