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第一章
第十一話 王子様の反応がかわいい
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「えっと、王妃決定にはまず王妃様の意見を聞き、それを通過したら国王様や議会に話が行くのですね?」
「はい。とはいえ、議会は上院下院の各院のうち信用の高い二名を選出し行うものですので大した規模ではないのですがね。せいぜいやることとといえば、王妃に相応しい家の出身であるか、といった内容を話すだけですのでディラン様が決めた人となれば否決されることもないかと」
「なるほど……」
メイドさんが髪を整えてくれているあいだ、私は彼女に王妃決定についての質問を投げかけていた。
彼女は王妃様の身の回りの世話を中心に仕事をしているメイドで、名はシェリルというらしい。
こげ茶色の髪と瞳、柔らかい表情が特徴の三十代前半に見える彼女だが、何でもディラン様から私のことを聞き、会ってみたいと思ってくれていたらしく現在に至っている。
私の問いにも懇切丁寧に答えてくれ、言葉からは確かに気遣いが感じられたので私はシェリルさんを気に入っていた。
「ちなみに、議会に行く前――王妃様や、国王様に反対されることはないのでしょうか?」
「前例はあるのですが、そういった王妃様、国王様は大変気難しいかたで有名でございました。または、失礼ながら王妃候補様が王妃として相応しくないかただったりと。現在の王妃様と国王様はお優しいですから、反対される可能性はほぼありませんよ。それに、ソフィア様は王妃の器に相応しいと存じます。可能性はゼロと言っても過言ではありません」
「そんなに褒めても何も出せませんよ?」
ディラン様は相当私の話をシェリルさんにしていて、それもかなりの量だったみたく『王妃に相応しい』とかなりの時間王妃様に仕えているメイドから貰ってしまった。
それでも、どうしてここまで言ってくれるのかは謎であったが。一昨日と昨日でそこまで情報量があるとは思えないし。
疑問を感じていると、シェリルさんから「できました」と声をかけられる。
そこでふと鏡を見ると映るのはかつてないほど綺麗な私の姿があった。
確かに原型は留めているものの、これを私といってもいいものだろうか。いやはや、髪の印象は大事なものである、などと金色の長髪をウェーブさせ、煌びやかな花の髪飾りを付けた私を見てしみじみとそう思っていると。
「では、ディラン様を呼びますね」
「そ、そうですよね! 呼ばなきゃいけませんよねっ!」
シェリルさんからディラン様を呼ぶことを告げられた。
確かに、これからディラン様と二人で王妃様に会いに行かねばならないのだ。
そもそもディラン様に「迎えに来る」と言われたことだし、呼ばなければお話にならない。
けれど、どうしても心配になってしまう。
今の私を見て、ディラン様に『かわいい』または『綺麗』と思ってくれるだろうか、ということが。
ディラン様の好みであろう、今身に纏っているドレス――白く清楚なドレスを見下ろし、今度は青い宝石が印象的な白い花の髪飾り、薄く化粧された自らの顔を見る。
前の私よりも綺麗になっているはずなのだが、果たしてディラン様に気に入ってもらえるのだろうか。
「ソフィア様、自信を持ってください」
「シェリルさん……」
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、優しさのなかに力強さを感じられる声でシェリルさんが私に言葉を向けた。
「元々、ソフィア様は国内随一の美しさを誇っておりました。今はそれに磨きがかかった状態にございます。ディラン様がお綺麗だと思わないはずがございません」
「そ、そうですかね?」
「はい!」
シェリルさんのにこやかな笑みとともに、元気よく返事されては否定しようもない。それに、彼女の誉め言葉が一から十まで違うとも思いたくなかった。
私は少し自信を取り戻し、「では、ディラン様をお呼びしていただけますか?」と言う。
彼女はそれに嬉しそうな表情を浮かべながら「はい」と答えてくれる。
シェリルさんが立ち去り、ドキドキしながらディラン様が来るのを待っていると意外にも早くドアが叩かれた。
私はそれに緊張しつつ、聞こえるかどうかわからないながらも入室の許可を伝える言葉を告げる。
ゆっくりとドアが開かれるのと同時に、私は完璧な姿を見せようと、指先まで気を配りながら廊下側へ向けて立つ。
次に私の視界に移ったのは――目を見開いたまま立ち尽くす、ディラン様の姿だった。
「ディラン、様?」
あまりにも微動だにしないディラン様が心配になって、私はその場で声を掛ける。
だが、それでも反応がなかったので、近くに寄り再び声を掛けてみた。
「んっ、すまん。ちょっと意識が飛んでいた」
「それって大丈夫なのですか?」
ことによっては王妃決定を進めるどころではない気がしたので、体調の確認をしておく。
しかしその私の言葉を受け、ディラン様は恥ずかしそうにしているようだった。俯き加減になってしまったのでパッとは確認できないが、よく見ると頬が赤くなっていることが分かる。
「そういう問題ではなくてな……」
何やらディラン様がブツブツと弁明のようなことを言っているが、イマイチ何のことを言っているのかが分からない。
私は後ろに控えていたシェリルさんに助けを求める視線を送ると。
「ソフィア様、ご安心ください。ディラン様はソフィア様のあまりの美しさに意識を失いかけただけですから」
「えっ?」
「シェリル、お前あとで覚えてろよ」
ディラン様はそこそこ大きな国の王子という立場上、様々な美しい人を見てきたので私なんかがそんなことできるとは思えなかったが……。反応的に正しいと見ていいだろう。
恨めしくシェリルさんを睨みつけるディラン様に、私はなぜか頭を撫でたくなる衝動に駆られていた。
反応が王子様というよりも少年のようだったからだろう。母性本能が湧き出ている気がする。
「仕方ないですよ、ディラン様。ソフィア様、お美しいですものね?」
「うるさい黙れ」
面白い玩具を弄るように、ディラン様へ言葉を投げかけるシェリルさん。
それに反応するディラン様の言葉は『冷酷無慈悲な王子』という評判に合うものだったが、声色は完全に反抗期の少年だった。やはり、ディラン様も十六歳の少年ということだろうか。
なんだかさらにディラン様への好意が強くなってきた。
そんなところに、まだ顔の赤いディラン様から声を掛けられる。
「……ソフィア、世界一綺麗だ」
「でぃ、ディラン様も世界一格好よく存じます」
ストレートな誉め言葉に、私も一切の装飾もない言葉とはにかみで返した。
「はい。とはいえ、議会は上院下院の各院のうち信用の高い二名を選出し行うものですので大した規模ではないのですがね。せいぜいやることとといえば、王妃に相応しい家の出身であるか、といった内容を話すだけですのでディラン様が決めた人となれば否決されることもないかと」
「なるほど……」
メイドさんが髪を整えてくれているあいだ、私は彼女に王妃決定についての質問を投げかけていた。
彼女は王妃様の身の回りの世話を中心に仕事をしているメイドで、名はシェリルというらしい。
こげ茶色の髪と瞳、柔らかい表情が特徴の三十代前半に見える彼女だが、何でもディラン様から私のことを聞き、会ってみたいと思ってくれていたらしく現在に至っている。
私の問いにも懇切丁寧に答えてくれ、言葉からは確かに気遣いが感じられたので私はシェリルさんを気に入っていた。
「ちなみに、議会に行く前――王妃様や、国王様に反対されることはないのでしょうか?」
「前例はあるのですが、そういった王妃様、国王様は大変気難しいかたで有名でございました。または、失礼ながら王妃候補様が王妃として相応しくないかただったりと。現在の王妃様と国王様はお優しいですから、反対される可能性はほぼありませんよ。それに、ソフィア様は王妃の器に相応しいと存じます。可能性はゼロと言っても過言ではありません」
「そんなに褒めても何も出せませんよ?」
ディラン様は相当私の話をシェリルさんにしていて、それもかなりの量だったみたく『王妃に相応しい』とかなりの時間王妃様に仕えているメイドから貰ってしまった。
それでも、どうしてここまで言ってくれるのかは謎であったが。一昨日と昨日でそこまで情報量があるとは思えないし。
疑問を感じていると、シェリルさんから「できました」と声をかけられる。
そこでふと鏡を見ると映るのはかつてないほど綺麗な私の姿があった。
確かに原型は留めているものの、これを私といってもいいものだろうか。いやはや、髪の印象は大事なものである、などと金色の長髪をウェーブさせ、煌びやかな花の髪飾りを付けた私を見てしみじみとそう思っていると。
「では、ディラン様を呼びますね」
「そ、そうですよね! 呼ばなきゃいけませんよねっ!」
シェリルさんからディラン様を呼ぶことを告げられた。
確かに、これからディラン様と二人で王妃様に会いに行かねばならないのだ。
そもそもディラン様に「迎えに来る」と言われたことだし、呼ばなければお話にならない。
けれど、どうしても心配になってしまう。
今の私を見て、ディラン様に『かわいい』または『綺麗』と思ってくれるだろうか、ということが。
ディラン様の好みであろう、今身に纏っているドレス――白く清楚なドレスを見下ろし、今度は青い宝石が印象的な白い花の髪飾り、薄く化粧された自らの顔を見る。
前の私よりも綺麗になっているはずなのだが、果たしてディラン様に気に入ってもらえるのだろうか。
「ソフィア様、自信を持ってください」
「シェリルさん……」
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、優しさのなかに力強さを感じられる声でシェリルさんが私に言葉を向けた。
「元々、ソフィア様は国内随一の美しさを誇っておりました。今はそれに磨きがかかった状態にございます。ディラン様がお綺麗だと思わないはずがございません」
「そ、そうですかね?」
「はい!」
シェリルさんのにこやかな笑みとともに、元気よく返事されては否定しようもない。それに、彼女の誉め言葉が一から十まで違うとも思いたくなかった。
私は少し自信を取り戻し、「では、ディラン様をお呼びしていただけますか?」と言う。
彼女はそれに嬉しそうな表情を浮かべながら「はい」と答えてくれる。
シェリルさんが立ち去り、ドキドキしながらディラン様が来るのを待っていると意外にも早くドアが叩かれた。
私はそれに緊張しつつ、聞こえるかどうかわからないながらも入室の許可を伝える言葉を告げる。
ゆっくりとドアが開かれるのと同時に、私は完璧な姿を見せようと、指先まで気を配りながら廊下側へ向けて立つ。
次に私の視界に移ったのは――目を見開いたまま立ち尽くす、ディラン様の姿だった。
「ディラン、様?」
あまりにも微動だにしないディラン様が心配になって、私はその場で声を掛ける。
だが、それでも反応がなかったので、近くに寄り再び声を掛けてみた。
「んっ、すまん。ちょっと意識が飛んでいた」
「それって大丈夫なのですか?」
ことによっては王妃決定を進めるどころではない気がしたので、体調の確認をしておく。
しかしその私の言葉を受け、ディラン様は恥ずかしそうにしているようだった。俯き加減になってしまったのでパッとは確認できないが、よく見ると頬が赤くなっていることが分かる。
「そういう問題ではなくてな……」
何やらディラン様がブツブツと弁明のようなことを言っているが、イマイチ何のことを言っているのかが分からない。
私は後ろに控えていたシェリルさんに助けを求める視線を送ると。
「ソフィア様、ご安心ください。ディラン様はソフィア様のあまりの美しさに意識を失いかけただけですから」
「えっ?」
「シェリル、お前あとで覚えてろよ」
ディラン様はそこそこ大きな国の王子という立場上、様々な美しい人を見てきたので私なんかがそんなことできるとは思えなかったが……。反応的に正しいと見ていいだろう。
恨めしくシェリルさんを睨みつけるディラン様に、私はなぜか頭を撫でたくなる衝動に駆られていた。
反応が王子様というよりも少年のようだったからだろう。母性本能が湧き出ている気がする。
「仕方ないですよ、ディラン様。ソフィア様、お美しいですものね?」
「うるさい黙れ」
面白い玩具を弄るように、ディラン様へ言葉を投げかけるシェリルさん。
それに反応するディラン様の言葉は『冷酷無慈悲な王子』という評判に合うものだったが、声色は完全に反抗期の少年だった。やはり、ディラン様も十六歳の少年ということだろうか。
なんだかさらにディラン様への好意が強くなってきた。
そんなところに、まだ顔の赤いディラン様から声を掛けられる。
「……ソフィア、世界一綺麗だ」
「でぃ、ディラン様も世界一格好よく存じます」
ストレートな誉め言葉に、私も一切の装飾もない言葉とはにかみで返した。
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