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第1章 迷宮創生編
第31話 修行!八つ当たりじゃないよね?
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「458・459・460・・・」
俺は今、一心不乱に木剣の素振りをしている。
隣にはロザリーさんが同じように素振りをしている。
「499・500!・・やっと終わった~ もう何で私まで素振りに付き合わされているのよ~」
「ぜえっぜえっ・・コレは、しんどい・・・」
時は少しさかのぼる・・・。
お風呂から上がった俺たちは、庭でリュネールさんに剣術を習うことになっていた。
「先ずは、ヤマト殿の腕前を見せてもらおうか? コレは木剣だ、当たっても構わないから打ち込んでみてくれ!」
「良いのか? 木製とはいえ、当たったら打撲は免れないぞ!」
「ポーションを用意してある、それぐらいしないと実力を見れないだろう? それとも女相手には剣を向けられないとか言わないよな」
「なめるなよ! じゃあ軽く行くから、ちゃんと受け止めろよ! でないと怪我するぞ!」
対峙する俺とリュネールさんの距離は結構ある。
俺は彼女の懐に一気に踏み込み、胴体目がけて木剣を横薙ぎに振るう。
今までの敵・盗賊や下級の魔物なら、一薙ぎで胴体が真っ二つになる一撃だった。
「くっ!」
リュネールさんは俺の剣を辛うじて捌く。
「早いなっ! とんでもなく! なら、今度はこっちから行くぞ!」
「おう!」
距離を再び取り出方を窺っていると、突然リュネールさんの姿が揺らいで見える。
次の瞬間には目の前に現れて、俺と同じように横薙ぎに振るわれた剣が、俺の胴体を切り裂いていく・・・ように見えるが、実際には剣は空を斬っている。
「えっ・・・!?」
リュネールさんが驚いている! 剣を躱され、その眼前には逆に俺の剣先が向けられているからだ。
「くっ・・・アタイの負けだ・・・全く、なんて反射神経とスピードだよ」
「そんなの剣を見て、ただ避けているだけだよ、それ以外の駆け引きなんてできないし、剣の振り方も知らない・・・だから教えて欲しいんだ」
「その紙一重に避けるのが、実はむずかしいんだけどなぁ、身体能力の差かぁ・・・良いだろう」
「まず基本の型からだな、剣を上段に構え正面から真っ直ぐ振り下ろす『真向斬り』、次に剣を右上から相手の左肩から右腰まで斜めに振り下ろす『袈裟斬り』、次が先ほどの横に水平に振りぬくのが『一文字斬り』、袈裟斬りの反対に右下から左上に振り上げるのが『逆袈裟斬り』、後は『突き』だな」
「流派によって構えは違うが、基本は大体同じだから覚えて損はないぞ」
「よし、実際にやってみよう・・・」
「フムフム・・・色々あるんだなぁ・・先ずは真向斬り」
「じゃあ、基本は正面に素振りして見ようか、足の動きも注意してやってみよう!」
「そうそう、踏み込みを意識して、振って見よう」
「いい感じだ、じゃあ反復練習で素振り500回行って見ようか!」
「えっ!?」
「何だ!そんなこともできないのか?」
「頑張ってヤマトさん♡」
「お前もだロザリー!」
「ええっ!・・・なんで・・・私まで!?」
「文句を言うな! アタイも付き合ってやる」
「ハイっ!!」
「1・2・3・4・5・・・」
おお! こ・・これは! 剣を振るう度にリュネールさんの胸が、ぼよんぼよんと揺れている! 鎧を付けていないから体のラインがよく分かる。
ロザリーさんもなかなか良い感じに揺れている・・・二人共素晴らしい揺れだ♡
素振りは辛いが、これはこれで眼福である。
「ちょっと、どこ見てるのよ!」
