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離れたくないよぉ
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キャロルside
「よかったぁ」
ダメ。私が一緒にいたら……。
「本当によかった」
傷つけてしまうだけ。離れなくちゃ。一緒にいちゃいけない。
「はぁぁ」
なのに、
「本当によかったよ」
わかってるのに……離れたくない。
"あんたは存在するだけで他人に迷惑をかける"
わかってる。だけど、
(離れたくないよぉぉ)
「お前が何に苦しんでいるのかはよくわからねえけどよ」
そう思わせるのはあなたが耳元で優しくささやくから?
「いなくならないでくれよ。お前がいないとさ」
あなたの心地よい体温のせい?
「こう……一言でうまく言えねえんだけど」
よくわからない。ただ私の心が言う「離れないで」と。
「お前がいないとなんかつまんねえ」
ロベルト殿下は拗ねたように顔を逸らしていった。と思う。そう感じた。
「お、お前はどうなんだよ」
照れくさそうに聞かれた。だから私は、
「は、離れたくないよぉぉ」
って言った。視界がぐちゃぐちゃになってロベルト殿下のことがよく見えなかったけど言った。
「でも……ぐすっ、私と一緒にいたら絶対に迷惑をかけちゃうよー!」
「ははは!心配すんな!俺もお前に負けないくらい嫌われてる!」
「ぐすっ……出来損ないだって、醜いって言われてるんだよ?」
「出来損ないなら王子教育をほっぽって絵に邁進する俺の事を言うための言葉だな!それに」
ロベルト殿下はそう言うと私の体を回して正面を向かせると私の目を見つめて、
「お前は醜くない!お前は美しい!どれくらい美しいかっていうと俺が一目惚れしてしまった程だ!」
紅潮した顔で言った。
「こんな私が一緒にいていいの?」
「お前がいい。お前がいいんだ」
再び強く抱きしめられた。でもさっきと違うとしたら今度は私もロベルト殿下に負けないくらい強く抱きしめ返した。
それからしばらくお互いを抱きしめあった私とロベルト殿下はベンチに腰掛けて今日の出来事を話しあった。
「でも、やっぱり俺はキャロルが醜いって言われることに納得いかない!」
そう言ってロベルト殿下は頬を膨らませた。そんな彼を見て私は、
「ふふ」
と気づいたら笑っていた。
「よかったぁ」
ダメ。私が一緒にいたら……。
「本当によかった」
傷つけてしまうだけ。離れなくちゃ。一緒にいちゃいけない。
「はぁぁ」
なのに、
「本当によかったよ」
わかってるのに……離れたくない。
"あんたは存在するだけで他人に迷惑をかける"
わかってる。だけど、
(離れたくないよぉぉ)
「お前が何に苦しんでいるのかはよくわからねえけどよ」
そう思わせるのはあなたが耳元で優しくささやくから?
「いなくならないでくれよ。お前がいないとさ」
あなたの心地よい体温のせい?
「こう……一言でうまく言えねえんだけど」
よくわからない。ただ私の心が言う「離れないで」と。
「お前がいないとなんかつまんねえ」
ロベルト殿下は拗ねたように顔を逸らしていった。と思う。そう感じた。
「お、お前はどうなんだよ」
照れくさそうに聞かれた。だから私は、
「は、離れたくないよぉぉ」
って言った。視界がぐちゃぐちゃになってロベルト殿下のことがよく見えなかったけど言った。
「でも……ぐすっ、私と一緒にいたら絶対に迷惑をかけちゃうよー!」
「ははは!心配すんな!俺もお前に負けないくらい嫌われてる!」
「ぐすっ……出来損ないだって、醜いって言われてるんだよ?」
「出来損ないなら王子教育をほっぽって絵に邁進する俺の事を言うための言葉だな!それに」
ロベルト殿下はそう言うと私の体を回して正面を向かせると私の目を見つめて、
「お前は醜くない!お前は美しい!どれくらい美しいかっていうと俺が一目惚れしてしまった程だ!」
紅潮した顔で言った。
「こんな私が一緒にいていいの?」
「お前がいい。お前がいいんだ」
再び強く抱きしめられた。でもさっきと違うとしたら今度は私もロベルト殿下に負けないくらい強く抱きしめ返した。
それからしばらくお互いを抱きしめあった私とロベルト殿下はベンチに腰掛けて今日の出来事を話しあった。
「でも、やっぱり俺はキャロルが醜いって言われることに納得いかない!」
そう言ってロベルト殿下は頬を膨らませた。そんな彼を見て私は、
「ふふ」
と気づいたら笑っていた。
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