1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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 奴か……よほど気になると見えるな。

 エニグマにとって仇敵か何かか?わからない。だが、僕からすればどうだってかまわないだろう。

「僕のことを超越者だと言っていた」

 エニグマの目が爛々と輝く。

「超越者か。そうだね。確かに君は超越者だろうね。なにせ、惑星間転移をしているのだからね」

 惑星間転移か。そう聞くと、かなり大層なことのように思える。

 いや、実際とんでもないことだろう。何十万、何百万光年の彼方を一瞬で移動したことになるのだから。

 そんなとんでもないことを可能にしたのが、あの声の主なのだろうか。

 恐らくそうだ。今のところ、他に候補者はいない。

 だとすると、エニグマにとっての仇敵というのは、いささかおかしくなってくる。

 エニグマは先程、自分は惑星間移動は出来ないと告白している。

 そんな力は僕にはないと、はっきり言っている。

 ならば、あの謎の声とエニグマでは実力差が相当あることになる。

 とするなら、何だろうか?何故エニグマはあの声の主に興味を持っているのか。

「他には何か言っていなかった?」

 エニグマの次なる問いに、僕は一旦思考を止めた。

「そうだな……いずれ我がもとへとか、いずれ相まみえようぞとか言っていたな」

 途端にエニグマが刮目した。

 大きく目を見開き、驚愕の表情となった。

 そして顔を上げ、天を見据えた。

「いずれ我がもとへと……いずれ相まみえようぞと、奴は言ったのか……そうか……」

 エニグマの顔が歪んでいる。

 天を見上げているため、はっきりとは見えないものの、大きく口を歪め、顔の表情筋も大きく動いているように思える。

 興奮しているのか、身体が震え出している。

 両手を大きく広げて天を仰ぎ、震える身体で何やらうめき声を発し始めた。

 嫌な予感がする。

 まさか、攻撃してこないだろうな。

 とてもではないが、今のところ勝ち目はないんだが……。

 エニグマがゆっくりと顔を下げる。

 目がギロッと光り、僕を睨みつける。

 ちっ、まずいな。

「待てよ。どうかしたかい?」

 とりあえず話しかけてみる。

 出来ることなら、最悪の結果は避けたい。いや、出来ることならじゃない。なんとしてもだ。

 だがエニグマは僕を睨みつけるだけで、無言であった。

「急にどうしたっていうんだ?」

 僕はわざとらしく肩をすくめた。

 だがエニグマに反応はない。

 ただただ、睨みつけてくる。

 正直、怖い。対峙しているだけで震えがくる。
 
 実際、僕の足は先程からガタガタと震えている。

 だけど、まだ諦めるわけにはいかない。

「なあ、どうしちゃったんだよ?まだ話は終わってないぜ」

 すると、エニグマの片眉がピクリと反応した。

 しばらく待っていると、ようやくエニグマの口が動いた。

「そうだね。まだ話は終わってはいない。奴は、他に何か言っていたかい?」
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