追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう

文字の大きさ
40 / 109
第四章

ダンジョンから帰還後

しおりを挟む
 ダンジョンから帰還後。
 レイ、管理者さんは学園に『危険階層の鎖を取り換えた者がいる』ことを報告しに行った。リーダーとしての仕事だとか何とかで、俺たちはダンジョン入口で解散となった。
 ダンジョンは崩壊しなかった。つまり、あのスキルは秘宝ではなかったのだろう。レイは『ダンジョンの隠し通路かもね』なんて言っていたけどな。
 レノ、サリオは「いろいろあって疲れた」といい部屋へ戻り、アピアもいつの間にか来ていたセバスチャンさんと一緒に「ではまた」と言って帰った。
 俺も、部屋に戻る。
 マルセイはいないので、リンドブルムからもらった宝石に闘気を込める。
 すると、一分ほどでリンドブルムが窓からやってきた。

「リュウキ、呼ん───え?」
「リンドブルム、話があるんだ」
「……パパの匂い、すごく強くなってる」
「え?」
「何かあったの?」
「……ああ、ちょっとな」

 リンドブルムは俺のベッドに飛び込むと、うつ伏せになり足をパタパタさせる。
 俺は、ダンジョンで起きたことを話した。

「そっかー……」
「な、闘気を使い過ぎるとどうなるんだ?」
「わたしの場合は、ドラゴンに戻っちゃう。このヒトの姿は擬態なの。本来はすっごく大きなドラゴンで、闘気を解放すればするほど、ヒトの姿を保つのが難しい。それに、本気で戦うなら、ヒトじゃなくてドラゴンの姿」
「ドラゴン……」
「リュウキは、よくわかんない。ヒトがドラゴンの力を得たなんて初めてだもん。しかも、パパの力」
「みんなが言うには、腕が伸びたりデカくなったりしたらしい」
「たぶん、完全にパパの闘気を解放したわけじゃない。もしパパが本来の力を発揮したら、聖王国クロスガルドの周囲一帯は更地になっちゃうよ」

 サラっと言うリンドブルム。
 いや、怖すぎるだろ。

「今はできる?」
「……たぶん。みんなには言わなかったけど、腕に違和感があるんだ。闘気を一定量解放すれば、両腕が変わるかもしれない」
「やってみて」
「え」
「結界張った。音も漏れない、闘気も魔力も通さない結界。やって」
「…………わかった」

 俺は立ち上がり、闘気を解放する。
 ダンジョンではほんの少しの闘気解放でオーガを圧倒した。
 でも、今は違う。できる限り、目いっぱいの闘気を解放する……すると、俺の腕に鱗が生えた。
 いつもはここで止める。だが。

「もっと」

 リンドブルムがそう言った。
 さらに闘気を解放すると……右腕、左腕に変化が現れる。
 鱗が巨大化し、鎧のようになり左右の腕を包み込む。さらに、目の色が変わり、髪の色も変わった。そして、二本のツノが頭から生えてきた。
 闘気が爆発的に増えた。だが、完全に制御できる。
 まるで、エンシェントドラゴンの闘気を完璧に扱うためだけに、肉体が変化したようだ。

「まるで、パパの力を扱うためだけに、身体が変身したみたい」

 まったく同じことをリンドブルムも考えていた。
 
「リュウキ、制御できる?」
「……ああ。すごく頭が冴えてる」
「何ができそう?」
「『闘気解放』はもちろん、『闘気精製』もできる……」

 俺は、黄金の闘気を右の指先に集中する。
 すると、掌に乗るサイズのエンシェントドラゴンができた。
 金色の置物を見て、リンドブルムは嬉しそうに抱きしめる……何も言ってないけど、もうリンドブルムの物になったようだ。

「右腕は武器。左腕は闘気を大量に吐き出せる……すごいな、完全なバケモノだ」

 闘気を押さえると、身体の変化も元に戻る

「リュウキ、これからはあの姿で戦った方がいい」
「……あのバケモノでか?」
「違う。あれはパパがくれたリュウキの力。自分を否定しちゃダメ。そうだね……『龍人変身ドラゴンライズ』って名付けよっか」
「……わかった。ありがとよ」
「うん。それに、『獣化』っていう動物に変身するスキルもある。リュウキも、そのスキルを手に入れたってことにすればいい」
「あー……それは難しいな。実は……」

 俺はスキルイーターの話をする。 
 リンドブルムは「おおー」と言った。

「スキルイーター、珍しい。レジェンドスキルだよ」
「……レジェンド?」
「知らない? スキルの等級」

 スキルの等級は以下のように分かれている。
 ノーマル。
 レア。
 エピック。
 ユニーク。
 そして、レジェンド。最上級のスキルであり、現在持っているのが世界に数人しかいないとか。
 そんなスキルを俺は手に入れてしまった。

「ど、どんなスキルなんだ?」
「ドラゴンにぴったり。スキルを持ってる人の一部を摂取すると、そのスキルを覚えるの」
「…………無理」

 そんなグロイ方法かい……これ、使えないわ。
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~

にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。 「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。 主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜

あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。 その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!? チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双! ※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

処理中です...