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第1章 迷宮創生編
第32話 女冒険者の修行
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リュネールさんとのコンビで、自分の作ったゴーレムと模擬戦だ!
行動パターンも分かっているため、というかゴーレム作成者のため、わかって当然!
ズルいかもしれんがそこは割り切って、お手本ということで模擬戦に参加することになった。
「リュネールさん、作戦だけど・・・・・」
「フムフム、了解! それで行って見よう」
「じゃあ、ステラさん開始の合図よろしく!」
「ハ~イ! 行くよ~、試合開始!!」
「いくぞ!うおおぉぉ!」
試合開始の合図とともに、リュネールさんが大盾を構えキャノンタイプに猛ダッシュを駆ける。
砲撃をものともせず、キャノンタイプとの距離を詰めたところで、側面から白兵戦タイプの強襲を受けるが、コレは俺の出番だ。
迫りくる白兵戦タイプに、突きを繰り出すものの剣先は空を斬る。白兵戦タイプが身を躱し、そこに僅かな距離が生まれる。
「リュネールさん!」
「おう!」
そこでリュネールさんと攻守交替、俺がキャノンタイプに突撃する。その距離はもう僅かしかない。
キャノンタイプがハンドガンで迎撃して来るが、時すでに遅し、突撃のスピードに乗ったまま胴薙ぎ一閃! アイアンゴーレムの硬いボディも真っ二つにするほどの威力だ。
残りは白兵戦タイプ1体、リュネールさんが苦戦しつつも何とか互角に戦っている。
「手助けは必要かい?」
「くっ・・・もう少しだけ、一人で戦わしてくれないかい・・」
「了解」
リュネールさんは大盾を捨て両手で剣を構え、白兵戦タイプと対峙している。
剣戟を紙一重で躱し、時に激しく斬り結ぶ、これが何合か繰り替えしたところで、リュネールさんの剣が白兵戦タイプを捉え試合終了となった。
「はぁ・・・はぁ・・・・」
「リュネールさん、お疲れ様」
「お・おう・・・サンキュウ・・・」
「やったあリュネール姉! 見事な戦いだったよ。 もちろんヤマトさんもね」
「んっ、参考になった」
「分かったかい? 白兵戦タイプは兎も角、砲撃タイプの弱点はその軌道が読みやすいことなんだよ、砲弾は魔法より弾速は速いが直線にしか飛ばないから、砲身からその射線が読み取ることができる。動きも遅いから接近戦に弱いんだよ、これは一般の魔法使いと同じだね」
「その弱点を補うための3機編成なんだけどさ」
「鬼畜ゴーレム・・・射線が分かってもそれを避けるなんて、普通の人間には無理・・・」
ロザリーはブーブー文句を言ってくるが無視だ!
スキルで倒されたゴーレムを復元していく。
「次は各自ゴーレムと、一対一で戦って見ようか」
「え~! 絶対、私だけボコボコじゃん」
「がんばれロザリー! 後でご褒美のおやつ用意しとくからさ」
「おやつぅ♡♡ なんかやる気出てきたわよ」
「調子のいい奴だ」
「ステラさんは、さすがに部が悪いので別メニューで魔法の練習にしようか」
「んっ 私には一対一は無理」
「魔法はイメージが重要なのは知っての通り、街作りでやったようにイメージで効果は、かなり変わってくる」
「例えばステラさんの得意の炎魔法、これが普通の炎」
俺は、手の平に炎を作り出す。
「この炎をこうすると・・・」
「青い炎!?」
手の平の上でメラメラと燃える炎の色が、オレンジ色から白色、水色から青色に変わっていく。
「そう、炎も高温になると色が変わるんだよ・・・はぁ、はぁ」
「ちょっと大丈夫?」
「ああ、さすがに青い炎は魔力を使いすぎる・・・まあ、こんな感じで同じ炎でもイメージで火力も上がるよ」
「たしか赤い一般的な炎が約1500度、黄色が約4000度、白色が約6500度、そして青色が10000度以上だったと思うけど違ったらごめんね。まあ温度によって炎の色が変わるんだ。 他にも緑や紫など、金属が燃えることでも色が変わるからね、参考程度に覚えておいて」
「別の魔法で実践してみると、礫とかは基本で良く使われると思うけど、ステラさん ちょっとこの盾に魔法を放って見てくれる?」
