魔王様は世界を支配したい!〜異世界で魔王になったので本気で魔王やる〜

ばにく

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予言の魔王編

第31話 成長

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 「俺はもうキャメロットにはいられない。早いとこ場所を移さないと。」


 「相手は何者ですか!?」


 「さあな。だが俺が生きてると不都合な連中らしい。あの2人は殺しのプロだった。」


 アーサーは大急ぎで荷物をカバンに突っ込む。


 「俺達も行きます。」


 「バカを言うな!狙われたのは俺だ、お前じゃない。俺についてきたらお前らまで危険な目にあう!」


 「でも特訓がまだ途中です!今の状態じゃ魔王に勝つことはできない。行かせてください!」


 アーサーは手を止め、カイトの真っ直ぐな目を見る。


 「わかった。だが当分まともな暮らしは出来ないと思え。」


 「ありがとうございます。」


 カイトたちは荷物をまとめて馬に乗る。


 「行き先は?」


 「古い友に会いにいく。」
 

 ーーーアサイラム ダビネスーーー


 疲れた。支配下とは言ってるけど、ウングィスのことは全部ラドルフに押し付けてきた。ただでさえダビネスのこともあるしね。ここんとこは忙しすぎてゆっくりできてなかったな。のんびりしよーっと。そうだ!
 なにか閃いたレオはパチンと指を鳴らした。


 「エレーナ!」


 「いかがなさいましたか?」


 「温泉が欲しい。」


 「温泉ですか…?」


 「ああ。今ものすごく疲れを取りたい。」


 「わかりました。でしたら街に巨人族がいたのでその者達に言ってみてはどうでしょう。」


 「よし、決まりだ。」


 しばらくして街にいる巨人族を城に招集する。


 「温泉ですか?」


 「ああそうだ。我が民のために娯楽施設を作ってやろうと思ってな。」


 「なんとも慈悲深き御方!私達のためを思ってくださるとは。」


 本当は自分のためなんて言えない…。


 「その役目、ぜひ我々巨人族にお任せ下さい!」


 「頼んだ。ああそれと、城にもプライベート用の温泉を作ってくれ。我が配下の者共の癒しとなるからな。」


 「承知致しました。」


 楽しみがひとつできた!くぅー待ち遠しい!
温泉のことはあいつらに任せて、暇だしケーレスのところに遊びに行くか。


 「エレーナ、ケーレスの様子を見てくる。」


 「かしこまりました。」


 ーーー魔王軍 陸軍基地ーーー


 基地に着くと、ビシッと姿勢よく並ぶ兵士達が出迎えてくれた。


 「平伏せよ!」


 すると列の兵士達が一斉に跪いた。
 レオは列の間を通り抜ける。奥にはリリスとガルムが跪いて出迎えてくれた。


 「お待ちしておりました魔王様。お越しいただいて光栄です。」
 

 「部隊のほうはどうだ?」


 「はい。リベルタスからの人員派遣によって戦力の拡張ができました。今や1万を超える兵力を有しております。」


 「ほう、これは我が母に感謝だな。」


 「また、ウングィス王国の武器や兵器を利用するため、兵器の扱いを訓練しているところでございます。」


 横では大きなカタパルトを的に命中させる訓練をしていた。


 「なるほど。引き続き頼んだぞ。」


 「御意。」


 俺はその後、ポコの所へと向かった。


 ーーー魔王軍 空軍基地ーーー


 「ま、魔王様!お越しいただけるなんて!」


 「ポコ、元気そうだな。」


 「はい!おかげさまで僕にも部下ができました!」


 空軍では、ポコがテイムしたドラゴンやコウモリなど、その他の飛行生物に乗って戦う。ドラゴンライダーとしての訓練をしていた。


 「今のところ、部下たちは僕のペット達と打ち解けれないみたいで…。人数は300人なのですけど、実戦で戦えるドラゴンライダーは100人程度です。」


 「そうか、だが焦ることはない。ポコは優秀なテイマーだ。焦らずゆっくり進めていけ。」


 「優秀だなんて勿体なきお言葉!ありがとうございます!」


 俺は最後にローズ率いる魔術軍の基地に向かった。


 ーーー魔王軍 魔術軍基地ーーー


 基地に着くなり、巨大なゴーレムがお出迎えしてくれた。


 「立派なゴーレムだな。」


 「魔王様!お越しいただけるなんて光栄です。」


 「魔術軍の状況はどうだ?」


 「はい。我々魔術軍は500人を超える兵を有しており、その内の約100人が神級魔法の使い手、10人が黒魔法の使い手でございます。」


 「意外といるものなのだな。」


 「もちろん魔法の階級も大事ですが、1番大事なのは魔力でございます。体内に秘める魔力がその者の放つ魔法の威力に直結しているので1番大事なのは魔力…」


 その後ペラペラと魔法に関しての話をされて気がつけば10分経っていた。


 「はっ!私としたことが申し訳ありません魔王様!貴方様の大切な時間を奪ってしまいました。」


 「き、気にするな。ローズの魔法に対しての熱量を知れてよかったからな…。」


 それぞれの現状を知れた俺は魔王城に戻った。シモンのアサシン部隊のところにも行こうとしたけど、前回の作戦でその力を目にしてるから行かなかった。
 

 「さてと、温泉ができるまでやることないな…。新しくなった軍の強さを知っときたいからなんか作戦でもあげるか。」


 レオは指を鳴らしてエレーナを呼ぶ。


 「お呼びでしょうか。」


 「エレーナ。近くに敵軍が滞在している街はあるか?」


 「最近、帝国軍が出入りしているドミネスという街が近くにございます。」


 よし!そこに決めた!
 レオは通信機を手に取って話す。


 「陸軍、貴様らの力を見せて欲しい。場所はドミネス。任務は滞在している帝国軍の殲滅及びドミネスの制圧だ。帝国軍共を我が父の元へ案内してやれ!」

 
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