62 / 178
第四章
真の傲慢
しおりを挟む
翌日。
フェニアに礼服を選んでもらい、サフィーから茶会のマナーを一通り確認。
リリーシャから茶会の日程を知らせる手紙が届き、アルフェンは参加する旨を嫌々伝えた。
授業後、ガーネットにこの話をすると。
「ま、いい経験になるだろうさ。参加しておいで」
「……俺としては、除名取り消しもなったことが腹立ちますね。あの両親、俺の功績に食いつく気満々じゃねぇか」
「そういうもんさ。貴族ってのは」
「…………」
「茶会にはあたしもアイオライト公爵家として参加するよ。サフィーはまだ一人じゃ危なっかしいからねぇ……あの子の両親も参加するけど、隙あらば見合いだの将来有望だのいう男んとこに連れていこうとするからねぇ……」
「へぇ」
「はぁ~あ。どこかにいないかねぇ……将来有望で、サフィーが気に入るような男は」
なぜかアルフェンをチラ見するガーネット。
そんな視線にも気付かず、アルフェンは言う。
「それより、他の魔人の手掛かりとか」
「まだない。王国周辺で魔人の痕跡を探しているが……好き勝手暴れる『暴食』や、目に見えて変化のあることばかりする『傲慢』と違い、残りの五人はまだ大きな動きを見せていない」
「……ウィルの、『色欲』は?」
「まだだ。どこかの集落が皆殺しにされ、いい男一人だけ生き残ったって報告はないねぇ……」
「ヒュブリスが言ってた『怠惰』と『嫉妬』は?」
「さぁねぇ……」
「残りの魔人の情報は?」
「さぁねぇ……『憤怒』と『強欲』か。こちらもまだ何もない」
「はぁ……」
「そう気を落とすな。『暴食』と『傲慢』の死はすでに魔人どもには伝わったはず。何らかの動きがあるのは間違いない……お前たちは、自分を鍛えて力を磨いておけ。それに……敵は魔人だけではない」
「え?」
「魔帝。やつの封印が解けているのは間違いない……過去の戦いでなんとか封印はしたが、今回はどうなるか……」
「…………」
ガーネットは、どこか悲し気に見えた。
◇◇◇◇◇◇
数日後。
ついに、茶会の日になった。
サフィーは前日に公爵家本邸に戻り、ドレスなどの支度をしている。
アルフェンは、フェニアに服を着せてもらい、髪を整えてもらっていた。
アネルは眺め、ウィルはニヤニヤしながら見ている。
「……うん、こんな感じ。どう? あ、髪の毛触らないでね」
「おう。ん……いい感じ。ありがとう、フェニア」
「どういたしまして! ふふ、アルフェンの身支度を整えるなんて、もう少し先のことかなって思ってたけど……」
フェニアはしみじみとつぶやく。
アネルは、にっこり笑って言った。
「仲いいね、二人とも」
「幼馴染だからな」
「ん……そうだね」
フェニアは恥ずかしそうにうつむく。
そんな二人を、ウィルは小馬鹿にしたように言う。
「オジョーサマが見たらどんな反応するかねぇ?」
「は? サフィーが? なんで?」
「へ、無自覚な馬鹿。で、迎え来るんだろ?」
「……馬車が来る」
アルフェンは嫌そうに言う。
そう。S級寮前に、迎えの馬車が来るのだ……リリーシャ、ダオームも乗った馬車だ。別々の馬車が良かったのだが、キリアスが許してくれなかった。
学園から王城まで三十分もかからないのだが、そのわずかな時間も狭い馬車でリリーシャやダオームと過ごすのがアルフェンは嫌だった。
ウィルは、アネルに言う。
「にしても、似合わないなぁ……なぁアネル」
「あ、アタシに聞かないでよ。けっこう似合ってると思うけど」
アルフェンは、茶会用の礼服を着ている。
濃い緑を基調とした落ち着いたデザインだ。黒髪も整え、薄く化粧もしている。
アルフェンは嫌そうに言う。
「こんな格好似合わないのは俺が一番よく知ってるよ。ったく……とんだ出費だ」
「まぁまぁ、あたしは似合ってると───」
と、ここで寮の玄関ドアがノックされた。
アネルが対応すると、御者の服を着た初老男性だった。
「アルフェン・リグヴェータ様。お迎えに上がりました」
「わかりました。じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい。サフィーによろしくね」
「土産。適当な高級酒ガメてこいよ」
「お茶会の話、聞かせてねー」
