私に蜜事を

山代裕春

文字の大きさ
上 下
12 / 39

お灸

しおりを挟む
……夜

空楽「瑠璃子の艶かしい肌に赤い歯形……うーむ」
全く進まない。
空楽「瑠璃子の艶かしい肌に赤い花…違う」
悩む嫁義理こと烏屋空楽、かれこれ2時間をドブに捨てている。
不意に襖が開く音がし、振り向くと生意気小娘が立っている。
空楽「寝れない?」
頷く小娘。
空楽「布団敷いてあるから寝とけ、私はまだ起きてる」
笠年「…」

ピトッ…

空楽「…?!」
笠年「…」
空楽の背中に抱きつき手を握る。
空楽「どうした?」
顔を埋め、何も答えない。
空楽「本当にどうした?」
笠年「……話のネタになるんじゃないかと思って」

・・・・。

空楽「はぃ?」
笠年「かんのぉうって要は男と女の汚ねぇ情事の話だろ?おじちゃんが言ってた」
空楽(あの人なんてこと子供に言ってんだ)
笠年「なんかこうしたら男なんてイチコロ?だって」
淡く光る豊満な胸を腕につけ、上目遣いをする。
空楽「…」
たしかに他の男ならイチコロだろう。
空楽「それ他の人に使うなよ?」
笠年「あ!あとな」
笠年は浴衣をはだけさせ空楽の手を取り頬につける。
空楽「…」
笠年「御殿方…」
艶のある甘え声、普段の言動からは想像ができない。
空楽「……全部大元さんの入れ知恵か?」
笠年「うん」
空楽「………君この後の事は知ってるのか?」
笠年「知ってるぞ、二人で寝るんだろ!」
そこは流石に教えなかったのか…
空楽「…」
笠年「?…」
空楽は笠年を抱き寄せると口付けをする。
笠年「!!?」
離れようとするが頸を抑えられて離れられない。
不意に帯が解かれ浴衣が落ちてゆく。
押し倒され、やっと口が離れるとそこには笠年知ってる空楽はおらず、獣の眼をした空楽がいた。
笠年「か、空楽…?」
するりと空楽の手が笠年の身体を弄り、下着を脱がそうと指を引っ掛ける。
笠年「ぃいや!!」
空楽の顔を思い切り引っ叩き逃げる。
空楽「…」
笠年「はぁ…はぁ…」
頬をさすり睨むような眼光を笠年に向ける。
空楽「これが情事だ覚えとけ、そして二度とやるな」
作業机に戻り、筆をもつ。
空楽「出てけ」
無感情な声、笠年は何も言わず早足で出て行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

高級娼婦×騎士

歌龍吟伶
恋愛
娼婦と騎士の、体から始まるお話。 全3話の短編です。 全話に性的な表現、性描写あり。 他所で知人限定公開していましたが、サービス終了との事でこちらに移しました。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

パート先の店長に

Rollman
恋愛
パート先の店長に。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...