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その朝、逸は睦郎と共に鳥越の屋敷まで使いに出された。
「登城は午後になると伝えてくれ」
畑野はそう言いながら、手紙をも睦郎に託す。鳥越本人に手渡すようにと言っていた。
父親が親しいという間柄もあって、睦郎は鳥越の屋敷には頻繁に招かれて出入りしている。気軽に訪れられるほどには慣れてきていたが、この日は姉の逸も一緒と聞いて少し怪訝な顔をした。
「逸、まだ鳥越に顔を見せていないのだろう」
「ご挨拶にお伺いしましたが、お留守でございましたから」
「会いたがっていた。今朝なら居るそうだ」
逸と睦郎が出かけてしまってから、しばらくして、静かに訪れを告げる声がした。
式台で彼を迎えた幸枝は、その長身に驚いた。畑野家も、幸枝の実家も、あまり体格に恵まれた家系ではない。彼のような長身の人物を身近で見たことがない。鴨居に頭を打つだろうな、そんな印象を持った。
よく晴れた朝で、高く澄んだ青い空が新兵衛の背後にある。
僅かな緊張を漂わせながら、新兵衛は客間に上がり、畑野と向き合った。
朝の挨拶などを交わした後、茶を、と幸枝が立ち上がりかかるのを、畑野が止める。
「そなたも、お聞きしなさい」
では、といって幸枝は畑野から少し退いたところに座った。
小柄な、逸の黒目がちの潤んだような眼差しに似たそれを持つ母親と、意志の強そうな口元が逸に似た父親の姿を、新兵衛は視界に納めている。冷たい印象はなかった。
以前、逸がぽつりと貧しかった頃のことを話していたことを思い出す。その辛苦の中で、この二人の親が、逸を育て上げてくれた。
逸を。
もう四年半前になるか。結を失ってから、ただ仇を討って死ぬだけだと怨霊のようになっていた新兵衛に、逸は命を吹き込んでくれた。
その逸を、育ててくれた人たちだ。何と礼を述べるべきか、そんなことを考えた。
不思議なほど柔らかな視線を送られながら、畑野も幸枝も同様に新兵衛を見ている。
端然と座した姿勢が良い。偏った力がどこかに篭るのでもなく、ただ静かにその場の風のように彼は居る。
どこか鋭さを蔵した面差しであるのに、穏やかで優しい表情が内側からにじみ出るようである。
若くはない。そこが、畑野と幸枝には不満なことであったが、逸が、ずっとその幸いを祈り続けていた男が彼なのであれば、それは逸にとっては何の不足でもないのだろう。
用向きを、と畑野が静かに言った。
このまま顔だけを見合わせていても、時が過ぎるばかりである。
逸は、不在らしい。それでも促されればそれを言わねばなるまい。
「ご当家の逸子殿を、私の妻に申し受けたく参上いたしました」
澱みなく新兵衛は言った。力みも衒いもない、柔らかく澄んだ声であった。
耳のうちの余韻が消えてから、畑野は小さな溜め息をついた。
「……父親として、ただ娘の泣き顔だけは、見たくないものです。それだけ、解っていただけるだろうか」
膝の上に拳を握り、はい、と新兵衛は頷いた。
失礼ですが、と傍らから幸枝が声をかける。
「水城様は、何歳におなりでしょうか?」
躊躇いがちに、新兵衛は答える。確かにそれは引け目ではあった。
「…三四歳になりました」
「逸は、まだ十八歳ですわ」
逸に似た幸枝の眼差しに、凛とした光が凝っている。
畑野は、不意の幸枝の発言に戸惑う。ここでもしそんなことを理由に断ったとしたら、逸がどれほど嘆くだろうという思いと、断ればまだ逸は娘として家に居てくれるだろうかという奇妙な期待が、彼の胸の中に去来した。
「畑野も申すように、親として、娘の悲しむ顔は見たくないものです。それは私たちが目を閉じた後でも同じこと……。年齢に開きがあれば、それだけ、伴侶に先立たれて一人残される時が長いのではないかと、恐れざるを得ません」
ふと幸枝は言葉を切って、水城様、と呼びかけた。
「貴方様だからこそ、申し上げたいのです。その辛さを、貴方様は誰よりもよくご存知のはずですね?」
