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第1章 迷宮創生編

第50話 大ピンチです

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 うむ! 見事なツッコミだ!

 両手で持っていた剣の柄から右手を放し「うへへへ」手のひらを紗弓様に見せるように指をワキワキと動かす。

「ひっ! な・なんだその・いやらしい・・て・手つきは・・貴様バカにしてるのか!」
「バカになんてしてないよ。ちょっと想像していただけさ! 紗弓様もとい紗弓ちゃんが、おっぱい触られて淫らに喘ぐ姿をね」

 あっやべ! 言ったらホントに想像しちゃったよ・・・鎧の下に隠された裸体、愛らしい顔が淫らに変わり喘ぐ姿・・・・ぐへへへ♡
 つい顔がにやけてしまう。

「なっ! なに勝手に想像してんのよ!」
「ちなみにおっぱいのサイズは? おっきいの? それとも小さいの?」

「ふ、ふざけないでよ! 今は、勝負の最中でしょ! ああっ、もういいわ! 死になさい!!」
 赤面し耳まで真っ赤になった彼女が、突っ込んでくる! だが先程の電光石火の鋭い踏み込みではなく、十分目でおえる速度だ。

 炎を纏った刀が横薙ぎに振られる。
 鋭さを失った一撃を余裕で躱し、躱しざまに電撃スタン魔法をカウンターで放つ!

「ぐがっ!」
 電気ショックで一瞬だが行動不能になる紗弓様。
 その一瞬が命取りになるのだ! 魔法を放ったその手で彼女のお尻にふれる。
 さわさわ、陣羽織の上から撫でているので、柔らかいお尻の感触はないが、これは精神攻撃だ! 誰が何と言おうと精神攻撃である。

「ひいぃぃっ! な、何をする!」
 スタンの効果は一瞬でも、お尻を撫でられた事実は彼女に効果てきめんだった。
「えへえへ」
 わざとらしく笑みを浮かべる。あくまでワザとだよ。素じゃないからね。

「貴様! よくも愚弄してくれたな!」
 冷静さを失った彼女は、刀を無造作に振り回してくる。もう剣術の型も何もない。
 大きく振り回された刀を躱し、その刀に合わせるように剣を振り上げ刀を弾き飛ばす!

「あっ!」
 激しい金属音とともに弾かれ後方に吹っ飛ぶ日本刀! これで俺の勝ちだな!

 勝った! そう思った瞬間、なんと彼女は素手で殴りかかってくる! なんと諦めの悪い姫様だ!
「まだ、まだぁ! まだ負けてない!!」
 だが、その動きは単調で難なく避けることができる。
 左右の拳による連撃を躱し、蹴り上げられた足を逆に掴み取り、抑え込むように力を込める。

「きゃああっ!」
 俺に足のすねをがっちりと掴まれた彼女は、バランスを崩し倒れこんでしまう。可愛らしい悲鳴を上げ、仰向けに倒れた彼女を覆いかぶさるように抑え込む。

「勝負ありだろ? いい加減負けを認めろよ!」
「くっ!・・・私の負けよ!」
 ようやく負けを認めた紗弓様。その表情はとても悔しそうだ。

「勝負あり!」
 綾乃さんの勝負終了の合図で、俺の勝ちが確定した。

「くっくっく、お姫様が負けたら何をしてくれるんでしたっけ?」
「キスをすればいいんでしょ! それより、いつまで乗ってるのよ!」
「このまま、キスしてくれても良いんですよ?」
「くっ! この調子にのるなぁ!」

 それは一瞬の悪夢のような出来事だった!
 覆いかぶさった姫様から起き上がろうした瞬間、俺の股間に地獄のような衝撃が走る!
 あろうことか、姫様が俺の大事な股間に膝蹴りを食らわしてきたのだ。

「ぐおおおおおおおお・・・・」
 電撃が走り、言葉にできないような痛みが襲ってくる。この異世界に来て最大のピンチが襲いくる。
 いや人生最大のピンチだ。

「ヤマト様!」
 股間を押さえて悶える俺に、シルエラが駆け寄ってくる。
「ヤマト様大丈夫ですか? 今、回復魔法をかけますからね」
 シルエラが癒しの呪文を唱えると、徐々に痛みが引いてくる。シルエラがまるで女神様のようにみえる。

「ふんっ! いい気味だわ!」
 腕を組み、うずくまった俺を見下すようにつぶやく姫様に、食いつくように睨み付けるシルエラ。

「貴女、勝負に負けたからってなんてことをするのですか? 私の大事なヤマト様のおちんちん潰そうとするなんて! 使えなくなったらどう責任取ってくれるんですか!?」

「「ええっ!!」」
 シルエラの凄い剣幕に皆がたじろいでしまう。いや、おちんちんと言う単語に反応しているのか定かでないが皆、シルエラに圧倒されている。

「ああっ、お可哀想なヤマト様、おちんちんまだ痛みますか?」
 心配そうに俺の股間を撫でながら癒しの魔法を続けるシルエラ、ああっそんなに撫でられたら・・・

「まあっ! 良かったわ! こんなに大きくなって♡」
 心底安心するように安堵するシルエラ。
「ちょっと、シルエラもういいから! それ以上撫でられたら、我慢できなくなっちゃうよ!」
「いえ、本当に完治しているのか確かめる必要がありますので、ヤマト様♡失礼しますね」
 そう言うや否や、俺のズボンに手を掛け、大きく勃起した肉棒を露出させる。
「ちょっ! シルエラ・・・皆が見てるよ!」