「えっ!? いや、ロザリーさんの素振りの姿勢が綺麗だなって、参考にしようとずっと見てたんだ・・」
「ふぅ~ん、ぞの割に顔がにやけてない?」
「そ、そんなことないぞ!」キリッ
「まあいいわ。頑張りましょう!」
ふう、なんとか誤魔化せた。
おっぱいがぼよん、おっぱいがぼよん、揺れるおっぱいに合わせて剣を振る俺、ムフフ♡
「499・500!・・やっと終わった~ もう何で私まで素振りに付き合わされているのよ~」
「ぜえっぜえっ・・コレは、しんどい・・・」
だが、結構楽しかった。これは内緒だよ。
「鬼!・・・リュネール姉は鬼だっ!」
「なにか言ったか?」
「なんでもないですぅ・・・」
ロザリーさんが小声で囁いてくる
「ねえ・・・コレ、八つ当たりじゃあないよね!?」
「ハハッ・・・まさか・・・」
「絶対そうだよ・・・」
「よし、休憩おわったら、打ち込み稽古100本行って見ようか!」
「・・・・・」
「・・・リュネールさん・・・」
「みんな~ご飯よ~」
シルエラが呼びに来たことで、俺たちは安堵する。
「シルエラさん、マジ神様っす!」
「えっ!? なに?」
「お昼はヤマト様の獲ってきた巨大蟹ですよ~」
「おお~!!」
アルデリアちゃんの言葉に歓声があがる。
「クルミね。こんな大きなカニさん、食べるの初めてなの」
「うんうん、美味しくて思わず、無言で食べちゃうよ・・・」
「そうなの?」
「ヤバっ! この蟹身・・・美味すぎる♪」
「・・・・・・・・・・・・」
周囲をみると、やっぱり皆、無言で蟹に集中してる。
あんなに有った蟹の姿は、あっという間に無くなってしまった。
「お兄ちゃん、また獲ってきてね!」
「そうだね、巨大蟹は無理でも海の幸は食べたいかも、いや食べたい!」
海の幸といえば同期の新米迷宮主の水樹ちゃんが、港町周辺にダンジョン作るとかいってたな。 元気にしてるかな? 食材の買付ついでに行ってみよ。
午後からはステラさんを踏まえて、街の外で実戦練習の予定だが、その前に商人たちが露店を出している市場を視察する事になっている。
店舗の内装改装前に、少しでも売り上げを上げたい商人たちには脱帽である。
市場には既に露店が複数出ていた。
武器や防具、ポーションなど冒険者の必需品はもちろん、食材・料理の屋台まである。
その中の一店、気になった串焼き屋の前で足を止める。
なんの肉かは分からないが、色々な種類の肉と野菜が売られていた。なんの肉だろう?
「店主、これはなんの肉なの?」
「へい、らっしゃい! こっちが一角豚でこっちは走鶏の肉だよ。美味いから、ひとつどうだい?」
聞いても分からない名称の肉だった。この世界特有だろうが、豚肉と鶏肉には間違いなさそう。
「なら、この走鶏の胸肉と一角豚の串を、各ずつタレで4本もらおうか」
「まいど!」
「へいおまち!」
見た目は美味しそうだが、どうだろうか?
一口食べてみると、こ・・・これは・・イマイチな串焼きだ・・・
先日のバーベキューの方が、数倍美味かったぞ!
「う~ん、何か物足りないな・・・」
リュネールさんたちも同意見だったみたいだ。
なにが違うんだろう? 素材は違うが炭火焼は同じだし、そうか味付けが違うんだ!
「店主、申し訳ないが、もう一度今度はこっちのタレで同じように、焼いてもらえないだろうか? もちろんお金は余分に払うからさ!」
バーベキューで使ったタレを空間収納から取り出し、串焼き屋のおっちゃんに渡した。
「なんだい、うちの商品にケチでもつけようってのかい! まあいいさお金を払ってくれるおなら、焼いてやるよ」
「ほらよ、追加の分だよ」
見た目は同じだが、どうだろうか?
パクッと一口、口の中に味が広がる! これだよ! この味!
