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4巻
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しおりを挟む第1章 ❖ 冒険のお誘い。
1 ローニャ。
「まったりした人生を送りたい。昔からそう願っていました」
それは幼い頃よりも前、前世からの願い。
でも、いきなり前世のことまで話すのは混乱させてしまうでしょう。
私は、まったり喫茶店に集まっている獣人傭兵団の皆さんとリューの顔を順番に見た。
それから、リューとリュセさんにもらったサファイアのネックレスをきゅっと握り締める。
彼らのことを信じて、私はずっと隠していたことを打ち明けようと決めた。シュナイダーのこと、貴族をやめたきっかけ……私がこれからどんな話をしようとも、彼らはきっと受け入れてくれるだろう。
前世の私は、息をつく暇もないくらい忙しい日々を送っていた。苦しすぎる日々の果てに過労で倒れ、息絶えたのだ。
そうして気が付くと、前世で読んでいたネット小説の登場人物に生まれ変わっていた。
悪役令嬢ローニャ・ガヴィーゼラ。主人公に婚約者を奪われてしまう、意地の悪いキャラクターとして描かれていた。
そんなローニャ、つまり私の人生は物心ついた頃からせわしなかった。
「幼い頃からさまざまな教育を受けて、息もできないくらい苦しい生活をしていました。家族はとても厳しく、伯爵令嬢としてひたすら高みを目指すよう強要されていました」
「強要するだけして、ろくに褒めてくれない家族だったんだろう?」
純白のもふもふチーター姿のリュセさんが顔をしかめる。
「ええ……そうですね」
私は思わず視線を落としてしまった。褒められたことなんて、一度もない。
「けれども、祖父であるロナードお祖父様は優しい人でした。ロナードお祖父様と、そして……先ほどのシュナイダーがいてくれたおかげで、苦しい生活にも耐えられたのです」
シュナイダーを追い出した白いドアに視線を送ると、話を聞いてくれている皆さんの目も自然とそちらへ向かった。
「でもよ、さっきの奴に婚約を解消されたんだろう?」
青い狼の姿のチセさんが、確認するように問う。
そう、シュナイダーとは婚約関係にあった。けれども彼は、小説の舞台であるサンクリザンテ学園で、小説の主人公であるミサノ・アロガ嬢に惹かれていってしまったのだ。そして小説の展開通りに婚約を破棄し、私を学園から追い出した。
「シュナイダーは他の女性を愛したのです」
「婚約までしたのに心移りなんて、最低な男だね」
淡々とした口調で言い放つのは、緑色のジャッカル姿のセナさんだ。
「彼にとって、彼女が運命の人だったのでしょう……」
最初から、そういうシナリオだった。
また視線を落としてしまう私の腕に、隣に座るリューの手がそっと添えられる。
サファイアの涙を流すフィーロ族のリューは今、私の家に居候中だ。
大丈夫との意味を込めて笑みを返すと、リューもまた、ほっとしたように微笑んだ。
「婚約破棄の原因は誤解です。私が彼女に嫌がらせをしたという誤解が重なり、嫌われてしまいまして」
「はぁ⁉ 何それ! アイツ本当最低な野郎だな! 追いかけてシメてやろうか?」
興奮した様子のリュセさんが尻尾をブンブンと振り回して怒ってくれる。
「自分で勝手にフッておいて、のこのこやってきてヨリを戻そうとしたのかよ? やっちまおうぜ、シゼ!」
チセさんも怒ってくれて、静かにコーヒーを啜るシゼさんに話を振った。シゼさんは、純黒の獅子の姿。
「やめなよ」
シゼさんが答えるより先に、セナさんが止めた。
「さっき見たでしょう? ちゃんとローニャが自分で追い返した。それだけで十分ダメージを与えられたはずだよ」
「お恥ずかしいところを見られてしまいましたね……」
右頬に手を当てて、私は苦笑を零す。
「いいの。あのバカにはもっとダメージを与えてやれば」
ふんっ! と鼻息を荒くするリューの青い髪を撫でた。
「もういいの。過ぎたことだもの。それに私は婚約破棄されたおかげで、せわしない生活から逃げ出せて、まったりしたいという念願が叶い、ここにいられるのです」
この最果ての街ドムスカーザで、小さな喫茶店を経営しながら、こうしてまったりしていられる。
「私はこうしていられて幸せです」
そう笑顔で伝えた。
* ❖ *
ローニャに店から締め出されたシュナイダーは、放心して立ち尽くしていた。
こうなってしまうとは、夢にも思わなかった。
とにかく話をしなくてはと、目の前で閉ざされた白いドアのドアノブに手をかける。
しかし、力を込めた矢先、自分の背に突き刺さる殺気に気付いた。
