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暑いから海へゆく 5月大型連休①
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「あ、暑い……」
「おーおー暑すぎる」
テストも終わり、時期は大型連休を迎えた5月1日……筋肉痛は一晩寝て回復したのはいいのだが、起きてみたら、めちゃくちゃ暑い。
「おはよう……」
部屋からリビングに行くと、みんな起きてきていて、
「お、おはよう……」
あまりの暑さにぐったりしていた。
今日は、この後ご飯を食べたら「ドラゴンヘル」へと行く予定だったので、昨日からローナさんも泊まっているのだが……
「こ、この暑さで働くのは嫌だ」
照りつける猛暑、道ゆく人たちもぐったりとしている。
「ははは!おれ達!風になってるぅ!」
「風になってるぅぅぅ!」
坂道を駆け降りていく子供達だけは元気だった。
「……こんな時は水浴びしたいなぁ」
エマはダイニングの机にあごを乗せたまま喋る。
水浴びかぁ……確かにそんなことができる場所があれば……
「マーメイド天国!……そうだ!この世には最後の楽園があったじゃないか!」
青空に照りつける太陽、所々にわたあめのような雲が出現し、砂浜までの道を隠す。
おかしいなぁ……砂浜まで後少しなんだけどなぁ……
霧の中を歩くように突き進む。すると、次第に視界が開けてきて、霧を突き進んだ先には……
「白い建物が建ち並ぶ少し傾斜のある街!サラサラの砂浜!……そして!迷い込んだ私を!迎えてくれる魅惑の人魚達!……行こう!魔道バス代はわたしが出す!海へ行こう!」
わたしのその一言から夢がすぐに実現……
朝食を食べてから、食堂は休業にして元気の家メンバー+ローナさんで一路海へとやってきた。
学園都市から魔道バスに揺られること30分……「ザザーン!ビーチ」で有名な観光地「エルトーニ」へとやってきた。
街はわたしの妄想通り、砂浜へと向かって傾斜のある街となっていて建物は漆喰による白、所々の建物の屋根は水色となっていて、太陽の光でサファイアのように輝く海ととてもマッチしていて、思わず見入ってしまった。
「これが心が洗われるって言うのかぁ……」
私は、ブルーのキャンパスに描かれた白の街を見て、つい心の声が漏れてしまう。
「……ええ!金にしか興味のないクミが!景色なんて見ても一銭にもならないとか言うクミが!……熱でもあるのかしら」
心配するユリは私の頭にヒールをかけてくれた。
「ほー」
いつもなら盛大にツッコむのだが、この時ばかりはそんなことどうでもよくて、ただ気持ちの良い潮風を浴びながらこの景色をずっと眺めていたいと思った。
「おおー綺麗な眺めだー」
シルフィも私と一緒にしばらく景色を眺め続けた。
*****
バス停から砂浜までは徒歩で20分とかなり離れているが、そんなこと気にならないほど街の中も綺麗で、お金を手にして家を建てるならここがいいと思った。
「楽しんでいきなぁ」
「よく来たね!」
学園都市の中にも優しい人たちはいるが、どちらかと言うとわざと聞こえるようにひそひそ話す人間が多い。が、ここは違がい、みんなが陽気で明るく、見ず知らずの私たちにまで声をかけてくれる。
「同じ白を基調とする街でも聖国とは大きな違いだね」
聖国は上辺ばかりで、腹の内は黒いことが多い。他人を利用するなんて当たり前。自分が生き残ればそれでいい。
「……よしよし」
そんな感傷に浸る私の頭をシルフィが撫でてくれる。
いつもふざけているけど、本当は優しいんだよな。呑気だけど、その実、私が苦しかった時に離れずにずっと頭の上で寝ていてくれた。……気持ちよさそうに眠っている姿にはムカついたけど、それでも1人じゃなかったからなんとかなっていたし……
「さんきゅ」
「おうーともー」
それから小さな手で目をこすりながら眠りへとつくシルフィ。
「冒険者を引退したらここに住もう」
「私も……意外と魔道バス代も都市の中を走る奴より安かったし、海にもダンジョンはあるし、いいかもね」
上機嫌のエマとユリ。
「疲れたぁ!おんぶしてぇ!ローナ!」
「もう甘えん坊さんなんだから…よいしょ」
ローナさん(28)におんぶしてもらう
サキさん(30)
「うわぁ!街の中もきれい」
「うん!きれいだねぇ」
歩きながら道横の建物や眼下に見える海を見て感動するハンナとクルミ。
「よし!砂浜についたらすぐに波との戦闘が待っている!心しておけ!」
「うん!先陣は僕が切るよ!」
「……ボクも!やれることをやるよ!」
「よく言ったぞ!それでこそ俺の仲間達だ!」
カンタ、コータ、ケータは固い握手を交わし、戦場へと赴く前の兵士の如く強い闘志に満ちた目を輝かせる。
「絶対に勝つぞ!」
「おお!」
3人のボルテージは最高潮に達する。
「あははは……みんな楽しそうで何よりだね」
そんな私たちは、坂道を下り、砂浜へと足を踏み入れる。
