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第六章 学園社交界
風魔七忍
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黄昏旅団との戦いから二年後──。
シャドウは一人、かつて師であったハンゾウを埋葬した洞窟にやって来た。
「……師匠」
シャドウは、十八歳になった。
かつて、新入生社交界で『悪魔』を倒し、残りの黄昏旅団を何とか倒した。
そして、ハンゾウ最初の弟子である『世界』のサスケと一騎打ち……同じ忍術を使う者同士、戦いは苛烈を極め……シャドウはついに、サスケを打ち破った。
シャドウは、ハンゾウを埋葬し封じた洞窟に入り、墓前に花を供える。
「師匠。黄昏旅団は壊滅しました。師匠の遺言通り……俺が、いや俺と仲間たちで倒しました」
シャドウは手を合わせる。
すると……シャドウの背後に、数名の男女が現れた。
「おうシャドウ、勝手に行くとかひでぇじゃねぇか」
ライザー。
ライザーは、義母であるクピドを一騎打ちで倒し、実の母親の仇を取った。
今はシャドウに仕える忠実なアサシンの一人。
「か、勝手に付いてきてごめんなさい……」
ルクレ。
まだ修行中ではあるが、今はアサシン見習いとして修行に明け暮れている。
どこかオドオドしているが、その雰囲気は治りそうになり。
「まあまあ。ね、シャドウくん、私たちもお花を供えていい?」
ラウラ。
協力者だったが、正式に風魔七忍に迎え入れた。今ではアルマス王国の次期女王であり、シャドウのよき理解者でもある。
「……ハンゾウ様」
ヒナタ。
シャドウの忠実な部下であり影。ハンゾウ最後の『修行』をシャドウと共に果たすことができて、女としても成長していた。
『……ふむ、奴の匂いがするの』
ヴライヤ。
炎竜であり、ハンゾウと戦ったドラゴン。シャドウの『口寄せの術』で召喚して戦うのだが、今では人間の世界が気に入ったのか、小型化して手乗りサイズになってシャドウの部屋に住んでいる。
そして……六人目。
「……親父の墓か」
若々しく見えるが四十を超えた男性。
風魔七忍の七人目であり、黄昏旅団の『世界』を司るアサシン。
シャドウと戦い改心……今は風魔七忍の一人として、シャドウに仕えている。
シャドウは振り返り、全員に言う。
「やれやれ……墓前なのに騒がしいな。でも、師匠はそういうの嫌いじゃない」
全員が笑った。
七忍揃ったアサシンたちは、ハンゾウの墓前に花を供え祈る。
そして、祈りを終えるとヒナタが一枚の羊皮紙を出し、シャドウに渡した。
「依頼です。対象はクルムスの町を納める町長……数々の汚職に手を染め、禁止されている奴隷売買にも関わっているとのこと」
「……暗殺対象か。よし、じゃあ……いつも通りいくか」
墓前を後にした七忍たちは、歩き出す。
殺しは悪。だが……殺しによって『正義』を為すこともある。
そのために、風魔七忍は存在する。
「風魔七忍、いくぞ」
「「「「「「はっ!!」」」」」」
これからも、正義の暗殺者たちは陰に潜み……悪を討つ。
─完─
シャドウは一人、かつて師であったハンゾウを埋葬した洞窟にやって来た。
「……師匠」
シャドウは、十八歳になった。
かつて、新入生社交界で『悪魔』を倒し、残りの黄昏旅団を何とか倒した。
そして、ハンゾウ最初の弟子である『世界』のサスケと一騎打ち……同じ忍術を使う者同士、戦いは苛烈を極め……シャドウはついに、サスケを打ち破った。
シャドウは、ハンゾウを埋葬し封じた洞窟に入り、墓前に花を供える。
「師匠。黄昏旅団は壊滅しました。師匠の遺言通り……俺が、いや俺と仲間たちで倒しました」
シャドウは手を合わせる。
すると……シャドウの背後に、数名の男女が現れた。
「おうシャドウ、勝手に行くとかひでぇじゃねぇか」
ライザー。
ライザーは、義母であるクピドを一騎打ちで倒し、実の母親の仇を取った。
今はシャドウに仕える忠実なアサシンの一人。
「か、勝手に付いてきてごめんなさい……」
ルクレ。
まだ修行中ではあるが、今はアサシン見習いとして修行に明け暮れている。
どこかオドオドしているが、その雰囲気は治りそうになり。
「まあまあ。ね、シャドウくん、私たちもお花を供えていい?」
ラウラ。
協力者だったが、正式に風魔七忍に迎え入れた。今ではアルマス王国の次期女王であり、シャドウのよき理解者でもある。
「……ハンゾウ様」
ヒナタ。
シャドウの忠実な部下であり影。ハンゾウ最後の『修行』をシャドウと共に果たすことができて、女としても成長していた。
『……ふむ、奴の匂いがするの』
ヴライヤ。
炎竜であり、ハンゾウと戦ったドラゴン。シャドウの『口寄せの術』で召喚して戦うのだが、今では人間の世界が気に入ったのか、小型化して手乗りサイズになってシャドウの部屋に住んでいる。
そして……六人目。
「……親父の墓か」
若々しく見えるが四十を超えた男性。
風魔七忍の七人目であり、黄昏旅団の『世界』を司るアサシン。
シャドウと戦い改心……今は風魔七忍の一人として、シャドウに仕えている。
シャドウは振り返り、全員に言う。
「やれやれ……墓前なのに騒がしいな。でも、師匠はそういうの嫌いじゃない」
全員が笑った。
七忍揃ったアサシンたちは、ハンゾウの墓前に花を供え祈る。
そして、祈りを終えるとヒナタが一枚の羊皮紙を出し、シャドウに渡した。
「依頼です。対象はクルムスの町を納める町長……数々の汚職に手を染め、禁止されている奴隷売買にも関わっているとのこと」
「……暗殺対象か。よし、じゃあ……いつも通りいくか」
墓前を後にした七忍たちは、歩き出す。
殺しは悪。だが……殺しによって『正義』を為すこともある。
そのために、風魔七忍は存在する。
「風魔七忍、いくぞ」
「「「「「「はっ!!」」」」」」
これからも、正義の暗殺者たちは陰に潜み……悪を討つ。
─完─
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