婚約破棄の場を悪魔族に愛された令嬢が支配する。

三月べに

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魔物のしもべの紹介①

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 すると、そこで、悲鳴が上がる。次々と混乱の声が上がった。
 デーベンも何事かと目を向けて、遅れて気付く。
 窓が、真っ黒だ。庭園どころか、バルコニーすら見えない。黒く塗り潰されていていた。男性が何人か開けようとしたが、びくともしない様子。

「殿下。この私と婚約することになった時のことを、お忘れですね? かの昔から、我が一族と王家は縁結びをしようとしていましたが、ことごとく失敗したとの話は覚えていません? 私が『魔王』の力を強く受け継いだ話も、覚えておりませんの?」

 優しく問いかけるエレンノアの微笑みは、嘲笑いが含まれていた。どうしようもない子どもに、言い聞かせる口調と姿勢だ。

「あの顔合わせの場では、私に見惚れていましたものね? デーベン殿下」

 フンと鼻で笑い退けるエレンノアに、赤くなればいいのか、青くなればいいのか、デーベンはわからなかった。

「『魔王』はその名の通り、魔を統べる者の通称であり、そして力そのものののことですわ。魔物と分類される生き物を支配下に置ける血筋のため、リリーバース辺境伯の血筋は魔物や魔獣の討伐に大きな功績を遺してきました。しかし、私はあまりにも『魔王』の力が強いということで、王家に報告されて、縁談を結ばれたわけです。『勇者』は魔を討伐する力が強い者の称号であり、あなたはその子孫。だからこそ、いざという時は、私を止めるために力をつけなければいけなかったのですよ? 国王夫妻も、一体どう育てたのやら」

 はぁ、とため息をついて、自分の顎を撫でるエレンノア。

「不敬だぞ!! 一体何をしたんだ!! この化け物!」

 真っ赤になって怒鳴り散らしたのは、この建物の所有者、シェリーの父であるベリーバー公爵だ。このパーティー会場の主催者でもある。
 エレンノアに詰め寄ろうとしただろうが、それは叶わなかった。

 ドスッと鈍い音を立てて、蹴り飛ばされて、パーティー会場に転がる。

「お父様ッ!」とシェリーや、周囲の人々が悲鳴を上げた。

 蹴り飛ばしたのは、唐突に現れた美丈夫。
 艶やかな黒の燕尾服を着こなす絶世の美貌。夜空のような紺色の波打つ髪と、輝くようなルビーの瞳を持つ彼は、不機嫌にお腹を押さえて噎せるベリーバー公爵を睨み下ろした。

「だ、誰だ……ひぃっ!」

 食ってかかろうとしたが、不発。
 近寄りがたい美貌の持ち主ではあるが、人らしかぬ雰囲気が、本能的に危険だと察知するために、ベリーバー公爵だけではなく、他の貴族も腰を抜かす。

 フン、と鼻を鳴らすと、その美丈夫は颯爽とした躊躇ない足取りで、エレンノアの隣へ向かい、ぴっとりと寄り添うように座った。長い脚を組んで、さらされたエレンノアの足を隠しては、エレンノアの後ろの背凭れの上に腕を回す。番犬の如く、睨みを利かせながら。

「僕という婚約者がいるのにッ!!」
「ハッ! ついさっき婚約破棄を言い放って、エレンノアも承諾した。最早、婚約者という関係ではない。貴様のものではないぞ、クソガキ」

 先程の言動と矛盾した発言をしたデーベンに、美丈夫は凶悪な嘲笑を見せては吐き捨てた。

「よしなさい、子ども相手にみっともないわよ」

 扇子で美丈夫の顎を押さえつけて、エレンノアは窘める。
 エレンノアと同い年なのに子ども扱いをされて、真っ赤になるデーベンは「誰だそいつ!!」と、八つ当たりの声を上げた。

「彼も王子です」
「は!? ……どこの!?」
「悪魔の王子です」
「……は!?」
「悪魔族の王子です。第十三王子のカーティス。私の僕(しもべ)です」

 ざわっと動揺の大きな波が、会場に広がる。

「私は『魔王』、魔のモノを統べる力を持っています。今のところ、出会った魔物に反抗を許したことがありません。カーティスのように忠誠を誓わせて、配下こと僕(しもべ)にしているものが何人かいますわ。私は正真正銘の人間ですが、忠誠を捧げてくれた魔物から、力を得られます。だから、私はカーティスと同等の魔法も、容易く使えます」

 右の掌の上の宙で、扇子を何回も回転して見せた。
 先程の吹き飛ばしも、エレンノアの力のそのものだと、デーベンは今更になって理解する。

「お、お前っ! 王族にそんな真似して、いいと思っているのかッ!?」
「殿下」

 激高するデーベンとは真逆に、エレンノアは冷静であり、そして歌うように言葉を紡ぐ。

「私、城が崩壊するほどの魔法を放つことも出来ますの」
「なッ!? なんてことを言う!?」
「事実ですわ。権力なんて、純粋な力の前では無に等しいのですよ? 知りませんでした? 私は城に国王夫妻がいようがいまいが、何十人、何百人の使用人や騎士がいたとしても、放てますよ? それにより、国がどんな混乱に陥っても気にしません。私には、それほどの力があります。王都はさぞかし混沌としましょうが、王族が消えたところで、わりとなんとかなるものですよ。それこそ優秀な者が立ち上がって手を取り合い、また新たな国作りが始まるのです」

