嫌われ者の長男

りんか

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岬side
煌『記憶が戻ったの?』
さっきの煌の言葉が頭に残ってる
「・・・・戻ったら良かったのに」
僕が取り戻した記憶はほんの少しだけ。弟達がいたこととそれぞれの性格。それからクラスメイトからいじめられていたこと。それだけ
「早く、戻ってよ……」
なんで思い出したいのに、思い出せない。ねぇなんでこんないじわるするの?神様は僕が苦しむのを見て楽しんでるの?
ガチャ
「ただいまー」
玄関の方から声が聞こえてきた。ダメだ。いつも通りにしないとお兄ちゃんなんだから弱さを見せるな
パタパタ
「おかえり」
琴「岬にぃ戻ったよー」
「おかえり琴」
琴「え?今、琴って」
あ、そういえば琴くんって呼んでたか
「少しだけ思い出したんだよね」
ギュッ
琴は僕に抱きついてきた
「・・・・・・」
僕は琴の頭を撫でた
「全部思い出せなくてごめんね」
琴「んーん少しでも思い出してくれて良かったよ」
「・・・・・ごめんね。今日は僕がご飯作るよ。いつも頼りっぱなしじゃだめだし」
琴「大丈夫?」
「大丈夫だよ」
僕は琴から手を離すとキッチンでご飯を作り出した
トントントンッ
ジュワァァァ
久しぶりに料理するなー最後にしたのいつだろう?てかなんで僕、最近料理してなかったんだっけ?それに、僕料理出来たんだ…
頭では覚えていなくても体は覚えていて自然と料理を作る手は動いてくれた。料理をしてると何故かどんどん無心になっていった。そうだ僕はいつもここで五人分のご飯を作って作り終わったら僕は机にご飯を置いて別の家事に取り掛かってた
ピタッ
「…………なんで5人分?」
おかしい僕は6人兄弟。なのに5人分?それに、僕がご飯食べていた記憶が無い。それにしてもなんで急に記憶を?もしかして……昔体験したことを繰り返せば思い出せる?
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