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魔法学園の講師
第501話、歓迎会はお決まりです
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シェリーと合流し、ルミナと三人で歩いていた。
カフェでお茶でも……と考えていたのだが、いかんせん広い。購買部や飲食店が並ぶエリアもあるみたいなんだけど、来て一日じゃよくわからん。
すると、シェリーが言う。
「注目されるのイヤだし、個室のある喫茶店いこっか。こっちにいいのあるよ」
「お前、わかるのか?」
「うん。昨日案内してもらった。飲食店のあるエリアほんとにすごいよ。そこだけで一つの町みたいになってるんだから」
「へぇ~……ルミナ、大丈夫か?」
「みゃう。さっさといくぞ」
『きゅぅぅ~』
確かパンフレットに、学食という名のレストランやカフェが十二軒あるみたいだ。
シェリーに案内されて向かったのは、大きなカフェ……で、でけぇ。村の浴場くらいの大きさだ。
「ここ、マジックキャッスル・カフェの三号店ね。お兄ちゃん、パンフレットには十二軒じゃなくて十二の飲食店が出店してるって意味らしいよ。マジックキャッスル・カフェだけで敷地内に二十軒はあるんだから」
「え、うそ」
俺はパンフレットをポケットから取り出してみる……あ、ほんとだ。十二軒じゃなくて十二の飲食店が出店って書いてある。
「おいおい……飲食店だけで七十軒以上あるぞ。どうなってんだここ……学園ってか町じゃねぇか」
「ここ、生徒だけで三万人くらいいるみたい。教師も二千人以上いるし」
「……俺、本当に必要なのか? 二千人もいるなら一人くらいいなくても」
「お兄ちゃんが認められたってことでいいじゃん」
「おい、はやく入るぞ。お腹すいた」
『きゅぅぅ~』
「あ、悪い悪い」
シェリーはモフ助を撫でつつ言う。
「ここ、魔法生物も連れていい場所だから安心して」
『もきゅ』
喫茶店に入ると、広いレトロな空間に年代物っぽい椅子テーブルがたくさん並んでいた。大衆食堂みたいな雰囲気だが、クラシックな音楽が流れ、紅茶の香りで満たされている。
シェリーは、店員さんを捕まえて言う。
「三人と一匹、個室で」
「かしこまりました。ご案内します」
案内されたのは二階で、個室専用スペースだ。
部屋に入ると、ゆったりとしたソファにテーブルがあり、コートを掛けるフックや荷物を置く棚まである。窓は大きく、外の景色がよく見えた。
ルミナはモフ助をソファに置いて座る。
俺も白衣を脱ぎ、ルミナの隣に座り、シェリーは対面に座った。
座るなり、シェリーは大きく伸びをして言う。
「はぁ~……疲れたぁ」
「ケーキたべたい。モフ助も」
「まずは注文だな。シェリー、どうする?」
「甘いの食べたい。久しぶりに勉強したし、なんか疲れたぁ」
ベルを鳴らすと店員さんが来る。
ケーキを四つ、紅茶二つにオレンジジュース二つ(一つは深皿に入れてくるように頼んだ)を注文、しばらくすると運ばれてきた。
ルミナはモフ助にケーキを食べさせ、オレンジジュースを飲ませる。ニコニコアザラシは花の蜜と水だけで生きられるが、こういう飲食もできるのだ。
お腹いっぱいになったモフ助は、そのまま寝てしまった。
「シェリー、学園初日はどうだった?」
「質問攻め。それに魔法学科って実技だけじゃなくて座学もいっぱい……久しぶりに机と椅子を前にしたら疲れたわ。質問もあたしのことやリュウ兄のこと、あとお兄ちゃんのことばっかりだし」
「……そういえばお前、病気療養って名目で除隊して田舎で療養ってことになってるんだよな。そのあたりどうなってんだ?」
「病気は完治。軍は辞めて魔法研究に没頭してるって設定にしてある。ビッグバロッグ王国の魔法研究機関に来たジーニアス先生に誘われて短期留学してるってことになってる」
シェリーは紅茶を啜り、砂糖とミルクを入れた。
「そういうお兄ちゃんは? ねぇルミナ、お兄ちゃんどうだった?」
「ちゃんとやってた。ごろごろ……」
ルミナを撫でるとネコミミが揺れて喉が鳴る。
「最初は緊張したけど、けっこう上手くできたと思う。あと質問攻めにもあったな……」
「避けては通れない道ねぇ。あたしは明日も攻められそう」
「お前、さっきの友達は?」
「ああ、友達っていうか……リュウ兄のサイン欲しいとか、ここに連れてきてとか、そんなのばっかりよ。リュウ兄、ファンクラブあるって聞いたことあるけど……まさかマジックキャッスルまでいるなんて」
