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帝国編
第4話 魔神
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世界中に広まった魔王軍壊滅の話は、もちろん勇者の元にも流れてきた。
「魔王が死んだ!?」
「私たちまだ勇者らしいことできてないのにあっさり終わっちゃうのね。」
みんなが喜んでいる中、アーサー、マーリン、そしてカイトは浮かない顔をしていた。
「マーリン。」
「ええ、魔王がやられるはずがない。」
「どういうことよ。」
「俺らを襲ってきたドラゴニュートの連中。奴らははっきり言ってバケモンだった。そんな奴らより強い魔王がロキ如きに負けるわけが無いってことだ。」
アーサーに続いてマーリンが話す。
「しかし妙だな。その魔王が死を偽装する意味はなんだ?あれほどの力を持っているならそんな小細工いらないはずだが…。」
「とりあえず今は安心してる場合じゃない。さっさとあいつのところへ行こう。」
「次の目的地は?」
「プロヴァンス。」
ーーーその頃教会ではーーー
「イラデウス!」
「フルディウス!」
バチバチと音を立てる雷撃と雷の剣がレオに放たれる。そしてレオに命中すると、ドゴーン!と轟音が鳴り響き、辺りに砂埃が舞った。
「やったか?」
しばらく静寂が続いた時、砂埃が消え始めると同時に声が聞こえてきた。
「いい魔法だったが、いい魔法如きでは俺を倒すことはできない。」
そして砂埃が消え、そこには傷一つない魔王が立っていた。それを見て言葉が出ない2人。ただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
「これでわかったな?貴様らの運命は2、死だ。」
そしてレオは手から魔法を放ち始める。それはどんどんと大きくなっていき、やがて体と同じくらいの黒い球体になった。
「テネブラエ・プルヴィス。」
黒い球体から塵の集合体のような何本もの触手が2人に向かって突き進む。
「1を選んでおけば、もう少し生きれてたのかな…」
その言葉を最後に2人は大量の触手に体を突き抜かれ死んでいった。
そして無惨な死体が2つそこに転がると、入口からエレーナが入ってきた。
「エレーナ、回復を。」
「はい!」
エレーナが次々と回復魔法をかけていく。その間、レオは外にいるケーレスと話をしていた。
「なぜこんな被害が出た?皇帝を殺す、シンプルな任務だったはずだ。」
「おそらくバレていたのでしょうね、だとしても私だったら全員倒せてたわ。」
「冗談言ってる場合じゃないよリリス姉さん!」
そこへまだ完治していないボロボロの状態のシモンとローズがやって来た。
「リリスの言う通り、作戦がバレていました。」
「まんまと騙されたんだよ、ワシらは。」
「マートンの仕業か?」
「恐らく彼ではないでしょう。彼が内通者ならそもそも殺すのに死んだふりをさせる意味がありません。」
「そしてそれを慕っているザイールも除外となると…」
するとローズがくすくすと笑い始めた。
「ああ…いたじゃないか。ここの情報を渡してきた男が1人。」
それを聞いて思い出したかのようにレオが言う。
「映像カラスを持ってきた男か。」
その時、何かに気づいたようにポコが聞く。
「そういえば魔王様、どうしてここに来たのですか?」
それを聞いた皆もたしかにと顔に出した。
「母に言われたんだ。」
「シュナ様に?」
「母は予知夢を見れるようでな、今回のことも夢で見たおかげで駆けつけることができた。」
そして治療が終わったエレーナが外に出てきた。
「よくやったエレーナ。これで全員無事か?」
「はい、無事に全員完了しました。」
「それで魔王様、これからどうなさいますか?」
「カテルワの拠点に戻る。目標は内通者だ。」
「魔王が死んだ!?」
「私たちまだ勇者らしいことできてないのにあっさり終わっちゃうのね。」
みんなが喜んでいる中、アーサー、マーリン、そしてカイトは浮かない顔をしていた。
「マーリン。」
「ええ、魔王がやられるはずがない。」
「どういうことよ。」
「俺らを襲ってきたドラゴニュートの連中。奴らははっきり言ってバケモンだった。そんな奴らより強い魔王がロキ如きに負けるわけが無いってことだ。」
アーサーに続いてマーリンが話す。
「しかし妙だな。その魔王が死を偽装する意味はなんだ?あれほどの力を持っているならそんな小細工いらないはずだが…。」
「とりあえず今は安心してる場合じゃない。さっさとあいつのところへ行こう。」
「次の目的地は?」
「プロヴァンス。」
ーーーその頃教会ではーーー
「イラデウス!」
「フルディウス!」
バチバチと音を立てる雷撃と雷の剣がレオに放たれる。そしてレオに命中すると、ドゴーン!と轟音が鳴り響き、辺りに砂埃が舞った。
「やったか?」
しばらく静寂が続いた時、砂埃が消え始めると同時に声が聞こえてきた。
「いい魔法だったが、いい魔法如きでは俺を倒すことはできない。」
そして砂埃が消え、そこには傷一つない魔王が立っていた。それを見て言葉が出ない2人。ただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
「これでわかったな?貴様らの運命は2、死だ。」
そしてレオは手から魔法を放ち始める。それはどんどんと大きくなっていき、やがて体と同じくらいの黒い球体になった。
「テネブラエ・プルヴィス。」
黒い球体から塵の集合体のような何本もの触手が2人に向かって突き進む。
「1を選んでおけば、もう少し生きれてたのかな…」
その言葉を最後に2人は大量の触手に体を突き抜かれ死んでいった。
そして無惨な死体が2つそこに転がると、入口からエレーナが入ってきた。
「エレーナ、回復を。」
「はい!」
エレーナが次々と回復魔法をかけていく。その間、レオは外にいるケーレスと話をしていた。
「なぜこんな被害が出た?皇帝を殺す、シンプルな任務だったはずだ。」
「おそらくバレていたのでしょうね、だとしても私だったら全員倒せてたわ。」
「冗談言ってる場合じゃないよリリス姉さん!」
そこへまだ完治していないボロボロの状態のシモンとローズがやって来た。
「リリスの言う通り、作戦がバレていました。」
「まんまと騙されたんだよ、ワシらは。」
「マートンの仕業か?」
「恐らく彼ではないでしょう。彼が内通者ならそもそも殺すのに死んだふりをさせる意味がありません。」
「そしてそれを慕っているザイールも除外となると…」
するとローズがくすくすと笑い始めた。
「ああ…いたじゃないか。ここの情報を渡してきた男が1人。」
それを聞いて思い出したかのようにレオが言う。
「映像カラスを持ってきた男か。」
その時、何かに気づいたようにポコが聞く。
「そういえば魔王様、どうしてここに来たのですか?」
それを聞いた皆もたしかにと顔に出した。
「母に言われたんだ。」
「シュナ様に?」
「母は予知夢を見れるようでな、今回のことも夢で見たおかげで駆けつけることができた。」
そして治療が終わったエレーナが外に出てきた。
「よくやったエレーナ。これで全員無事か?」
「はい、無事に全員完了しました。」
「それで魔王様、これからどうなさいますか?」
「カテルワの拠点に戻る。目標は内通者だ。」
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