アルフェンは外へ。
馬車には三人乗っていた。わかってはいたが嫌すぎるアルフェン。
「こっちに乗れ」
「兄さん。おはようございます」
「ん、ああ……ほら、乗れ」
「はい。失礼します」
挨拶もなくアルフェンを座らせようとするキリアスに、アルフェンは挨拶した。
キリアスは、グレーを基調としたやや派手な服を着ている。
対面には、身体の大きいダオームが濃紺の礼服を着ている。おそらくオーダーメイドだろう。
「……ふん」
ダオームが鼻を鳴らすが、アルフェンは無視。
その隣に座るリリーシャも、完璧に無視した。
リリーシャは、真紅の薔薇をイメージしたドレスを着ていた。肩を大胆に露出し、上品に胸元を見せている。首にはシンプルなシルバーネックレスがかけられ、首の細さと肌の白さが強調されていた。
スタイルも非常によく、細くしなやかな脚がスカートから伸びているのがわかる。長い黒髪は綺麗にまとめられ、薄化粧をして紅を唇に塗った姿はどこか扇情的にも見えた。
だが、アルフェンの心には全く響かない。町の服屋にあるマネキンが同じドレスを着ているようなものだ。興味のない存在というのは、どこまでも無関心になれた。
馬車はゆっくり走り出す。
城下町を走っていると、注目されているような気がした。
馬車の窓越しに景色を眺めていると、キリアスが言う。
「いいか。アルフェン……妙なことを言うなよ」
「大丈夫です。いちおう、茶会のマナーは覚えていますから」
「そうじゃない! ……ああもう、とにかく、挨拶だけしっかりやれよ」
「はい。わかりました」
「なら、いい」
それだけ言うと、キリアスも黙ってしまう。
アルフェンは大きな欠伸をした。
◇◇◇◇◇◇
何も喋ることなく、馬車はアースガルズ王城へ到着した。
まずは王城内に与えられた控室へ。そこで少し休憩し、茶会までの時間を過ごす。
アルフェンたち四人は控室に案内される。
するとそこには……いた。
「おお、久しいな。お前たち」
「ああ、大きくなって……顔を見せてちょうだい」
リグヴェータ家当主アルバン。その妻サリー……アルフェンの両親だった。
アルバンは、気味が悪い笑みを浮かべアルフェンの元へ。サリーもハンカチ片手にやってきた。
「アルフェン。やってくれたな!! はは、魔人討伐とは、私も鼻が高いよ」
「…………」
「本当に素晴らしいわ。私の息子が、こんな偉業を達成するなんて……」
サリーはハンカチで目元をぬぐう。
アルフェンは気付いたが、少し様子を見ることに。
「リリーシャ。お前も非常によくやっている。A級召喚士リリーシャとその兄弟の噂は、リグヴェータ領土まで届いているぞ。これからは家をヘルヘイム地方首都ニブルヘイムへ移す予定だ。アースガルズ王国からも近いし、気軽に帰ってこれる」
「はい。父上、母上」
「ダオーム、キリアス。お前たちもよくやっているようだな。息子として誇らしいぞ」
「ありがとうございます。父上」
「ありがとうございます」
リリーシャも、ダオームも、キリアスも笑っていた。
アルフェンだけが無表情だった。
あまりにも、気持ち悪い茶番にしか見えなかった。
サリーは、アルフェンの肩に手を乗せる。
「アルフェン。これからも頑張って頂戴ね?」
「…………」
「はは。サリー、あまり無茶をさせるなよ?」
「ふふ。そうね。リリーシャの言うことを良く聞くのよ?」
「…………」
「さぁて。そろそろ茶会の時間だな。家族全員で行こうじゃないか」
「…………」
アルフェンは、あまりの気持ち悪さに吐きそうになった。
そう……父も母も、これまでアルフェンにしてきた仕打ちに全く触れなかった。謝罪はおろか、何もなかったかのように振る舞っているのである。
ドアがノックされ、茶会の開始を伝えに来た騎士が案内をしに来た。
父と母は腕を組み、リリーシャとダオームが後に続く。
キリアスだけが、アルフェンに言った。
「……行くぞ」
「……兄さん、俺」
「頼む……今はやめてくれ」
キリアスは、アルフェンに背を向けて歩きだす。
かすれたような小声が、アルフェンの耳に入った。
「───すまない」
父でも母でも、リリーシャでもダオームでもない。キリアスが最も罪悪感を感じていた。
フェニアに礼服を選んでもらい、サフィーから茶会のマナーを一通り確認。
