短編官能集

山代裕春

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未熟妻

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不意に感じる気配、身構える私。
夫の声、安堵する。
振り向きざまに口吸いをされた。
驚く私、微笑む夫に内心苛立ちを隠せない。
夫を叩くが幼な子をあやすように謝られ、また苛立つ。
撫でられる頭、嫌いじゃない…けど腹が立つ。
夫を引き寄せ私から口吸いをすると目を見開いて驚き、私はほくそ笑む。
それが夫に火をつけてしまったと分かったのはこの十秒後。
再び夫は私に口吸いをすると、体を弄り服を脱がしてくる。
咄嗟に止めたがすでに遅し。
夫の眼は据わり、獲物をとらえた顔…食われる。
瞬間、私の心臓は鳴り響き、本能が叫び出した。
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