1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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「どんな手なんだ?」

 レノアがニヤリと不敵に笑う。

「人海戦術さ」

 人海戦術……大量の人員を動員し、数に物をいわせて目的を達成することだ。

 確かに、人員は多いに越したことはないだろうが、その用途が知りたい。

 俺はそう思い、レノアに向き直って尋ねた。

「どういう風に、人数を使うつもりなんだ?」

 レノアは顔の前で人差し指をピンと立て、フフンと笑った。

「簡単なことさ。レアモンスターの周りを、大量の騎馬で取り囲むのさ。そして、威風堂々と行進するってわけさ」

「それ、前のパレードと似たようなものじゃないか?」

「違うよ。前のときは、ときおり先頭の前にも人だかりが出来ちゃって、動けないことがあったろう?それが無くなるだけでも速度は上がるさ」

「まあ確かに、一定の速度は保てるか」

「そもそもデュランドルたちは足が遅い。これを改善する方法はない。なら、止まらないのが一番の方法だよ。それと、町に出来るだけ立ち寄らないルート選択だね」

「そうだな。そのルート選択も、バーン商会に頼んだとか?」

 レノアは得意満面となった。

「当然!彼ら商人は道に詳しいはずだからね。彼らのルート選択なら、間違いないと思うよ」

「確かにな。ところで、ミラベルトまではどれくらいかかりそうなんだ?」

 レノアが顎に手を当て、考え込んだ。

「そうだなあ……馬で三日の距離だから、デュランドルたちの足だと……倍の六日くらいかな」

「やっぱり、結構な時間かかってしまうな」

「こればっかりはどうしようもないよ。せいぜい速度を上げても五日は間違いなくかかるしね。一日二日で戻れる距離じゃない」

「わかってる。ただ……」

 俺が言い淀んだので、レノアが眉根を寄せる。

「どうした?なにかあるのか?」

 俺は軽く溜息を吐き、胸中を告げる。

「いや、ただなんとなく、嫌な予感がするんだ」

 実のところ先ほどから、なんともいえない不安な心持ちであった。

 だが、その不安のもとがわからない。そもそもこれまで、このようなことはなかった。

 不安に胸をかきむしられるようなことは、一度もなかった。

 それが、急にきた。

 俺は思わず顔をしかめた。

 レノアが俺同様に不安そうな顔になった。

「嫌な予感って……王都に、なにかあったとかじゃないよね?」

「わからない……こんなことは初めてなんだ。ただ、なんとなくだが……」

 俺は言葉にするのをためらった。

 しかし、不安げなレノアがそれを許さない。

「なに?なんとなく、なんなのさ?」

 俺は仕方なく答えた。

「なんとなくだが、当たっているような気がしてならないんだよ」
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