魔王様は世界を支配したい!〜異世界で魔王になったので本気で魔王やる〜

ばにく

文字の大きさ
上 下
7 / 44
予言の魔王編

第7話 建国

しおりを挟む
 「魔王が復活したのか…。」


 「はい、陛下。」


 「うーむ、やはり予言は真だった。」


 「いかがなさいますか?」


 「その予言の賢者、彼女を連れてこい。彼女なら魔王に対抗するなにかを知っとるはずじゃ。」


 「了解致しました。」


 クアトル共和国国王、オズウェル・バルベレブ。
 彼は民の安全、平和、幸せを第一としていて、民のためであるならば戦争もする。クアトル国民からすればいい王なのだろうが、他の国からすればただの戦争屋だ。
彼は改革を行い、国の麻薬をほぼ無くしたそうだ。
しかしその正体は、麻薬売買の組織だけでなくその使用者、そしてその身内までも殺す虐殺に等しい改革だった。
次の目標はそうだな…。


 「国を作るぞ。」


 「国ですか?」


 「ああ。今ここダビネスには避難指示が出されていて、街の住民はいないし、兵士もいない。ここを貰ってくださいって言ってるようなもんだろ?」


 「確かにそれはいいですな!ここに国を作ればかつて魔王に仕えていたもの達に魔王様の復活を知らせることが出来ます。」


 「ブリザード様、酷い怪我です…!今治します。」


 そう言うとエレーナは傷口に手をかざして治療を始めた。


 「我が森の精霊よ、痛み、苦しみ、もがく汝に安らぎを。温かな安らぎを。フェーリーキタス。」


 すごい!ブリザードの傷がどんどん治っていく。これが治癒能力。エルフ特有の回復魔法か!


 その時、遠くからこちらに接近してくる大勢の気配を感じた。


 「魔王様!共和国兵士がこちらに向かってきます。その数およそ1万!」


 「い、1万!?どうしましょう魔王様…?」


 1万なら大したことはないが、問題は数じゃなく質だ。彼らの中に1人でもゴッドオブデケム並の力を持つものがいれば勝算は…ないか?


 「わかった。俺が行こう。」


 「魔王レオ、貴様には戦士長殺害、ゴッドオブデケム殺害の罪がかかっている。今すぐに投降しろ!さもなくば…ん?」


 「テネブラエ・プルヴィス。」


 兵士はプルヴィスによって跡形もなく溶けて散った。
 あいつには悪いけど、呑気に喋っているところを溶けてもらった。


 「共和国よ、ここはすでに我ら魔王軍の領地だ。足を踏み入れ攻撃をするというのなら、この魔王と戦争をするということでいいのだな?」


 「総隊長!アルファ隊隊長が一瞬で殺されてしまいました。」


 「それが奴の答えだ。全員爆発魔法を放て!」


 「爆発魔法よーい!」


 大勢の魔法使い達が1列に並び詠唱を始める。詠唱と共に赤色の魔法陣が街を狙う。


 「撃てー!」
 

 一斉に放たれる爆発魔法、それは広範囲によるもので、街の建物が次々と破壊されていく。
 せっかく忠告したのになあ…。俺も闇の爆発魔法みたいなの使えるかな?やってみるか。


 「テネブラエ・フラルゴ!」


 俺の周りに出てきた何個もの黒い魔法陣から、漆黒の隕石のようなものが相手の軍勢目掛けて落ちていく。
とてつもない爆発と共に地面が粉々に砕かれていく。


 「た、退避ー!」


 逃げる兵士、だが足場がなければ逃げることは出来ない。やつらは次々と爆発によって燃え、吹っ飛び、死んでいった。魔法を撃ち続けて10秒経った頃、そこに敵の姿はもうなかった。
 気に入ったぞ。闇の爆発魔法!闇の魔法ってなんでも出来るんだな…!あ、そういえばエレーナみたいに回復もできるのか?この闇を自分に注入するようなイメージでやれば…。
 手を腕にかざすと、切れた腕の周りに黒いモヤが現れ、やがてモヤが腕の形になるとなんと腕が生えたのだ。
 こ、これはもう人間を辞めてるな…笑