「ヒュンケル兄曰く、ファンクラブ会員は十万人超えたらしい」
ちなみに、シェリーのファンクラブも十万人超えたそうだ。
今は疲れてるし、言わなくてもいいかな……っと、そんなことより。
「お前、今日は帰れるのか?」
「え、なんで?」
「いや、歓迎会とか……そういうのあるんじゃないのか?」
「ああ、あるけど今日じゃないわ。とりあえず今日は帰って、明日か明後日にやる予定よ。家でシルメリアたちが作ったご飯食べたいわ……」
「ははは。確かにな……」
と、俺は失念していた。
シェリーに歓迎会があるように、俺にも歓迎会があるということを。
◇◇◇◇◇◇
翌日。
家で着替え、シルメリアさんたち銀猫の作った朝食を食べ、転移魔法で学園の執務室へ。
執務室で授業の内容を確認していると、ドアがノックされた。
「はーい」
「失礼します」
「おじゃま~♪」
入ってきたのは、ジーニアス先生とシエラ様だった。
「アシュトくん、ここではシエラ先生で!」
「あ、はい」
またしても心を読まれた……まぁいい。
「あの、こんな朝から何か用事ですか?」
「ええ。今夜、あなたの歓迎会を開きますので、そのお知らせに」
「歓迎会?……あ、そっか」
昨日、シェリーに言ったことだ。
シェリーに歓迎会があるなら、俺にだってあるよな……忘れてた。
シエラ様は、胸元を大きく開いたシャツから見える谷間を見せつけるようにかがむ。
「ふふ~ん……ジーニアスの紹介した教師がどんな子なのか、教師たちは気になってるみたい。ジーニアス、変態さんだけど頭はいいの。学園内でも人気のある先生だからねぇ」
「ムルシエラゴ。変態とはどういう意味でしょうか?」
「ふふ。パンツを履かない不審者ってこと♪」
「失礼な。人前ではきちんと正装しています」
そういやこの人裸族なんだっけ……きちんとしてるから忘れてた。
ジーニアス先生はこほんと咳をする。
「と、今日は歓迎会ですので。授業が終わったら迎えに来ます」
「あ、はい」
「もちろん、私も参加するからね~♪ ふふ、楽しみぃ」
二人は部屋を出ていった。
歓迎会かぁ……そういえば、どんな先生がいるんだろう。
カフェでお茶でも……と考えていたのだが、いかんせん広い。購買部や飲食店が並ぶエリアもあるみたいなんだけど、来て一日じゃよくわからん。
すると、シェリーが言う。
「注目されるのイヤだし、個室のある喫茶店いこっか。こっちにいいのあるよ」
「お前、わかるのか?」
「うん。昨日案内してもらった。飲食店のあるエリアほんとにすごいよ。そこだけで一つの町みたいになってるんだから」
「へぇ~……ルミナ、大丈夫か?」
「みゃう。さっさといくぞ」
『きゅぅぅ~』
確かパンフレットに、学食という名のレストランやカフェが十二軒あるみたいだ。
シェリーに案内されて向かったのは、大きなカフェ……で、でけぇ。村の浴場くらいの大きさだ。
「ここ、マジックキャッスル・カフェの三号店ね。お兄ちゃん、パンフレットには十二軒じゃなくて十二の飲食店が出店してるって意味らしいよ。マジックキャッスル・カフェだけで敷地内に二十軒はあるんだから」
「え、うそ」
俺はパンフレットをポケットから取り出してみる……あ、ほんとだ。十二軒じゃなくて十二の飲食店が出店って書いてある。
「おいおい……飲食店だけで七十軒以上あるぞ。どうなってんだここ……学園ってか町じゃねぇか」
「ここ、生徒だけで三万人くらいいるみたい。教師も二千人以上いるし」
「……俺、本当に必要なのか? 二千人もいるなら一人くらいいなくても」
「お兄ちゃんが認められたってことでいいじゃん」
「おい、はやく入るぞ。お腹すいた」
『きゅぅぅ~』
「あ、悪い悪い」
シェリーはモフ助を撫でつつ言う。
「ここ、魔法生物も連れていい場所だから安心して」
『もきゅ』
喫茶店に入ると、広いレトロな空間に年代物っぽい椅子テーブルがたくさん並んでいた。大衆食堂みたいな雰囲気だが、クラシックな音楽が流れ、紅茶の香りで満たされている。
シェリーは、店員さんを捕まえて言う。
「三人と一匹、個室で」
「かしこまりました。ご案内します」
案内されたのは二階で、個室専用スペースだ。
部屋に入ると、ゆったりとしたソファにテーブルがあり、コートを掛けるフックや荷物を置く棚まである。窓は大きく、外の景色がよく見えた。
ルミナはモフ助をソファに置いて座る。