「左様、それはよく」
幸枝から視線を外さないまま、新兵衛は頷く。
伴侶に先立たれ残される辛さ、幸枝の言うように、新兵衛はそれをよく知っている。
その思いを、逸には味あわせたくないのだという彼女の言い分は、非常に理解できる。
つまりは、幸枝は新兵衛を断ろうという意図であろうか。そんなことを疑った。疑いながら、確かに幸枝の言う通りであるとも、思った。
やはり、身を引いてしかるべきだろうか。そんなことまで考えてしまう。
「長生きをなさってください」
見ると、幸枝の言葉に畑野が深々と頷いていた。
「長生きをなさると、今私と畑野にお約束下さいませ。逸を一人この世に永く残すようなことはしないと、お約束してくださいませ」
幸枝は、少し涙ぐんでいるようだ。
自らの命が果てた後をも、娘の幸せを祈る。幸枝のそんな母親らしい気持ちに、新兵衛も胸が痛くなるような思いを抱いた。
唇を噛み締めて、新兵衛は俯いた。言葉を発すれば、涙が出てしまうかもしれない。
つまりは、幸枝も畑野も、許してくれたということだ。そして新兵衛に、逸になるべく長く寄り添ってくれと懇願している。
なんと幸福な答えであろうか。
しばらくの沈黙の後に、
「身体は、丈夫です」
ようやく、新兵衛はそれだけを言った。その他の言葉は何も出てこなかった。
後はひどく具体的な話に終始した。
なるほど、逸の父の畑野という男は、能吏である。そんなふうに新兵衛は思った。
藩への届け、結納、仲人、婚礼、衣装、親のいない新兵衛のための仮親、親族への連絡等々……。諸々の手配について、そこまでのことを考えていなかったとは、義父になる男には言いづらい。
「まずは鳥越のところだな」
先ほど睦郎に託した手紙で、その訪問については既に知らせてある。時がない急ごう、と畑野は言い、新兵衛と共に玄関を出た。
鳥越の屋敷から帰って門をくぐったところで、自邸の玄関から出てきた人影に、逸はただ息を飲んだ。
小柄な父親の後に続いて現れた、見まごうことのない背の高いその姿を、逸は閉じた目蓋の中でどれほどなぞったことだろう。
蟄居ではなかったのだろうか。
二度とあの諏訪町の屋敷から出られないのではなかったのだろうか。
その新兵衛がどうして、黒羽二重の紋付羽織に仙台平の袴など、りゅうとした身形で逸の自宅から現れたのだろうか。
どうして、という言葉が逸の頭の中をぐるぐると回る。
だがその答えを得る前に、逸は走り出している。
逸の良く知る優しい穏やかな新兵衛の表情がそこにある。あかるい秋の日差しの下で、逸に微笑んでそこに居る。
なんの理由も要らない。そこに新兵衛が居る。それだけで、逸は全身を喜びにはじけさせた。
よく弾む鞠のように、逸は新兵衛の胸の中に飛び込んだ。
新兵衛の傍らに父が居て、その玄関の中に母が居て、逸の傍らには弟が居た。玄関の脇には新兵衛に付添ってきていた松尾も居る。
周囲は、逸の目に見えていなかった。
胸に飛び込んで縋りついた逸の華奢で小柄な身体を、新兵衛は長身をかがめて覆いかぶさるようにして抱きしめた。どこかが痛むような顔をして、力を籠めて逸の背に腕を回している。
逸は、嬰児のように声を上げて泣き、新兵衛の胸にそれを埋める。
夢でもいい、夢でなければもっといい。
そんなことを考えながら、現実に逸を固く引き寄せる新兵衛の腕の力を感じている。夢ではない。ただ一目会いたい、それだけで良いと願い続けた新兵衛が、逸を強く強く抱きしめてくれている。
子供のようにしゃくりあげる逸を、新兵衛はひたすら力を籠めて抱きしめた。
会いたかった。ただ触れたかった。
自分は死んだものと思い定めて諦めようとさえして、ただ逸が幸せならば良いと祈った。それでも、一人座していた蟄居の暮らしの中で、何度、この逸を渇望する思念に焼かれたことだろう。
祈りは、終わったのだ。
秋の朝、柔らかな青い空の下。
天地に比すればあまりにも小さい姿で抱き合いながら、逸と新兵衛はようやく、互いの祈りの成就を悟った。