振り返ると、広場からゆっくりとこちらへ向かってくる一人のエルフ。
旅人風の若緑色のマントを羽織り、白銀に艶めく長い髪を靡かせる、英雄オルヴィアス。
星が瞬いているような藍色の瞳が、シュナイダーを鋭く射抜いた。
「ローニャの前にその顔を晒すなと言ったはずだ、シュナイダー・ゼオランド!」
「オルヴィアス……っ」
怒りを露わにしたオルヴィアスは、エルフの国宝の剣を抜いた。
シュナイダーも剣を抜く。衝突は免れない。
オルヴィアスの足元から白い光が伸びて、シュナイダーを呑み込んだ。
街外れの平地に移動して行われた決闘は、そう長くはかからなかった。
オルヴィアスの圧勝。ボロボロになったシュナイダーが膝をつく。
歴史に名が残るほどの英雄に、敵うわけがないのだ。
数々の戦争を勝利に導いた、生きる伝説なのだ。
「二度とローニャに会うな!」
その言葉だけを残し、オルヴィアスの姿が消える。
悔しさに顔を歪め、シュナイダーも移動魔法で学園に戻った。
ヘンゼルとレクシーが、現れたシュナイダーの様子に驚く。
「どうしたんだい⁉ そのボロボロの姿!」
「誰にやられたの⁉」
「……なんでもない」
オルヴィアスに負けた、とは口にできず、シュナイダーはそう呟いた。
「とりあえず、治癒の魔法をかけるよ?」
ヘンゼルが治癒魔法を行使する横で、レクシーが詰め寄る。
「あの子は⁉ ローニャは元気だった⁉」
「あ、ああ……」
シュナイダーはうろうろと目を泳がせた。
まさか拒絶されて追い返されたとは、言えない。
「あなた……謝った?」
「えっ」
素っ頓狂な声を上げてしまうシュナイダーに、レクシーは額を押さえて大きなため息を吐いた。
「開口一番に謝ったのか、って聞いているのよ! バカシュナイダー!」
「……い、いや」
「バカなの⁉ あなたが真っ先にすべきことでしょう! 何しに行ったのよ⁉」
胸ぐらを掴もうとするレクシーを、彼女の護衛達が止める。
「ローニャは……怒っていた……」
「当たり前でしょう⁉ あの子には怒る権利があるわ!! こっちは一刻も早くあの子の無事をこの目で確認したいところを我慢して、あなたに譲っているのよ⁉ さっさと謝罪して仲直りをしてきなさい!!」
そう怒鳴って、レクシーはその場から立ち去った。
手を貸してシュナイダーを立たせたヘンゼルが、静かに問う。
「ローニャ嬢は……なんと言ったんだい?」
「……」
時間を要したが、シュナイダーは重い口を開いた。
「今のオレは嫌いだと……二度と来ないで……と」
口にすると胸を抉られるような痛みを感じて、シュナイダーは胸を押さえて俯く。
「な、なんでまた、そんなことを言われたんだい?」
「……また後日行って、ちゃんと謝ってくる」
「そ、そう……頑張って?」
ヘンゼルが気遣う視線を送るが、胸の痛みを取り除く魔法はなかった。
2 傷心冒険。
ある日の午後。
店を訪れたお客さんは四人組だけれど、獣人傭兵団ではない。
「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」
笑顔で迎えたものの、彼らの顔を見た瞬間に私は回れ右をした。足がガクガク震えてしまうのを堪えながら一度キッチンへ逃げ込もうと考える。
「ここ、評判がいいと聞いたのだが、真昼なのに空いているんだな」
先頭で入ってきた男性が私に向かって言いながら、右の手前のテーブルについた。はい、と裏返った声で返事をする。
「ケーキが評判の店だからピークはお茶の時間じゃないですか? ね!」
「騒ぐな、座れよ」
はしゃいだ様子の女性の声で、やはり間違いではないということを思い知った。彼らは私の知り合いだ。
最初に口を開いた男性は、ブルクハルト男爵家の当主ハルト様だ。前当主がトレジャーハンターで、かつて盗まれた王家の財宝を取り戻したことにより、爵位を与えられた家。ハルト様自身もトレジャーハンターとして活躍している。
以前、授業の課題のために出かけた時にばったりお会いして、私の力を貸す代わりにトレジャーハントを体験させてもらった。だから、この一行とも顔見知りだった。
たまたまこの店に立ち寄ったらしい彼らは、まだ私には気付いていない。
今すぐにでもここから逃げ出してしまいたい気持ちをグッと堪えて、頭をフル回転させる。
……キッチンに入って変身魔法を使おう。幸い、ハルト様は魔法が得意ではないから、気付かれることはないはず。他の人もだ。きっとうまくいく。
「あっれれぇ~? やっぱりだぁ!」
不自然にならないよう心がけながらキッチンに逃げ込もうとした私の前に、女性が割り込んできた。
「この匂い、ローニャお嬢様だにゃ!」
しまった! この人がいたんだった!
満面の笑みを浮かべる彼女の髪は真っ赤だった。燃えるような艶やかな赤い髪は前下がりで外はねしたボブヘアー。
首には黒く太いリボンチョーカー。肩の部分を露出したオフショルダーの黒いシャツは、身体にフィットしていて、豊満な胸の形と腕の細さを引き立てていた。
指ぬきグローブからは、鋭い爪が印象的な指先が覗いている。ハイウエストの短パンを穿いてくびれを露わにし、ハイロングブーツでセクシーな足まで魅せた格好。
腰のポーチの下から、長い真っ赤な尻尾がピンと立つ。
そして、頭の上にはピクンと震える猫耳。
「なんでこんな、国の最果てにいらっしゃるのですかにゃ?」
ハルト様のもとで、普段は猫耳のメイドを、トレジャーハント中は猫耳の部下をしている彼女。人間より嗅覚が優れているキャッティさんに、匂いでバレてしまった。
人間の姿に、動物の耳と尻尾だけではなく、その能力や性質も備えている。
俗に半獣人と呼ばれることが多いけれど、獣人族とは全く別の種族で、正しい種族名は耳月人族だ。
キャッティさんは、猫タイプの耳月人。
「ローニャ・ガヴィーゼラ嬢! 気付かず申し訳ございません。お久しぶりですね。……なぜこんな最果ての街の喫茶店に……?」
ハルト様は立ち上がって私に恭しく頭を下げると、不思議そうに首を傾げた。
光に当たると赤く透けるような黒髪はウルフヘアーで、動きやすそうなジャケットにズボンとロングブーツ姿。
残る二人は、黒髪を三つ編みにした長身の女性ミッシュさんと、筋肉質な二の腕を晒しオレンジの髪を立たせた男性リチャードさん。
ハルト様は友人に急かされてやっと社交パーティーに顔を出すようなお方。私の噂は全く知らないらしい。私は困って苦笑いする。
問いかけに答える前にまず注文をとって、お肉たっぷりのサンドイッチを出した。
それから、四人が席についているテーブルに一つ椅子を運んで、腰を下ろす。そして私は、シュナイダーに婚約破棄をされて学園を追い出され、誰にも知らせずここに住み始めたことを明かした。
ハルト様達は、ただただ唖然としている。
「なんて奴なんですか! シュナイダー様のあの野郎様め! ギッタンメッタンにしてやりたいですにゃ!」
「まぁまぁ、キャッティさん」
怒り出したのは、感情豊かなキャッティさんだ。宥めようとしても、リュセさんと色違いの尻尾がブンブンと左右に揺れるだけ。
「こんなチートまがいに優秀で、いい子のローニャお嬢様をフるだにゃんて! 全くバカな男です!! フシャー!」
「またわけわからんこと言って……ローニャお嬢様を困らせるな」
目を吊り上げたキャッティさんを、飼い主のハルト様が押さえ込んで静かにさせる。
その様子を眺めていると、ハルト様が真剣な眼差しを向けてきた。
「気の毒に思いますが……オレにはあなたを元の居場所に戻す力も方法もない。申し訳ありません」
「いえ、私は貴族をやめたいと思っていた身ですので、ハルト様が申し訳なく思うことはありません。どうぞお気になさらないでください」
そう笑って答えると、少しの間沈黙が落ちた。
気を取り直すように、ハルト様が身を乗り出す。
「傷心中に不躾だとは存じますが、トレジャーハントしませんか? 前回とは違い、報酬はしっかり払います」
目をキラリと輝かせて迫ってきた。
エリート魔法学校を卒業したもののあまり魔法の腕に自信がない――授業をサボって冒険していたとか――と言うハルト様は、私の魔法の腕が欲しいらしい。
前回は私もトレジャーハンターの冒険を体験してみたくて、魔法の力を貸すという条件で参加させてもらった。一言で言えば楽しい経験だったけれど、もう一度参加したいかというと……
私はハルト様の右隣に座るキャッティさんに目を向ける。
彼女はなぜ自分を見るのかわからないといった様子で首を傾げた。けれど、ハルト様とミッシュさんとリチャードさんは、よーくわかっているといったように頷いている。
キャッティさんはその身体能力を活かしてどんな冒険もくぐり抜けてきたと言うのだけれど、一つだけ大きな欠点がある。彼女は壊滅的なほどドジなのだ。それも、命の危機に晒されるほどのトラップを発動させてしまう天才で、前回の冒険では何度も肝を冷やした。魔法でカバーして回避できたけれども。
毎回毎回、ハルト様が怒声を飛ばしながら一同で生還しているけれど、どうやらいまだに彼女の致命的なドジは直っていないみたい。
「え、遠慮します」
「また誘います!」
ハルト様は、めげなかった。私の魔法があれば、彼女のドジ回避の確率が上がるからでしょう。私はその彼女のドジが怖いので嫌なのですが。
