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第21話 リバイブ

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 「こうして魔王レオは魔神になりました。」


 「それでどうなったの?」


 「魔王レオは勇者バルボロによって魔王城に追い詰められ、自害しましたとさ。めでたしめでたし。」


 「はははは!面白い!」


 「違う!」


 シュナは勢いよくベッドから起き上がる。
 

 「今のは予知夢…!?そんな、ありえない。あの子が自殺なんて!」


 月明かりが照らす薄暗い寝室で、シュナは汗だくになっていた。


 「勇者バルボロ…」


 ーーーアサイラム領 ダビネスーーー


 氷のように冷たくなったリノの頬に手を当てる。すると微かだがその奥に温もりを感じた。レオはその温もりを増やすイメージでリノに魔力を送る。すると、リノの周りで黒いモヤが回転し始めた。同時に死者の叫びがいくつも聞こえてくる。やがて黒いモヤが全てリノの体に入り、叫びも消えた。
 その時、リノが少しづつ目を開けた。


 「…んん、私…は?」
 

 「リノ、無事か?」


 「まおう…さま?魔王様!」


 「よかった!成功した。」


 レオはリノを強く抱き締めた。


 「リノ!ほんとにすまねえ!気が済むまで俺を殴ってくれ!」


 ボロボロのジョーカーがリノのところへ来た。


 「殴るのはいい、だから美味しいお酒を頼んだ。」


 ジョーカーは任してくれと張り切った声で言った。


 「魔王様、親衛隊副隊長リノ、ただいま戻りました!」


 「ああ、おかえり。リノ。」


 その晩、美味しいお酒で宴をし、喜びに包まれた。


 「目的は果たした。久しぶりにのんびりできそうだな。」


 レオはそう言ってワインをグビっと飲み干した。
 次の日、俺は母さんのとこに行くことにした。


 ーーーリベルタス王国 ホープシティーーー


 久しぶりにリベルタスに来ると、ものすごい人で賑わっていた。ヒューマンだけでなくゴブリンやトロール、ドワーフにドラゴニュート竜人族と多種多様な種族が暮らしていた。こうして見ると、いかに共和国や帝国どもが身勝手な暮らしをしてきたかがわかる。彼らのほとんどがトラウマや憎しみを抱えていたり、傷や身体の欠損があった。


 「魔王様だ!」


 「魔王様!」


 人々がレオを見て歓喜の声を上げる。
 そこへ2人のドラゴニュートが近づいてきた。
 1人はムチムチのお姉さんで、もう1人は真面目な女だった。
 目のやり場に困るな…笑


 「よくぞお越しくださいました、魔王様。私はマリアンヌと申します。」


 「私はクレアと申します!」


 「よろしく2人とも、早速シュナに会いたいんだが。」


 「承知致しました。ご案内します。」


 そうして俺は立派な城へと案内された。こんなでかい城いつの間に作ったんだ?ダビネスにも作ってもらうか。


 「こちらでございます。」


 大きな扉が開く。奥には窓からの景色を眺めるシュナがいた。


 「ありがとう母さん。母さんのおかげでリノを生き返らせることが出来た。」


 しばし沈黙が流れる。


 「この城に似たものをダビネスに作りたいんだけど…」


 そう言ってもシュナは反応しない。


 「母さん?」


 ようやくシュナが我に返る。


 「え?ああ、ええ。わかったわ。」


 「少し疲れてるんじゃないか?休んだほうがいいよ。」


 「大丈夫よ。」


 その時、シュナの顔が少しこわばる。


 「レオ、あなたはたとえ私が相手でもこの道を進むと言ったわね。」


 「ああ。」


 「もし、仮にそれが私以外でも同じことを言える?」


 「もちろんだ。父さんの果たせなかった夢を俺が引き継ぐんだ。」


 「そう…なら、ひとつ警告しておく。勇者バルボロがあなたにとって最大の脅威になる。今のうちに準備を進めておきなさい。」
 

 「…わかった。」


 レオは部屋を後にした。
 1人になった部屋で、シュナはまたこわばった顔をして窓を見つめる。


 「勇者カイト・バルボロ…あなたに彼が倒せるのかしら。」


 準備をしろ…か。そういえば闇の魔法が強すぎて武器を使ってなかったな。まずは魔王らしい武器を手に入れるとするか。
 レオはケーレスに連絡をとった。
 


 

 


 
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