俺も白衣を脱ぎ、ルミナの隣に座り、シェリーは対面に座った。
座るなり、シェリーは大きく伸びをして言う。
「はぁ~……疲れたぁ」
「ケーキたべたい。モフ助も」
「まずは注文だな。シェリー、どうする?」
「甘いの食べたい。久しぶりに勉強したし、なんか疲れたぁ」
ベルを鳴らすと店員さんが来る。
ケーキを四つ、紅茶二つにオレンジジュース二つ(一つは深皿に入れてくるように頼んだ)を注文、しばらくすると運ばれてきた。
ルミナはモフ助にケーキを食べさせ、オレンジジュースを飲ませる。ニコニコアザラシは花の蜜と水だけで生きられるが、こういう飲食もできるのだ。
お腹いっぱいになったモフ助は、そのまま寝てしまった。
「シェリー、学園初日はどうだった?」
「質問攻め。それに魔法学科って実技だけじゃなくて座学もいっぱい……久しぶりに机と椅子を前にしたら疲れたわ。質問もあたしのことやリュウ兄のこと、あとお兄ちゃんのことばっかりだし」
「……そういえばお前、病気療養って名目で除隊して田舎で療養ってことになってるんだよな。そのあたりどうなってんだ?」
「病気は完治。軍は辞めて魔法研究に没頭してるって設定にしてある。ビッグバロッグ王国の魔法研究機関に来たジーニアス先生に誘われて短期留学してるってことになってる」
シェリーは紅茶を啜り、砂糖とミルクを入れた。
「そういうお兄ちゃんは? ねぇルミナ、お兄ちゃんどうだった?」
「ちゃんとやってた。ごろごろ……」
ルミナを撫でるとネコミミが揺れて喉が鳴る。
「最初は緊張したけど、けっこう上手くできたと思う。あと質問攻めにもあったな……」
「避けては通れない道ねぇ。あたしは明日も攻められそう」
「お前、さっきの友達は?」
「ああ、友達っていうか……リュウ兄のサイン欲しいとか、ここに連れてきてとか、そんなのばっかりよ。リュウ兄、ファンクラブあるって聞いたことあるけど……まさかマジックキャッスルまでいるなんて」
「ヒュンケル兄曰く、ファンクラブ会員は十万人超えたらしい」
ちなみに、シェリーのファンクラブも十万人超えたそうだ。
今は疲れてるし、言わなくてもいいかな……っと、そんなことより。
「お前、今日は帰れるのか?」
「え、なんで?」
「いや、歓迎会とか……そういうのあるんじゃないのか?」
「ああ、あるけど今日じゃないわ。とりあえず今日は帰って、明日か明後日にやる予定よ。家でシルメリアたちが作ったご飯食べたいわ……」
「ははは。確かにな……」
と、俺は失念していた。
シェリーに歓迎会があるように、俺にも歓迎会があるということを。
◇◇◇◇◇◇
翌日。
家で着替え、シルメリアさんたち銀猫の作った朝食を食べ、転移魔法で学園の執務室へ。
執務室で授業の内容を確認していると、ドアがノックされた。
「はーい」
「失礼します」
「おじゃま~♪」
入ってきたのは、ジーニアス先生とシエラ様だった。
「アシュトくん、ここではシエラ先生で!」
「あ、はい」
またしても心を読まれた……まぁいい。
「あの、こんな朝から何か用事ですか?」
「ええ。今夜、あなたの歓迎会を開きますので、そのお知らせに」
「歓迎会?……あ、そっか」
昨日、シェリーに言ったことだ。
シェリーに歓迎会があるなら、俺にだってあるよな……忘れてた。
シエラ様は、胸元を大きく開いたシャツから見える谷間を見せつけるようにかがむ。
「ふふ~ん……ジーニアスの紹介した教師がどんな子なのか、教師たちは気になってるみたい。ジーニアス、変態さんだけど頭はいいの。学園内でも人気のある先生だからねぇ」
「ムルシエラゴ。変態とはどういう意味でしょうか?」
「ふふ。パンツを履かない不審者ってこと♪」
「失礼な。人前ではきちんと正装しています」
そういやこの人裸族なんだっけ……きちんとしてるから忘れてた。
ジーニアス先生はこほんと咳をする。
「と、今日は歓迎会ですので。授業が終わったら迎えに来ます」
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
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アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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