1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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 俺たちが村の入り口にたどり着いた頃、村人たちがわらわらと姿を現した。

 恐らく先ほど悲鳴を上げた女性が、村人たちに知らせに回ったのだろう。

 人数はざっと三十人ほどであろうか。村の入り口をふさぐように集まっていた。

 その顔には、あからさまな敵意と怯えとが混在している。

 ちょっと面倒だな。俺がそんなことを思っていると、レノアが満面に笑みを浮かべながら前に一歩足を踏み出した。

「やあ、安心して。僕たちは敵じゃないから」

 村人たちは口々にざわめいている。

 すると、村人たちの集団の中央がさっと割れた。

 そして一人の老人が、介添えをともなって現れた。

 村長ってところかな。

 すると、レノアも同じ感想を抱いたらしく、その老人に向かって言った。

「村長さんですか?初めまして、僕はレノア・オクティスと言います。決して怪しい者ではありません」

 老人はしばしレノアを見つめ、次いで俺とゼロスをねめつけるように見た。

「いかにも、わしはこの村の村長だが、君たちは一体何者かね?あのような巨大なモンスターを森の外に連れ出されては困るのだが」

 レノアがまた一歩前に進み出る。

「もうしわけありません。ですが彼らは決して悪さはしません。僕らの指示に完全に従っていますので、安心してください」

「ふむ……」

 村長は遠くに留まるデュランドルたちをしばし眺め、言った。

「本当かね?」

「本当です。ここにいるカズマは腕利きのテイマーなんです。彼らはカズマに使役されていますので、勝手なことは絶対にしません」

 すると村長がうなずいた。

「わかった。だが、君たちが何者なのかについては答えてもらっておらんが?」

 村長の問いに、レノアがすかさず答える。

「僕らはアルデバラン王国に仕える者です」

「アルデバラン?滅んだと聞いているが?」

 かなりとげのある言い方であったが、レノアは一向に気にしていない。

「いえ、まだ滅んではいません。アリアス王女殿下がご健在ですので」

「確か、オルダナ王家に匿われているのだったな」

「そうですね。庇護していただいてます」

「そのアルデバランの御仁が、この村に何か用でもあるのかね?この村は見てのとおりの小さな集落。君たちに提供できるものなど、ほとんどないぞ」

「通信手段はありませんか?実は王都ミラベルトに連絡をしないといけないことがありまして。それに、出来れば食事も取りたいと思っているのですが」

「ふむ、連絡と食事か……ところでその黒ヒョウは、よもやネメセス族か?」

「はい。僕たちの仲間で、ネメセス族のゼロスといいます」
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