リリーシャから茶会の日程を知らせる手紙が届き、アルフェンは参加する旨を嫌々伝えた。
授業後、ガーネットにこの話をすると。
「ま、いい経験になるだろうさ。参加しておいで」
「……俺としては、除名取り消しもなったことが腹立ちますね。あの両親、俺の功績に食いつく気満々じゃねぇか」
「そういうもんさ。貴族ってのは」
「…………」
「茶会にはあたしもアイオライト公爵家として参加するよ。サフィーはまだ一人じゃ危なっかしいからねぇ……あの子の両親も参加するけど、隙あらば見合いだの将来有望だのいう男んとこに連れていこうとするからねぇ……」
「へぇ」
「はぁ~あ。どこかにいないかねぇ……将来有望で、サフィーが気に入るような男は」
なぜかアルフェンをチラ見するガーネット。
そんな視線にも気付かず、アルフェンは言う。
「それより、他の魔人の手掛かりとか」
「まだない。王国周辺で魔人の痕跡を探しているが……好き勝手暴れる『暴食』や、目に見えて変化のあることばかりする『傲慢』と違い、残りの五人はまだ大きな動きを見せていない」
「……ウィルの、『色欲』は?」
「まだだ。どこかの集落が皆殺しにされ、いい男一人だけ生き残ったって報告はないねぇ……」
「ヒュブリスが言ってた『怠惰』と『嫉妬』は?」
「さぁねぇ……」
「残りの魔人の情報は?」
「さぁねぇ……『憤怒』と『強欲』か。こちらもまだ何もない」
「はぁ……」
「そう気を落とすな。『暴食』と『傲慢』の死はすでに魔人どもには伝わったはず。何らかの動きがあるのは間違いない……お前たちは、自分を鍛えて力を磨いておけ。それに……敵は魔人だけではない」
「え?」
「魔帝。やつの封印が解けているのは間違いない……過去の戦いでなんとか封印はしたが、今回はどうなるか……」
「…………」
ガーネットは、どこか悲し気に見えた。
◇◇◇◇◇◇
数日後。
ついに、茶会の日になった。
サフィーは前日に公爵家本邸に戻り、ドレスなどの支度をしている。
アルフェンは、フェニアに服を着せてもらい、髪を整えてもらっていた。
アネルは眺め、ウィルはニヤニヤしながら見ている。
「……うん、こんな感じ。どう? あ、髪の毛触らないでね」
「おう。ん……いい感じ。ありがとう、フェニア」
「どういたしまして! ふふ、アルフェンの身支度を整えるなんて、もう少し先のことかなって思ってたけど……」
フェニアはしみじみとつぶやく。
アネルは、にっこり笑って言った。
「仲いいね、二人とも」
「幼馴染だからな」
「ん……そうだね」
フェニアは恥ずかしそうにうつむく。
そんな二人を、ウィルは小馬鹿にしたように言う。
「オジョーサマが見たらどんな反応するかねぇ?」
「は? サフィーが? なんで?」
「へ、無自覚な馬鹿。で、迎え来るんだろ?」
「……馬車が来る」
アルフェンは嫌そうに言う。
そう。S級寮前に、迎えの馬車が来るのだ……リリーシャ、ダオームも乗った馬車だ。別々の馬車が良かったのだが、キリアスが許してくれなかった。
学園から王城まで三十分もかからないのだが、そのわずかな時間も狭い馬車でリリーシャやダオームと過ごすのがアルフェンは嫌だった。
ウィルは、アネルに言う。
「にしても、似合わないなぁ……なぁアネル」
「あ、アタシに聞かないでよ。けっこう似合ってると思うけど」
アルフェンは、茶会用の礼服を着ている。
濃い緑を基調とした落ち着いたデザインだ。黒髪も整え、薄く化粧もしている。
アルフェンは嫌そうに言う。
「こんな格好似合わないのは俺が一番よく知ってるよ。ったく……とんだ出費だ」
「まぁまぁ、あたしは似合ってると───」
と、ここで寮の玄関ドアがノックされた。
アネルが対応すると、御者の服を着た初老男性だった。
「アルフェン・リグヴェータ様。お迎えに上がりました」
「わかりました。じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい。サフィーによろしくね」
「土産。適当な高級酒ガメてこいよ」
「お茶会の話、聞かせてねー」
アルフェンは外へ。
馬車には三人乗っていた。わかってはいたが嫌すぎるアルフェン。
「こっちに乗れ」
「兄さん。おはようございます」