話している間にランチを終えたハルト様一行は、これから王都に戻るそうだ。長居をすることなく、腰を上げた。当然、私の所在については口止めをしておく。
「ローニャお嬢様」
ドアまで見送ると、キャッティさんに両手を握られた。
「もうお嬢様ではないですよ」
「お嬢様って呼びたいですにゃ!」
キャッティさんがそう言うのなら、あだ名ということで。
「ローニャお嬢様は、ヒロインです。それもとびっきり愛されるヒロインですにゃ! だからハッピーエンドを信じてください! 一番の魔法ですにゃ!」
とってもおかしなことを言うものだから、笑ってしまう。ブラウンの瞳のキャッティさんは、満面の笑みを浮かべたまま。
「嫌われ者の悪役として追い出されたようなものですが……ええ、はい。幸せになれると信じています」
この先自分が不幸になるとは考えない。
これから幸せな時間を存分に過ごしていく。
そう信じる。
「んー、ローニャお嬢様はいつもいい香りです」
真っ赤な猫さんは、飼い主さんと一緒にご機嫌な様子で帰っていった。
あの人達にまた会えてよかった。そう思えることにも嬉しさを感じて、私はそっと笑みを零した。
――懐かしいお客様が来てから、しばらく経ったある日。
カランカランと白いドアのベルが鳴る。
「突然ですが、ローニャお嬢様にお知らせですにゃ!」
勢いよく店内へ入ってきたのは、燃えるような赤い髪を揺らし、エプロンドレスを身にまとったキャッティさん。今日も首元に黒のリボンチョーカーをつけている。
「トレジャーハントにご招待しますにゃ!」
そう言い放ったキャッティさんを見て、訝しげな表情を浮かべる獣人傭兵団の皆さん。
いつものように、まったりとしているところだったのですが……
「誰? ……てか、猫くさっ」
リュセさんが率直に言う。
「私はハルト・ブルクハルト男爵に仕えております、キャッティと申しますにゃん」
失礼なリュセさんに構わず、スカートの裾をぴらっと摘み上げて一礼するキャッティさん。
「メイド姿ですが、今日はトレジャーハンターとして、ローニャお嬢様を誘いに来ましたにゃん。冒険しましょう! ローニャお嬢様!」
私はドアの前に立つキャッティさんの方へ移動し、口を開いた。
「遠慮させていただいてもいいですか?」
「にゃんでですか⁉」
意外そうな反応のキャッティさんには、どうやら自覚がないらしい。
前回同行した冒険は確かに楽しかったのだけれども、キャッティさんの存在が怖い。
「冒険しましょう! 絶対に楽しいですにゃ!」
「いえ、私には店があるので……」
「定休日に行きましょうよ! 今回は雇う形でお願いしたいにゃん! 傷心冒険行きましょうにゃ!!」
キャッティさんが私の手を掴んで駄々をこねるけれど、そんな傷心旅行みたいに言われても、困ってしまう。
「ハッ! ではこうしましょう⁉ 出張喫茶店って形で同行するのですにゃ!」
「ええ?」
何がなんでも連れていきたいようだ。しばらく音沙汰がなかったので諦めたのかと思っていたけれど、ハルト様に命令でもされたのだろうか。
「いいじゃん、冒険。お嬢、行こうぜ」
リュセさんがそう言ったものだから、驚いて振り返った。
「出張喫茶店にはもれなく獣人傭兵団がついてくるよ。君の主人にその報酬が払えるかい? 僕ら、高いよ」
ラテを飲み干したセナさんまでそんなことを言い出して、キャッティさんに問う。
「金貨十枚でどうでしょうにゃ⁉」
「ふむ……悪くはないね」
セナさんが、シゼさんにちらっと視線を送る。
シゼさんは反応を示さなかった。これはオーケーという意味だ。
「その冒険、俺も同行させてもらおう。構わないだろ?」
カランカランとベルを鳴らして入ってきてそう言ったのは、オルヴィアス様だった。
なぜか抜き身のまま持っていた剣をカチ、と鞘に収めてからマントの下に隠す。
「これは、英雄オルヴィアス様。大変光栄に思いますにゃん」
オルヴィアス様のために横にずれたキャッティさんが深々と頭を下げた。
「お、オルヴィアス様、あの、トレジャーハントですよ? 獣人傭兵団の皆さんも、危険な冒険になると思います。本当に行かれるのですか?」
「そなたが行くならば、その危険から守りたい」
危険というのは主にキャッティさんのドジなのだけれど、本人を前にしてそんなことは言えない。
オルヴィアス様は労るような眼差しで微笑んだ。
「それに気晴らしも必要だ。俺からも、行くことを勧める」
「……そうですか?」
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