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第二章
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「わかった。なら今回はこれまでにしよう」
『そうか。ではな……』
奴がそう言った途端、目の前に一点の光が現れた。光は次の瞬間、爆発的に広がり、俺は輝きに包まれた。
俺にはその光はあまりに眩しく、目を瞑った。
だがまぶたの向こうの輝きは、時間とともに落ち着いていった。
俺は、ゆっくりとまぶたを開いた。
ずいぶんと急だな。俺はそう思いつつ、馬上のローガンを見すえた。
ローガンの顔は険しい。憎しみに満ちているようだ。
と、ローガンが口を開いた。
「今、なにがあった!?」
これまで冷静そのものであったローガンが、慌てた様子で俺に問いかけた。
俺は驚いた。どうやらローガンは、気づいたらしい。
「奴か!?奴が来たのか?」
矢継ぎ早の問いに、俺はゆっくりとうなずいた。
「くっ!我が眼前でなめた真似を!」
「よく気づいたな?奴は時を止めたと言っていたぞ?」
「何だと!?奴は、時を止められるというのか!?」
「俺も驚いたんだがな。実際、俺は今、奴と長い時間話しをしていた。もしも時を止めたのでなければ、辻褄が合わない」
「むうっ!何を話した?言えっ!」
ローガンが俺を睨みつけながら問いかけた。
俺は、ローガンの驚き慌てた様を見て、逆に余裕が出てきた。
そのため、俺はわざとらしく大仰に両手を広げ、肩をすくめた。
「さあな」
ローガンの顔に、みるみると憎しみの表情が浮かび上がってくる。
「もう一度問う。奴と何にを話したのだ?」
だが俺には答える気など毛頭なかった。
「教えない」
ローガンの顔が、さらに険しく歪んだ、
「ならば、力づくで聞くまでだ」
ローガンは手綱を握っていた左手を放し、スッと俺に向けた。
「ぐっ!」
またか。さっきのやつだ。これは以前受けたバインドの魔法とは別種だ。おそらくその上位魔法だ。
ダメだ。身動きが取れない。
……いや、大丈夫。俺はレベルアップする。
そうだ。時間が経てば、必ずこの魔法の縛も、解けるはずだ。
俺は全身に力を込める。
と、指先が動いた。
続いて手首も曲がった。
俺はさらに力を込めていく。
よし。徐々に自由を取り戻しつつある。
いける。これなら、縛を解けるぞ。
と、ローガンが左手だけではなく、右手も俺に向けて翳して来た。
魔法の威力が上がっているようだ。現に再び俺の身体は動かなくなった。
だが、大丈夫。時間の問題だ。
俺は徐々にローガンの魔法を押し返していく。
ピクリと指先がうごめく。
このまま、一気に。
俺は全身に力を込めた。
次の瞬間、ガラスが砕けたような音が鳴り響いた。
と同時に、俺の身体は縛から完全に解き放たれた。
『そうか。ではな……』
奴がそう言った途端、目の前に一点の光が現れた。光は次の瞬間、爆発的に広がり、俺は輝きに包まれた。
俺にはその光はあまりに眩しく、目を瞑った。
だがまぶたの向こうの輝きは、時間とともに落ち着いていった。
俺は、ゆっくりとまぶたを開いた。
ずいぶんと急だな。俺はそう思いつつ、馬上のローガンを見すえた。
ローガンの顔は険しい。憎しみに満ちているようだ。
と、ローガンが口を開いた。
「今、なにがあった!?」
これまで冷静そのものであったローガンが、慌てた様子で俺に問いかけた。
俺は驚いた。どうやらローガンは、気づいたらしい。
「奴か!?奴が来たのか?」
矢継ぎ早の問いに、俺はゆっくりとうなずいた。
「くっ!我が眼前でなめた真似を!」
「よく気づいたな?奴は時を止めたと言っていたぞ?」
「何だと!?奴は、時を止められるというのか!?」
「俺も驚いたんだがな。実際、俺は今、奴と長い時間話しをしていた。もしも時を止めたのでなければ、辻褄が合わない」
「むうっ!何を話した?言えっ!」
ローガンが俺を睨みつけながら問いかけた。
俺は、ローガンの驚き慌てた様を見て、逆に余裕が出てきた。
そのため、俺はわざとらしく大仰に両手を広げ、肩をすくめた。
「さあな」
ローガンの顔に、みるみると憎しみの表情が浮かび上がってくる。
「もう一度問う。奴と何にを話したのだ?」
だが俺には答える気など毛頭なかった。
「教えない」
ローガンの顔が、さらに険しく歪んだ、
「ならば、力づくで聞くまでだ」
ローガンは手綱を握っていた左手を放し、スッと俺に向けた。
「ぐっ!」
またか。さっきのやつだ。これは以前受けたバインドの魔法とは別種だ。おそらくその上位魔法だ。
ダメだ。身動きが取れない。
……いや、大丈夫。俺はレベルアップする。
そうだ。時間が経てば、必ずこの魔法の縛も、解けるはずだ。
俺は全身に力を込める。
と、指先が動いた。
続いて手首も曲がった。
俺はさらに力を込めていく。
よし。徐々に自由を取り戻しつつある。
いける。これなら、縛を解けるぞ。
と、ローガンが左手だけではなく、右手も俺に向けて翳して来た。
魔法の威力が上がっているようだ。現に再び俺の身体は動かなくなった。
だが、大丈夫。時間の問題だ。
俺は徐々にローガンの魔法を押し返していく。
ピクリと指先がうごめく。
このまま、一気に。
俺は全身に力を込めた。
次の瞬間、ガラスが砕けたような音が鳴り響いた。
と同時に、俺の身体は縛から完全に解き放たれた。
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