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万能の霊薬エリクシール
第357話、大事な下準備
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温室の手入れを終え、さっそく準備を……と、思っていたら。
「ただいまー……」
「にゃあ!! ただいまーっ!!」
「わぅぅーん!! ただいま!!」
ミュディ、ミュアちゃん、ライラちゃんが帰ってきた。
そう言えば、魔界都市ベルゼブブで仕事してたんだっけ。ミュディは疲れているのかぐったりしていた。
ミュアちゃんは、俺を見るなり飛びついてくる。
「ご主人さま!! にゃうぅ、ただいまーっ!!」
「おっと、おかえりミュアちゃん。ふふ、楽しかったみたいだね」
「にゃあ。あのねあのね、お友達ができてね、美味しいごはんもいっぱいたべてね」
「よしよし、落ち着いて……なでなで」
「ごろごろ……にゃぁう」
顎を撫で、ネコミミを揉む……うん、久しぶりの感触だ。
ライラちゃんも羨ましそうにしてたので頭を撫で、イヌミミを揉んでやる。
「わぅぅん……きもちいい」
「ごろごろ……」
すると、シルメリアさんがティーカートを押してきた。
「にゃう!! シルメリア、あのねあのね、おみやげあるの!!」
「まずは手を洗って、着替えをしなさい」
「にゃう……」
「それと、おかえりなさい」
「にゃ……ただいま!!」
ミュアちゃんとライラちゃんは手を洗いに行った。
ミュディは疲れてるのか、少し眠そうだ。
「大丈夫か? なんか疲れてるぞ」
「うん……あのね、ベルゼブブのデザイナーさんと仲良くなって、ずっとお話してたの。その人の従者が銀猫族で、ミュアちゃんと同い年くらいの子でね……ミュアちゃんもすっかり仲良くなっちゃって、朝方までお話して……ふぁぁ」
「眠いのなら無理すんなよ? 今日はゆっきり休んで」
「うん……今日は寝ちゃおっと」
ミュディは欠伸を噛み殺し、フラフラのまま部屋へ。
シルメリアさんにミュディを任せ、俺はエリクシールの準備をするため薬院へ向かった。
◇◇◇◇◇◇
薬院に到着。
さっそく自分の部屋に行くと、ソファにルミナがいた。
「みゃう。帰ってたなら言え」
「おっと……悪いな。よしよし」
「みゃぁ……ごろごろ」
ルミナのネコミミを揉み、顎の下を撫でる。ルミナはいつも通り、俺に匂い付けをするかのように身体を擦り付けた……うん、やっぱり可愛いな。
ルミナは満足したのか、図鑑を片手に再びソファへ。獣医になる勉強は欠かしていない。
最後にもう一度ルミナを撫で、俺はエリクシール精製の準備に取り掛かる。
「よし、まずは……あ、入れ物か」
エリクシールを入れる容器が必要だ。
普通にスライム製の小瓶でいいんだけど、やはりエリクシールだし特別感を出したい。
小瓶のストックはいっぱいあるが、敢えて依頼を出しに行こう。
「ルミナ、ちょっと鍛冶場に行ってくる」
「みゃあ。行く」
「……別にたいした話じゃないし、すぐに戻ってくるぞ?」
「うるさい」
ルミナは俺に抱きつく。ああ、寂しかったようだ。
仕方ない。散歩しながら行きますか。
ルミナと一緒に鍛冶場へ……散歩しつつ、エルダードワーフの穴倉から帰ってきた報告を住人たちにしながら歩いたので、けっこう時間がかかった。
ドワーフの鍛冶場は今日も大忙しだ。俺はさっそくラードバンさんの元へ。
ラードバンさんは、自分の鍛冶場にいた。
「ん、おう村長。穴倉に行ってたんだってな。どうだったよ?」
「いやぁ、すっごく暑かったです。あと穴モグラの丸焼きが美味しかったですね」
「がっはっは!! そりゃよかったな。で、ドンドラングには会えたか? あのジジィ、まだくたばっちゃいねぇようだが、元気にしてたか?」
「ええ、すっごく元気で……お酒を差し入れしたら大喜びでした」
「変わんねぇな……ま、ヒマになったらオレも顔を出すかね」
ラードバンさんはニヤッと笑う。なんか嬉しそうだな。
おっと、俺の用事も済ませないと。
「んで、なんか用か?」
「あ、はい。ちょっとお願いがありまして。薬品を入れる用の小瓶を作ってもらいたいんです」
「小瓶だぁ? そんなのいくらでも在庫あるじゃねぇか」
「いえ、今度作る薬品は特殊でして……できれば、瓶にもこだわりたいんです。そこで、エルダードワーフイチの細工職人、ラードバンさんにお願いを……」
「イチじゃねぇけどな。ふーむ……いいぜ、やってやるよ」
「おお、あとついでに木箱もお願いします。数はとりあえず二十本くらいで、木箱は一本ずつ入る大きさで」
「わーったわーった。注文あんなら羊皮紙に書いとけ」
すると、黙っていたルミナがラードバンさんに言った。
「みゃあ。あたいも作って欲しいのある」
「ん、なんだ? せっかくだしついでにやってやる」
「木箱。本とか羊皮紙とか筆記用具を入れる箱がほしい」
「そうかい。ま、朝飯前だ。一緒に作ってやる」
「みゃう。ありがと」
ルミナは頭を下げる。ネコミミが可愛かったのでつい撫でてしまった。
俺はラードバンさんに依頼するものを羊皮紙に書く。
「……よし。ではラードバンさん、よろしくお願いします」
「おう。できたら薬院に届けさせるからよ、期待しとけや」
「ありがとうございます」
素材はもちろん大事だが、まずは容器が必要だ。
エリクシールを入れる容器に、それを納める箱だ。ふふふ、まずは形から入るのも大事だよな。
ラードバンさんの仕事なら、カッコよくて素晴らしい容器ができるに違いない。
「みゃう。カバンも欲しい」
「ん? カバン?」
「そうだ。本とか入れるカバン。木箱も入る大きさがいい」
「なるほど。じゃあ製糸場に行くか。ミュディは休みだから……魔犬族の少女たちに作ってもらおうか」
「わかった」
ルミナ、勉強頑張ってるんだな。
俺はまたもルミナを撫で、ラードバンさんの工房を後にした。
「ただいまー……」
「にゃあ!! ただいまーっ!!」
「わぅぅーん!! ただいま!!」
ミュディ、ミュアちゃん、ライラちゃんが帰ってきた。
そう言えば、魔界都市ベルゼブブで仕事してたんだっけ。ミュディは疲れているのかぐったりしていた。
ミュアちゃんは、俺を見るなり飛びついてくる。
「ご主人さま!! にゃうぅ、ただいまーっ!!」
「おっと、おかえりミュアちゃん。ふふ、楽しかったみたいだね」
「にゃあ。あのねあのね、お友達ができてね、美味しいごはんもいっぱいたべてね」
「よしよし、落ち着いて……なでなで」
「ごろごろ……にゃぁう」
顎を撫で、ネコミミを揉む……うん、久しぶりの感触だ。
ライラちゃんも羨ましそうにしてたので頭を撫で、イヌミミを揉んでやる。
「わぅぅん……きもちいい」
「ごろごろ……」
すると、シルメリアさんがティーカートを押してきた。
「にゃう!! シルメリア、あのねあのね、おみやげあるの!!」
「まずは手を洗って、着替えをしなさい」
「にゃう……」
「それと、おかえりなさい」
「にゃ……ただいま!!」
ミュアちゃんとライラちゃんは手を洗いに行った。
ミュディは疲れてるのか、少し眠そうだ。
「大丈夫か? なんか疲れてるぞ」
「うん……あのね、ベルゼブブのデザイナーさんと仲良くなって、ずっとお話してたの。その人の従者が銀猫族で、ミュアちゃんと同い年くらいの子でね……ミュアちゃんもすっかり仲良くなっちゃって、朝方までお話して……ふぁぁ」
「眠いのなら無理すんなよ? 今日はゆっきり休んで」
「うん……今日は寝ちゃおっと」
ミュディは欠伸を噛み殺し、フラフラのまま部屋へ。
シルメリアさんにミュディを任せ、俺はエリクシールの準備をするため薬院へ向かった。
◇◇◇◇◇◇
薬院に到着。
さっそく自分の部屋に行くと、ソファにルミナがいた。
「みゃう。帰ってたなら言え」
「おっと……悪いな。よしよし」
「みゃぁ……ごろごろ」
ルミナのネコミミを揉み、顎の下を撫でる。ルミナはいつも通り、俺に匂い付けをするかのように身体を擦り付けた……うん、やっぱり可愛いな。
ルミナは満足したのか、図鑑を片手に再びソファへ。獣医になる勉強は欠かしていない。
最後にもう一度ルミナを撫で、俺はエリクシール精製の準備に取り掛かる。
「よし、まずは……あ、入れ物か」
エリクシールを入れる容器が必要だ。
普通にスライム製の小瓶でいいんだけど、やはりエリクシールだし特別感を出したい。
小瓶のストックはいっぱいあるが、敢えて依頼を出しに行こう。
「ルミナ、ちょっと鍛冶場に行ってくる」
「みゃあ。行く」
「……別にたいした話じゃないし、すぐに戻ってくるぞ?」
「うるさい」
ルミナは俺に抱きつく。ああ、寂しかったようだ。
仕方ない。散歩しながら行きますか。
ルミナと一緒に鍛冶場へ……散歩しつつ、エルダードワーフの穴倉から帰ってきた報告を住人たちにしながら歩いたので、けっこう時間がかかった。
ドワーフの鍛冶場は今日も大忙しだ。俺はさっそくラードバンさんの元へ。
ラードバンさんは、自分の鍛冶場にいた。
「ん、おう村長。穴倉に行ってたんだってな。どうだったよ?」
「いやぁ、すっごく暑かったです。あと穴モグラの丸焼きが美味しかったですね」
「がっはっは!! そりゃよかったな。で、ドンドラングには会えたか? あのジジィ、まだくたばっちゃいねぇようだが、元気にしてたか?」
「ええ、すっごく元気で……お酒を差し入れしたら大喜びでした」
「変わんねぇな……ま、ヒマになったらオレも顔を出すかね」
ラードバンさんはニヤッと笑う。なんか嬉しそうだな。
おっと、俺の用事も済ませないと。
「んで、なんか用か?」
「あ、はい。ちょっとお願いがありまして。薬品を入れる用の小瓶を作ってもらいたいんです」
「小瓶だぁ? そんなのいくらでも在庫あるじゃねぇか」
「いえ、今度作る薬品は特殊でして……できれば、瓶にもこだわりたいんです。そこで、エルダードワーフイチの細工職人、ラードバンさんにお願いを……」
「イチじゃねぇけどな。ふーむ……いいぜ、やってやるよ」
「おお、あとついでに木箱もお願いします。数はとりあえず二十本くらいで、木箱は一本ずつ入る大きさで」
「わーったわーった。注文あんなら羊皮紙に書いとけ」
すると、黙っていたルミナがラードバンさんに言った。
「みゃあ。あたいも作って欲しいのある」
「ん、なんだ? せっかくだしついでにやってやる」
「木箱。本とか羊皮紙とか筆記用具を入れる箱がほしい」
「そうかい。ま、朝飯前だ。一緒に作ってやる」
「みゃう。ありがと」
ルミナは頭を下げる。ネコミミが可愛かったのでつい撫でてしまった。
俺はラードバンさんに依頼するものを羊皮紙に書く。
「……よし。ではラードバンさん、よろしくお願いします」
「おう。できたら薬院に届けさせるからよ、期待しとけや」
「ありがとうございます」
素材はもちろん大事だが、まずは容器が必要だ。
エリクシールを入れる容器に、それを納める箱だ。ふふふ、まずは形から入るのも大事だよな。
ラードバンさんの仕事なら、カッコよくて素晴らしい容器ができるに違いない。
「みゃう。カバンも欲しい」
「ん? カバン?」
「そうだ。本とか入れるカバン。木箱も入る大きさがいい」
「なるほど。じゃあ製糸場に行くか。ミュディは休みだから……魔犬族の少女たちに作ってもらおうか」
「わかった」
ルミナ、勉強頑張ってるんだな。
俺はまたもルミナを撫で、ラードバンさんの工房を後にした。
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