「うん、こっちの方が断然うまいよ」
「店主も食べてごらんよ」
「なんだと・・・ケチ付けられてこれで不味かったら、ただじゃおかないからな!」
「こ・・・これは・・・なんだこのタレは・・・同じ材料を使ったのとは思えない美味さだ! すまない兄ちゃん、俺が悪かった! このタレの秘密を教えてくれないかい? もちろんそれなりの金を出すからさ」
「別にお金はいいよ、ここで商売してくれるならタダで教えてあげるよ。だから商売頑張ってね!」
「兄ちゃんたち・・・もしかして? 噂の領主様かい?」
「噂?」
「ああ、若い凄腕のエロい召喚士が、綺麗どころをはべらせているってな・・おっと失礼」
「ぷぷぷっ、間違っていないと思うよ!」
「ああ、正しい認識だな」
「ひどいな、お前ら・・俺はこんなにも紳士なのに!」
「は!? どこが紳士なんだよ」
「ハッハッハ、兄ちゃんたちおもしれえな、気に入ったよ」
ケラケラ笑うリュネールさんたちを尻目に、店主にタレのレシピを教えた。
「そうか、みりんかあ・・・そんなものまで使ってたのかあ・・・恐れ入ったよ」
「なんだったら提供するよ、一杯作って持ってるからさ」
「ホントかい? すまないねえ・・・他になにか商売のアイデアはないかい?」
「う~ん、そうだね・・・胸肉の間に葱を挟んで『ねぎま』とか、ひき肉にして団子状にした『つくね』、首肉の『セセリ』とかどうかな?」
「ねぎま・・なんか美味そうだな・・・試作してみるから食べて行ってくれよ! お代はいらないからさ」
「じゃあ店主ごちそうさまでした。これからも頑張ってね」
「いやぁこちらこそ世話になっちまって、領主様ありがとうございました」
串焼きを堪能した俺たちは、街道から離れた未整地エリアに来ている。ここなら暴れても問題ないはず・・・。
スキルで作り慣れたアイアンゴーレム3機小隊を作り出す。
リュネールさんたちおっぱい冒険者 VS アイアンゴーレム3機小隊
「ゴーレム部隊の兵装はスタン仕様にしてあるから、直接の物理攻撃以外は痺れるだけだから思いっきり戦っていいよ。 まあ、近づけたらの話だけどね! くっくっく」
「あっ、ムカつく発言したな! もし勝てたら一晩付き合ってもらうからな♡」
「ふっ! 勝てたらな!」
「いったな! 言質は取ったぞ! 絶対勝ってやる! いくぞお前ら!」
「じゃあ、試合開始!」
合図とともに、キャノン型のスタン弾が3人を狙う。
「く・・・甘い! それは分かっていたさ」
リュネールさんが大盾でスタン弾を防ぎ、その後ろからステラさんが魔法攻撃を放とうとしている。
「甘いのは、どっちかな?」
「なに!? ぐはっ!!」
「リュネール!・・・きゃあぁぁ・・・」
勝負は一瞬で終わった。スタン弾を盾で防いだまでは良かったのだが、その隙に白兵戦仕様のゴーレムに懐に踏み込まれ、スタンソードの餌食に、残りの2人も盾役を失い、スタン弾をもろにくらい試合終了。
「くそう・・・盗賊との闘いを見ていたが、いざ戦うとこうも一方的に負けてしまうのか・・・悔しいが完敗だ・・・」
「ヤマト殿! もう1回だ!」
「よし、今度はもう少し粘れよ」
「くそう・・・またやられた! もう1回頼む!」
結果は変わらず。う~む、まだ厳しいかな?
「中距離支援型を1体へらして、2体とやってみよう!それなら弾幕の狙いも絞りやすいし、キャノンタイプは動きが鈍いから、さっきよりは一方的にはならないんじゃない?」
「ヤマト殿がそう言うなら、2体で試してみるか!」
「試合開始!」
先ほどと同じようにキャノンタイプの砲撃から始まり、リュネールさんが大盾で砲撃を防いでる。
問題はここからだ。 接近する白兵戦タイプをロザリーさんがけん制するように動いている。しかし防戦虚しくステラさんが倒れるのを皮切りに、総崩れとなってしまう。
「畜生! 防戦一方になってしまった」
「う~ん、じゃあ! お手本見せるから選手交代ね、リュネールさんと俺で戦うから、ステラさんとロザリーは見ててくれるかい?」
「お、お手並み拝見といくか!」
こうして、俺とリュネールさんの急増コンビ VS 白兵戦&キャノンタイプゴーレムの戦いが幕を開ける。
俺は今、一心不乱に木剣の素振りをしている。
隣にはロザリーさんが同じように素振りをしている。
「499・500!・・やっと終わった~ もう何で私まで素振りに付き合わされているのよ~」
「ぜえっぜえっ・・コレは、しんどい・・・」
時は少しさかのぼる・・・。
お風呂から上がった俺たちは、庭でリュネールさんに剣術を習うことになっていた。
「先ずは、ヤマト殿の腕前を見せてもらおうか? コレは木剣だ、当たっても構わないから打ち込んでみてくれ!」
「良いのか? 木製とはいえ、当たったら打撲は免れないぞ!」
「ポーションを用意してある、それぐらいしないと実力を見れないだろう? それとも女相手には剣を向けられないとか言わないよな」
「なめるなよ! じゃあ軽く行くから、ちゃんと受け止めろよ! でないと怪我するぞ!」
対峙する俺とリュネールさんの距離は結構ある。
俺は彼女の懐に一気に踏み込み、胴体目がけて木剣を横薙ぎに振るう。
今までの敵・盗賊や下級の魔物なら、一薙ぎで胴体が真っ二つになる一撃だった。
「くっ!」
リュネールさんは俺の剣を辛うじて捌く。
「早いなっ! とんでもなく! なら、今度はこっちから行くぞ!」
「おう!」
距離を再び取り出方を窺っていると、突然リュネールさんの姿が揺らいで見える。
次の瞬間には目の前に現れて、俺と同じように横薙ぎに振るわれた剣が、俺の胴体を切り裂いていく・・・ように見えるが、実際には剣は空を斬っている。
「えっ・・・!?」
リュネールさんが驚いている! 剣を躱され、その眼前には逆に俺の剣先が向けられているからだ。
「くっ・・・アタイの負けだ・・・全く、なんて反射神経とスピードだよ」
「そんなの剣を見て、ただ避けているだけだよ、それ以外の駆け引きなんてできないし、剣の振り方も知らない・・・だから教えて欲しいんだ」
「その紙一重に避けるのが、実はむずかしいんだけどなぁ、身体能力の差かぁ・・・良いだろう」
「まず基本の型からだな、剣を上段に構え正面から真っ直ぐ振り下ろす『真向斬り』、次に剣を右上から相手の左肩から右腰まで斜めに振り下ろす『袈裟斬り』、次が先ほどの横に水平に振りぬくのが『一文字斬り』、袈裟斬りの反対に右下から左上に振り上げるのが『逆袈裟斬り』、後は『突き』だな」
「流派によって構えは違うが、基本は大体同じだから覚えて損はないぞ」
「よし、実際にやってみよう・・・」
「フムフム・・・色々あるんだなぁ・・先ずは真向斬り」
「じゃあ、基本は正面に素振りして見ようか、足の動きも注意してやってみよう!」
「そうそう、踏み込みを意識して、振って見よう」
「いい感じだ、じゃあ反復練習で素振り500回行って見ようか!」
「えっ!?」
「何だ!そんなこともできないのか?」
「頑張ってヤマトさん♡」
「お前もだロザリー!」
「ええっ!・・・なんで・・・私まで!?」
「文句を言うな! アタイも付き合ってやる」
「ハイっ!!」
「1・2・3・4・5・・・」
