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第四章 ライザー・グランドアクシス
ライザーの苦悩
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ライザーは、辛そうに語り出す。
「クピド・グランドアクシス。俺の三番目の母親は、六年前に屋敷にやってきた」
クピド・グランドアクシス。
前々妻、前妻が謎の病によって亡くなり、ライザーの父親であるグランドアクシス公爵が連れてきた三人目の妻。前々妻でありライザーの兄姉たちとも仲がいい。
だがライザーは首を振る。
「オレは不気味でしょうがなかった。兄貴も姉貴も、なんであんな奴に心を開いてるのか理解できなかった」
「……何か違和感があったのか?」
シャドウが聞くが、ライザーは首を振る。
「感、としか言いようがねぇ。初めて会った時から、背中がむずがゆいような……オレの本能が警告してた。この女は只者じゃない、ってな。クピドはそんなオレを見て嘲笑い……兄貴や姉貴にオレを鍛えるようにと、あり得ないほど過酷な魔法訓練を強いるようになった」
「「「「…………」」」
シャドウ、ヒナタ、ルクレ、ラウラは黙りこむ。
「まだ十歳のガキだったオレにはどうしようもなかった。怯えて、兄貴と姉貴の狂った魔法訓練に耐えるだけの日々。『地』の魔法式を刻んだはいいが、魔法の才能も大したことのねぇオレには地獄だった」
吐き出すような本音だった。
その苦しみに嘘はない。不思議とシャドウは信じることができた。
「そんな時だった。オレは一人、魔法訓練を終えて、傷だらけの身体を引きずって、実家の裏にある森の泉で手当てしていた時だった……ハンゾウ師に出会ったんだ」
「師匠が……」
「ああ。ハンゾウ師はオレの手当てをして、クピドのことを聞いた。知り合いだってすぐわかったぜ……でも、ハンゾウ師を見てもオレは恐怖しなかった。ハンゾウ師からは優しさしか感じなかった」
「…………」
わかる。と、シャドウは言いたくなったが黙り込む。
「その日からだ。魔法訓練のあと、ハンゾウ師は必ず森の泉で、オレの手当てをしてくれた。そして、オレの魔法を見て、オレに合う戦い方の指導と、トレーニング方法を伝授してくれた」
「…………」
「ハンゾウ師が来なくなっても、オレはこの六年間、トレーニングを欠かさなかった。そして一年くらい前……ハンゾウ師がオレに会いに来たんだ」
「「!!」」
シャドウ、ヒナタは驚いた。
「病んでいるってすぐわかった。死期が近いのもわかった……ハンゾウ師はオレに、『自分の後継者ができた。そいつに協力してやってほしい……ただし、そいつの正体はお前が探せ、そいつをお前が試して協力するかどうか決めろ』って言った。協力してやれってのに、協力するかオレに決めさせるんだぜ? さすがに笑っちまった」
「……師匠が、そんなことを」
「ああ。で、ハンゾウ師から聞いた。黄昏旅団のこと、そしてクピドが黄昏旅団の『恋人』クピドで、ハンゾウ師の元弟子ってのも……まあ、驚きはしなかったけどな」
「…………」
「ハンゾウ師は、オレにとっておきの『テンプレート』をくれた。そして、オレに言ったんだ……期間は短かったが、お前も自分の弟子だ、ちゃんと指導できずすまない、ってな……それが最後に話したハンゾウ師との会話だ」
「…………」
「オレは学園に入学し、お前を探した。クサナギ男爵……かなり怪しいと思ってた。で、先の襲撃事件で確信した。やっぱりお前がハンゾウ師の後継だってな」
「…………」
「拳を合わせてわかったよ。お前の拳は、ハンゾウ師と同じだ。オレは人を見る眼には自信がある。ハンゾウ師の想いは、お前に受け継がれている。オレもお前と共に戦うことができる、ってな」
