1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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 俺も同意する。

「そうだな。なんといっても気が利くからな」

「そうだろう?痒い所に手が届くって感じだからね。そこで、どうだろうカズマ」

 レノアが俺に向き直る。

「ゼロスにティラノレギオンの副長を任せてみるっていうのは」

 妙案だ。俺は笑顔でうなずいた。

「いいと思う。俺ひとりよりも断然その方がいい。二手に分かれることも出来るし、小回りも聞くだろう」

 すると当のゼロスが、俺たちに異議を唱えた。

「待ってくれ。わたしにはそのような大役は担えないぞ」

 俺はすかさず言った。

「大丈夫。ゼロスは常に冷静沈着だし、よっぽど俺よりも適任だ」

 レノアも続く。

「これから先、ティラノレギオンはさらに大規模な編成となっていく。ならどうしたって副長格が必要になってくるんだ。ゼロスなら最適任さ」

 だがゼロスは渋る。

「しかし、わたしは弱いぞ」

 俺は肩をすぼめる。

「問題ないよ。そういうのは俺がやる。ゼロスはその頭脳で俺をサポートしてほしい」

「うん、カズマの言う通りだ。副長には、先陣切って敵中に飛び込む力量はいらない。それよりも冷静沈着に判断を出来る者が適任なんだよ」

 すると、ようやくゼロスが折れた。

「わかった。わたしにどれだけのことが出来るかはわからないが、やってみよう」

 俺はレノアの顔を見合わせうなずいた。

「よし、早速ラーズ族やデュランドル、オロチ一族に、今後は俺同様にゼロスとレノアに従うよう命令を出してみよう」

 するとレノアが驚いた。

「僕も?」

「考えたんだが、二人とも副長とする方がいいと思う。それこそレノアが言った通り、今後はさらに陣容が大きくなっていくわけだし」

 レノアは腕組みして考える。

「まあ、確かに。じゃあ僕はティラノレギオンの参謀として副長待遇ってことにしてくれるかな」

 俺は軽く笑った。

「わかったよ。ただ、彼らレアモンスターたちが参謀って言葉まで理解できるとは思えないから、彼らに対してはとにかく従うように命令を出す。ただし、正式な軍団の組織としては副長待遇の参謀としよう。それでいいだろう?」

 レノアは満面の笑みで了承した。

「それなら問題ないよ。それにしてもティラノレギオンの副長格の参謀か。なかなかいいね。悪くない」

 レノアはご満悦となった。

 俺は苦笑しつつ踵を返し、後ろで待機していたラーズ族やデュランドル、オロチ一族の元へと向かい、命令を発した。

「聞いてくれ!今後は俺と同様に、彼ら二人にも従ってほしい。いいな!」

 ラーズ族の面々がすかさずうなずいた。

 デュランドルも鎌首を持ち上げる。オロチたちも同様にした。

 そして、大地を揺るがすようなたくさんの雄たけびが上がった。
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