1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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「じゃあ出るか」

「そうじゃのう。ここにいる連中は、アルフレッドの居場所は知らなさそうじゃ」

 すると、俺たちの背後から恐る恐るといった様子で声がかかった。

「あのう……」

 見ると、先ほどの親切そうな小太りの男だった。

「ああ、あんたさっきの。何か用かい?」

「あんたら強いなあ」

「まあな」

「だけど、早いところ逃げた方がいいんじゃないかな」

「なんで?」

 小太りの男はそこで声を潜めた。

「ここだけの話だけど、ここには恐ろしい武闘家たちがいるんだよ」

「ああ、ここにいるのか」

「知っているのか?」

「まあたぶんね。そいつら三人組じゃない?」

「その通りだよ。しかしそれなら話が早い。あんたらが強いのはわかったけど、奴らも滅茶苦茶強いんだよ。それになんか不気味な魔導師もいるし、ほかにも凄く……なんていうのか厭味ったらしい部隊長もいて……」

 俺はピンときた。

「そいつ、ソウザって名前じゃないか?」

「そう!それだよ、ソウザっていう部隊長が今ここに駐留しているんだけど、こいつも結構強いらしい」

 俺は肩をすくめた。

「大丈夫。ソウザには何度も勝っているから」

「そうなのかい?でも何度もって……戦いじゃなくてなんかの試合でもしたのかい?」

「あ、いや、奴とは何度も戦って勝ったんだけど、あいつ逃げ足が速くて、そのたびごとにタイミングよく逃げられたんだよ」

 俺は苦虫をかみつぶしたような顔で言った。

 俺の説明に、小太りの男は納得した表情でうなずいた。

「へえ~、そうなのか……それは相性がいいんだか、悪いんだかわからないね」

 俺は不承不承うなずいた。

「まあ、そうなんだが……それにしてもあいつもやっぱりここにいるのか」

「いるよ。たまに顔をみるから」

 すると翁が話に割り込んできた。

「アルフレッドを捕まえた連中が、こぞって揃っているようだな」

「どうやらそうらしい」

「そのソウザとやら、手強いのか?」

 俺は鼻で笑った。

「全然。まあ最初は手こずったけど、今はもう相手じゃないよ。ただ、とにかくずる賢くて、逃げ足が異常に速いんだ」

「ふむ、そうか。ならば警戒した方がよいな」

 俺は、翁の言葉に首をひねった。

「いやだから、相手にならないって」

「武力的にはそうじゃろうが、ずる賢くて逃げ足が速いような奴は要注意じゃ」

 確かに。結局は逃げられているわけだし……

「わかった。用心するに越したことはなさそうだ」

 翁はにっこりと微笑んだ。

「そういうことじゃ」

 翁はそこで小太りの男に向き直った。

「ところでお前さん、わしらにそんなことを教えていいのか?」
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