93 / 178
第六章
収納
しおりを挟む
S級と生徒会の合同依頼。
それの準備のため、翌日は授業がなしに。何日間の留守にするかわからなかったので、荷物は多めに持って行くことにした。
そして、半日かけて荷物を用意したのだが……男性陣はともかく、女性陣の荷物は非常に多かった。
特にメル。大きなバッグが五つもあり、どれも着替えなどが大量に入っている。
サフィーもメルよりは少ないが多い。フェニアとアネルもサフィーよりは少ないがそれでも多かった。ウィルとアルフェンはカバン一つだけなのに、これではあまりにも荷重すぎる。
ウィルは、寮の談話室に置いてある荷物の山を見てため息を吐く。
「減らせ。こんなの重すぎだろ」
「だ、駄目です! 何日かかるかわからない旅ですし……着替えとか必要です」
「サフィーの意見に賛成します。野営とかもあるし、服や下着の替えは必要です!」
サフィーとメルの抗議をウィルはすっぱり無視。
ウィルはため息を吐き、キッチンで野営用の鍋やフライパン、調理器具などを箱に詰めていたアルフェンに言う。
「おい、あいつらなんとかしろ。着替えなんてしなくても死にやしないってな」
「あー……まぁそうだけど」
S級たちが乗るのは、大きな荷馬車だ。
魔人討伐の報酬を出し合い、みんなで大きな馬車を買ったのだ。学園から支給された荷馬車が小さすぎたため、即金で買える馬車がそれしかなかったという理由もある。
十人乗りで、小さいながらも二階建て、寝室もある。馬車の牽引は馬ではなくマルコシアスに引いてもらう。試しにマルコシアスに引いてもらったところ、『おいおい、軽すぎるぞ?』という感じで軽々引いていた。
荷物を置くスペースもあるが、さすがに多すぎた。
「たっだいまー!」
「ふぁぁぁ~~~……ただいまぁ」
「ただいま」
すると、レイヴィニアとニスロク。アネルが帰ってきた。
アルフェンがそちらに顔を向ける。
「おう。おかえ…………って、なんだそれ?」
「むっふっふ。ようやく見つけてきた!」
レイヴィニアが誇らしげに胸を張る。
アネルが、黒いモフモフした鳥のヒナみたいな生物を抱っこしていた。アネルはニコニコ顔でモフモフを堪能しており、フェニアたちもモフモフに釘付けだ。
レイヴィニアは、モフモフをツンツンしながら言った。
「こいつは『ディメンションスパロウ』っていう、魔帝様が呼びだした召喚獣……ああ、人間は魔獣って呼んでるな。魔獣だ。旅に出るならこいつの能力が役に立つと思って、ニスロクとうちで捕まえてきた!」
「ぼくの『能力』なら魔獣操れるしらくしょぉ~~~」
ニスロクの能力は『魔人通信』だ。
魔獣を操ることが可能で、魔人同士遠隔で会話もできるという。
アネルが一緒に行ったのは脱走しないように……だが、そんな心配は欠片もしていなかった。
「ガーネットのやつに頼まれてな。こいつがいると楽だぞ……見てろ」
「あぁっ」
レイヴィニアがアネルからディメンションスパロウを奪う。そして、置いてあった荷物にモフモフを近づけると、ディメンションスパロウの口が開き、荷物が吸い込まれてしまった。
いきなりのことで仰天する一行。
「むっふっふ。こいつの能力は『収納』っていうんだ。どんな大きなものでも吸い込んで収納する。物を出したいときはモフモフしながら命じるんだ。おい、カバン出せ」
『ぴゅるる』
レイヴィニアがモフモフすると、ディメンションスパロウは口を開け、フェニアのカバンをペッと吐きだした。
アルフェンは、ディメンションスパロウに近づいて撫でる。
「すごいな。これは役に立つぞ」
『ぴゅるる』
「いちおう、もう一匹捕まえてきた。あの、生徒会とかいう連中用に」
「ああ……まぁ、俺が届けるよ」
もう一匹はどこにいるのかと探すと、ニスロクが着ていたフード付きコートのフードの中にいた。こっちの色は黄色だった。どうも個体によって色が違うらしい。
