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予言の魔王編
第26話 意外な接触
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城にこもってゆっくりしていた時だった…。
「魔王様!大至急外へ!」
「何事だ?」
俺はだらけていた顔をひっぱたくようにして外に出る。
彼に連れられ門まで行くと、そこにはウングィス王国国王ラドルフとたった数人の護衛がいた。
奴らは馬から降りるとその場で膝まづいた。
「魔王レオ様、どうか我々を、ウングィス王国を救っていただけませんか!」
はぁ!?なんの冗談だよ!
その時、隣にいたリノが声を上げる。
「貴様!いきなり訪れて助けてくれなど無礼だぞ!」
「まあ落ち着け、とにかく中に入れ。話はそれからだ。」
中に案内すると、奴は恐竜の化石を見る子供のような目で歩いていた。
ここは博物館じゃないんだぞ…。
玉座につくと、早速話を始める。
「それで、まずは要件を一から述べよ。」
「はい。まず我々武器国家ウングィスは、連合国に加盟しておりました。ですがある日、メトゥス帝国が我々の兵士に偽装し、グリニアの住民を次々と殺していきました。それを我々ウングィスの侵攻だと言われ釈明しようとしましたが、共和国に聞いてもらえず連合国を追放されました。そしてウングィスは帝国と戦争状態になりました。」
「ふむ、それでどうした?」
「魔王国家アサイラムに支援要請を送りたく…」
「貴様、今自分がどれほど身勝手なことを言ってるのか分かっているのか?」
その瞬間、場に凍てつく吹雪のような緊張感が漂う。
「分かっております!なので我々ウングィスは貴方様の支配下になります。なんでも致します!なのであの忌々しい皇帝を、自国の民を手段としか思わない外道共をどうか成敗いただけないでしょうか!」
するとさっきの緊張感が嘘だったようにレオが笑い出した。
「ふはははは!お前のその素直さには感心した。いいだろう…その願い聞き受けよう。」
「はっ!ありがとうございます!」
ーーーウングィス王国 作戦本部ーーー
ラドルフの情報も合わせて作戦を練ることにした。
「まず、奴らの300人規模の軍隊がこの森を通ってくることが確認できています。現在奴らはこの川の地点。森を抜けるにはあと2日はかかるでしょう。」
「この軍隊を森から出させるわけにはいかないが、こちらの攻撃を知らされるわけにもいかない。奴らの軍隊を出来るかぎりこの森で排除する。」
「なるほど、この森は大きいが故に情報が取りにくい…そこを利用してなにも知らない奴らをこの森で待ち伏せるということですか。」
「その通りだ。シモン、貴様はステルスが得意だったな。」
「はい、左様でございます。」
「お前らアサシン部隊はこの森で奴らを囲むように待機し、軍がこのポイントAまで来たら攻撃を開始しろ。ここで全滅させればベストだが、念には念をだ。部隊の数名は奴らの後ろに回り込み、逃げる者を1人残らず殺せ。」
「了解致しました。」
「よし、ではケーレスデルタ部隊、作戦を開始せよ。奴ら帝国の外道共を我が父の元へ案内してやれ!」
「御意!」
シモンたちは素早く飛び去っていった。
「魔王様!大至急外へ!」
「何事だ?」
俺はだらけていた顔をひっぱたくようにして外に出る。
彼に連れられ門まで行くと、そこにはウングィス王国国王ラドルフとたった数人の護衛がいた。
奴らは馬から降りるとその場で膝まづいた。
「魔王レオ様、どうか我々を、ウングィス王国を救っていただけませんか!」
はぁ!?なんの冗談だよ!
その時、隣にいたリノが声を上げる。
「貴様!いきなり訪れて助けてくれなど無礼だぞ!」
「まあ落ち着け、とにかく中に入れ。話はそれからだ。」
中に案内すると、奴は恐竜の化石を見る子供のような目で歩いていた。
ここは博物館じゃないんだぞ…。
玉座につくと、早速話を始める。
「それで、まずは要件を一から述べよ。」
「はい。まず我々武器国家ウングィスは、連合国に加盟しておりました。ですがある日、メトゥス帝国が我々の兵士に偽装し、グリニアの住民を次々と殺していきました。それを我々ウングィスの侵攻だと言われ釈明しようとしましたが、共和国に聞いてもらえず連合国を追放されました。そしてウングィスは帝国と戦争状態になりました。」
「ふむ、それでどうした?」
「魔王国家アサイラムに支援要請を送りたく…」
「貴様、今自分がどれほど身勝手なことを言ってるのか分かっているのか?」
その瞬間、場に凍てつく吹雪のような緊張感が漂う。
「分かっております!なので我々ウングィスは貴方様の支配下になります。なんでも致します!なのであの忌々しい皇帝を、自国の民を手段としか思わない外道共をどうか成敗いただけないでしょうか!」
するとさっきの緊張感が嘘だったようにレオが笑い出した。
「ふはははは!お前のその素直さには感心した。いいだろう…その願い聞き受けよう。」
「はっ!ありがとうございます!」
ーーーウングィス王国 作戦本部ーーー
ラドルフの情報も合わせて作戦を練ることにした。
「まず、奴らの300人規模の軍隊がこの森を通ってくることが確認できています。現在奴らはこの川の地点。森を抜けるにはあと2日はかかるでしょう。」
「この軍隊を森から出させるわけにはいかないが、こちらの攻撃を知らされるわけにもいかない。奴らの軍隊を出来るかぎりこの森で排除する。」
「なるほど、この森は大きいが故に情報が取りにくい…そこを利用してなにも知らない奴らをこの森で待ち伏せるということですか。」
「その通りだ。シモン、貴様はステルスが得意だったな。」
「はい、左様でございます。」
「お前らアサシン部隊はこの森で奴らを囲むように待機し、軍がこのポイントAまで来たら攻撃を開始しろ。ここで全滅させればベストだが、念には念をだ。部隊の数名は奴らの後ろに回り込み、逃げる者を1人残らず殺せ。」
「了解致しました。」
「よし、ではケーレスデルタ部隊、作戦を開始せよ。奴ら帝国の外道共を我が父の元へ案内してやれ!」
「御意!」
シモンたちは素早く飛び去っていった。
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