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どうゆうこと?

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「……よく耐えた!合格だ!俺と正面から戦う資格はあるようだな!」

 そう言うと突然、ブギは魔力放出を止めると俺たち3人に向かって笑った。殺気の籠っていない。本当に心から嬉しさが滲み出た眩しい笑顔だった。

(な、なんで魔力放出をやめた……?)

 出会ってからというものブギの言動の一つ一つが理解できず困惑しっぱなしの俺は、

「お前!さっきから合格とか言ったり……どういう意味だ?それに突然俺たちの前に姿を現したのはなんでだ?」
 
 状況の整理もしたくてブギに疑問をぶつけた。

「おお、確かに先程から唐突すぎることばかりだから困惑するか……しかし!腹が減ってしまってな!お詫びに今から昼食を作るから食べながら説明するとしよう!」

 ブギはポケットに手を突っ込むとそこからエプロンーーそれも純白のフリフリがついたメイドが着るようなものをつけると包丁を手にして、

「ふふふふ」

 と不気味に笑った。

「っ!」

 フリフリのエプロンが似合う可愛らしい顔のくせに武人のような野太い声で不気味な笑い声を上げる光景に戦慄し、とっさにナックルをはめた拳を構えてしまった。あまりにも不気味すぎて鳥肌が止まらない。

「土槍(ディススピア)」

 そして俺が構えたことで戦闘開始の合図だと思ったサンは躊躇うことなく初級攻撃魔法「土槍」をブギへと向けて打った。

「ああああ!ど、どうしよぉぉぉ!」

 サンの攻撃に合わせてビビり散らしながらも大盾を構えたハンスが俺たちの前に出た。

「そんなに焦るな」

 土槍が調理をするブギのこめかみへと滑り込むように飛んでいった。

「飯というものは手早く作ることも大切だが焦って作ると美味しいモノは出来ずらない。それにお前たちも腹が減っているのだろう。腹が減っては『戦』はできぬというしな。あと5分でできるからトイレを済ませてこい」

 しかし当たる寸前でブギは難なく土槍をキャッチした。

「……集合!」

 もう訳がわからず。とにかくまずは状況整理がしたくて2人を呼んだ。

「状況整理がしたいんだけど……魔王軍四天王が俺たちの飯を作ってんだけど……これって夢か?」

 野菜をカットするブギを指さして二人に尋ねた。

「あってるよぉぉ。あいつは魔王軍四天王のブギだって言ってたよぉぉ」

 鼻水と涙で顔がグチャグチャのハンスが俺の問いにそう答えた。

「そうだよな。俺の聞き間違いじゃない」

 そんなハンスにタオルを渡しつつ、

「で、そのブギって奴がなんで俺たちの昼飯を作ってんだ?」

 鼻歌を口ずさみながら、今度はトマトを切っているブギをチラ見しつつサンに聞いた。

「わからないわ」

 俺と同様、状況が理解できず困惑気味のサンは隙を見せるブギに向かって杖を構えて魔力を練り上げようとしたので、

「やめい」

 と止めた。

「……」

 その後、3人で「うーん」とうなり考えたがこれだという答えは出ずそうこうしてる間に、

「飯ができたぞ!早速、3人と一体で食べようではないか!……手は洗ってきたか?」

 魔王軍四天王「暴乱」のブギ作ーー「猪肉のレタスとトマトのサンドイッチ」が俺たち3人の前に並べられた。

(……くぁぁぁ!!めっちゃうまそう!)
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