すると、黒いディメンションスパロウはフェニアに強奪された。
「かわいぃ~♪ ねぇねぇ名前つけよ! 餌は何食べるのかな?」
「も、もふもふです! マルコシアスとどっちがモフモフかな」
「餌は雑食みたい。あ、クッキー食べるかな?」
「アネル! その役目はわたしにお任せを! 王女の命令です!」
と、構われまくっていた。
ウィルは興味なさそうにため息を吐く。だが、これで荷物問題は解決した。
ニスロクは、フードから黄色いディメンションスパロウを取り出す。
「はいこれ。餌はなんでもいいし、普段は寝てるからお世話もらくぅ~」
「わかった。伝えておくよ……とりあえず、キリアス兄さんに言うか」
黄色いディメンションスパロウを抱っこし、アルフェンは寮を出た。
◇◇◇◇◇◇
寮を出て歩いていると、すぐに後悔した。
「おい、なんだあれ」「S級……なんだあれ、ひよこか?」
「かわいい~」「黄色いモフモフ」「ペットか?」
ディメンションスパロウを抱いたアルフェンは、かなり目立っていた。
「くっ……は、恥ずかしいなこれ」
『ぴゅい?』
「……くっ、確かに可愛い」
さっさと届けようと歩いていると、ちょうどグリッツを見つけた。
買い物をしていたようで、両手がふさがっている。アルフェンはお構いなしに話しかけた。
「おーい。そこの、ちょっといいか?」
「え……あ、アルフェン・リグヴェータ!? な、なんだよ、なにか用……なんだそれ?」
「……とりあえず質問。キリアス兄さんは?」
アルフェンはグリッツの質問を無視。ディメンションスパロウをジロジロ見ていたグリッツは、アルフェンの顔を見て言う。
「キリアス先輩なら、一緒に買い出ししているよ。ここで合流するからもうすぐ来る」
「買い出し? ……ああ、お前も行くんだっけ」
「ああ。とはいっても、完全な雑用係だけどね。キリアス先輩も似たようなものさ」
「そっか……あ、そうだ。じゃあお前にも説明しておくよ」
「?」
アルフェンはディメンションスパロウの説明をした。半信半疑のグリッツの前で持っていた荷物を全て収納。モフモフしながら荷物を再び出してやる。
「……お、驚いた。これは便利だな!」
「だろ? 大量の荷物を馬車に積んで馬に苦労させるか、モフモフしながら可愛い鳥の世話をするかの二択だ。どうする?」
「もちろん世話だ」
『ぴゅい』
「……うん、世話だ!!」
グリッツはディメンションスパロウが気に入ったようだ。
渡してやると、モフモフと頭を撫でる。すると、いいタイミングでキリアスがやってきた。
「待たせたグリッツ……アルフェン?」
「お疲れ様です。兄さん」
「キリアス先輩!! 実は、このようなものをもらいまして」
グリッツはディメンションスパロウの実演をし、キリアスを驚かせた。
「なるほど。これは便利だ……あー、ありがとう、アルフェン」
「いえ。あ、世話だけはよろしくお願いします。おい、変なことに使ったりしたら怒るからな…………俺が」
「わ、わかってるよ。大事に世話するさ!」
一応、このディメンションスパロウに何かあればニスロクに伝わる。
世話はグリッツがやるだろうし、大丈夫だろう。
用事も終わり、アルフェンは帰ろうとした。
「待て。あー……その、や、約束を果たそうか」
「え?」
「飯……奢ってやる。行くぞ」
「……はい!!」
「うむ……おい、グリッツも来い。オレが奢ってやる」
「え、あ、は、はい……い、いただき、ます」
キリアスがこんなことを言うとは思ってなかったようだ。
アルフェン、キリアス、グリッツの三人は、高級購買内にある飲食店へ向かって歩きだした。
それの準備のため、翌日は授業がなしに。何日間の留守にするかわからなかったので、荷物は多めに持って行くことにした。