「……ん!待っててね!私のマーメイド達!愛してるよー!」
「おーおー暑すぎる」
テストも終わり、時期は大型連休を迎えた5月1日……筋肉痛は一晩寝て回復したのはいいのだが、起きてみたら、めちゃくちゃ暑い。
「おはよう……」
部屋からリビングに行くと、みんな起きてきていて、
「お、おはよう……」
あまりの暑さにぐったりしていた。
今日は、この後ご飯を食べたら「ドラゴンヘル」へと行く予定だったので、昨日からローナさんも泊まっているのだが……
「こ、この暑さで働くのは嫌だ」
照りつける猛暑、道ゆく人たちもぐったりとしている。
「ははは!おれ達!風になってるぅ!」
「風になってるぅぅぅ!」
坂道を駆け降りていく子供達だけは元気だった。
「……こんな時は水浴びしたいなぁ」
エマはダイニングの机にあごを乗せたまま喋る。
水浴びかぁ……確かにそんなことができる場所があれば……
「マーメイド天国!……そうだ!この世には最後の楽園があったじゃないか!」
青空に照りつける太陽、所々にわたあめのような雲が出現し、砂浜までの道を隠す。
おかしいなぁ……砂浜まで後少しなんだけどなぁ……
霧の中を歩くように突き進む。すると、次第に視界が開けてきて、霧を突き進んだ先には……
「白い建物が建ち並ぶ少し傾斜のある街!サラサラの砂浜!……そして!迷い込んだ私を!迎えてくれる魅惑の人魚達!……行こう!魔道バス代はわたしが出す!海へ行こう!」
わたしのその一言から夢がすぐに実現……
朝食を食べてから、食堂は休業にして元気の家メンバー+ローナさんで一路海へとやってきた。
学園都市から魔道バスに揺られること30分……「ザザーン!ビーチ」で有名な観光地「エルトーニ」へとやってきた。
街はわたしの妄想通り、砂浜へと向かって傾斜のある街となっていて建物は漆喰による白、所々の建物の屋根は水色となっていて、太陽の光でサファイアのように輝く海ととてもマッチしていて、思わず見入ってしまった。
「これが心が洗われるって言うのかぁ……」
私は、ブルーのキャンパスに描かれた白の街を見て、つい心の声が漏れてしまう。
「……ええ!金にしか興味のないクミが!景色なんて見ても一銭にもならないとか言うクミが!……熱でもあるのかしら」
心配するユリは私の頭にヒールをかけてくれた。
「ほー」
いつもなら盛大にツッコむのだが、この時ばかりはそんなことどうでもよくて、ただ気持ちの良い潮風を浴びながらこの景色をずっと眺めていたいと思った。
「おおー綺麗な眺めだー」
シルフィも私と一緒にしばらく景色を眺め続けた。
*****
バス停から砂浜までは徒歩で20分とかなり離れているが、そんなこと気にならないほど街の中も綺麗で、お金を手にして家を建てるならここがいいと思った。
「楽しんでいきなぁ」
「よく来たね!」
学園都市の中にも優しい人たちはいるが、どちらかと言うとわざと聞こえるようにひそひそ話す人間が多い。が、ここは違がい、みんなが陽気で明るく、見ず知らずの私たちにまで声をかけてくれる。
「同じ白を基調とする街でも聖国とは大きな違いだね」
聖国は上辺ばかりで、腹の内は黒いことが多い。他人を利用するなんて当たり前。自分が生き残ればそれでいい。
「……よしよし」
そんな感傷に浸る私の頭をシルフィが撫でてくれる。
いつもふざけているけど、本当は優しいんだよな。呑気だけど、その実、私が苦しかった時に離れずにずっと頭の上で寝ていてくれた。……気持ちよさそうに眠っている姿にはムカついたけど、それでも1人じゃなかったからなんとかなっていたし……
「さんきゅ」
「おうーともー」
それから小さな手で目をこすりながら眠りへとつくシルフィ。
「冒険者を引退したらここに住もう」
「私も……意外と魔道バス代も都市の中を走る奴より安かったし、海にもダンジョンはあるし、いいかもね」
上機嫌のエマとユリ。
「疲れたぁ!おんぶしてぇ!ローナ!」
「もう甘えん坊さんなんだから…よいしょ」
ローナさん(28)におんぶしてもらう
サキさん(30)
「うわぁ!街の中もきれい」
「うん!きれいだねぇ」
歩きながら道横の建物や眼下に見える海を見て感動するハンナとクルミ。
「よし!砂浜についたらすぐに波との戦闘が待っている!心しておけ!」
「うん!先陣は僕が切るよ!」
「……ボクも!やれることをやるよ!」
「よく言ったぞ!それでこそ俺の仲間達だ!」
カンタ、コータ、ケータは固い握手を交わし、戦場へと赴く前の兵士の如く強い闘志に満ちた目を輝かせる。
「絶対に勝つぞ!」
「おお!」
3人のボルテージは最高潮に達する。
「あははは……みんな楽しそうで何よりだね」
そんな私たちは、坂道を下り、砂浜へと足を踏み入れる。
「……ん!待っててね!私のマーメイド達!愛してるよー!」
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