ライザーは拳をシャドウに向ける。
「黄昏旅団の潰滅……オレも手伝うぜ。ハンゾウ師の弟子の一人として、そして……クピド。あの女を殺すために」」
「……いいのか? お前の母親だぞ」
「母親じゃねぇ。ハンゾウ師に聞いてわかったが、クピドは親父を『洗脳』して、グランドアクシス公爵家の権力を利用するために近づいた。それだけじゃねぇ」
一瞬、ゾッとするような殺気をライザーは身に纏う。
「クピド。奴は……グランドアクシス公爵家に入るために、兄貴と姉貴の母親、そして……オレの母親に手を掛けた。二人とも謎の病による病死じゃねぇ。クピドに殺されたんだ」
「「「「!!」」」」
「シャドウ様。一つだけ……クピドは、オレが殺す」
「…………」
その決意の硬さに、シャドウは息を飲む。
ハンゾウが殺された時のシャドウと、全く同じ目をしていた。
シャドウがヒナタを見ると、ヒナタも肩を落とし頷く。そして、ようやく苦無を下ろした。
「……わかった。ライザー、お前を風魔七人の『四人目』として迎える」
「───ありがとうございます」
シャドウが立ち上がると、ライザーは跪く。
それは、主従関係。
風魔七人の『頭領』であるシャドウに従うという、ライザーの覚悟だった。
そして、その隣にヒナタも跪き、迷っていたがルクレもヒナタの隣で跪く。
「俺たちの敵は『黄昏旅団』だ。魔術師、節制、死神、力の四人は死んだ。女教皇を除き、残り十六人……そいつらを始末し、師匠の願いを果たす」
「「はっ」」
「は、はい」
新星、『風魔七忍』が四人となり、クオルデン王立魔法学園の一年生たちによるアサシン教団が真に動き出した瞬間でもあった。
◇◇◇◇◇◇
「よし!! シャドウ様、これからどうする?」
と、ライザーがいきなり立ち上がる。
シャドウは考え、ピンと指を立てた。
「最初は学園に三人、黄昏旅団の団員がいるって話だったけど……もうその情報はアテにならない。で、今は何の情報もない。あるのは、お前の情報だけ……『恋人』のクピドだっけ」
「ああ。っと……敬語、必要か?」
「いらね。お前も十六歳だろ。タメ語でいいよ」
「そりゃ助かる。で、クピドを狙うのか?」
「……そうしたいけど、グランドアクシス公爵家までは行けない。王都じゃなくて、領地にいるんだろ? さすがに俺たちが王都を留守にしてクピドを暗殺、その間学園に俺たちがいなかったら疑われるし……」
「まあそうだよな。あ……そういえば」
と、ライザーはいきなりルクレを見た。
「お前、ブリトラ侯爵家の娘だろ。何か聞いてないか?」
「え、え? いきなり言われても……」
「いや、確か……社交界あるとか何とか」
「……あ」
と、ルクレも何かを思い出したようだ。
そして、ラウラが言う。
「それって、学園社交界の話?」
「あ、それそれ。確か、学園でやる社交界に、『虹色の魔法師』のウィングボルト公爵家のアリアル公爵を呼ぶとか言ってたような」
「……なるほど」
ここでヒナタが言う。
「クピドそのものは出ずとも、ウィングボルト公爵……『嵐』の称号を持つ魔法師、アリアル公爵なら何か情報を持っているかもしれません」
「アリアル公爵って確か……女性だよな」
「はい。グランドアクシス公爵家とも深い繋がりがあるはず……」
「よし。まずは、社交界で情報を集めるか。それまでは普通通り学生を演じよう」
こうして、方針は決まった。
一学年の行事の一つ、『新入生社交界』。
魔法師ではあるが貴族でもある。来るべき社交界に備え、貴族夫人を招いて社交界のレッスン、本番さながらに社交界を開催する授業……授業とは言うが、今ではイベントの一つだ。
そこに来る、ウィングボルト公爵家のアリアル公爵を探る。
もしかすると、グランドアクシス公爵家だけではなく、他にも何か情報がある可能性がある。
「とりあえず、今日はここまでにするか。けっこうな時間、寮を開けている」
ライザーを仲間にし、シャドウたちはさらに戦力を強化した。
「…………はあ」
ただ一人……ルクレだけは、浮かない顔をしていることに、ラウラだけが気付くのだった。
「クピド・グランドアクシス。俺の三番目の母親は、六年前に屋敷にやってきた」
クピド・グランドアクシス。
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「まだ十歳のガキだったオレにはどうしようもなかった。怯えて、兄貴と姉貴の狂った魔法訓練に耐えるだけの日々。『地』の魔法式を刻んだはいいが、魔法の才能も大したことのねぇオレには地獄だった」
吐き出すような本音だった。
その苦しみに嘘はない。不思議とシャドウは信じることができた。
「そんな時だった。オレは一人、魔法訓練を終えて、傷だらけの身体を引きずって、実家の裏にある森の泉で手当てしていた時だった……ハンゾウ師に出会ったんだ」
「師匠が……」
「ああ。ハンゾウ師はオレの手当てをして、クピドのことを聞いた。知り合いだってすぐわかったぜ……でも、ハンゾウ師を見てもオレは恐怖しなかった。ハンゾウ師からは優しさしか感じなかった」
「…………」
わかる。と、シャドウは言いたくなったが黙り込む。
「その日からだ。魔法訓練のあと、ハンゾウ師は必ず森の泉で、オレの手当てをしてくれた。そして、オレの魔法を見て、オレに合う戦い方の指導と、トレーニング方法を伝授してくれた」
「…………」
「ハンゾウ師が来なくなっても、オレはこの六年間、トレーニングを欠かさなかった。そして一年くらい前……ハンゾウ師がオレに会いに来たんだ」
「「!!」」
シャドウ、ヒナタは驚いた。
「病んでいるってすぐわかった。死期が近いのもわかった……ハンゾウ師はオレに、『自分の後継者ができた。そいつに協力してやってほしい……ただし、そいつの正体はお前が探せ、そいつをお前が試して協力するかどうか決めろ』って言った。協力してやれってのに、協力するかオレに決めさせるんだぜ? さすがに笑っちまった」
「……師匠が、そんなことを」
「ああ。で、ハンゾウ師から聞いた。黄昏旅団のこと、そしてクピドが黄昏旅団の『恋人』クピドで、ハンゾウ師の元弟子ってのも……まあ、驚きはしなかったけどな」
「…………」
「ハンゾウ師は、オレにとっておきの『テンプレート』をくれた。そして、オレに言ったんだ……期間は短かったが、お前も自分の弟子だ、ちゃんと指導できずすまない、ってな……それが最後に話したハンゾウ師との会話だ」
「…………」
「オレは学園に入学し、お前を探した。クサナギ男爵……かなり怪しいと思ってた。で、先の襲撃事件で確信した。やっぱりお前がハンゾウ師の後継だってな」
「…………」
「拳を合わせてわかったよ。お前の拳は、ハンゾウ師と同じだ。オレは人を見る眼には自信がある。ハンゾウ師の想いは、お前に受け継がれている。オレもお前と共に戦うことができる、ってな」
ライザーは拳をシャドウに向ける。
「黄昏旅団の潰滅……オレも手伝うぜ。ハンゾウ師の弟子の一人として、そして……クピド。あの女を殺すために」」
「……いいのか? お前の母親だぞ」
「母親じゃねぇ。ハンゾウ師に聞いてわかったが、クピドは親父を『洗脳』して、グランドアクシス公爵家の権力を利用するために近づいた。それだけじゃねぇ」
一瞬、ゾッとするような殺気をライザーは身に纏う。
「クピド。奴は……グランドアクシス公爵家に入るために、兄貴と姉貴の母親、そして……オレの母親に手を掛けた。二人とも謎の病による病死じゃねぇ。クピドに殺されたんだ」
「「「「!!」」」」
「シャドウ様。一つだけ……クピドは、オレが殺す」
「…………」
その決意の硬さに、シャドウは息を飲む。
ハンゾウが殺された時のシャドウと、全く同じ目をしていた。
シャドウがヒナタを見ると、ヒナタも肩を落とし頷く。そして、ようやく苦無を下ろした。
「……わかった。ライザー、お前を風魔七人の『四人目』として迎える」
「───ありがとうございます」
シャドウが立ち上がると、ライザーは跪く。
それは、主従関係。
風魔七人の『頭領』であるシャドウに従うという、ライザーの覚悟だった。
そして、その隣にヒナタも跪き、迷っていたがルクレもヒナタの隣で跪く。
「俺たちの敵は『黄昏旅団』だ。魔術師、節制、死神、力の四人は死んだ。女教皇を除き、残り十六人……そいつらを始末し、師匠の願いを果たす」
「「はっ」」
「は、はい」
新星、『風魔七忍』が四人となり、クオルデン王立魔法学園の一年生たちによるアサシン教団が真に動き出した瞬間でもあった。
◇◇◇◇◇◇
「よし!! シャドウ様、これからどうする?」
と、ライザーがいきなり立ち上がる。
シャドウは考え、ピンと指を立てた。
「最初は学園に三人、黄昏旅団の団員がいるって話だったけど……もうその情報はアテにならない。で、今は何の情報もない。あるのは、お前の情報だけ……『恋人』のクピドだっけ」
「ああ。っと……敬語、必要か?」
「いらね。お前も十六歳だろ。タメ語でいいよ」
「そりゃ助かる。で、クピドを狙うのか?」
「……そうしたいけど、グランドアクシス公爵家までは行けない。王都じゃなくて、領地にいるんだろ? さすがに俺たちが王都を留守にしてクピドを暗殺、その間学園に俺たちがいなかったら疑われるし……」
「まあそうだよな。あ……そういえば」
と、ライザーはいきなりルクレを見た。
「お前、ブリトラ侯爵家の娘だろ。何か聞いてないか?」
「え、え? いきなり言われても……」
「いや、確か……社交界あるとか何とか」
「……あ」
と、ルクレも何かを思い出したようだ。
そして、ラウラが言う。
「それって、学園社交界の話?」
「あ、それそれ。確か、学園でやる社交界に、『虹色の魔法師』のウィングボルト公爵家のアリアル公爵を呼ぶとか言ってたような」
「……なるほど」
ここでヒナタが言う。
「クピドそのものは出ずとも、ウィングボルト公爵……『嵐』の称号を持つ魔法師、アリアル公爵なら何か情報を持っているかもしれません」
「アリアル公爵って確か……女性だよな」
「はい。グランドアクシス公爵家とも深い繋がりがあるはず……」
「よし。まずは、社交界で情報を集めるか。それまでは普通通り学生を演じよう」
こうして、方針は決まった。
一学年の行事の一つ、『新入生社交界』。
魔法師ではあるが貴族でもある。来るべき社交界に備え、貴族夫人を招いて社交界のレッスン、本番さながらに社交界を開催する授業……授業とは言うが、今ではイベントの一つだ。
そこに来る、ウィングボルト公爵家のアリアル公爵を探る。
もしかすると、グランドアクシス公爵家だけではなく、他にも何か情報がある可能性がある。
「とりあえず、今日はここまでにするか。けっこうな時間、寮を開けている」
ライザーを仲間にし、シャドウたちはさらに戦力を強化した。
「…………はあ」
ただ一人……ルクレだけは、浮かない顔をしていることに、ラウラだけが気付くのだった。
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