「別に良いわよ」
「この盾は白兵戦タイプと同じ、なんの変哲もない盾だから」
少し離れた所に、盾を土魔法で岩に固定する。
「分かりやすく石の礫でいってみようか!」
ステラさんが呪文を唱えると、手に持った杖の先から石の礫が勢いよく放たれ、激しい音を立てて盾に当たる。
「どう?」
「盾を見てみよう、跡はあるけどそれだけだね」
「そうだけど、普通こんなもんじゃない?」
「普通ならね、じゃあさっきの礫を鏃のようにして、さらに回転を加えて放ってごらん」
「難しい事、言うわね」
「こんな感じ」
俺はステラさんに分かりやすいように、両手の間にサッカーボールほどの大きさの弾丸を作り出す。
「これに横回転を加えて」
両手の間で浮いている弾丸が回転を始める。
「後は撃ち出すだけだよ」
勢いよく撃ち出された弾丸は遥か先の巨岩に着弾、そのまま貫通していく。
「す、凄い!何あれ!? しかも無詠唱!」
「ごめん、呪文の詠唱については説明できない・・・俺自身、呪文の詠唱なんかしたことないし、すべてイメージでやってるから」
「そっ・・・そうね・・・確かに詠唱は魔法を発動させるための補助だとは知ってるけれど・・・それを簡単に使いこなすヤマト様♡・・・ああっ♡ 子宮が疼いちゃう♡」
エロキツネの目と表情がヤバい! 発情したら魔法の練習どころではなくなってしまう。 ここは我慢してもらおう。
「ステラさん、鏃の形と回転のイメージを加えてやってみて」
「う、うんちょっと待ってて」
ステラさんは目を瞑り一呼吸してから、ゆっくりと呪文を唱えだす。
杖の先に石の礫が出現する。形は鋭利な形になっており、ここまでは合格点だ。
ステラさんが目を見開くと盾に向かって杖を振り、礫を撃ち放つ。
「いけえぇぇぇ!!」
勢い良く撃ち出された礫は、轟音を響かせて盾に直撃した。
「どう? 行って見ましょう!」
ステラさんは結果が気になるのか、盾に駆け寄っていく。
「ヤマトさん! 見て見て! 盾に穴が開いたわよ!」
「ホントだ、やったなステラさん」
盾に弾痕が空き、固定した岩までひび割れている。
少しのアドバイスで成果を上げたステラさんは、やっぱり優秀なのだろうと考えていると、おもむろに彼女が横から抱き着いてくる。
「ヤマトさん、ご褒美ほしいな♡」
フリフリと左右に揺れる狐のしっぽと、期待するその目は反則だろう。 俺はステラさんを抱きしめ、彼女の悩ましい唇にそっと唇を重ねる。
「んむっ・・んんっ・・」
「こらあぁぁ!! そこ! なにしてるぅ!」
ヤバい! リュネールさんに見つかってしまった。 怒りながら駆け寄ってくるリュネールさんを見ながら、慌てる様子もないステラさん。
「ステラ! 抜け駆けしやがって!」
俺に抱き着いているステラさんを、引き剝がそうと近づくリュネールさんが光の障壁に阻まれている。 いつの間にかステラさんが魔法障壁を唱えていたようだ。
「こんなもの、すぐ砕いてやんよ!」
そう、模擬戦までのステラさんの魔法障壁は脆く、砲弾に簡単に突破されていたのだった。
「なに!? こ・この! この!」
リュネールさんが剣を振りかぶって何度も斬りつけてくるが、魔法障壁はビクともしない。
「どう? ヤマトさん、魔法障壁も応用で厚く何層も重ねてみたの」
「ああ、正解だ!咄嗟にこんなことできるなんてステラさんは、やっぱり凄いね」
「うん、褒めて褒めて♡」
「ステラ~!」
リュネールさんが鬼の形相になっている。 それに対して、あかんべぇ~と舌を出し挑発するステラさん。
さすがにやり過ぎだろう。
怒るリュネールさんをなんとか宥め、模擬戦を再開することになったのだが・・・雰囲気は悪い、原因は俺にもあることだし、しょうがないなあ。
「じゃあ、模擬戦で勝てたらキスしてあげるから頑張れよ!」
「ホント!?」
「ああ、キスと言っても軽いやつな! 言っとくが濃厚なのは無しだからな!」
「うしゃあぁぁ! 言質は取ったぞ! やるぞ!」
キスで雰囲気が良くなるなら、安いもんだ。俺にも役得だし♡
「試合開始!」
