お前はいらないと捨てられた聖剣エクスカリバー、実は捨てられた本人ですらその凄さを知らずに新たな所有者と無双する……かも!

ドラゴン討伐に訪れた魔の森でドラゴンに襲われている「精霊の泉」に偶然通りかかった勇者パーティーは助けたお礼に攻撃力最強の聖剣デュランダルを手にする。

「な、なんだこの攻撃力は!?」

「おいおい……あんなに手強かったドラゴンがまるでゴブリンのように手応えがねえぞ」

「本当ね。同じ聖剣でもエクスカリバーとはえらい違い」

「こ、これさえあれば僕は他の勇者を出し抜いて魔王を倒して更なる権力を手に……」

勇者クロードは3年苦楽を共にしここまで誰よりも寄り添い支えてくれたエクスカリバーを鞘から抜き放つ。

「君のおかげで勇者の地位まで上り詰めることができた。しかし僕が目指す夢はさらにその先。君ではそこまでついて来ることはできないだろう。今までご苦労だった」

クロードはエクスカリバーを魔の森に捨て、新たな相棒デュランダルを鞘に収め、嬉々として歩き出す。

「これでこの国を僕のものにする事だって
ーーーー」

それからどのくらい経ったのかはわからない。光り物が好きなワイバーンのクチバシに運ばれている途中で落ち、見知らぬ森の地面に突き刺さる。

「このまま朽ちていくのだろうか……」

そう思った時ーー

「おお!あったあった!噂の呪われた剣!」

冒険者風の格好をした女性が木の影から頬を染めて千鳥足で歩いて来た。

これはお前はいらないと捨てられた聖剣エクスカリバーが実は捨てられた本人ですらその凄さを知らずに新たな所有者と無双する……かも!しれない物語。

途中から所有者視点に切り替わります!
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