「ん、ああ……ほら、乗れ」
「はい。失礼します」
挨拶もなくアルフェンを座らせようとするキリアスに、アルフェンは挨拶した。
キリアスは、グレーを基調としたやや派手な服を着ている。
対面には、身体の大きいダオームが濃紺の礼服を着ている。おそらくオーダーメイドだろう。
「……ふん」
ダオームが鼻を鳴らすが、アルフェンは無視。
その隣に座るリリーシャも、完璧に無視した。
リリーシャは、真紅の薔薇をイメージしたドレスを着ていた。肩を大胆に露出し、上品に胸元を見せている。首にはシンプルなシルバーネックレスがかけられ、首の細さと肌の白さが強調されていた。
スタイルも非常によく、細くしなやかな脚がスカートから伸びているのがわかる。長い黒髪は綺麗にまとめられ、薄化粧をして紅を唇に塗った姿はどこか扇情的にも見えた。
だが、アルフェンの心には全く響かない。町の服屋にあるマネキンが同じドレスを着ているようなものだ。興味のない存在というのは、どこまでも無関心になれた。
馬車はゆっくり走り出す。
城下町を走っていると、注目されているような気がした。
馬車の窓越しに景色を眺めていると、キリアスが言う。
「いいか。アルフェン……妙なことを言うなよ」
「大丈夫です。いちおう、茶会のマナーは覚えていますから」
「そうじゃない! ……ああもう、とにかく、挨拶だけしっかりやれよ」
「はい。わかりました」
「なら、いい」
それだけ言うと、キリアスも黙ってしまう。
アルフェンは大きな欠伸をした。
◇◇◇◇◇◇
何も喋ることなく、馬車はアースガルズ王城へ到着した。
まずは王城内に与えられた控室へ。そこで少し休憩し、茶会までの時間を過ごす。
アルフェンたち四人は控室に案内される。
するとそこには……いた。
「おお、久しいな。お前たち」
「ああ、大きくなって……顔を見せてちょうだい」
リグヴェータ家当主アルバン。その妻サリー……アルフェンの両親だった。
アルバンは、気味が悪い笑みを浮かべアルフェンの元へ。サリーもハンカチ片手にやってきた。
「アルフェン。やってくれたな!! はは、魔人討伐とは、私も鼻が高いよ」
「…………」
「本当に素晴らしいわ。私の息子が、こんな偉業を達成するなんて……」
サリーはハンカチで目元をぬぐう。
アルフェンは気付いたが、少し様子を見ることに。
「リリーシャ。お前も非常によくやっている。A級召喚士リリーシャとその兄弟の噂は、リグヴェータ領土まで届いているぞ。これからは家をヘルヘイム地方首都ニブルヘイムへ移す予定だ。アースガルズ王国からも近いし、気軽に帰ってこれる」
「はい。父上、母上」
「ダオーム、キリアス。お前たちもよくやっているようだな。息子として誇らしいぞ」
「ありがとうございます。父上」
「ありがとうございます」
リリーシャも、ダオームも、キリアスも笑っていた。
アルフェンだけが無表情だった。
あまりにも、気持ち悪い茶番にしか見えなかった。
サリーは、アルフェンの肩に手を乗せる。
「アルフェン。これからも頑張って頂戴ね?」
「…………」
「はは。サリー、あまり無茶をさせるなよ?」
「ふふ。そうね。リリーシャの言うことを良く聞くのよ?」
「…………」
「さぁて。そろそろ茶会の時間だな。家族全員で行こうじゃないか」
「…………」
アルフェンは、あまりの気持ち悪さに吐きそうになった。
そう……父も母も、これまでアルフェンにしてきた仕打ちに全く触れなかった。謝罪はおろか、何もなかったかのように振る舞っているのである。
ドアがノックされ、茶会の開始を伝えに来た騎士が案内をしに来た。
父と母は腕を組み、リリーシャとダオームが後に続く。
キリアスだけが、アルフェンに言った。
「……行くぞ」
「……兄さん、俺」
「頼む……今はやめてくれ」
キリアスは、アルフェンに背を向けて歩きだす。
かすれたような小声が、アルフェンの耳に入った。
「───すまない」
父でも母でも、リリーシャでもダオームでもない。キリアスが最も罪悪感を感じていた。
69
お気に入りに追加
258
あなたにおすすめの小説

追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる