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第二章
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「国家よりも商会か?」
「そうじゃな。わしは、あちらの世界でも商売をしていた。日本に行ったことがあるのも、それ故じゃ。じゃから、こちらの世界でもやることといえば、商会を大きくしたいということくらいじゃったな」
「転移したはじめは、冒険をしていたのか?」
「そうじゃ。まずは手持ちを増やさなければな」
俺は片眉をピンと跳ね上げた。
「はじめから手持ちがあったのか?」
「あった。といってもあちらの世界のお金のことではないぞ」
「そりゃあそうだ。こっちじゃただの紙切れだろう」
「そうじゃな。じゃが、運の良いことに転移先にそれはあったのじゃよ」
「転移先に?転移した場所にってことか?」
すると、バーン翁がにやりと笑った。
「お前さんと同じじゃ」
「俺と?」
俺と同じ……!
「まさか、グランルビーが採れたって言うんじゃないだろうな!?」
バーン翁はさらに口角を上げ、言った。
「そのまさかじゃ。わしが転移した場所では、グランルビーが採れたのじゃ」
俺はあまりのことに言葉が出なかった。
すると、バーン翁がまたも呵々と顔を上げて笑った。
「驚くのも無理はない。ガッソからお前さんの話を聞いたとき、わしも大層驚いた。なんの奇遇か。はたまた奇縁か。いや、そもそもこれは偶然なのか……とな」
俺は生唾を飲み込んだ。
「これも仕組まれていたってことか?」
「かもしれんな」
「あんたが転移した場所は、俺が転移したあの窪地だったのか」
俺の問いに、バーン翁は首を横に振った。
「いや、それは違う。わしが転移したのはこのオルダナ王国領内であり、アルデバラン王国領ではなかった」
「そうなのか?じゃあグランルビーが採れたっていうのは……」
バーン翁はそれまでの仄かな笑みを消し、真剣な表情となって言った。
「場所は違うが、わしが転移した場所も、お前さん同様に、窪地であった」
窪地だって!
場所は違えど、同じく窪地に転移したということか。
「どうやら転移先とするには、窪地でなければならない理由があるようだな?」
バーン翁はこくりとうなずいた。
「ガッソから、お前さんが転移したのが窪地であり、そこでは大量のグランルビーが採れると聞いてからというもの、わしはずいぶん考えた」
バーン翁はそこで一旦言葉を切り、据えた目で俺を見つめた。
俺はその視線を、真っ向から受け止めた。
するとバーン翁はまたもにやりと笑い、言った。
「おそらくじゃが、わしらが転移した二つの窪地は、遥か昔に隕石が落下した跡ではないかと思っておる」
「そうじゃな。わしは、あちらの世界でも商売をしていた。日本に行ったことがあるのも、それ故じゃ。じゃから、こちらの世界でもやることといえば、商会を大きくしたいということくらいじゃったな」
「転移したはじめは、冒険をしていたのか?」
「そうじゃ。まずは手持ちを増やさなければな」
俺は片眉をピンと跳ね上げた。
「はじめから手持ちがあったのか?」
「あった。といってもあちらの世界のお金のことではないぞ」
「そりゃあそうだ。こっちじゃただの紙切れだろう」
「そうじゃな。じゃが、運の良いことに転移先にそれはあったのじゃよ」
「転移先に?転移した場所にってことか?」
すると、バーン翁がにやりと笑った。
「お前さんと同じじゃ」
「俺と?」
俺と同じ……!
「まさか、グランルビーが採れたって言うんじゃないだろうな!?」
バーン翁はさらに口角を上げ、言った。
「そのまさかじゃ。わしが転移した場所では、グランルビーが採れたのじゃ」
俺はあまりのことに言葉が出なかった。
すると、バーン翁がまたも呵々と顔を上げて笑った。
「驚くのも無理はない。ガッソからお前さんの話を聞いたとき、わしも大層驚いた。なんの奇遇か。はたまた奇縁か。いや、そもそもこれは偶然なのか……とな」
俺は生唾を飲み込んだ。
「これも仕組まれていたってことか?」
「かもしれんな」
「あんたが転移した場所は、俺が転移したあの窪地だったのか」
俺の問いに、バーン翁は首を横に振った。
「いや、それは違う。わしが転移したのはこのオルダナ王国領内であり、アルデバラン王国領ではなかった」
「そうなのか?じゃあグランルビーが採れたっていうのは……」
バーン翁はそれまでの仄かな笑みを消し、真剣な表情となって言った。
「場所は違うが、わしが転移した場所も、お前さん同様に、窪地であった」
窪地だって!
場所は違えど、同じく窪地に転移したということか。
「どうやら転移先とするには、窪地でなければならない理由があるようだな?」
バーン翁はこくりとうなずいた。
「ガッソから、お前さんが転移したのが窪地であり、そこでは大量のグランルビーが採れると聞いてからというもの、わしはずいぶん考えた」
バーン翁はそこで一旦言葉を切り、据えた目で俺を見つめた。
俺はその視線を、真っ向から受け止めた。
するとバーン翁はまたもにやりと笑い、言った。
「おそらくじゃが、わしらが転移した二つの窪地は、遥か昔に隕石が落下した跡ではないかと思っておる」
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