 「魔王様、映像カラスが飛んでいました。恐らく共和国の記者が見ていたのかと。」


 映像カラス…魔法によって誕生した生物。見た目は普通のカラスとなんら変わらないが、目が異様に光っている。魔法によってもう一方と通信できる、いわゆるカメラのようなものか。丁度いい、やつらが見ているなら。


 「共和国の民よ!我々魔王軍はこの街ダビネスに
 魔王国家アサイラムを建国する!そして魔王国家アサイラムはクアトル共和国に宣戦布告する!」


 この魔王レオのアサイラム建国宣言は瞬く間に世界中に広がり、世界を震撼させた。かつて魔王と敵対した者には絶望を、かつて魔王に仕えていた者には希望を与えた。


 「魔王国家アサイラム、完全に国として機能するようになれば大変な事になりますぞ。」


 「早急に対処せねば。」


 「やはりゴッドオブデケムに頼るしか…。」


 そこへ若い男が大急ぎで入ってくる。


 「勇者様の召喚に成功致しました!」


 「なんだと!?」
 

 魔王国家アサイラムがこの世界を支配する時が待ち遠しいな。まずは国として機能するための国民、それと部下が必要だな。


 「魔王様、近くに村を発見致しました。その村に1つ、強い魔力反応が。」


 「ほう。行ってみるとしよう。」


 とにかく俺に仲間をくれ!!!
 俺は仲間の発見を願いながら、ダビネスを後にした。

 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

魔石と神器の物語 ~アイテムショップの美人姉妹は、史上最強の助っ人です!~

エール
ファンタジー
 古代遺跡群攻略都市「イフカ」を訪れた新進気鋭の若き冒険者(ハンター)、ライナス。  彼が立ち寄った「魔法堂 白銀の翼」は、一風変わったアイテムを扱う魔道具専門店だった。  経営者は若い美人姉妹。  妹は自ら作成したアイテムを冒険の実践にて試用する、才能溢れる魔道具製作者。  そして姉の正体は、特定冒険者と契約を交わし、召喚獣として戦う闇の狂戦士だった。  最高純度の「超魔石」と「充魔石」を体内に埋め込まれた不死属性の彼女は、呪われし武具を纏い、補充用の魔石を求めて戦場に向かう。いつの日か、「人間」に戻ることを夢見て――。

強制フラグは、いりません! ~今いる世界が、誰かの二次小説の中だなんて思うかよ! JKと禁断の恋愛するなら、自力でやらせてもらうからっ!~

ハル*
ファンタジー
高校教師の俺。 いつもと同じように過ごしていたはずなのに、ある日を境にちょっとずつ何かが変わっていく。 テスト準備期間のある放課後。行き慣れた部室に向かった俺の目の前に、ぐっすり眠っているマネージャーのあの娘。 そのシチュエーションの最中、頭ん中で変な音と共に、俺の日常を変えていく声が聞こえた。 『強制フラグを、立てますか?』 その言葉自体を知らないわけじゃない。 だがしかし、そのフラグって、何に対してなんだ? 聞いたことがない声。聞こえてくる場所も、ハッキリしない。 混乱する俺に、さっきの声が繰り返された。 しかも、ちょっとだけ違うセリフで。 『強制フラグを立てますよ? いいですね?』 その変化は、目の前の彼女の名前を呼んだ瞬間に訪れた。 「今日って、そんなに疲れるようなことあったか?」 今まで感じたことがない違和感に、さっさと目の前のことを終わらせようとした俺。 結論づけた瞬間、俺の体が勝手に動いた。 『強制フラグを立てました』 その声と、ほぼ同時に。 高校教師の俺が、自分の気持ちに反する行動を勝手に決めつけられながら、 女子高生と禁断の恋愛? しかも、勝手に決めつけているのが、どこぞの誰かが書いている某アプリの二次小説の作者って……。 いやいや。俺、そんなセリフ言わないし! 甘い言葉だなんて、吐いたことないのに、勝手に言わせないでくれって! 俺のイメージが崩れる一方なんだけど! ……でも、この娘、いい子なんだよな。 っていうか、この娘を嫌うようなやつなんて、いるのか? 「ごめんなさい。……センセイは、先生なのに。好きに…なっちゃ、だめなのに」 このセリフは、彼女の本心か? それともこれも俺と彼女の恋愛フラグが立たせられているせい? 誰かの二次小説の中で振り回される高校教師と女子高生の恋愛物語が、今、はじまる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

処理中です...