例のようにキャノンタイプゴーレムの砲撃から始まる模擬戦、リュネールさんが大盾で砲撃を受け止め、白兵戦タイプとロザリーが対峙している。ロザリーも練習していたのか、白兵戦タイプと互角に渡り合っている。最初の頃は、撃ち負けていたのに成長したものだ。
「ロザリーいったん離れて!」
ステラさんが白兵戦タイプの一瞬の隙をついて魔法を撃ちだす。魔法の礫は、白兵戦タイプの盾に直撃貫通してその鉄のボディに穴を開ける。
「今よ、ロザリー!」
魔法を受けて怯んだ白兵戦タイプに追い打ちを掛けて、止めを刺すロザリー。
「ナイス連携!」
声をかける俺に喜ぶ二人、だがまだ戦闘は続いており爆音が響いている。
動きの遅いキャノンタイプゴーレムは、弾幕を張るも3人に囲まれ呆気なく倒され試合終了となった。
「勝った! 初めて勝てたよ!」
「ああ、見事な勝利だよ」
「キス! キッスしてくれるんだよね♡」
「ご褒美のキスだ」
ロザリーの唇にキスをして頭を撫でていく。
「えへへ♡」
約束通りに残る二人にもキスをした。
ステラさんはしれっと舌を入れてきて、何事もなかったかのようにサッと唇を離すのだから恐れ入るよ。
「じゃあ、次は3体3でやってみようか!」
「おう! ハンデは無しだ!」
スキルでアイアンゴーレムを復元していく。ついでに盾を魔法でコーティング強化しておく、簡単に盾ごと貫かれないためのアップデートであり、決して意地悪とかじゃないよ。
さすがに3体3だと、そう簡単に勝つことは難しいようだ。 盾の強化も成功しており、ステラさんは文句を言ってくるが、砲撃でも魔法障壁を簡単には撃ち破れないために、どっちもどっちだった。
練習用のゴーレム3機小隊を3セット用意して、約束のおやつ作りに街に戻る事にした。
「おやつ♡ とっても楽しみにしてるんだから、美味しいの頼むね」
「任せといてよ、ロザリーもがんばってね」
さてと、なにを作ろうかな?
行動パターンも分かっているため、というかゴーレム作成者のため、わかって当然!
ズルいかもしれんがそこは割り切って、お手本ということで模擬戦に参加することになった。
「リュネールさん、作戦だけど・・・・・」
「フムフム、了解! それで行って見よう」
「じゃあ、ステラさん開始の合図よろしく!」
「ハ~イ! 行くよ~、試合開始!!」
「いくぞ!うおおぉぉ!」
試合開始の合図とともに、リュネールさんが大盾を構えキャノンタイプに猛ダッシュを駆ける。
砲撃をものともせず、キャノンタイプとの距離を詰めたところで、側面から白兵戦タイプの強襲を受けるが、コレは俺の出番だ。
迫りくる白兵戦タイプに、突きを繰り出すものの剣先は空を斬る。白兵戦タイプが身を躱し、そこに僅かな距離が生まれる。
「リュネールさん!」
「おう!」
そこでリュネールさんと攻守交替、俺がキャノンタイプに突撃する。その距離はもう僅かしかない。
キャノンタイプがハンドガンで迎撃して来るが、時すでに遅し、突撃のスピードに乗ったまま胴薙ぎ一閃! アイアンゴーレムの硬いボディも真っ二つにするほどの威力だ。
残りは白兵戦タイプ1体、リュネールさんが苦戦しつつも何とか互角に戦っている。
「手助けは必要かい?」
「くっ・・・もう少しだけ、一人で戦わしてくれないかい・・」
「了解」
リュネールさんは大盾を捨て両手で剣を構え、白兵戦タイプと対峙している。
剣戟を紙一重で躱し、時に激しく斬り結ぶ、これが何合か繰り替えしたところで、リュネールさんの剣が白兵戦タイプを捉え試合終了となった。
「はぁ・・・はぁ・・・・」
「リュネールさん、お疲れ様」
「お・おう・・・サンキュウ・・・」
「やったあリュネール姉! 見事な戦いだったよ。 もちろんヤマトさんもね」
「んっ、参考になった」
「分かったかい? 白兵戦タイプは兎も角、砲撃タイプの弱点はその軌道が読みやすいことなんだよ、砲弾は魔法より弾速は速いが直線にしか飛ばないから、砲身からその射線が読み取ることができる。動きも遅いから接近戦に弱いんだよ、これは一般の魔法使いと同じだね」
「その弱点を補うための3機編成なんだけどさ」
「鬼畜ゴーレム・・・射線が分かってもそれを避けるなんて、普通の人間には無理・・・」
ロザリーはブーブー文句を言ってくるが無視だ!
スキルで倒されたゴーレムを復元していく。
「次は各自ゴーレムと、一対一で戦って見ようか」
「え~! 絶対、私だけボコボコじゃん」
「がんばれロザリー! 後でご褒美のおやつ用意しとくからさ」
「おやつぅ♡♡ なんかやる気出てきたわよ」
「調子のいい奴だ」
「ステラさんは、さすがに部が悪いので別メニューで魔法の練習にしようか」
「んっ 私には一対一は無理」
「魔法はイメージが重要なのは知っての通り、街作りでやったようにイメージで効果は、かなり変わってくる」
「例えばステラさんの得意の炎魔法、これが普通の炎」
俺は、手の平に炎を作り出す。
「この炎をこうすると・・・」
「青い炎!?」
手の平の上でメラメラと燃える炎の色が、オレンジ色から白色、水色から青色に変わっていく。
「そう、炎も高温になると色が変わるんだよ・・・はぁ、はぁ」
「ちょっと大丈夫?」
「ああ、さすがに青い炎は魔力を使いすぎる・・・まあ、こんな感じで同じ炎でもイメージで火力も上がるよ」
「たしか赤い一般的な炎が約1500度、黄色が約4000度、白色が約6500度、そして青色が10000度以上だったと思うけど違ったらごめんね。まあ温度によって炎の色が変わるんだ。 他にも緑や紫など、金属が燃えることでも色が変わるからね、参考程度に覚えておいて」
「別の魔法で実践してみると、礫とかは基本で良く使われると思うけど、ステラさん ちょっとこの盾に魔法を放って見てくれる?」
「別に良いわよ」
「この盾は白兵戦タイプと同じ、なんの変哲もない盾だから」
少し離れた所に、盾を土魔法で岩に固定する。
「分かりやすく石の礫でいってみようか!」
ステラさんが呪文を唱えると、手に持った杖の先から石の礫が勢いよく放たれ、激しい音を立てて盾に当たる。
「どう?」
「盾を見てみよう、跡はあるけどそれだけだね」
「そうだけど、普通こんなもんじゃない?」
「普通ならね、じゃあさっきの礫を鏃のようにして、さらに回転を加えて放ってごらん」
「難しい事、言うわね」
「こんな感じ」
俺はステラさんに分かりやすいように、両手の間にサッカーボールほどの大きさの弾丸を作り出す。
「これに横回転を加えて」
両手の間で浮いている弾丸が回転を始める。
「後は撃ち出すだけだよ」
勢いよく撃ち出された弾丸は遥か先の巨岩に着弾、そのまま貫通していく。
「す、凄い!何あれ!? しかも無詠唱!」
「ごめん、呪文の詠唱については説明できない・・・俺自身、呪文の詠唱なんかしたことないし、すべてイメージでやってるから」
「そっ・・・そうね・・・確かに詠唱は魔法を発動させるための補助だとは知ってるけれど・・・それを簡単に使いこなすヤマト様♡・・・ああっ♡ 子宮が疼いちゃう♡」
エロキツネの目と表情がヤバい! 発情したら魔法の練習どころではなくなってしまう。 ここは我慢してもらおう。
「ステラさん、鏃の形と回転のイメージを加えてやってみて」
「う、うんちょっと待ってて」
ステラさんは目を瞑り一呼吸してから、ゆっくりと呪文を唱えだす。
杖の先に石の礫が出現する。形は鋭利な形になっており、ここまでは合格点だ。
ステラさんが目を見開くと盾に向かって杖を振り、礫を撃ち放つ。
「いけえぇぇぇ!!」
勢い良く撃ち出された礫は、轟音を響かせて盾に直撃した。
「どう? 行って見ましょう!」
ステラさんは結果が気になるのか、盾に駆け寄っていく。
「ヤマトさん! 見て見て! 盾に穴が開いたわよ!」
「ホントだ、やったなステラさん」
盾に弾痕が空き、固定した岩までひび割れている。
少しのアドバイスで成果を上げたステラさんは、やっぱり優秀なのだろうと考えていると、おもむろに彼女が横から抱き着いてくる。
「ヤマトさん、ご褒美ほしいな♡」
フリフリと左右に揺れる狐のしっぽと、期待するその目は反則だろう。 俺はステラさんを抱きしめ、彼女の悩ましい唇にそっと唇を重ねる。
「んむっ・・んんっ・・」
「こらあぁぁ!! そこ! なにしてるぅ!」
ヤバい! リュネールさんに見つかってしまった。 怒りながら駆け寄ってくるリュネールさんを見ながら、慌てる様子もないステラさん。
「ステラ! 抜け駆けしやがって!」
俺に抱き着いているステラさんを、引き剝がそうと近づくリュネールさんが光の障壁に阻まれている。 いつの間にかステラさんが魔法障壁を唱えていたようだ。
「こんなもの、すぐ砕いてやんよ!」
そう、模擬戦までのステラさんの魔法障壁は脆く、砲弾に簡単に突破されていたのだった。
「なに!? こ・この! この!」
リュネールさんが剣を振りかぶって何度も斬りつけてくるが、魔法障壁はビクともしない。
「どう? ヤマトさん、魔法障壁も応用で厚く何層も重ねてみたの」
「ああ、正解だ!咄嗟にこんなことできるなんてステラさんは、やっぱり凄いね」
「うん、褒めて褒めて♡」
「ステラ~!」
リュネールさんが鬼の形相になっている。 それに対して、あかんべぇ~と舌を出し挑発するステラさん。
さすがにやり過ぎだろう。
怒るリュネールさんをなんとか宥め、模擬戦を再開することになったのだが・・・雰囲気は悪い、原因は俺にもあることだし、しょうがないなあ。
「じゃあ、模擬戦で勝てたらキスしてあげるから頑張れよ!」
「ホント!?」
「ああ、キスと言っても軽いやつな! 言っとくが濃厚なのは無しだからな!」
「うしゃあぁぁ! 言質は取ったぞ! やるぞ!」
キスで雰囲気が良くなるなら、安いもんだ。俺にも役得だし♡
「試合開始!」
例のようにキャノンタイプゴーレムの砲撃から始まる模擬戦、リュネールさんが大盾で砲撃を受け止め、白兵戦タイプとロザリーが対峙している。ロザリーも練習していたのか、白兵戦タイプと互角に渡り合っている。最初の頃は、撃ち負けていたのに成長したものだ。
「ロザリーいったん離れて!」
ステラさんが白兵戦タイプの一瞬の隙をついて魔法を撃ちだす。魔法の礫は、白兵戦タイプの盾に直撃貫通してその鉄のボディに穴を開ける。
「今よ、ロザリー!」
魔法を受けて怯んだ白兵戦タイプに追い打ちを掛けて、止めを刺すロザリー。
「ナイス連携!」
声をかける俺に喜ぶ二人、だがまだ戦闘は続いており爆音が響いている。
動きの遅いキャノンタイプゴーレムは、弾幕を張るも3人に囲まれ呆気なく倒され試合終了となった。
「勝った! 初めて勝てたよ!」
「ああ、見事な勝利だよ」
「キス! キッスしてくれるんだよね♡」
「ご褒美のキスだ」
ロザリーの唇にキスをして頭を撫でていく。
「えへへ♡」
約束通りに残る二人にもキスをした。
ステラさんはしれっと舌を入れてきて、何事もなかったかのようにサッと唇を離すのだから恐れ入るよ。
「じゃあ、次は3体3でやってみようか!」
「おう! ハンデは無しだ!」
スキルでアイアンゴーレムを復元していく。ついでに盾を魔法でコーティング強化しておく、簡単に盾ごと貫かれないためのアップデートであり、決して意地悪とかじゃないよ。
さすがに3体3だと、そう簡単に勝つことは難しいようだ。 盾の強化も成功しており、ステラさんは文句を言ってくるが、砲撃でも魔法障壁を簡単には撃ち破れないために、どっちもどっちだった。
練習用のゴーレム3機小隊を3セット用意して、約束のおやつ作りに街に戻る事にした。
「おやつ♡ とっても楽しみにしてるんだから、美味しいの頼むね」
「任せといてよ、ロザリーもがんばってね」
さてと、なにを作ろうかな?
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