魔王様は世界を支配したい!〜異世界で魔王になったので本気で魔王やる〜

ばにく

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予言の魔王編

第15話 再編成

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 ジョーカー。本名なのかは知らないが、奴の銃はその昔、ある男からアイデアを貰い魔法で作った物らしい。こいつはなかなかに強い男だ。
 魔王軍の人数も増えたことだし1度しっかりと再編成することにした。
 まずは魔王軍親衛隊。隊長はトッツォ、副隊長はリノ。
隊員にブリザード、ジョーカーを編成した。
 次に各ケーレス達の役割を決めた。
 近接戦闘部隊としてケーレスアルファ、ガルムとケーレスベータ、リリス。
 そして近接航空支援部隊としてケーレスガンマ、ポコを編成。
 次に暗殺部隊としてケーレスデルタ、シモン。
 最後に魔法部隊としてケーレスイプシロン、ローズ。
親衛隊はこれらケーレスの役割になるべく近いように編成した。この再編成によって任務が遂行しやすくなることを祈る。
 それから編成を終えた俺は少し特訓をすることにした。


 「本当にいいんですか?」


 「なんだジョーカー、俺に不可能だと言うのか?」


 「いえ、そういう訳ではなくて、ただの確認です。」


 「ではやれ。」


 そう言うとジョーカーは俺に向かって引き金を引いた。


 「ドゥプレクス。」


 飛んでくる弾丸をレオはシュンと体を逸らして避けた。
 その後も何発も弾が発射されるが、レオはどんどん避けていく。そしてとうとう弾切れになった。


 「全弾避けたのか…。さすがは魔王様だ!」


 レオはちょっと照れていた。そこに親衛隊隊員のエルフが急いで駆けつけてきた。


 「魔王様!ホープシティへ移動中の部隊が攻撃を受けました!相手は冒険者です!」


 共和国じゃないのか。


 「わかった。ジョーカー、早速仕事だ。奴らに地獄を見せてこい。」
 

 「ラジャー!」


 奴はそう言うと軽快なステップでその場を後にした。


 ーーーホープシティまであと3kmの地点ーーー


 「くらえ!」


 現場は血の海となっていた。そこら中にエルフの死体が転がっている。まだ生きているエルフ達もそう長くは耐えれないだろう。次々と冒険者の手によってエルフ達が殺されていく。


 「魔王軍共は1人残らず殺せ!」


 そしてエルフはとうとう最後のひとりになった。


 「クッソ!よくもみんなを!」


 エルフは怒りに身を任せて奴らに切りかかる。だが感情に任せた攻撃は単調になる。彼は冒険者によって首を切られて無慈悲に殺された。


 「よし、撤収するぞ!」


 そこに1人の男が歩いてくる。


 「あっちゃー、間に合わなかったか。」


 「誰だ貴様!」


 「俺は魔王軍親衛隊、ジョーカー。お前らが最期に戦う相手だ。」


 「何言ってんだこいつ。この人数差が見て分からねえのか?」


 「うるせえ奴らだな。」


 ジョーカーはそう言って手から銃を召喚する。


 「とりあえず全員死んどきな。」


 次の瞬間、何発もの弾丸が奴らに向けて発射される。次々と冒険者たちが蜂の巣になっていく。


 「クソ!なんだあれ!?」


 「魔法か!?」


 奴らは対処法がわからず、マジックシールドを貼ったり木の盾で防いだりしていた。それでも彼の弾丸を止めることはできない。撃ち終わると、そこにはエルフの倍ほどの冒険者の死体が転がっていた。


 「一件落着だな!」


 そう言って鼻歌を歌いながら帰ろうとした時だった。
 後ろから物凄い気配を感じる。


 「お前がやったのか…?」


 振り返るとそこには黒髪の男がいた。奴の首から下げたバッジは、Sランク冒険者の物だった。


 (げっ!Sランクかよ…。)


 「お前はここから生きて返さない!」


 「ちょっと、リロードだけさせてくれ!頼む!」


 「黙れ!」


 男はリロードしているジョーカーに、噛み付くように切りかかる。それはまるでヒョウのように。



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