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転校生
10.雪
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「んっ、」
雪が声を上げて目を開けると外は明るくなっていて、そばには誰もいなかった。夢だったのかと周りを見渡すとベットの横の棚にお粥と、水と薬の入った箱、それから便箋と異様に膨らんだ封筒が置いてあった
「手紙、?」
[ゆーくんへ
時間なので授業行ってきます。生徒会のお仕事はちゃんとしとくから安心して休んでね!今日一日は絶対安静に!起きたら連絡してねー
後、封筒の中身見てね、奈緒くんが権力振り回して頑張ったから! 皆より]
「夢じゃなかったんだ」
雪はホッとしたようにそう言い、生徒会メンバーのグループにメッセージを送った
その日の放課
「((ゆーくん!((ゆきゆき!」
「あ、みんな~看病してくれてありがとねぇ~」
全員「………………」
雪の言葉に全員黙った。雪はその様子に首を傾げた
「ゆーくん演技しないで」
「……………分かった」
雪は5人の顔をそれぞれ見てそう言った
「で、何から聞きたい??」
雪は5人に笑いかけながらそう言った
「お前とあいつらの関係は?俺らはお互い干渉しないのが暗黙の了解だったろ」
「幼なじみだよ。幼稚園からの、まさか生徒会と風紀委員で別れるとは思ってなくて、ずっと仲良くしてきたんだよ」
「え?でもあの二人って幼稚園の時もここにいましたよね?それに風紀委員長は1つ年上じゃ」
「幼稚園の時と初等部は僕もいたよ?まぁ、初等部はほとんど通えなくて途中から通わなくなったけど」
「ゆーくんはなんで通わなくなったの?」
「体が弱いっていうか持病があって入退院を繰り返してたんだよ」
その言葉に5人は驚いた顔をした
「じ、びょ、な、に?」
「それは後でね、」
「じゃあ、波留って誰?ゆきゆきの大事な人?」
それを聞かれた時、雪の表情は暗くなった
「うん。大切な人、」
「まさかだがお前の恋人とか?」
会長は冗談めかしにそう言ったが
「だったらなにか?」
雪は少し悲しそうにそう言った。5人は衝撃を受けたように固まった
「波留は僕の恋人だよ。今はもうだった、かもしれないけど」
「それは、その人はもう」
「うん。死んじゃったよ。僕に残ってるのはペンダントだけ、後は、僕の体の中にあるもの」
5人「?」
5人は不思議そうな顔をした
「心ってこと?」
紅葉の言葉に雪は首をふり、シャツのボタンを外し始め、胸のところを5人に見せた。そこには手術痕が残っていた
「僕の、心臓だよ」
「それは、臓器提供ということですか?」
「うん。僕は心臓病で入院してて波留はいつもお見舞いに来てくれてた。でもある日突然、僕の入院していた病院に搬送されてきて、脳死と判定された。その後波留の両親が来て、僕に心臓を提供することにしたと話してくれた。それで僕は波留の心臓をもらって中等部からまたこの学校に戻ってきたんだよ」
「神経質なことを聞いてしまってすみません」
「大丈夫だよ。後、聞きたいことある?」
「あ!ゆきゆきってなんのお仕事してるの?」
「僕も気になる!」
「あぁ、えーとSnow skyって言うお店知ってる?」
「うん!服とかアクセサリーが売ってるお店だよね!」
「僕達よく行くよ!!」
それを聞いて雪は嬉しそうに笑った
「私もよく行きますね………ってまさか、」
「うん。そこ僕が経営とデザインをやってるブランド」
「そうなの!?ゆーくんすごい!」
「ゆきゆきすごい!」
「そんなことないよ。叔父さんにわがまま言って作ってもらったやつだし、」
「す、ごぃ」
「質問はこれくらい?後、聞きたいことない?」
「私は大丈夫です。聞きたいことがあったらまた聞きますね」
「俺もねぇ、まぁ、改めて色々悪かった」
「………………」
「なんだよ」
「いや、会長って謝ることできたんだなぁ~って」
「なんだと雪?お前、ちょっと来い」
「ごめんごめん!!ごめんなさいぃ!」
「かぃ、ちょ、ゆき、いじめ、ちゃ、めっ!」
「いじめてねぇ!」
「そうだよ。ゆーくんいじめちゃダメだよー」
そう言って黄葉は雪に抱きついた
「だからいじめてねぇから!」
その後も1度入った亀裂を埋めるかのように6人は色んな話をしていた。すると
コンコンとノックする音が聞こえた
雪が声を上げて目を開けると外は明るくなっていて、そばには誰もいなかった。夢だったのかと周りを見渡すとベットの横の棚にお粥と、水と薬の入った箱、それから便箋と異様に膨らんだ封筒が置いてあった
「手紙、?」
[ゆーくんへ
時間なので授業行ってきます。生徒会のお仕事はちゃんとしとくから安心して休んでね!今日一日は絶対安静に!起きたら連絡してねー
後、封筒の中身見てね、奈緒くんが権力振り回して頑張ったから! 皆より]
「夢じゃなかったんだ」
雪はホッとしたようにそう言い、生徒会メンバーのグループにメッセージを送った
その日の放課
「((ゆーくん!((ゆきゆき!」
「あ、みんな~看病してくれてありがとねぇ~」
全員「………………」
雪の言葉に全員黙った。雪はその様子に首を傾げた
「ゆーくん演技しないで」
「……………分かった」
雪は5人の顔をそれぞれ見てそう言った
「で、何から聞きたい??」
雪は5人に笑いかけながらそう言った
「お前とあいつらの関係は?俺らはお互い干渉しないのが暗黙の了解だったろ」
「幼なじみだよ。幼稚園からの、まさか生徒会と風紀委員で別れるとは思ってなくて、ずっと仲良くしてきたんだよ」
「え?でもあの二人って幼稚園の時もここにいましたよね?それに風紀委員長は1つ年上じゃ」
「幼稚園の時と初等部は僕もいたよ?まぁ、初等部はほとんど通えなくて途中から通わなくなったけど」
「ゆーくんはなんで通わなくなったの?」
「体が弱いっていうか持病があって入退院を繰り返してたんだよ」
その言葉に5人は驚いた顔をした
「じ、びょ、な、に?」
「それは後でね、」
「じゃあ、波留って誰?ゆきゆきの大事な人?」
それを聞かれた時、雪の表情は暗くなった
「うん。大切な人、」
「まさかだがお前の恋人とか?」
会長は冗談めかしにそう言ったが
「だったらなにか?」
雪は少し悲しそうにそう言った。5人は衝撃を受けたように固まった
「波留は僕の恋人だよ。今はもうだった、かもしれないけど」
「それは、その人はもう」
「うん。死んじゃったよ。僕に残ってるのはペンダントだけ、後は、僕の体の中にあるもの」
5人「?」
5人は不思議そうな顔をした
「心ってこと?」
紅葉の言葉に雪は首をふり、シャツのボタンを外し始め、胸のところを5人に見せた。そこには手術痕が残っていた
「僕の、心臓だよ」
「それは、臓器提供ということですか?」
「うん。僕は心臓病で入院してて波留はいつもお見舞いに来てくれてた。でもある日突然、僕の入院していた病院に搬送されてきて、脳死と判定された。その後波留の両親が来て、僕に心臓を提供することにしたと話してくれた。それで僕は波留の心臓をもらって中等部からまたこの学校に戻ってきたんだよ」
「神経質なことを聞いてしまってすみません」
「大丈夫だよ。後、聞きたいことある?」
「あ!ゆきゆきってなんのお仕事してるの?」
「僕も気になる!」
「あぁ、えーとSnow skyって言うお店知ってる?」
「うん!服とかアクセサリーが売ってるお店だよね!」
「僕達よく行くよ!!」
それを聞いて雪は嬉しそうに笑った
「私もよく行きますね………ってまさか、」
「うん。そこ僕が経営とデザインをやってるブランド」
「そうなの!?ゆーくんすごい!」
「ゆきゆきすごい!」
「そんなことないよ。叔父さんにわがまま言って作ってもらったやつだし、」
「す、ごぃ」
「質問はこれくらい?後、聞きたいことない?」
「私は大丈夫です。聞きたいことがあったらまた聞きますね」
「俺もねぇ、まぁ、改めて色々悪かった」
「………………」
「なんだよ」
「いや、会長って謝ることできたんだなぁ~って」
「なんだと雪?お前、ちょっと来い」
「ごめんごめん!!ごめんなさいぃ!」
「かぃ、ちょ、ゆき、いじめ、ちゃ、めっ!」
「いじめてねぇ!」
「そうだよ。ゆーくんいじめちゃダメだよー」
そう言って黄葉は雪に抱きついた
「だからいじめてねぇから!」
その後も1度入った亀裂を埋めるかのように6人は色んな話をしていた。すると
コンコンとノックする音が聞こえた
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