おお! こ・・これは! 剣を振るう度にリュネールさんの胸が、ぼよんぼよんと揺れている! 鎧を付けていないから体のラインがよく分かる。
ロザリーさんもなかなか良い感じに揺れている・・・二人共素晴らしい揺れだ♡
素振りは辛いが、これはこれで眼福である。
「ちょっと、どこ見てるのよ!」
「えっ!? いや、ロザリーさんの素振りの姿勢が綺麗だなって、参考にしようとずっと見てたんだ・・」
「ふぅ~ん、ぞの割に顔がにやけてない?」
「そ、そんなことないぞ!」キリッ
「まあいいわ。頑張りましょう!」
ふう、なんとか誤魔化せた。
おっぱいがぼよん、おっぱいがぼよん、揺れるおっぱいに合わせて剣を振る俺、ムフフ♡
「499・500!・・やっと終わった~ もう何で私まで素振りに付き合わされているのよ~」
「ぜえっぜえっ・・コレは、しんどい・・・」
だが、結構楽しかった。これは内緒だよ。
「鬼!・・・リュネール姉は鬼だっ!」
「なにか言ったか?」
「なんでもないですぅ・・・」
ロザリーさんが小声で囁いてくる
「ねえ・・・コレ、八つ当たりじゃあないよね!?」
「ハハッ・・・まさか・・・」
「絶対そうだよ・・・」
「よし、休憩おわったら、打ち込み稽古100本行って見ようか!」
「・・・・・」
「・・・リュネールさん・・・」
「みんな~ご飯よ~」
シルエラが呼びに来たことで、俺たちは安堵する。
「シルエラさん、マジ神様っす!」
「えっ!? なに?」
「お昼はヤマト様の獲ってきた巨大蟹ですよ~」
「おお~!!」
アルデリアちゃんの言葉に歓声があがる。
「クルミね。こんな大きなカニさん、食べるの初めてなの」
「うんうん、美味しくて思わず、無言で食べちゃうよ・・・」
「そうなの?」
「ヤバっ! この蟹身・・・美味すぎる♪」
「・・・・・・・・・・・・」
周囲をみると、やっぱり皆、無言で蟹に集中してる。
あんなに有った蟹の姿は、あっという間に無くなってしまった。
「お兄ちゃん、また獲ってきてね!」
「そうだね、巨大蟹は無理でも海の幸は食べたいかも、いや食べたい!」
海の幸といえば同期の新米迷宮主の水樹ちゃんが、港町周辺にダンジョン作るとかいってたな。 元気にしてるかな? 食材の買付ついでに行ってみよ。
午後からはステラさんを踏まえて、街の外で実戦練習の予定だが、その前に商人たちが露店を出している市場を視察する事になっている。
店舗の内装改装前に、少しでも売り上げを上げたい商人たちには脱帽である。
市場には既に露店が複数出ていた。
武器や防具、ポーションなど冒険者の必需品はもちろん、食材・料理の屋台まである。
その中の一店、気になった串焼き屋の前で足を止める。
なんの肉かは分からないが、色々な種類の肉と野菜が売られていた。なんの肉だろう?
「店主、これはなんの肉なの?」
「へい、らっしゃい! こっちが一角豚でこっちは走鶏の肉だよ。美味いから、ひとつどうだい?」
聞いても分からない名称の肉だった。この世界特有だろうが、豚肉と鶏肉には間違いなさそう。
「なら、この走鶏の胸肉と一角豚の串を、各ずつタレで4本もらおうか」
「まいど!」
「へいおまち!」
見た目は美味しそうだが、どうだろうか?
一口食べてみると、こ・・・これは・・イマイチな串焼きだ・・・
先日のバーベキューの方が、数倍美味かったぞ!
「う~ん、何か物足りないな・・・」
リュネールさんたちも同意見だったみたいだ。
なにが違うんだろう? 素材は違うが炭火焼は同じだし、そうか味付けが違うんだ!
「店主、申し訳ないが、もう一度今度はこっちのタレで同じように、焼いてもらえないだろうか? もちろんお金は余分に払うからさ!」
バーベキューで使ったタレを空間収納から取り出し、串焼き屋のおっちゃんに渡した。
「なんだい、うちの商品にケチでもつけようってのかい! まあいいさお金を払ってくれるおなら、焼いてやるよ」
「ほらよ、追加の分だよ」
見た目は同じだが、どうだろうか?
パクッと一口、口の中に味が広がる! これだよ! この味!
「うん、こっちの方が断然うまいよ」
「店主も食べてごらんよ」
「なんだと・・・ケチ付けられてこれで不味かったら、ただじゃおかないからな!」
「こ・・・これは・・・なんだこのタレは・・・同じ材料を使ったのとは思えない美味さだ! すまない兄ちゃん、俺が悪かった! このタレの秘密を教えてくれないかい? もちろんそれなりの金を出すからさ」
「別にお金はいいよ、ここで商売してくれるならタダで教えてあげるよ。だから商売頑張ってね!」
「兄ちゃんたち・・・もしかして? 噂の領主様かい?」
「噂?」
「ああ、若い凄腕のエロい召喚士が、綺麗どころをはべらせているってな・・おっと失礼」
「ぷぷぷっ、間違っていないと思うよ!」
「ああ、正しい認識だな」
「ひどいな、お前ら・・俺はこんなにも紳士なのに!」
「は!? どこが紳士なんだよ」
「ハッハッハ、兄ちゃんたちおもしれえな、気に入ったよ」
ケラケラ笑うリュネールさんたちを尻目に、店主にタレのレシピを教えた。
「そうか、みりんかあ・・・そんなものまで使ってたのかあ・・・恐れ入ったよ」
「なんだったら提供するよ、一杯作って持ってるからさ」
「ホントかい? すまないねえ・・・他になにか商売のアイデアはないかい?」
「う~ん、そうだね・・・胸肉の間に葱を挟んで『ねぎま』とか、ひき肉にして団子状にした『つくね』、首肉の『セセリ』とかどうかな?」
「ねぎま・・なんか美味そうだな・・・試作してみるから食べて行ってくれよ! お代はいらないからさ」
「じゃあ店主ごちそうさまでした。これからも頑張ってね」
「いやぁこちらこそ世話になっちまって、領主様ありがとうございました」
串焼きを堪能した俺たちは、街道から離れた未整地エリアに来ている。ここなら暴れても問題ないはず・・・。
スキルで作り慣れたアイアンゴーレム3機小隊を作り出す。
リュネールさんたちおっぱい冒険者 VS アイアンゴーレム3機小隊
「ゴーレム部隊の兵装はスタン仕様にしてあるから、直接の物理攻撃以外は痺れるだけだから思いっきり戦っていいよ。 まあ、近づけたらの話だけどね! くっくっく」
「あっ、ムカつく発言したな! もし勝てたら一晩付き合ってもらうからな♡」
「ふっ! 勝てたらな!」
「いったな! 言質は取ったぞ! 絶対勝ってやる! いくぞお前ら!」
「じゃあ、試合開始!」
合図とともに、キャノン型のスタン弾が3人を狙う。
「く・・・甘い! それは分かっていたさ」
リュネールさんが大盾でスタン弾を防ぎ、その後ろからステラさんが魔法攻撃を放とうとしている。
「甘いのは、どっちかな?」
「なに!? ぐはっ!!」
「リュネール!・・・きゃあぁぁ・・・」
勝負は一瞬で終わった。スタン弾を盾で防いだまでは良かったのだが、その隙に白兵戦仕様のゴーレムに懐に踏み込まれ、スタンソードの餌食に、残りの2人も盾役を失い、スタン弾をもろにくらい試合終了。
「くそう・・・盗賊との闘いを見ていたが、いざ戦うとこうも一方的に負けてしまうのか・・・悔しいが完敗だ・・・」
「ヤマト殿! もう1回だ!」
「よし、今度はもう少し粘れよ」
「くそう・・・またやられた! もう1回頼む!」
結果は変わらず。う~む、まだ厳しいかな?
「中距離支援型を1体へらして、2体とやってみよう!それなら弾幕の狙いも絞りやすいし、キャノンタイプは動きが鈍いから、さっきよりは一方的にはならないんじゃない?」
「ヤマト殿がそう言うなら、2体で試してみるか!」
「試合開始!」
先ほどと同じようにキャノンタイプの砲撃から始まり、リュネールさんが大盾で砲撃を防いでる。
問題はここからだ。 接近する白兵戦タイプをロザリーさんがけん制するように動いている。しかし防戦虚しくステラさんが倒れるのを皮切りに、総崩れとなってしまう。
「畜生! 防戦一方になってしまった」
「う~ん、じゃあ! お手本見せるから選手交代ね、リュネールさんと俺で戦うから、ステラさんとロザリーは見ててくれるかい?」
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