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吹き荒ぶ『螺旋風の塔』④/八咫烏
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「な、なんだあいつ……!?」
漆黒の狩人『八咫烏』
サリオスたちの前にいきなり現れ、援護すると言い出した。
しかも、ロセもララベルも受け入れ、背中を見せてしまっている。
カレリナ、ミコリッテもまた、悩みつつも敵ではないと判断したのか、何も言わない。サリオスだけが八咫烏を敵視していた。
「くっ……」
でも───強い。
不意打ちとはいえ、全く臆することなくザオレンに接近、何をしたのかわからないが、矢がザオレンの腕に二本、刺さったのが見えた。
一瞬で射った。サリオスにわかったのはそれだけ。
七聖剣士を援護する。一体、何が目的なのか。
金、名誉、それとも他の何か? だが……顔を隠す意味が、わからない。
今、わかるのは。八咫烏は矢を番え、その矢をザオレンに向けているということだ。
「テメェか!! テメェがシェリンプを、シタラドを、ボッグワーズを!!」
『…………』
八咫烏は何も言わない。
すると、ロセが最初に動いた。
「チッ、テメェに用はねぇんだよガキが!!───……ッ!?」
ロセを薙ぎ払おうと、両手の『竜巻』をロセに向けようとした瞬間、あり得ない速度で飛んで来た『音無矢』が三発、振り上げたザオレンの腕に刺さり、勢いで腕が逸れて明後日の方へ向いた。
その瞬間、ロセの影に隠れていたララベルの双剣が連結し、柄が伸びる。
「『双連薙刀』!!」
ララベルは棒術にも秀でていた。
槍ではなく、刃の付いた棒。
ザオレンの頭を両断しようと振り抜かれた刃は、ザオレンが首を後ろに思いきり捻った瞬間回避された……が、片目がバッサリ切られ視界を奪う。
おそらく、数秒後には完治する。
だが、今だけは右目が見えない。ロセはララベルの胴を両断する勢いで、右から真横に振り抜いた。
ララベルは跳躍し回避。だが、ザオレンも予想していたのかしゃがんで回避───……した瞬間、八咫烏の矢がザオレンの心臓目掛けて飛んで来た。
「クソがぁ!!」
だが、ザオレンは身体に暴風を纏い矢を弾く。
このままではまずい。
ザオレンの力は《竜巻》で、風を渦上に巻くことができる。だが……弱点は屋内での使用には制限がかかるということ。
ザオレンは、舐めていた。
たとえ制限があろうと、今の聖剣士に自分が負けるはずがない、と。
その結果、追い詰められていた。
《八咫烏》という、完全なイレギュラーによって、七聖剣士の二人に追い詰められていた。
三人から距離を取り、ザオレンは八咫烏を睨む。
「なんだ、テメェは……!!」
『…………』
「何か言えや!! テメェ、何なんだ!!」
『…………』
完全な無視。
八咫烏にとってザオレンは『獲物』にすぎない。これから狙う獲物と仲良く会話する狩人なんて、世界中探してもいないだろう。
ロイは、ララベルとロセに言う。
『俺が隙を作る。心臓を狙え』
「は、はい」
「う、うん」
八咫烏は、矢筒から一本の矢───……『魔喰矢』を抜く。
禍々しい力に、ロセとザオレンが息を飲んだ。
すると、ザオレンの身体に力が満ちていく。
「舐めやがって……パレットアイズ様が見てるんだ、こんなところで……負けるかよぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
魔性化。
ザオレンの背に翼が生え、身体が緑色に変色し鱗が生えていく。顔が完全な鳥類に変わり、恐ろしい唸り声をあげた。
魔鳥人。それこそが、ザオレンの正体。
だが八咫烏は、内心で思う。
(おいデスゲイズ……これ、パレットアイズが見ているのか? お前のこと、バレるんじゃ)
『問題ない。そもそも、力の使い方が我輩とは全く違うからな……お前を見て、我輩を連想するのは無理だ。お前が捕まり、魔力の質を徹底的に解析されでもしない限りな。我輩が恐れているのは、お前の存在がバレて、徹底的に解読されることを恐れている。今、『正体不明の射手』が聖剣士と協力して戦っている、くらいならまぁ……たぶん』
(……本当に大丈夫なのかよ)
だが、もう遅い。
ロイは『魔喰矢』を番えると、ロセとララベルが剣を構える。
(ああ、そうか……)
『グェェェェェェェェェェェッ!!』
ザオレンが全身に竜巻を纏い、八咫烏めがけて突撃する。
八咫烏は───ロイは、どこか嬉しかった。
もしかしたら、これがロイの望んでいた……聖剣士と共に戦うということなのかもしれない、と。
ロイの矢が放たれ、ザオレンと真正面から衝突する。
『この野郎ガァァァァァァーーーーーーッ!!』
『シャガァァァァァァァッ!!』
『魔喰矢』が牙をガチガチさせ、ザオレンの風を喰らう。
そして、竜巻を貫通した矢が、ザオレンの両翼を食い千切った。
『ぐ、アァァァァァァァツ!!』
「ロセ!!」
「ええっ!!」
そして、落下してきたザオレンを、ロセが一刀両断し、ララベルが心臓を切り刻んだ。
『ち、く……しょ、う』
ザオレンは蒼い炎に包まれ、地面に落ちる前に完全消滅した。
◇◇◇◇◇◇
「やったぁ……って、あれ?」
「あ、あら?」
ロセとララベルがハイタッチ。八咫烏は───と見たら、どこにもいない。
実は『魔喰矢』がザオレンに打ち勝った瞬間に、部屋を飛び出して隠れていた。
八咫烏───……ロイは、二十階層まで一気に走って逃げ、ようやく扉の傍で一息ついた。
「あー……やっちまったかも」
『助けるのと、ザオレンを降すのを同時にやるために、あえて姿を見せるとはな』
「早まったかなぁ」
ロイはため息を吐き、デスゲイズをコツンと叩く。
『いや、これでコソコソせずに堂々と姿をさらして戦える』
「いや、影からの援護は続けるぞ。姿を晒すのは真にヤバい時だけな」
『お前は……全く、好きにしろ』
「へいへい」
こうして、魔界貴族侯爵『荒巻』のザオレンは討伐された。
守護魔獣であるスケルトン・グリフォンが討伐されたことで、ダンジョンも崩壊を始める。
ロイは崩壊に巻き込まれる前に、ダッシュでダンジョンから脱出するのだった。
◇◇◇◇◇◇
四つのダンジョンが完全に消滅した。
パレットアイズの居城にて、『討滅』のクリスベノワは、冷たい汗が流れるのを止められず、微動だにせずザオレンが消滅する様子を眺めていたパレットアイズに聞いた。
「わ、我が主……」
「…………つまんなーい」
「……え」
「つまんないなー」
パリッと、薄揚げジャガイモを食べながら言う。
長い付き合いだからわかる。
パレットアイズは───キレていた。
ダンジョンが消えるのはいい。だが……聖剣士が、侯爵級四人を倒すことまでは想定していなかったに違いない。いつも通り、侯爵級たちが聖剣士で遊び、パレットアイズが眺めて笑うという構図があったはずだ。
だが、結果は……全滅。
シェリンプが消滅したときは「あっそ」で済んだ。シタラドが消滅したときは「ふーん」で、ボッグワーズが消滅したときは「……へえ」で、たった今、ザオレンが消滅したときは「つまんなーい」だ……機嫌が悪い。
「……ササライに馬鹿にされちゃうな」
「あ、主!! まだです。まだ、私がいます」
「えー?」
「我が管理するダンジョンにて、聖剣士たちを確実に滅ぼしてご覧にいれましょう……久しぶりに、この『討滅』のクリスベノワ、本気で戦えそうです」
「……じゃあ、やっちゃって。あんたがダメだった場合……トラビア王国、消すから」
「は、はいっ!!」
ジロっと睨まれ、クリスベノワは頭を下げた。
◇◇◇◇◇◇
トラビア王国から少し離れた場所に出現していた城。
その城が、クリスベノワの管理するダンジョン、『討滅城』
入口は硬く閉ざされており、四つのダンジョンが攻略されないと開くことがない。
だが……ついに、その入口が開こうとしていた。
漆黒の狩人『八咫烏』
サリオスたちの前にいきなり現れ、援護すると言い出した。
しかも、ロセもララベルも受け入れ、背中を見せてしまっている。
カレリナ、ミコリッテもまた、悩みつつも敵ではないと判断したのか、何も言わない。サリオスだけが八咫烏を敵視していた。
「くっ……」
でも───強い。
不意打ちとはいえ、全く臆することなくザオレンに接近、何をしたのかわからないが、矢がザオレンの腕に二本、刺さったのが見えた。
一瞬で射った。サリオスにわかったのはそれだけ。
七聖剣士を援護する。一体、何が目的なのか。
金、名誉、それとも他の何か? だが……顔を隠す意味が、わからない。
今、わかるのは。八咫烏は矢を番え、その矢をザオレンに向けているということだ。
「テメェか!! テメェがシェリンプを、シタラドを、ボッグワーズを!!」
『…………』
八咫烏は何も言わない。
すると、ロセが最初に動いた。
「チッ、テメェに用はねぇんだよガキが!!───……ッ!?」
ロセを薙ぎ払おうと、両手の『竜巻』をロセに向けようとした瞬間、あり得ない速度で飛んで来た『音無矢』が三発、振り上げたザオレンの腕に刺さり、勢いで腕が逸れて明後日の方へ向いた。
その瞬間、ロセの影に隠れていたララベルの双剣が連結し、柄が伸びる。
「『双連薙刀』!!」
ララベルは棒術にも秀でていた。
槍ではなく、刃の付いた棒。
ザオレンの頭を両断しようと振り抜かれた刃は、ザオレンが首を後ろに思いきり捻った瞬間回避された……が、片目がバッサリ切られ視界を奪う。
おそらく、数秒後には完治する。
だが、今だけは右目が見えない。ロセはララベルの胴を両断する勢いで、右から真横に振り抜いた。
ララベルは跳躍し回避。だが、ザオレンも予想していたのかしゃがんで回避───……した瞬間、八咫烏の矢がザオレンの心臓目掛けて飛んで来た。
「クソがぁ!!」
だが、ザオレンは身体に暴風を纏い矢を弾く。
このままではまずい。
ザオレンの力は《竜巻》で、風を渦上に巻くことができる。だが……弱点は屋内での使用には制限がかかるということ。
ザオレンは、舐めていた。
たとえ制限があろうと、今の聖剣士に自分が負けるはずがない、と。
その結果、追い詰められていた。
《八咫烏》という、完全なイレギュラーによって、七聖剣士の二人に追い詰められていた。
三人から距離を取り、ザオレンは八咫烏を睨む。
「なんだ、テメェは……!!」
『…………』
「何か言えや!! テメェ、何なんだ!!」
『…………』
完全な無視。
八咫烏にとってザオレンは『獲物』にすぎない。これから狙う獲物と仲良く会話する狩人なんて、世界中探してもいないだろう。
ロイは、ララベルとロセに言う。
『俺が隙を作る。心臓を狙え』
「は、はい」
「う、うん」
八咫烏は、矢筒から一本の矢───……『魔喰矢』を抜く。
禍々しい力に、ロセとザオレンが息を飲んだ。
すると、ザオレンの身体に力が満ちていく。
「舐めやがって……パレットアイズ様が見てるんだ、こんなところで……負けるかよぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
魔性化。
ザオレンの背に翼が生え、身体が緑色に変色し鱗が生えていく。顔が完全な鳥類に変わり、恐ろしい唸り声をあげた。
魔鳥人。それこそが、ザオレンの正体。
だが八咫烏は、内心で思う。
(おいデスゲイズ……これ、パレットアイズが見ているのか? お前のこと、バレるんじゃ)
『問題ない。そもそも、力の使い方が我輩とは全く違うからな……お前を見て、我輩を連想するのは無理だ。お前が捕まり、魔力の質を徹底的に解析されでもしない限りな。我輩が恐れているのは、お前の存在がバレて、徹底的に解読されることを恐れている。今、『正体不明の射手』が聖剣士と協力して戦っている、くらいならまぁ……たぶん』
(……本当に大丈夫なのかよ)
だが、もう遅い。
ロイは『魔喰矢』を番えると、ロセとララベルが剣を構える。
(ああ、そうか……)
『グェェェェェェェェェェェッ!!』
ザオレンが全身に竜巻を纏い、八咫烏めがけて突撃する。
八咫烏は───ロイは、どこか嬉しかった。
もしかしたら、これがロイの望んでいた……聖剣士と共に戦うということなのかもしれない、と。
ロイの矢が放たれ、ザオレンと真正面から衝突する。
『この野郎ガァァァァァァーーーーーーッ!!』
『シャガァァァァァァァッ!!』
『魔喰矢』が牙をガチガチさせ、ザオレンの風を喰らう。
そして、竜巻を貫通した矢が、ザオレンの両翼を食い千切った。
『ぐ、アァァァァァァァツ!!』
「ロセ!!」
「ええっ!!」
そして、落下してきたザオレンを、ロセが一刀両断し、ララベルが心臓を切り刻んだ。
『ち、く……しょ、う』
ザオレンは蒼い炎に包まれ、地面に落ちる前に完全消滅した。
◇◇◇◇◇◇
「やったぁ……って、あれ?」
「あ、あら?」
ロセとララベルがハイタッチ。八咫烏は───と見たら、どこにもいない。
実は『魔喰矢』がザオレンに打ち勝った瞬間に、部屋を飛び出して隠れていた。
八咫烏───……ロイは、二十階層まで一気に走って逃げ、ようやく扉の傍で一息ついた。
「あー……やっちまったかも」
『助けるのと、ザオレンを降すのを同時にやるために、あえて姿を見せるとはな』
「早まったかなぁ」
ロイはため息を吐き、デスゲイズをコツンと叩く。
『いや、これでコソコソせずに堂々と姿をさらして戦える』
「いや、影からの援護は続けるぞ。姿を晒すのは真にヤバい時だけな」
『お前は……全く、好きにしろ』
「へいへい」
こうして、魔界貴族侯爵『荒巻』のザオレンは討伐された。
守護魔獣であるスケルトン・グリフォンが討伐されたことで、ダンジョンも崩壊を始める。
ロイは崩壊に巻き込まれる前に、ダッシュでダンジョンから脱出するのだった。
◇◇◇◇◇◇
四つのダンジョンが完全に消滅した。
パレットアイズの居城にて、『討滅』のクリスベノワは、冷たい汗が流れるのを止められず、微動だにせずザオレンが消滅する様子を眺めていたパレットアイズに聞いた。
「わ、我が主……」
「…………つまんなーい」
「……え」
「つまんないなー」
パリッと、薄揚げジャガイモを食べながら言う。
長い付き合いだからわかる。
パレットアイズは───キレていた。
ダンジョンが消えるのはいい。だが……聖剣士が、侯爵級四人を倒すことまでは想定していなかったに違いない。いつも通り、侯爵級たちが聖剣士で遊び、パレットアイズが眺めて笑うという構図があったはずだ。
だが、結果は……全滅。
シェリンプが消滅したときは「あっそ」で済んだ。シタラドが消滅したときは「ふーん」で、ボッグワーズが消滅したときは「……へえ」で、たった今、ザオレンが消滅したときは「つまんなーい」だ……機嫌が悪い。
「……ササライに馬鹿にされちゃうな」
「あ、主!! まだです。まだ、私がいます」
「えー?」
「我が管理するダンジョンにて、聖剣士たちを確実に滅ぼしてご覧にいれましょう……久しぶりに、この『討滅』のクリスベノワ、本気で戦えそうです」
「……じゃあ、やっちゃって。あんたがダメだった場合……トラビア王国、消すから」
「は、はいっ!!」
ジロっと睨まれ、クリスベノワは頭を下げた。
◇◇◇◇◇◇
トラビア王国から少し離れた場所に出現していた城。
その城が、クリスベノワの管理するダンジョン、『討滅城』
入口は硬く閉ざされており、四つのダンジョンが攻略されないと開くことがない。
だが……ついに、その入口が開こうとしていた。
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