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予言の魔王編
第22話 閃光
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「今ので最後のようだな。」
カイトたち4人は、ダンジョンを攻略していた。
「しっかし気のせいか?魔王が出現してからダンジョンの魔物たちがやたら強くなった気がする。」
「僕もそう思う。」
「何かしら関係してるのかしらね…」
4人はダンジョンの奥へと進んでいく。
「もうすぐダンジョンボスだ。みんな用心して。」
進んだ先は水色に光る鉱石があちこちにある広い空間だった。
「綺麗だ。」
見とれていたのもつかの間、ダンジョンが激しく揺れ始める。
「来る!」
暗闇から出てきたのは体長20mほどの巨大なキメラだった。
「キメラか!」
奴は凄まじい咆哮を放ち、カイト達をふらつかせた。
「ジョー!奴の攻撃を受け止めてくれ。クリス、俺らにバフを!カレン、一気に叩くぞ!」
「了解!」
2人はキメラの巨体に突っ込んでいく。
「うおおおお!!」
2人の渾身の刺突は確かに刺さった。だがキメラにそれが効いているようには全く見えなかった。
次の瞬間、2人は大きく振り払われて吹っ飛んだ。
「カイト!」
吹っ飛んできたカイトをジョーが受け止める。
「ありがとう、助かった。」
その時、奴は孤立したカレンを狙っていた。
彼女はまだ立ち上がるのに必死で攻撃を回避できない。
「まずい、カレン!」
彼女が顔を上げると既に奴はその大きな爪を立てて振りかぶっていた。
「やめろおお!」
カイトが必死にカレンのほうへ手を伸ばす。その時、突如手から目が焼けるほどの光が放たれた。そしてその光は具現化し、ひとつのクリスタルのようになると、キメラ目掛けて発射した。それは奴の首元に刺さり、奴は雄叫びをあげて死んだ。
なんだ!?今の…!
「今のは…光の魔法…!?」
「おいそれって、先代勇者が使ってた魔法か!?」
俺が出したんだよな?今の…。
「ありがと、カイト。おかげで助かった。」
「あ、ああ。無事でよかったよ。」
「しかし驚いたわ。まさかあなたが光の魔法を使えるなんて。」
「珍しいのか?」
「今のところ使える人はあなた以外に1人だけね。」
「その1人ってのは誰なんだ?」
「アーサー。先代勇者の血を引く者よ。」
ーーーアサイラム領 ダビネスーーー
「ケーレスよ、少しまったりとした任務を与えてやろう。この俺に武器を作ってきてくれ。もっとも俺に相応しい武器を持ってきた者には褒美として我が魔力を分けてやろう。」
それを聞いたケーレスは幼稚園児のようにはしゃいだ。
「魔王様の魔力を分けていただく!?ああん♡想像しただけで興奮が止まらない!」
「魔王様の魔力をいただけばわしの魔法は完璧と言ってもいいほどの最高峰に到達する!」
「魔王様に一番似合う武器を持ってまいります!」
「我こそが武の達人。武器のことはお任せ下さい。」
「人を殺すということに関しては私が一番詳しいです。」
「それでは任せたぞ。タイムリミットは日没までだ。では行け!」
「「御意!」」
その後、リリスはローズの元を訪ねた。
「ねえローズ?ここは一度協力しない?」
「奇遇じゃな。わしもそう思っておった。」
「とりあえずは鉱石採取かしら。」
ーーー東の森 ダンジョンーーー
「まさか戻ってくるとはな。」
2人は既にダンジョンの最深部にいた。
「こんなところに大量のミスリルがあるわ♡」
「ダンジョンの地形が少し変わっとるのかの?」
その時、壁が勢いよく破壊され、中から巨大なゴーレムが現れた。
「ゴーレムか。」
ローズがゴーレムに向けて指を向ける。
「ファイアボール。」
指の大きさに合わないほど巨大な火の玉が奴に放たれる。魔法を喰らったゴーレムは跡形もなく粉々に砕け散った。
「久しぶりにゴーレムを作ってみるのも悪くないかの。」
「見て、こんなにたくさん手に入ったわ♡」
「よし、これを持ってあやつのところへ行くとするかの!」
ーーーリベルタス王国 ホープシティーーー
机にドン!と勢いよく大量のミスリルが置かれる。
それを見た店主のドワーフがたまげた顔をする。
「ミスリルがこんなに大量にぃ!?」
「これをいくらでも使っていいから魔王様に相応しいとっておきの武器を作ってちょうだい。」
「かしこまりました!すぐやらせていただきます!」
彼の名はジン。その昔、ドワーフの国で超一流の鍛冶師だったらしい…今はなんやかんやあってリベルタス王国に住んでいる。
「あとこれも少しだけど使って。」
「ア、アダマンタイトまで!?」
(Sランク冒険者が1つ見つけるのに丸3日はダンジョンに潜らないといけない代物をこんなに大量に…!?)
