グータラ令嬢の私、婚約す。そしたら前世の記憶が戻った。

 たまに夢を見る。

駅の改札から逃げ惑う人々。

" 〇〇が無事で "

 私の腕の中でどんどん冷たくなっていくーー。

" 本当によかったぁ "

 ーーの腹部から流れ出る血。私はハンカチで力一杯抑える。だけど、止まらない。

" ずっと怖くて言えなかった "

 寒い時に握るとカイロの代わりになって暖かいーーの手。今は信じられないほど冷たいーーの手が出血部を抑える私の手を握った。

" おれはずっとお前のことが "

 その夢を見た後は酷い喪失感に苛まれる。それはまるで、大切な何かを忘れてしまったような感覚。

 それでも、

「かーわーいーいー!どの服もミリアたんにピッタリ!端から端、みんなちょうだい!」

 という騒がしい父に、

「あははは!今日も寝坊したんだって!お嬢様!」

「ま、俺たちは昨日の夜から今まで飲んだくれてるんだけどな!」

「よっ!人でなしー!」

「ちげぇねぇ!ぎゃははは!」

 毎日飲んだくれる領民達に囲まれて幸せな日々を送ってます。
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