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神龍と全力戦闘①

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 「しょうがない……元乳揉み…の方は現役じゃったな」
 「はい!私の絶対唯一神は「お胸様」をおいて他にはいません!お胸様ぁぁ!」
 
 胸元がはち切れんばかりの巨乳を突き出す。

 これが揺れる感覚か……肩凝って仕方ねぇ。
一応、相手は「神龍」ということで武装してきた!ふっふっふ……私史上!最高武装に間違いないぜ。
 どんな相手だろうとこれならば勝てる!
 待っていろよ!神龍!

 「そんな神はおらん」

 真顔で首を振られて否定してくるじいちゃん。
 
 「いいんだよ。信じることが大切なんだから……お胸様ぁぁ!ほら!じいちゃんも一緒に!」

 これから神との戦闘だと言うのに、いつものマイペースで向かう。

 5歳で行った属性龍討伐のときもこんな感じだったなぁ。一人隠れ鬼をしながら……
 まあ、生きてれば予期しないことなんていっぱい起きるもん。悲観してもしょうがないじゃん!

 「とにかく!勢いだぜ!……一発逆転!」
 「……生き方ではなくて戦闘の時だけにしておけよ?一発逆転は……」

 じいちゃんに釘を刺されてしまった。

 ヘーイ……

 私たちは神龍が待つと言う荒野へ向かう。転移でね。

 「空間歩法(ワープ)」


 
 クミ達の暮らす青い星よりも体重が6分の1まで軽くなる、灰色の星。

 いつもより速度を早められる分、聖女だろうと死んでしまう空気が存在しない世界、さらに地面の砂利は鋭利で肌にあたれば……

 想像しただけで、

 「憂鬱なんだけどーわしが……ゴールデンタイムは逃すし、肌も荒れまくりじゃね?」
 「安心しろ。誰も気にはしない」
 
 両手で頬を触り絶望する精霊王と男の意見を伝える神龍さん。

 「何言っとる!お前達が部屋で寝とるときもこっちは金を払って買った美容品で肌を整えとるんじゃぞ!」

 神龍の一言にキレ始めるじいちゃん。

 お?まずはじいちゃんとの戦いからか?

 「柔らかい泡で洗顔!傷つけないようにゆっくりと……特に鼻頭なんかは汚れが落ちにくい。さらに、化粧水で水分をキープし、わしは歳じゃから油分クリームを薄くな!肌に塗り込む。厚く塗ると寝汗が毛穴に溜まって肌荒れの元になるからな。寝る前は乳液は塗らん!鉄則じゃ!」

 私の前に出て、白蛇龍に向かって叫ぶ。

 おおー、勉強になるなぁ……私は、
「ヒール!」で終わりだけどね。大変なんだなぁ。世の女性は……説明してくれたのは、
ジジイだけど……

 「さあ!クミさん!やっておしまいなさい!」

 勝ち誇った、ワシのやるべきことは終わった!と言う顔で私の背中を押すじいちゃん。

 「はぁ……もういいわ」

 白蛇龍に向かって歩く。

 それにしてもでけぇ……小さな村くらいはあるぞ!300メートルくらいか?

 「……ねえ!ハクジャー!」

 神龍と呼ぶのはめんどくさいので適当な名前で呼ぶ。

 「あれ?私の名前聞いてないの?」

 ハクジャーが目をパチパチさせて聞いてくる。

 「うん!知らん!」
 
 私が正直に答えるとハクジャーは、

「諦めるな!諦めたらそこで終わり……
ゴールデンタイム…すやぁ…zzz」
  
 遠くの岩場でベッドを置いて寝始めた妖精王を睨む。

 「全く……と言うことは、あなたを読んだ理由も聞かされてないのですね?」
 「ほーなんかあんだ……ま、とりあえずはバトっとく?ハクジャー殺気全開だし」

 私が言うと、

 「そうですね……力を試してからでもいいでしょう……人化!」

 考え込むように独り言を喋るハクジャーは、一度頷くといきなり大きな体が発光する。

 灰色の星の輝きや他星の輝きとも違う白銀眩い光……

 魔物が怒った時に発する黒い魔力とは違って、全てを浄化する心地よい光……

 母親のお腹の中にいた時のような安心感に包まれる。

 「ふぅ!お待たせ!久しぶりだから手間取っちゃった!……さあ!魔神の落とした黒き影に立ち向かえる力はあるのか。見させもらうわよ!」

 光の中から現れた、白髪の天女……

 な、なんて……

 わたしの視線はハクジャーの一部分に釘付け……ナイスおっぱい

 あまりの綺麗さに見惚れてしまい弱々しくサムズアップ……

 なんだ!この胸の高鳴りは……初恋か!初恋なのかぁ!

 「ま、とりあえずそれは置いておいて……で、戦うの?」

 白髪の天女に尋ねる。

 「はい!行きますよーーーー空間歩法」

 天女はノンタイムでいきなり姿を消した。

 「まって!よーい、どん!は?」

 私は懐に現れた天女の右拳打をおへその前に構えた左手のひらで受け止める。

 「戦いはいつだって突然に」
 「それは恋では?」

 私は、天女の間違ったことわざに思わずつっこんでしまう。
 
 その間にも一歩後ろに下がった天女からの左足前蹴りがみぞおちへと飛んでくる。

 「まあ、そうとも言うー」

 呑気な顔で話しながらえげつない攻撃……

 私は、右足をあげて膝でガード、そのまま上げた右足を相手の股下に擦り込ませながら体もスライドさせて、タックルをかまして天女を吹き飛ばす。
 
 「ご馳走様です!」

 決して狙ってやったわけではないが……肘に伝わる幸せな感触……

 「どういたしまして!」

 特に恥ずかしがる様子もなく押された勢いのまま、後方へ下がって体勢を整える。

 「なるほど……今のは準備運動ですか。
神龍様」

 戦った手応えから、感じたことを口にして聞いてみる。

 天女は首を左右に動かし、足、手を捻ったり、伸ばしたり。

 それが終わると準備万端といった面持ちで私に向き直る。

 「数万年ぶりだったからな。体が鈍っていたが、安心しろ。これからどんどん実力差を見せて行ってやるから!」

 にんまりと太陽のような笑みを浮かべる。

 「マジかぁ……オラ、全然ワクワクしねぇぞ……頼むから殺すのだけはやめてくださいね」
 
 青い顔で話す私。
  
 「うーん?こと、戦闘になると楽しみすぎて加減できなくなるからなぁ。うん。死に物狂いで着いてきて」
 「……わーお!理不尽……」

 これが試練というやつかぁ……人生で13万回目くらいかぁ……めんどくせぇ

 「ま、悲観しててもしょうがなし!なんとかなるっしょ!……いや!私ならなんとかするだろ!これまでもそうしてきたし!」

 どんな戦いも自分を見失ったらおしまい。
大事なのは「心」だ!心が折れなければなんとかなる!

 わたしはテレポートで理不尽へと立ち向かっていく。
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