「これだけのものがあれば神の頂にすら届くものが作れます!」
「ええ、頼んだわよ~。」
ーーー数時間後ーーー
「できました!」
そう言ってウキウキと持ってきたのは、紅くそして黒く、グリップはゴツゴツとした禍々しい剣だった。
「これこそ魔王様に相応しい代物だわ!礼を言うわ。ドワーフ。」
「いえいえ、俺になにかできることがあればまた来てください!」
2人はおもちゃを買ってもらった子供のようにウキウキとはしゃぎながら店を後にした。
そして時は日没。ケーレスが各々の武器を持って集合した。
「ではアルファから順に見せてみろ。」
「私が持ってきたのはこちらです。」
取り出したのは紫色の大きな剣だった。
「ほう。」
レオは試しに手に持って振ってみる。
「うーん…悪くないが、少しばかりデカすぎるような。」
そう言って近くの岩に一振して粉砕した。
それを見たケーレスがなぜかドン引きしていた。
「どうした?お前ら。」
「魔王様、我が作ったその武器は…大剣、つまり両手で扱う剣です…。」
「え?」
レオは両手で持ってやっと重いけど持てる武器を片手剣だと思って使っていたのだった。
「通りでデカイわけだ…笑」
レオは咳払いをし、気を取り直して次の武器を見る。
「次、ポコ。」
「はい!こちらでございます。」
ポコが持ってきた武器は刀だった。
「刀か。」
「はい!東洋に代々伝わる伝説の妖刀でございます。」
一体どうやってそんなものを手に入れたんだか…
刀を鞘から抜くと、ものすごい数の亡霊が刀から溢れ出ていた。
妖刀ってかっこいいけど…さすがにこの数の亡霊はやかましいかな…笑
「なるほど、では次。」
「私が持ってきたのはこちらでございます。」
そう言ってシモンが取り出したのは赤黒いスピアだった。
「こちらは地の底から這い上がってきた悪魔が持っていたとされているスピアでございます。」
案外槍を使う魔王ってかっこいいかもな。なんかこう、スタイリッシュな戦いができそうだ。
レオは近くの壊れた建物に一振する。シャキーン!と斬撃音が鳴ると、建物が綺麗に真っ二つに分かれた。
「なかなかいいな。」
「身に余るお言葉でございます。」
「最後だが、2人は協力してひとつのものを持ってきたってことでいいのか?」
「はい、私たちは2人でひとつのものをご提示致します。」
「そんなのズルいよ!リリス姉さん!」
「ごめんなさいねぇポコ。魔王様の恩恵をいただくためには手段は問わないわ♡」
「さあ、見せてみよ。」
「私たちはシンプルに剣を作ってまいりました。」
おお!見た目はめちゃくちゃ魔王っぽい!かっこいいし大きさも丁度いいな。
「素材には最高級鉱石のミスリルとアダマンタイトを使用しております。」
「どれどれ…。」
レオが近くの木に一振すると、ボーンと鈍い音が響いた。
「なんだ?」
なんと威力が高すぎて奥の民家まで斬ってしまった。
「なんだなんだ!?」
「あー、すまない。試し斬りで切ってしまった。」
「魔王様でしたか!まったく問題ありません!どうぞ好きなだけ我が家を試し斬りしてください!」
男はニコニコとそう言った。ちょっと気持ち悪いな。
「さあ、魔王様。どれがいちばん貴方様に相応しいか選んでください。」
うーん…スピアはなかなかにかっこよかった。刀もかっこいいけどリノと被るよなぁ…。大剣は少し大きいし。
「よし、これにしよう。」
そう言って手に取ったのはリリスとローズの剣だった。
「やったー!」
2人は大喜びして抱き合った。他の3人はしょぼんと落ち込んでいた。
「ま、約束とは違うがお前たちは全員頑張った。よって全員に恩恵を与える。」
それを聞いた彼らは目をキラキラと輝かせて喜んだ。
「では、始めるぞ。」
レオの前に膝まづいているケーレスに手を向ける。レオの身体から出る闇の魔力が少しづつ移っていく。それは邪悪なものだったが、どこか神秘的で美しい光景だった。
カイトたち4人は、ダンジョンを攻略していた。
「しっかし気のせいか?魔王が出現してからダンジョンの魔物たちがやたら強くなった気がする。」
「僕もそう思う。」
「何かしら関係してるのかしらね…」
4人はダンジョンの奥へと進んでいく。