そして、半日かけて荷物を用意したのだが……男性陣はともかく、女性陣の荷物は非常に多かった。
特にメル。大きなバッグが五つもあり、どれも着替えなどが大量に入っている。
サフィーもメルよりは少ないが多い。フェニアとアネルもサフィーよりは少ないがそれでも多かった。ウィルとアルフェンはカバン一つだけなのに、これではあまりにも荷重すぎる。
ウィルは、寮の談話室に置いてある荷物の山を見てため息を吐く。
「減らせ。こんなの重すぎだろ」
「だ、駄目です! 何日かかるかわからない旅ですし……着替えとか必要です」
「サフィーの意見に賛成します。野営とかもあるし、服や下着の替えは必要です!」
サフィーとメルの抗議をウィルはすっぱり無視。
ウィルはため息を吐き、キッチンで野営用の鍋やフライパン、調理器具などを箱に詰めていたアルフェンに言う。
「おい、あいつらなんとかしろ。着替えなんてしなくても死にやしないってな」
「あー……まぁそうだけど」
S級たちが乗るのは、大きな荷馬車だ。
魔人討伐の報酬を出し合い、みんなで大きな馬車を買ったのだ。学園から支給された荷馬車が小さすぎたため、即金で買える馬車がそれしかなかったという理由もある。
十人乗りで、小さいながらも二階建て、寝室もある。馬車の牽引は馬ではなくマルコシアスに引いてもらう。試しにマルコシアスに引いてもらったところ、『おいおい、軽すぎるぞ?』という感じで軽々引いていた。
荷物を置くスペースもあるが、さすがに多すぎた。
「たっだいまー!」
「ふぁぁぁ~~~……ただいまぁ」
「ただいま」
すると、レイヴィニアとニスロク。アネルが帰ってきた。
アルフェンがそちらに顔を向ける。
「おう。おかえ…………って、なんだそれ?」
「むっふっふ。ようやく見つけてきた!」
レイヴィニアが誇らしげに胸を張る。
アネルが、黒いモフモフした鳥のヒナみたいな生物を抱っこしていた。アネルはニコニコ顔でモフモフを堪能しており、フェニアたちもモフモフに釘付けだ。
レイヴィニアは、モフモフをツンツンしながら言った。
「こいつは『ディメンションスパロウ』っていう、魔帝様が呼びだした召喚獣……ああ、人間は魔獣って呼んでるな。魔獣だ。旅に出るならこいつの能力が役に立つと思って、ニスロクとうちで捕まえてきた!」
「ぼくの『能力』なら魔獣操れるしらくしょぉ~~~」
ニスロクの能力は『魔人通信』だ。
魔獣を操ることが可能で、魔人同士遠隔で会話もできるという。
アネルが一緒に行ったのは脱走しないように……だが、そんな心配は欠片もしていなかった。
「ガーネットのやつに頼まれてな。こいつがいると楽だぞ……見てろ」
「あぁっ」
レイヴィニアがアネルからディメンションスパロウを奪う。そして、置いてあった荷物にモフモフを近づけると、ディメンションスパロウの口が開き、荷物が吸い込まれてしまった。
いきなりのことで仰天する一行。
「むっふっふ。こいつの能力は『収納』っていうんだ。どんな大きなものでも吸い込んで収納する。物を出したいときはモフモフしながら命じるんだ。おい、カバン出せ」
『ぴゅるる』
レイヴィニアがモフモフすると、ディメンションスパロウは口を開け、フェニアのカバンをペッと吐きだした。
アルフェンは、ディメンションスパロウに近づいて撫でる。
「すごいな。これは役に立つぞ」
『ぴゅるる』
「いちおう、もう一匹捕まえてきた。あの、生徒会とかいう連中用に」
「ああ……まぁ、俺が届けるよ」
もう一匹はどこにいるのかと探すと、ニスロクが着ていたフード付きコートのフードの中にいた。こっちの色は黄色だった。どうも個体によって色が違うらしい。
すると、黒いディメンションスパロウはフェニアに強奪された。
「かわいぃ~♪ ねぇねぇ名前つけよ! 餌は何食べるのかな?」