「登城は午後になると伝えてくれ」
畑野はそう言いながら、手紙をも睦郎に託す。鳥越本人に手渡すようにと言っていた。
父親が親しいという間柄もあって、睦郎は鳥越の屋敷には頻繁に招かれて出入りしている。気軽に訪れられるほどには慣れてきていたが、この日は姉の逸も一緒と聞いて少し怪訝な顔をした。
「逸、まだ鳥越に顔を見せていないのだろう」
「ご挨拶にお伺いしましたが、お留守でございましたから」
「会いたがっていた。今朝なら居るそうだ」
逸と睦郎が出かけてしまってから、しばらくして、静かに訪れを告げる声がした。
式台で彼を迎えた幸枝は、その長身に驚いた。畑野家も、幸枝の実家も、あまり体格に恵まれた家系ではない。彼のような長身の人物を身近で見たことがない。鴨居に頭を打つだろうな、そんな印象を持った。
よく晴れた朝で、高く澄んだ青い空が新兵衛の背後にある。
僅かな緊張を漂わせながら、新兵衛は客間に上がり、畑野と向き合った。
朝の挨拶などを交わした後、茶を、と幸枝が立ち上がりかかるのを、畑野が止める。
「そなたも、お聞きしなさい」
では、といって幸枝は畑野から少し退いたところに座った。
小柄な、逸の黒目がちの潤んだような眼差しに似たそれを持つ母親と、意志の強そうな口元が逸に似た父親の姿を、新兵衛は視界に納めている。冷たい印象はなかった。
以前、逸がぽつりと貧しかった頃のことを話していたことを思い出す。その辛苦の中で、この二人の親が、逸を育て上げてくれた。
逸を。
もう四年半前になるか。結を失ってから、ただ仇を討って死ぬだけだと怨霊のようになっていた新兵衛に、逸は命を吹き込んでくれた。
その逸を、育ててくれた人たちだ。何と礼を述べるべきか、そんなことを考えた。
不思議なほど柔らかな視線を送られながら、畑野も幸枝も同様に新兵衛を見ている。
端然と座した姿勢が良い。偏った力がどこかに篭るのでもなく、ただ静かにその場の風のように彼は居る。
どこか鋭さを蔵した面差しであるのに、穏やかで優しい表情が内側からにじみ出るようである。
若くはない。そこが、畑野と幸枝には不満なことであったが、逸が、ずっとその幸いを祈り続けていた男が彼なのであれば、それは逸にとっては何の不足でもないのだろう。
用向きを、と畑野が静かに言った。
このまま顔だけを見合わせていても、時が過ぎるばかりである。
逸は、不在らしい。それでも促されればそれを言わねばなるまい。
「ご当家の逸子殿を、私の妻に申し受けたく参上いたしました」
澱みなく新兵衛は言った。力みも衒いもない、柔らかく澄んだ声であった。
耳のうちの余韻が消えてから、畑野は小さな溜め息をついた。
「……父親として、ただ娘の泣き顔だけは、見たくないものです。それだけ、解っていただけるだろうか」
膝の上に拳を握り、はい、と新兵衛は頷いた。
失礼ですが、と傍らから幸枝が声をかける。
「水城様は、何歳におなりでしょうか?」
躊躇いがちに、新兵衛は答える。確かにそれは引け目ではあった。
「…三四歳になりました」
「逸は、まだ十八歳ですわ」
逸に似た幸枝の眼差しに、凛とした光が凝っている。
畑野は、不意の幸枝の発言に戸惑う。ここでもしそんなことを理由に断ったとしたら、逸がどれほど嘆くだろうという思いと、断ればまだ逸は娘として家に居てくれるだろうかという奇妙な期待が、彼の胸の中に去来した。
「畑野も申すように、親として、娘の悲しむ顔は見たくないものです。それは私たちが目を閉じた後でも同じこと……。年齢に開きがあれば、それだけ、伴侶に先立たれて一人残される時が長いのではないかと、恐れざるを得ません」
ふと幸枝は言葉を切って、水城様、と呼びかけた。
「貴方様だからこそ、申し上げたいのです。その辛さを、貴方様は誰よりもよくご存知のはずですね?」
「左様、それはよく」
幸枝から視線を外さないまま、新兵衛は頷く。
伴侶に先立たれ残される辛さ、幸枝の言うように、新兵衛はそれをよく知っている。