「これはヤマト様の大事なおちんちんですよ! 外野など気にせずに、さあ確認しますわよ♡」
 恥ずかしがるどころかか、逆に堂々と肉棒を舐め始めるシルエラ。

「きゃああぁ・・ちょっと! 何してるのよ貴方たち・・・」
「うわっ何あれ! なんて大きさなの?」
 瑞希ちゃんや紗弓様たちは、驚き恥ずかしながらもシルエラの行為に見入っている。

「れろっ・・・はむっ♡・・・んむっ・・」
 シルエラの愛情の籠った情熱的な舌や口の使い方に、俺の肉棒もすぐに絶頂に達してしまう。

「出る! 出すぞシルエラ!」
「んぐっ・・・んふうぅぅぅ・・・・」
 シルエラの口内に大量の精液を吐き出すと、ゴクッゴクッと飲み干すシルエラ。口元には溢れた精液が流れ出ており、その顔は超エロい!

「うわあぁ・・これがフェラチオなの?」
「ああ、すごいな・・」
 耳まで真っ赤にして見入る瑞希ちゃんたち。恥ずかしいけど興味はあるお年頃だからね。

「さて、紗弓様あらためて勝負のご褒美は?」
 口内射精されてうっとりしているシルエラをよそに、紗弓様に話しかける。

「バカ! この状況でキスしろとでも? 彼女の前なんでしょ? 怒られるわよ!」
「ふう~ん、織田家のお姫様は約束を反故にすると言うのですね? ふう~ん織田家のお姫様がねぇ~」
「くっ! 仕方がないわね。良いわよキスするわよ! すればいいのでしょ!」

「やった♪」
「仕方がないわね。綾乃! 彼にキスしてあげなさい!」
「はあっ!? ちょっと姫様? なんで私に振るんですか? 負けたのは姫様でしょう? 姫様がキスしてくださいよ」
「そうだ! そうだ!」
 お姫様の突然の命令に抗議する綾乃さん。

「負けたのは私だけど、誰も私がキスするとは言ってないでしょ!」
 うわぁ見苦しい言い訳だ!
「これは、主としての命令よ! いいわね綾乃!」

「なっ! 卑怯ですよ姫様! ううぅ・・貴方もいつまでその・・・股間のモノ出してるんですか? いい加減に隠しなさいよ!」
 綾乃さんが、俺の肉棒を恥ずかしそうに見てくる。

「まあ、俺としては姫様でも綾乃さんでも良いんですけどね? あ、綾乃さん!」
「な、なによ! はやく仕舞いなさいよ!」
「折角ですし、こっちにキスしても良いんですよ」
 俺のイチモツをワザと見せるように向ける。
「ばっ! 馬鹿! こっちに向けるな!」
 慌てる綾乃さん。うん反応が新鮮で楽しい♪

「ちょっと! シルエラさん! 彼をどうにかしなさいよ! 彼女なんでしょ!」
 瑞希ちゃんの発言で我に返ったシルエラ。
「そうですよ! ヤマト様! 私の前で堂々と他の女を口説かないでください!」

「ごめんなさい、調子にのってました」
 シルエラの圧力に簡単に屈して謝る俺。情けないが逆らうことなどできない。

 ふうぅぅ、安堵の吐息を漏らす綾乃さんと紗弓様。
「その、シルエラさん、助かりました。ありがとうございます」
 シルエラに頭を下げる綾乃さん。ホントに彼女は礼儀正しい。

 シルエラは俺の腕に抱きついている。彼女なりの防衛本能なのだろうか?
 俺は私のモノだから手を出すなアピールか、それともただ単に甘えたいだけなのか分からないが、腕に押し付けられる柔らかい感触が気持ちいい♪
 


「じゃあね、瑞希ちゃん。また来るよ!」
「お世話になりました」
 ブルストの街に帰る事になった俺たちは、瑞希ちゃんに挨拶をしている。

「ええ、ヤマトさんもシルエラさんもお元気で。ああっそう、今度来る時には、事前に連絡くらい入れなさいよね」
「ああ、そうするよ。お姫様にもよろしく言っといてくれ」
「伝えとくわ」
 この場にいない紗弓様、近くにいるのは分かっているのに近寄ってこない。挨拶くらいしたかったがしょうがない。

 町の郊外に来て飛行機型の魔動機に乗り込むと、キャノピー越しに離れた所にいる紗弓様に手を振る。
 それに気がついた紗弓様は、舌を出し下まぶたを引き下げ、あっかんべーをしてくる。その姿は可愛らしく笑みがこぼれる。

 魔動機を起動させて、垂直に浮かび上がった魔動機は加速を始める。

 地上では、その魔動機を見上げる紗弓たちが居た。

「姫様、良かったのですか? きちんと別れの挨拶をしなくて?」
「なっ!? 何を言っているのよ!」
「彼の事が、気になるんでしょう?」
「いいの! てか何でそうなるのよ!」
「もう、素直じゃないのだから。見ていればわかりますよ。ねえ、夕凪もそう思うでしょ?」
「ですね。でもライバルは多そう。瑞希様もきっとそう思っているはず」

「夕凪・・・そうね・・・宮代大和、不思議な人ね」
 そう呟きながら、魔動機が飛び去った空を見つめ続ける紗弓がいた。
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