「もうすぐダンジョンボスだ。みんな用心して。」
進んだ先は水色に光る鉱石があちこちにある広い空間だった。
「綺麗だ。」
見とれていたのもつかの間、ダンジョンが激しく揺れ始める。
「来る!」
暗闇から出てきたのは体長20mほどの巨大なキメラだった。
「キメラか!」
奴は凄まじい咆哮を放ち、カイト達をふらつかせた。
「ジョー!奴の攻撃を受け止めてくれ。クリス、俺らにバフを!カレン、一気に叩くぞ!」
「了解!」
2人はキメラの巨体に突っ込んでいく。
「うおおおお!!」
2人の渾身の刺突は確かに刺さった。だがキメラにそれが効いているようには全く見えなかった。
次の瞬間、2人は大きく振り払われて吹っ飛んだ。
「カイト!」
吹っ飛んできたカイトをジョーが受け止める。
「ありがとう、助かった。」
その時、奴は孤立したカレンを狙っていた。
彼女はまだ立ち上がるのに必死で攻撃を回避できない。
「まずい、カレン!」
彼女が顔を上げると既に奴はその大きな爪を立てて振りかぶっていた。
「やめろおお!」
カイトが必死にカレンのほうへ手を伸ばす。その時、突如手から目が焼けるほどの光が放たれた。そしてその光は具現化し、ひとつのクリスタルのようになると、キメラ目掛けて発射した。それは奴の首元に刺さり、奴は雄叫びをあげて死んだ。
なんだ!?今の…!
「今のは…光の魔法…!?」
「おいそれって、先代勇者が使ってた魔法か!?」
俺が出したんだよな?今の…。
「ありがと、カイト。おかげで助かった。」
「あ、ああ。無事でよかったよ。」
「しかし驚いたわ。まさかあなたが光の魔法を使えるなんて。」
「珍しいのか?」
「今のところ使える人はあなた以外に1人だけね。」
「その1人ってのは誰なんだ?」
「アーサー。先代勇者の血を引く者よ。」
ーーーアサイラム領 ダビネスーーー
「ケーレスよ、少しまったりとした任務を与えてやろう。この俺に武器を作ってきてくれ。もっとも俺に相応しい武器を持ってきた者には褒美として我が魔力を分けてやろう。」
それを聞いたケーレスは幼稚園児のようにはしゃいだ。
「魔王様の魔力を分けていただく!?ああん♡想像しただけで興奮が止まらない!」
「魔王様の魔力をいただけばわしの魔法は完璧と言ってもいいほどの最高峰に到達する!」
「魔王様に一番似合う武器を持ってまいります!」
「我こそが武の達人。武器のことはお任せ下さい。」
「人を殺すということに関しては私が一番詳しいです。」
「それでは任せたぞ。タイムリミットは日没までだ。では行け!」
「「御意!」」
その後、リリスはローズの元を訪ねた。
「ねえローズ?ここは一度協力しない?」
「奇遇じゃな。わしもそう思っておった。」
「とりあえずは鉱石採取かしら。」
ーーー東の森 ダンジョンーーー
「まさか戻ってくるとはな。」
2人は既にダンジョンの最深部にいた。
「こんなところに大量のミスリルがあるわ♡」
「ダンジョンの地形が少し変わっとるのかの?」
その時、壁が勢いよく破壊され、中から巨大なゴーレムが現れた。
「ゴーレムか。」
ローズがゴーレムに向けて指を向ける。
「ファイアボール。」
指の大きさに合わないほど巨大な火の玉が奴に放たれる。魔法を喰らったゴーレムは跡形もなく粉々に砕け散った。
「久しぶりにゴーレムを作ってみるのも悪くないかの。」
「見て、こんなにたくさん手に入ったわ♡」
「よし、これを持ってあやつのところへ行くとするかの!」
ーーーリベルタス王国 ホープシティーーー
机にドン!と勢いよく大量のミスリルが置かれる。
それを見た店主のドワーフがたまげた顔をする。
「ミスリルがこんなに大量にぃ!?」
「これをいくらでも使っていいから魔王様に相応しいとっておきの武器を作ってちょうだい。」
「かしこまりました!すぐやらせていただきます!」
彼の名はジン。その昔、ドワーフの国で超一流の鍛冶師だったらしい…今はなんやかんやあってリベルタス王国に住んでいる。
「あとこれも少しだけど使って。」
「ア、アダマンタイトまで!?」
(Sランク冒険者が1つ見つけるのに丸3日はダンジョンに潜らないといけない代物をこんなに大量に…!?)