その思いを、逸には味あわせたくないのだという彼女の言い分は、非常に理解できる。
つまりは、幸枝は新兵衛を断ろうという意図であろうか。そんなことを疑った。疑いながら、確かに幸枝の言う通りであるとも、思った。
やはり、身を引いてしかるべきだろうか。そんなことまで考えてしまう。
「長生きをなさってください」
見ると、幸枝の言葉に畑野が深々と頷いていた。
「長生きをなさると、今私と畑野にお約束下さいませ。逸を一人この世に永く残すようなことはしないと、お約束してくださいませ」
幸枝は、少し涙ぐんでいるようだ。
自らの命が果てた後をも、娘の幸せを祈る。幸枝のそんな母親らしい気持ちに、新兵衛も胸が痛くなるような思いを抱いた。
唇を噛み締めて、新兵衛は俯いた。言葉を発すれば、涙が出てしまうかもしれない。
つまりは、幸枝も畑野も、許してくれたということだ。そして新兵衛に、逸になるべく長く寄り添ってくれと懇願している。
なんと幸福な答えであろうか。
しばらくの沈黙の後に、
「身体は、丈夫です」
ようやく、新兵衛はそれだけを言った。その他の言葉は何も出てこなかった。
後はひどく具体的な話に終始した。
なるほど、逸の父の畑野という男は、能吏である。そんなふうに新兵衛は思った。
藩への届け、結納、仲人、婚礼、衣装、親のいない新兵衛のための仮親、親族への連絡等々……。諸々の手配について、そこまでのことを考えていなかったとは、義父になる男には言いづらい。
「まずは鳥越のところだな」
先ほど睦郎に託した手紙で、その訪問については既に知らせてある。時がない急ごう、と畑野は言い、新兵衛と共に玄関を出た。
鳥越の屋敷から帰って門をくぐったところで、自邸の玄関から出てきた人影に、逸はただ息を飲んだ。
小柄な父親の後に続いて現れた、見まごうことのない背の高いその姿を、逸は閉じた目蓋の中でどれほどなぞったことだろう。
蟄居ではなかったのだろうか。
二度とあの諏訪町の屋敷から出られないのではなかったのだろうか。
その新兵衛がどうして、黒羽二重の紋付羽織に仙台平の袴など、りゅうとした身形で逸の自宅から現れたのだろうか。
どうして、という言葉が逸の頭の中をぐるぐると回る。
だがその答えを得る前に、逸は走り出している。
逸の良く知る優しい穏やかな新兵衛の表情がそこにある。あかるい秋の日差しの下で、逸に微笑んでそこに居る。
なんの理由も要らない。そこに新兵衛が居る。それだけで、逸は全身を喜びにはじけさせた。
よく弾む鞠のように、逸は新兵衛の胸の中に飛び込んだ。
新兵衛の傍らに父が居て、その玄関の中に母が居て、逸の傍らには弟が居た。玄関の脇には新兵衛に付添ってきていた松尾も居る。
周囲は、逸の目に見えていなかった。
胸に飛び込んで縋りついた逸の華奢で小柄な身体を、新兵衛は長身をかがめて覆いかぶさるようにして抱きしめた。どこかが痛むような顔をして、力を籠めて逸の背に腕を回している。
逸は、嬰児のように声を上げて泣き、新兵衛の胸にそれを埋める。
夢でもいい、夢でなければもっといい。
そんなことを考えながら、現実に逸を固く引き寄せる新兵衛の腕の力を感じている。夢ではない。ただ一目会いたい、それだけで良いと願い続けた新兵衛が、逸を強く強く抱きしめてくれている。
子供のようにしゃくりあげる逸を、新兵衛はひたすら力を籠めて抱きしめた。
会いたかった。ただ触れたかった。
自分は死んだものと思い定めて諦めようとさえして、ただ逸が幸せならば良いと祈った。それでも、一人座していた蟄居の暮らしの中で、何度、この逸を渇望する思念に焼かれたことだろう。
祈りは、終わったのだ。
秋の朝、柔らかな青い空の下。
天地に比すればあまりにも小さい姿で抱き合いながら、逸と新兵衛はようやく、互いの祈りの成就を悟った。
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