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アナタの愛こそ私のすべて・愛の魔王バビスチェ②/支配のサリオス
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「ぜぇ、ゼェ……クッソが、この、クソ殿下……ッ!!」
「…………」
瞳が桃色に染まったサリオスが、光聖剣サザーランドをスヴァルトに向けていた。
サザーランドには、真っ赤な血が付いている。
スヴァルトの身体がいくらか斬られ、出血していた。
「クソが……なんで、身体が上手く、動かねぇ!?」
闇聖剣アンダンテが、うまく変形しない。
鋸剣のまま、サリオスの剣を辛うじて受け、躱していた。
技も出せず、能力も使えない。
「……『シャイニング・カット』」
「ッ!! 第二階梯魔法、『黒キ壁』!!」
詠唱破棄した第二階梯魔法。
魔法による攻撃はできないが、防御はできる。
だが、詠唱破棄できるのは第二階梯魔法まで。魔法が苦手なスヴァルトにとって、かなりのピンチだ。
ロセは第四、ララベルは第三階梯まで詠唱破棄できる。スヴァルトは魔法を諦め、武器の変形や戦術ばかり磨いていた……が、ここにきて仇となった。
闇の魔法で作られた盾があっさり砕かれる。
「ちくしょう……殿下の野郎、目ぇ覚ましやがれ!!」
◇◇◇◇◇◇
サリオスの意識は明滅していた。
わかるのは、サザーランドを持つ感覚だけ。
首から下が凍ったように冷えており、眼球だけは動かせる。
そして、内側から聞こえる、謎の声。
『さぁ、さぁ、さぁ……あなたの、あなたの、あなたの……剣で、剣で、剣で……目の前にいる、目の前にいる、目の前にいる……敵を、敵を、敵を』
「敵、を」
斬る。
身体が動き、目の前にいる『スヴァルト』を斬る。
スヴァルトが、何かを言っている。
『めぇさませ、でんか!!』
誰の事だろうか? 男の声が聞こえる。
サリオスは、この男の声がうっとおしく感じていた。
『それじゃダメよ? ふふ……』
だが、そうじゃない。
この声は毒だ。サザーランドが、そう言っている気がする。
サリオスの後ろから聞こえる、魔界貴族の声がする。
だが───サリオスの目の前に、スヴァルトではない、魔界貴族ではない『女』が現れた。
『そう。あなたにも『資格』ができた』
聞いたことのない声が、サリオスの中に響き渡る。
サリオスの後ろにいるのは、魔界貴族だ。
だが、目の前にいるのは誰だろうか? まるで、女神のような……。
『さぁ……解放しなさい』
解放。
サザーランドが、熱を持つ。
そして───……サリオスは、ポツリと呟いた。
◇◇◇◇◇◇
「『鎧身』───」
◇◇◇◇◇◇
「え?」
「あ?」
スキュバと、スヴァルトが唖然とした。
サリオスの全身を包み込む、純白をベースにし、黄金と銀の装飾が施された全身鎧。
肌の露出が一切ない。鎧だけではなく、マントも羽織っている。
右手には丸盾を装備し、左手には変形し、両刃長剣となったサザーランドが握られていた。
「せ、聖剣の……さ、最終形態だとぉ!?」
「し、知らない。こんなの……知らないわ!?」
サリオスは、ぐるりと向きを変え、スキュバに剣を向けた。
「ひっ」
そして、黄金に輝く光聖剣サザーランドが輝きを増す。
「奥義!! 『シャイニングハーツ・ブレイバー』!!」
あまりに光量にスヴァルトは目を閉じ───……眼を開けると、スキュバは影も形も消えていた。
光聖剣サザーランドの最終形態。『光聖剣鎧サザーランド・ライトオブハイロゥ』の力だった。
「…………ぅっ」
鎧が解除されると、サリオスはその場に崩れ落ちる。
スヴァルトはサリオスを支え、呆然としたまま呟いた。
「マジかよ、殿下……あの眩しい光だけで、魔界貴族を消滅させちまった」
光だけで、周りの建物には一切の被害がない。
破壊ではなく、消滅の光。
それが、サザーランドの最終形態の力。
「……やれる。魔王も殺せる……ッ!! 聖剣の最終形態。オレも早く手に入れ、ねぇ……っく、血ぃ、流し、過ぎた……か」
スヴァルトは、サリオスと共に気を失った。
◇◇◇◇◇◇
一方、ロイは。
シェンフーに向けて放った矢は、心臓部分にめがけて真っ直ぐ飛ぶ。
だが、柔らかな身体と体毛にあっさり弾かれた。
『フン、無駄だと言ってるだろうが!!』
「かもな」
だが、ロイは余裕を崩さない。
それがシェンフーの勘に触ったのか、雄叫びを上げて再び身体を球体に丸める。
桃色の毛玉。確かに、触り心地がよさそうだった。
ロイは魔力操作で身体強化。気配を殺し、一瞬でその場から消えた。
『隠れても無駄だ!!』
シェンフーは、スンスンと匂いを嗅ぐ。
一方、ロイは演習場の物陰に潜んでいた。
『で、策は』
「…………」
『お前、あんな啖呵を切って、無策とはな』
「う、うるさい。というか、そう思うならお前も何か考えろよ」
『…………まぁ、手はあるな』
「お、マジか」
『ロイ、一つ聞かせろ』
「なんだよ、こんな時に」
『お前、エレノアが好きか? ユノとどちらが好きだ? それとも……あのアオイか?』
「…………お前、ふざけてんのか?」
『見つけたぞ!!』
シェンフーが気付き、転がって来た。
ロイはその場から離脱。演習場内へ、遮蔽物がない戦闘場内を走る。あまり逃げ回ると、シェンフーによって周囲が更地になりかねない。
生徒だけでなく、教師も、聖剣士たちもバビスチェの術中にはまっている今、誰がどこにいるのかわからない。校舎、学生寮の方へ向かうわけにはいかなかった。
『ロイ、答えろ。お前は、誰を愛する?』
「知るか!! つーか、そんな場合じゃないだろうが」
『誰か一人を選ぶか。それとも……全てを選ぶか?』
「あぁ!?」
『潰れろォォォォォォォ!!』
シェンフーが転がってくる。
ロイは逃げる。建物の影に隠れるか、それとも危険を承知で学園の敷地内に逃げるか。
『今もそうだ。迷っている。学園の敷地内に逃げれば、お前は逃げられるかもしれない。だが……お前は逃げない。誰かが巻き込まれるかもしれないから。だから、勝利の手を探しつつ、今こうして逃げ惑う。勝つか負けるか、どちらを選ぶ?』
「決まってんだろ、両方だ!! 俺はここで死ぬ気はないし、あんな虎に負けもしない!!」
『では、エレノアたちは?』
「知らん!! ってか、どっちか選ぶとかじゃない。俺は俺の答えを出す!! 答えは……『知らん』!!」
『…………』
ロイは走る。
桃色の球体がすぐ背後に迫っている。
弓を構える間もない。体力が尽きるまで、演習場内をグルグル回る。
すると、デスゲイズが。
『逃げもせず、負けもせず。選びもせず、自分の答えを探す。か……お前はなんとも『傲慢』だな。いいだろう……ロイ、お前にくれてやる。大罪権能『傲慢』の力をな!!』
「え!? このタイミングで!?」
『さぁ、変身の時!!』
「って、おぉぉ!?」
ロイのコートが変わる。
コートがマントのようになり、仮面の形状が口元だけを露出したアイマスクに。
手には、『憤怒』で使用するショットガンに、弓と弦が合体したような『クロスボウ』が握られていた。
黒を基調としたマントに仮面。まるで。
『名付けて、『奇術形態』……さぁロイ、その力見せてみろ!!』
「ありがたいけど、この状況で撃つの難しいッ!! ───……ぬ、アァァァ!!」
ロイは全力で走り跳躍。空中で回転し、腰の矢筒から矢を装填。
クロスボウをシェンフーへ向けた。
『無駄だと言ってるだろうがァァァァァァ!!』
「大罪権能『傲慢』装填」
使い方は、頭の中に浮かんでいた。
『傲慢』の矢を向けるのはシェンフーではない。
シェンフーが転がる、地面。
「歪め、『狂反転の矢』!!」
放たれた矢が地面に刺さると───……一瞬で『泥化』した。
『なっ!?』
シェンフーの回転が遅くなり、泥が飛び散り、身体が徐々に沈んでいく。
シェンフーは丸めた手足を戻し、泥から跳躍して地面に立った。
『な、何を……』
「すっげぇ……」
ロイも驚いていた。
デスゲイズは誇らしそうに説明する。
『大罪権能『傲慢』の力は『超変質』……そのものが持つ属性や材質を変化させることが基本能力だ。さぁロイ、あとはお前の想像力次第で、この力は化ける。お前の望むがまま、第五の権能を使いこなして見せろ!!』
「いいね、面白い……」
ロイは次矢を装填、シェンフーに向けた。
「三分以内にケリ付ける───……行くぞ!!」
「…………」
瞳が桃色に染まったサリオスが、光聖剣サザーランドをスヴァルトに向けていた。
サザーランドには、真っ赤な血が付いている。
スヴァルトの身体がいくらか斬られ、出血していた。
「クソが……なんで、身体が上手く、動かねぇ!?」
闇聖剣アンダンテが、うまく変形しない。
鋸剣のまま、サリオスの剣を辛うじて受け、躱していた。
技も出せず、能力も使えない。
「……『シャイニング・カット』」
「ッ!! 第二階梯魔法、『黒キ壁』!!」
詠唱破棄した第二階梯魔法。
魔法による攻撃はできないが、防御はできる。
だが、詠唱破棄できるのは第二階梯魔法まで。魔法が苦手なスヴァルトにとって、かなりのピンチだ。
ロセは第四、ララベルは第三階梯まで詠唱破棄できる。スヴァルトは魔法を諦め、武器の変形や戦術ばかり磨いていた……が、ここにきて仇となった。
闇の魔法で作られた盾があっさり砕かれる。
「ちくしょう……殿下の野郎、目ぇ覚ましやがれ!!」
◇◇◇◇◇◇
サリオスの意識は明滅していた。
わかるのは、サザーランドを持つ感覚だけ。
首から下が凍ったように冷えており、眼球だけは動かせる。
そして、内側から聞こえる、謎の声。
『さぁ、さぁ、さぁ……あなたの、あなたの、あなたの……剣で、剣で、剣で……目の前にいる、目の前にいる、目の前にいる……敵を、敵を、敵を』
「敵、を」
斬る。
身体が動き、目の前にいる『スヴァルト』を斬る。
スヴァルトが、何かを言っている。
『めぇさませ、でんか!!』
誰の事だろうか? 男の声が聞こえる。
サリオスは、この男の声がうっとおしく感じていた。
『それじゃダメよ? ふふ……』
だが、そうじゃない。
この声は毒だ。サザーランドが、そう言っている気がする。
サリオスの後ろから聞こえる、魔界貴族の声がする。
だが───サリオスの目の前に、スヴァルトではない、魔界貴族ではない『女』が現れた。
『そう。あなたにも『資格』ができた』
聞いたことのない声が、サリオスの中に響き渡る。
サリオスの後ろにいるのは、魔界貴族だ。
だが、目の前にいるのは誰だろうか? まるで、女神のような……。
『さぁ……解放しなさい』
解放。
サザーランドが、熱を持つ。
そして───……サリオスは、ポツリと呟いた。
◇◇◇◇◇◇
「『鎧身』───」
◇◇◇◇◇◇
「え?」
「あ?」
スキュバと、スヴァルトが唖然とした。
サリオスの全身を包み込む、純白をベースにし、黄金と銀の装飾が施された全身鎧。
肌の露出が一切ない。鎧だけではなく、マントも羽織っている。
右手には丸盾を装備し、左手には変形し、両刃長剣となったサザーランドが握られていた。
「せ、聖剣の……さ、最終形態だとぉ!?」
「し、知らない。こんなの……知らないわ!?」
サリオスは、ぐるりと向きを変え、スキュバに剣を向けた。
「ひっ」
そして、黄金に輝く光聖剣サザーランドが輝きを増す。
「奥義!! 『シャイニングハーツ・ブレイバー』!!」
あまりに光量にスヴァルトは目を閉じ───……眼を開けると、スキュバは影も形も消えていた。
光聖剣サザーランドの最終形態。『光聖剣鎧サザーランド・ライトオブハイロゥ』の力だった。
「…………ぅっ」
鎧が解除されると、サリオスはその場に崩れ落ちる。
スヴァルトはサリオスを支え、呆然としたまま呟いた。
「マジかよ、殿下……あの眩しい光だけで、魔界貴族を消滅させちまった」
光だけで、周りの建物には一切の被害がない。
破壊ではなく、消滅の光。
それが、サザーランドの最終形態の力。
「……やれる。魔王も殺せる……ッ!! 聖剣の最終形態。オレも早く手に入れ、ねぇ……っく、血ぃ、流し、過ぎた……か」
スヴァルトは、サリオスと共に気を失った。
◇◇◇◇◇◇
一方、ロイは。
シェンフーに向けて放った矢は、心臓部分にめがけて真っ直ぐ飛ぶ。
だが、柔らかな身体と体毛にあっさり弾かれた。
『フン、無駄だと言ってるだろうが!!』
「かもな」
だが、ロイは余裕を崩さない。
それがシェンフーの勘に触ったのか、雄叫びを上げて再び身体を球体に丸める。
桃色の毛玉。確かに、触り心地がよさそうだった。
ロイは魔力操作で身体強化。気配を殺し、一瞬でその場から消えた。
『隠れても無駄だ!!』
シェンフーは、スンスンと匂いを嗅ぐ。
一方、ロイは演習場の物陰に潜んでいた。
『で、策は』
「…………」
『お前、あんな啖呵を切って、無策とはな』
「う、うるさい。というか、そう思うならお前も何か考えろよ」
『…………まぁ、手はあるな』
「お、マジか」
『ロイ、一つ聞かせろ』
「なんだよ、こんな時に」
『お前、エレノアが好きか? ユノとどちらが好きだ? それとも……あのアオイか?』
「…………お前、ふざけてんのか?」
『見つけたぞ!!』
シェンフーが気付き、転がって来た。
ロイはその場から離脱。演習場内へ、遮蔽物がない戦闘場内を走る。あまり逃げ回ると、シェンフーによって周囲が更地になりかねない。
生徒だけでなく、教師も、聖剣士たちもバビスチェの術中にはまっている今、誰がどこにいるのかわからない。校舎、学生寮の方へ向かうわけにはいかなかった。
『ロイ、答えろ。お前は、誰を愛する?』
「知るか!! つーか、そんな場合じゃないだろうが」
『誰か一人を選ぶか。それとも……全てを選ぶか?』
「あぁ!?」
『潰れろォォォォォォォ!!』
シェンフーが転がってくる。
ロイは逃げる。建物の影に隠れるか、それとも危険を承知で学園の敷地内に逃げるか。
『今もそうだ。迷っている。学園の敷地内に逃げれば、お前は逃げられるかもしれない。だが……お前は逃げない。誰かが巻き込まれるかもしれないから。だから、勝利の手を探しつつ、今こうして逃げ惑う。勝つか負けるか、どちらを選ぶ?』
「決まってんだろ、両方だ!! 俺はここで死ぬ気はないし、あんな虎に負けもしない!!」
『では、エレノアたちは?』
「知らん!! ってか、どっちか選ぶとかじゃない。俺は俺の答えを出す!! 答えは……『知らん』!!」
『…………』
ロイは走る。
桃色の球体がすぐ背後に迫っている。
弓を構える間もない。体力が尽きるまで、演習場内をグルグル回る。
すると、デスゲイズが。
『逃げもせず、負けもせず。選びもせず、自分の答えを探す。か……お前はなんとも『傲慢』だな。いいだろう……ロイ、お前にくれてやる。大罪権能『傲慢』の力をな!!』
「え!? このタイミングで!?」
『さぁ、変身の時!!』
「って、おぉぉ!?」
ロイのコートが変わる。
コートがマントのようになり、仮面の形状が口元だけを露出したアイマスクに。
手には、『憤怒』で使用するショットガンに、弓と弦が合体したような『クロスボウ』が握られていた。
黒を基調としたマントに仮面。まるで。
『名付けて、『奇術形態』……さぁロイ、その力見せてみろ!!』
「ありがたいけど、この状況で撃つの難しいッ!! ───……ぬ、アァァァ!!」
ロイは全力で走り跳躍。空中で回転し、腰の矢筒から矢を装填。
クロスボウをシェンフーへ向けた。
『無駄だと言ってるだろうがァァァァァァ!!』
「大罪権能『傲慢』装填」
使い方は、頭の中に浮かんでいた。
『傲慢』の矢を向けるのはシェンフーではない。
シェンフーが転がる、地面。
「歪め、『狂反転の矢』!!」
放たれた矢が地面に刺さると───……一瞬で『泥化』した。
『なっ!?』
シェンフーの回転が遅くなり、泥が飛び散り、身体が徐々に沈んでいく。
シェンフーは丸めた手足を戻し、泥から跳躍して地面に立った。
『な、何を……』
「すっげぇ……」
ロイも驚いていた。
デスゲイズは誇らしそうに説明する。
『大罪権能『傲慢』の力は『超変質』……そのものが持つ属性や材質を変化させることが基本能力だ。さぁロイ、あとはお前の想像力次第で、この力は化ける。お前の望むがまま、第五の権能を使いこなして見せろ!!』
「いいね、面白い……」
ロイは次矢を装填、シェンフーに向けた。
「三分以内にケリ付ける───……行くぞ!!」
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