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第六章
等級アップ
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全身を闘気で強化し、俺は走り出す。
オークは戸惑っているのか、オロオロしていた……悪いな、遠慮しない。
俺は右手を膨張させ、オークの一体をぶん殴る。
「『龍人掌』!!」
『ブバァ!?』
おお、パンチ一発で爆散した。威力が高過ぎで身体が爆ぜるなんてヤバいな。
そしてもう一体、もう一体も殴り殺す。すると、藪から増援のオークが出てきた。
俺は左手の鱗を展開し、黄金の闘気を噴出する。
「『闘気精製』───『短斧』!!」
小さい斧をいくつも作り、オークたちに力任せに投げつける。
今の腕力で投げた斧は、オークの身体を貫通し岩に激突してようやく止まる威力だ。オークの数が一気に減り……残り数体というところで異変が。
藪から、真っ赤な身体をしたデカいオークが現れたのである。
「れ、レッドオーク!? こんなの依頼になかったわよ!?」
「リュウキくん、援護します!!」
レイが武器を抜き、アピアが狙撃銃を構えるが、俺は手で制する。
せっかくのチャンスだ。見せてやる。
俺は両手を交差し、呟く。
「『第二解放』」
両腕の鱗が上半身を包み込み、腕の形状が少し変わる。
四分の一ではない、『半分』形態へ進化した。
『ブモォォォォォォ!!』
「悪いな、少し遊ぼうぜ」
レッドオークは巨大な斧を持っていた。俺を両断しようと振り下ろされるが……見える見える。俺は右手で斧を掴む。
レッドオークは、必死に斧を取ろうともがく。だが、今の腕力ならレッドオークが十体いようとパワー負けすることはない。
斧を放し、軽く腹に蹴りを叩きこむと、レッドオークは倒れてしまう。
「俺のスキル、見せてやる。スキルイーター・ストック……『炎龍闘気』!!」
赤い闘気が俺の身体を包み込み、両手に赤い籠手が装備された。
スヴァローグの闘気は、もう完全に俺のモノ。
せっかくだ。この籠手、『炎龍籠手』にしておこう。
「っしゃ!!」
『ゴボォ!?』
「もう一丁!!」
『ブバァァッ!?』
腹に一撃、顎に一撃。
吹き飛ばされたレッドオークは、首の骨が砕け死んでいた。
俺は闘気を解除し、右手の『捕食右龍』を展開。レッドオークの死体に向けると、右手の五指ががぱっと開き、レッドオークの身体に喰らい付いた。
「スキルイーター、『咀嚼』……あ、こいつスキル持ってる」
スキル『バーサーカー』……一定時間、攻撃力十倍になるスキルか。スキル使用時は表皮が真っ赤に変わるのが特徴。うーん……いらないな。というか、レベルが上がらないからストックできない。
インストールだけでダウンロードできず、経験値となった。
「よし、終わり……」
変身を解くと、どっと疲れが押し寄せてきた。
そして、レノが近づき俺の背中をバシッと叩く。
「おま、最強じゃねぇか!! その力あれば学園最強だろうが!!」
「いや、これめちゃくちゃ疲れるんだよ。もっと体力付けて筋力も付けないと使いこなせない」
「じゃあ筋トレか? ははは、いいなお前、すげぇよ!!」
「リュウキくん、回復するよ。怪我はしてないけど、少しは疲労が取れると思う」
「ありがとな、サリオ」
「すっごいわね……これなら、A級……ううん、S級の討伐依頼も受けられるかも」
「燃費悪いから、長時間は無理だぞ?」
「リュウキくん……かっこいいです」
「あ、ありがとな、アピア」
みんな、思ったより素直だ。誰も怯えてないし、恐れていない。
まぁ、『獣化』スキルの延長みたいなものだと思ってるんだろうな。
「さて、依頼はこれでおしまいね。オークの討伐証拠を持ってギルドに戻りましょうか」
「「「「了解」」」」
こうして、ゴブリン、コボルト、オークの討伐が終わった。
ちなみに、レッドオークの討伐後。
「ふふふ、見てこれ、レッドオークの心臓……これは高値で売れるのよ。兄さんの店で買ってもらおうかな」
「そんなのどうするんだ?」
「決まってるじゃない。あたしたちチームの『アジト』を買うための資金よ」
「「アジト?」」
俺とアピアの声が揃った。
するとサリオが。
「冒険者チームは、王都にアジトを持ってるパターンが多いんだ。アジトでは作戦会議をしたり、武器や防具を保管したり、仲間と団らんしたり……あと、冒険者チームが大きくなれば、アジトが宿泊所になったりもする。大手の冒険者チームのアジトは、訓練場があったり専用の寮まであるよ」
「す、すごいな……」
「ダンジョンに入れるのは、1チーム五名までだ。他のチームメンバーはそのチームで鍛え、新しいチームを作ったりもする。ま、研修所みたいな役割もある」
「……知りませんでした。あの、アジトでしたら、私が父に「ストップ」
と、レイがアピアを止める。
「気持ちは嬉しいけど、仲間はみんな対等よ。アピア、あんたも貴族のお嬢様じゃない、このチームのメンバーなんだから、貴族としての力は使わないこと。お金はみんなで稼いで、みんなでアジトを買いましょ」
「レイさん……ご、ごめんなさい。余計なことを」
アピアはぺこっと頭を下げた。
アジトか。そういうのもあるんだなぁ。
オークは戸惑っているのか、オロオロしていた……悪いな、遠慮しない。
俺は右手を膨張させ、オークの一体をぶん殴る。
「『龍人掌』!!」
『ブバァ!?』
おお、パンチ一発で爆散した。威力が高過ぎで身体が爆ぜるなんてヤバいな。
そしてもう一体、もう一体も殴り殺す。すると、藪から増援のオークが出てきた。
俺は左手の鱗を展開し、黄金の闘気を噴出する。
「『闘気精製』───『短斧』!!」
小さい斧をいくつも作り、オークたちに力任せに投げつける。
今の腕力で投げた斧は、オークの身体を貫通し岩に激突してようやく止まる威力だ。オークの数が一気に減り……残り数体というところで異変が。
藪から、真っ赤な身体をしたデカいオークが現れたのである。
「れ、レッドオーク!? こんなの依頼になかったわよ!?」
「リュウキくん、援護します!!」
レイが武器を抜き、アピアが狙撃銃を構えるが、俺は手で制する。
せっかくのチャンスだ。見せてやる。
俺は両手を交差し、呟く。
「『第二解放』」
両腕の鱗が上半身を包み込み、腕の形状が少し変わる。
四分の一ではない、『半分』形態へ進化した。
『ブモォォォォォォ!!』
「悪いな、少し遊ぼうぜ」
レッドオークは巨大な斧を持っていた。俺を両断しようと振り下ろされるが……見える見える。俺は右手で斧を掴む。
レッドオークは、必死に斧を取ろうともがく。だが、今の腕力ならレッドオークが十体いようとパワー負けすることはない。
斧を放し、軽く腹に蹴りを叩きこむと、レッドオークは倒れてしまう。
「俺のスキル、見せてやる。スキルイーター・ストック……『炎龍闘気』!!」
赤い闘気が俺の身体を包み込み、両手に赤い籠手が装備された。
スヴァローグの闘気は、もう完全に俺のモノ。
せっかくだ。この籠手、『炎龍籠手』にしておこう。
「っしゃ!!」
『ゴボォ!?』
「もう一丁!!」
『ブバァァッ!?』
腹に一撃、顎に一撃。
吹き飛ばされたレッドオークは、首の骨が砕け死んでいた。
俺は闘気を解除し、右手の『捕食右龍』を展開。レッドオークの死体に向けると、右手の五指ががぱっと開き、レッドオークの身体に喰らい付いた。
「スキルイーター、『咀嚼』……あ、こいつスキル持ってる」
スキル『バーサーカー』……一定時間、攻撃力十倍になるスキルか。スキル使用時は表皮が真っ赤に変わるのが特徴。うーん……いらないな。というか、レベルが上がらないからストックできない。
インストールだけでダウンロードできず、経験値となった。
「よし、終わり……」
変身を解くと、どっと疲れが押し寄せてきた。
そして、レノが近づき俺の背中をバシッと叩く。
「おま、最強じゃねぇか!! その力あれば学園最強だろうが!!」
「いや、これめちゃくちゃ疲れるんだよ。もっと体力付けて筋力も付けないと使いこなせない」
「じゃあ筋トレか? ははは、いいなお前、すげぇよ!!」
「リュウキくん、回復するよ。怪我はしてないけど、少しは疲労が取れると思う」
「ありがとな、サリオ」
「すっごいわね……これなら、A級……ううん、S級の討伐依頼も受けられるかも」
「燃費悪いから、長時間は無理だぞ?」
「リュウキくん……かっこいいです」
「あ、ありがとな、アピア」
みんな、思ったより素直だ。誰も怯えてないし、恐れていない。
まぁ、『獣化』スキルの延長みたいなものだと思ってるんだろうな。
「さて、依頼はこれでおしまいね。オークの討伐証拠を持ってギルドに戻りましょうか」
「「「「了解」」」」
こうして、ゴブリン、コボルト、オークの討伐が終わった。
ちなみに、レッドオークの討伐後。
「ふふふ、見てこれ、レッドオークの心臓……これは高値で売れるのよ。兄さんの店で買ってもらおうかな」
「そんなのどうするんだ?」
「決まってるじゃない。あたしたちチームの『アジト』を買うための資金よ」
「「アジト?」」
俺とアピアの声が揃った。
するとサリオが。
「冒険者チームは、王都にアジトを持ってるパターンが多いんだ。アジトでは作戦会議をしたり、武器や防具を保管したり、仲間と団らんしたり……あと、冒険者チームが大きくなれば、アジトが宿泊所になったりもする。大手の冒険者チームのアジトは、訓練場があったり専用の寮まであるよ」
「す、すごいな……」
「ダンジョンに入れるのは、1チーム五名までだ。他のチームメンバーはそのチームで鍛え、新しいチームを作ったりもする。ま、研修所みたいな役割もある」
「……知りませんでした。あの、アジトでしたら、私が父に「ストップ」
と、レイがアピアを止める。
「気持ちは嬉しいけど、仲間はみんな対等よ。アピア、あんたも貴族のお嬢様じゃない、このチームのメンバーなんだから、貴族としての力は使わないこと。お金はみんなで稼いで、みんなでアジトを買いましょ」
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アピアはぺこっと頭を下げた。
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