「これだけのものがあれば神の頂にすら届くものが作れます!」
「ええ、頼んだわよ~。」
ーーー数時間後ーーー
「できました!」
そう言ってウキウキと持ってきたのは、紅くそして黒く、グリップはゴツゴツとした禍々しい剣だった。
「これこそ魔王様に相応しい代物だわ!礼を言うわ。ドワーフ。」
「いえいえ、俺になにかできることがあればまた来てください!」
2人はおもちゃを買ってもらった子供のようにウキウキとはしゃぎながら店を後にした。
そして時は日没。ケーレスが各々の武器を持って集合した。
「ではアルファから順に見せてみろ。」
「私が持ってきたのはこちらです。」
取り出したのは紫色の大きな剣だった。
「ほう。」
レオは試しに手に持って振ってみる。
「うーん…悪くないが、少しばかりデカすぎるような。」
そう言って近くの岩に一振して粉砕した。
それを見たケーレスがなぜかドン引きしていた。
「どうした?お前ら。」
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「え?」
レオは両手で持ってやっと重いけど持てる武器を片手剣だと思って使っていたのだった。
「通りでデカイわけだ…笑」
レオは咳払いをし、気を取り直して次の武器を見る。
「次、ポコ。」
「はい!こちらでございます。」
ポコが持ってきた武器は刀だった。
「刀か。」
「はい!東洋に代々伝わる伝説の妖刀でございます。」
一体どうやってそんなものを手に入れたんだか…
刀を鞘から抜くと、ものすごい数の亡霊が刀から溢れ出ていた。
妖刀ってかっこいいけど…さすがにこの数の亡霊はやかましいかな…笑
「なるほど、では次。」
「私が持ってきたのはこちらでございます。」
そう言ってシモンが取り出したのは赤黒いスピアだった。
「こちらは地の底から這い上がってきた悪魔が持っていたとされているスピアでございます。」
案外槍を使う魔王ってかっこいいかもな。なんかこう、スタイリッシュな戦いができそうだ。
レオは近くの壊れた建物に一振する。シャキーン!と斬撃音が鳴ると、建物が綺麗に真っ二つに分かれた。
「なかなかいいな。」
「身に余るお言葉でございます。」
「最後だが、2人は協力してひとつのものを持ってきたってことでいいのか?」
「はい、私たちは2人でひとつのものをご提示致します。」
「そんなのズルいよ!リリス姉さん!」
「ごめんなさいねぇポコ。魔王様の恩恵をいただくためには手段は問わないわ♡」
「さあ、見せてみよ。」
「私たちはシンプルに剣を作ってまいりました。」
おお!見た目はめちゃくちゃ魔王っぽい!かっこいいし大きさも丁度いいな。
「素材には最高級鉱石のミスリルとアダマンタイトを使用しております。」
「どれどれ…。」
レオが近くの木に一振すると、ボーンと鈍い音が響いた。
「なんだ?」
なんと威力が高すぎて奥の民家まで斬ってしまった。
「なんだなんだ!?」
「あー、すまない。試し斬りで切ってしまった。」
「魔王様でしたか!まったく問題ありません!どうぞ好きなだけ我が家を試し斬りしてください!」
男はニコニコとそう言った。ちょっと気持ち悪いな。
「さあ、魔王様。どれがいちばん貴方様に相応しいか選んでください。」
うーん…スピアはなかなかにかっこよかった。刀もかっこいいけどリノと被るよなぁ…。大剣は少し大きいし。
「よし、これにしよう。」
そう言って手に取ったのはリリスとローズの剣だった。
「やったー!」
2人は大喜びして抱き合った。他の3人はしょぼんと落ち込んでいた。
「ま、約束とは違うがお前たちは全員頑張った。よって全員に恩恵を与える。」
それを聞いた彼らは目をキラキラと輝かせて喜んだ。
「では、始めるぞ。」
レオの前に膝まづいているケーレスに手を向ける。レオの身体から出る闇の魔力が少しづつ移っていく。それは邪悪なものだったが、どこか神秘的で美しい光景だった。
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