「も、もふもふです! マルコシアスとどっちがモフモフかな」
「餌は雑食みたい。あ、クッキー食べるかな?」
「アネル! その役目はわたしにお任せを! 王女の命令です!」
と、構われまくっていた。
ウィルは興味なさそうにため息を吐く。だが、これで荷物問題は解決した。
ニスロクは、フードから黄色いディメンションスパロウを取り出す。
「はいこれ。餌はなんでもいいし、普段は寝てるからお世話もらくぅ~」
「わかった。伝えておくよ……とりあえず、キリアス兄さんに言うか」
黄色いディメンションスパロウを抱っこし、アルフェンは寮を出た。
◇◇◇◇◇◇
寮を出て歩いていると、すぐに後悔した。
「おい、なんだあれ」「S級……なんだあれ、ひよこか?」
「かわいい~」「黄色いモフモフ」「ペットか?」
ディメンションスパロウを抱いたアルフェンは、かなり目立っていた。
「くっ……は、恥ずかしいなこれ」
『ぴゅい?』
「……くっ、確かに可愛い」
さっさと届けようと歩いていると、ちょうどグリッツを見つけた。
買い物をしていたようで、両手がふさがっている。アルフェンはお構いなしに話しかけた。
「おーい。そこの、ちょっといいか?」
「え……あ、アルフェン・リグヴェータ!? な、なんだよ、なにか用……なんだそれ?」
「……とりあえず質問。キリアス兄さんは?」
アルフェンはグリッツの質問を無視。ディメンションスパロウをジロジロ見ていたグリッツは、アルフェンの顔を見て言う。
「キリアス先輩なら、一緒に買い出ししているよ。ここで合流するからもうすぐ来る」
「買い出し? ……ああ、お前も行くんだっけ」
「ああ。とはいっても、完全な雑用係だけどね。キリアス先輩も似たようなものさ」
「そっか……あ、そうだ。じゃあお前にも説明しておくよ」
「?」
アルフェンはディメンションスパロウの説明をした。半信半疑のグリッツの前で持っていた荷物を全て収納。モフモフしながら荷物を再び出してやる。
「……お、驚いた。これは便利だな!」
「だろ? 大量の荷物を馬車に積んで馬に苦労させるか、モフモフしながら可愛い鳥の世話をするかの二択だ。どうする?」
「もちろん世話だ」
『ぴゅい』
「……うん、世話だ!!」
グリッツはディメンションスパロウが気に入ったようだ。
渡してやると、モフモフと頭を撫でる。すると、いいタイミングでキリアスがやってきた。
「待たせたグリッツ……アルフェン?」
「お疲れ様です。兄さん」
「キリアス先輩!! 実は、このようなものをもらいまして」
グリッツはディメンションスパロウの実演をし、キリアスを驚かせた。
「なるほど。これは便利だ……あー、ありがとう、アルフェン」
「いえ。あ、世話だけはよろしくお願いします。おい、変なことに使ったりしたら怒るからな…………俺が」
「わ、わかってるよ。大事に世話するさ!」
一応、このディメンションスパロウに何かあればニスロクに伝わる。
世話はグリッツがやるだろうし、大丈夫だろう。
用事も終わり、アルフェンは帰ろうとした。
「待て。あー……その、や、約束を果たそうか」
「え?」
「飯……奢ってやる。行くぞ」
「……はい!!」
「うむ……おい、グリッツも来い。オレが奢ってやる」
「え、あ、は、はい……い、いただき、ます」
キリアスがこんなことを言うとは思ってなかったようだ。
アルフェン、キリアス、グリッツの三人は、高級購買内にある飲食店へ向かって歩きだした。
30
お気に入りに追加
258
あなたにおすすめの小説

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中

追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる