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第二章
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「……このあたりらしいが……」
俺たちはべラクーンの街に入ると、手近な若者にバーン翁の別荘の場所を尋ねてみた。
すると、わずかひとり目で、その場所を教えてもらうことが出来た。
なので俺たちは、その若者に教わった通りに道を歩いてきたのだが――
「見当たらないな。この道の右手だそうだが、ずっと崖が続いているだけだ」
俺はすでにゼロスの背からは下り、歩いている。
左手の崖下には海が、右手にはさらに高い崖がそびえたつ道を延々と歩いていた。
道は右手を内側として、ゆったりとしたカーブを描いている。
ここは岬の先端部分らしく、人通りはほとんどない。
なので、俺はゼロスに語り掛けた。
「どう思う?道を間違えたと思うか?」
ゼロスはしばらく考えてから、言った。
「いや、間違えていないと思う。それに、あの若者は嘘を吐くような人物には見えなかった。ということは、バーン翁の別荘は右手にあるのだろう」
俺は眉根を寄せた。
「そうは言っても、右手は崖しかないぜ。まあ左手も崖だけど」
「うむ。だからこの崖は、別荘の外壁沿いなのではないか?」
俺は驚き、あらためて高くそびえたった崖を見上げた。
「これがか?二十メートルはあるぞ?」
「だがバーン商会は世界的な大商会なのだろう?ならばその創設者の隠居所として、これくらいがふさわしいのではないか?」
「いや、それはまあそうだけど……それにしても、この崖が外壁って……」
と、緩やかなカーブの向こう側が見えた。
そこには、高くそびえたった白い崖の真ん中ほどに、これまた高く黒い門があった。
「……どうやらゼロスの言ったとおりだな」
「うむ。どうやら相当に広大な別荘のようだ」
「岬の先端部分、全部別荘なのかよ……」
俺は少々愚痴った。
「財は限りなくあるのだろうな。問題は、本当に入れるかどうかだ」
「まあ大丈夫だろう。お、門の横に、見えにくいけど小さな扉があるな」
黒く高い門の脇には、小さな扉が付いているのだが、色が白いため背後の崖の色に同化して見にくかった。
「通用口だろう」
「だな。お、警備員が出てきたぞ……と思ったら、ぞろぞろとどんどん出てくるな」
結果、十人程の警備員と思われる男たちが門の前に一列に立ち、俺たちを待ち構えた。
「……彼ら、戦闘態勢入ってない?」
俺が問うと、ゼロスも首を傾げた。
「話が伝わっていないのか、それとも……」
俺たちはゆっくりと歩き、彼らに近づいていく。
そしてわずか十メートルばかりのところまで近づいたところで、彼らに変化があった。
俺たちはべラクーンの街に入ると、手近な若者にバーン翁の別荘の場所を尋ねてみた。
すると、わずかひとり目で、その場所を教えてもらうことが出来た。
なので俺たちは、その若者に教わった通りに道を歩いてきたのだが――
「見当たらないな。この道の右手だそうだが、ずっと崖が続いているだけだ」
俺はすでにゼロスの背からは下り、歩いている。
左手の崖下には海が、右手にはさらに高い崖がそびえたつ道を延々と歩いていた。
道は右手を内側として、ゆったりとしたカーブを描いている。
ここは岬の先端部分らしく、人通りはほとんどない。
なので、俺はゼロスに語り掛けた。
「どう思う?道を間違えたと思うか?」
ゼロスはしばらく考えてから、言った。
「いや、間違えていないと思う。それに、あの若者は嘘を吐くような人物には見えなかった。ということは、バーン翁の別荘は右手にあるのだろう」
俺は眉根を寄せた。
「そうは言っても、右手は崖しかないぜ。まあ左手も崖だけど」
「うむ。だからこの崖は、別荘の外壁沿いなのではないか?」
俺は驚き、あらためて高くそびえたった崖を見上げた。
「これがか?二十メートルはあるぞ?」
「だがバーン商会は世界的な大商会なのだろう?ならばその創設者の隠居所として、これくらいがふさわしいのではないか?」
「いや、それはまあそうだけど……それにしても、この崖が外壁って……」
と、緩やかなカーブの向こう側が見えた。
そこには、高くそびえたった白い崖の真ん中ほどに、これまた高く黒い門があった。
「……どうやらゼロスの言ったとおりだな」
「うむ。どうやら相当に広大な別荘のようだ」
「岬の先端部分、全部別荘なのかよ……」
俺は少々愚痴った。
「財は限りなくあるのだろうな。問題は、本当に入れるかどうかだ」
「まあ大丈夫だろう。お、門の横に、見えにくいけど小さな扉があるな」
黒く高い門の脇には、小さな扉が付いているのだが、色が白いため背後の崖の色に同化して見にくかった。
「通用口だろう」
「だな。お、警備員が出てきたぞ……と思ったら、ぞろぞろとどんどん出てくるな」
結果、十人程の警備員と思われる男たちが門の前に一列に立ち、俺たちを待ち構えた。
「……彼ら、戦闘態勢入ってない?」
俺が問うと、ゼロスも首を傾げた。
「話が伝わっていないのか、それとも……」
俺たちはゆっくりと歩き、彼らに近づいていく。
そしてわずか十メートルばかりのところまで近づいたところで、彼らに変化があった。
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