 言っていることが、破滅的だ。
 絶句するデーベンはわなわなしながらも、エレンノアを指差す。エレンノアはどうなるのかと問う。

「私? 私に歯向かう者は、死ぬだけですよ? 城と同じ目には遭いたくないでしょう? だから、皆は城を崩壊させた元凶を恨み、攻撃するのですよ」

 扇子の先が指し示すのは、デーベンだった。
「はっ――?」と、空気を喉から出すしかないデーベン。

 城を崩壊させるほどの強力な力には立ち向かえないから、矛先はデーベンとなるという仮定の話。

「だって、きっかけを作ったのですもの。『勇者』の末裔として、何の役にも立たなかった殿下が責め立てられるのは当然ですよ」

 ふふ、と蠱惑に笑って見せるエレンノアは、扇子の先を自分の顎に移動させた。

「それで、ベリーバー公爵令嬢」
「ひッ!」

 最初から床に突っ伏したまま、立ち上がるタイミングを逃してたシェリーは、声をかけられて震え上がる。

「私が『王子の婚約者』という嵩に懸けたとのことですが……本当ですの? 一体いつです? どうして『王子の婚約者』という立場なんかを使うのですか? 私には権力よりもつよーい力があるというのに。『王子の婚約者』でいてくれないと困るのは、この王国であって、私ではなくてよ。一体、いつ、誰が、『王子の婚約者』の座を奪われるかもしれないと怯えて、あなたなんかに幼稚な嫌がらせするのかしら?」
「ひ、いぃ……!!」

 青ざめてカタカタと震えるシェリーを見て、デーベンは「まさか」と口をあんぐりと開けた。

「い、いや、待て! 証拠が! 証言が!」
「きゃ!」
「いやっ!」
「!?」

 足掻くデーベンは、悲鳴を聞き、そっちに顔を向ける。
 令嬢が次から次へと突き飛ばされて、床に突っ伏したのだ。

「へーい!」
「こいつも!」

 髪色は違うがそれ以外は瓜二つの青年が、令嬢達を突き飛ばした。

「痛っ! なんですの!? こんな無礼が許さると思っているのですか!?」

 真っ赤になるのは、伯爵令嬢だ。

「思っているー。というか、許す許さないの問題じゃねーし」

 淡い黄色の髪の青年は長い前髪の隙間から冷たく見下ろして、つり上げた口元の笑みを保ったまま言った。

「お前らの許しなんていらねーし。お前らだよな、あの、えっと……名前なんだっけ?」

 淡い黄緑色の髪の青年は、同じく長い前髪の隙間から冷笑で見下ろしては、首を傾げる。

「シェリー・ベリーバー公爵令嬢の取り巻きです」

 そう答えたのは、エレンノア達の脇に佇む燕尾服の青年だ。凛と背筋を伸ばした深紅の髪の持ち主は、片眼鏡を指先で押し上げた。知的な美青年という雰囲気。

「そうそう、そこの女のオトモダチ~」
「オレ達のエレンノア様に冤罪を被せようって考えてんでしょ?」
「砂だろうが埃だろうが、オレ達のエレンノア様にさぁ~」

 けらりと笑ったかと思えば、ためたあと、髪色以外瓜二つの二人は、牙をむき出しに威嚇したために、立ち上がった令嬢はべたりと尻をつく。

「「かけんじゃねぇ! シャァアア!!」」
「ひぎぃ!!」

 月光の猫目が、美しくも妖しく光る美青年達も、また魔物。
 その迫力には、少し離れている位置にいるデーベンも、びくりと肩を跳ねさせた。

「彼らは、吸血鬼と悪魔の間に生まれた双子です。吸血鬼と悪魔で、合わせて吸血魔と言いましょうか。黄色い方が、ユーリ。黄緑色い方がリーユです。可愛い子でしょう?」

 エレンノアが暢気に紹介すると、ユーリとリーユはにぱっと笑顔に戻り、エレンノアに手を振る。
 血を吸うと有名な吸血鬼族と聞き、突き飛ばされた令嬢達は、噛みつかれることを恐れて自分の首を押さえてガタガタと震えた。

「そして、ここにいるのが、魔物の中でも、希少種、死神です。名は、ミスティス」

 扇子が赤髪の青年を指して、紹介する。
 胸を当てて一礼する死神、ミスティス。

 ヒュ、と息を呑むデーベン。
 魔物、死神。旅をしてても巡り合うなんて、それこそ命を奪われるほどの不運な事故に遭う確率よりも低いと言われている。実在すら疑う者がいる魔物だった。一説では、戦争の最中に紛れ込み、命を刈り取ったという。
 それが、ここにいる。
 パーティー会場の中でも、これから起こることに、不安を超えて恐怖を覚えた。今や、閉じ込められてしまっているのだから、悪い予感しかない。

「エレンノア様から、ご紹介に預かりました、死神ミスティスです。今回、元婚約者だった第一王子殿下のデーベン様は、シェリー・ベリーバー公爵令嬢達の訴えで、断罪を行おうとしましたが……証拠や証言とは、まさかシェリー・ベリーバー公爵令嬢の取り巻きだけでしょうか?」

 感情が見当たらない冷淡な表情で、死神ミスティスが尋ねる。その目は凍てつく軽蔑を込めていて、デーベンは悪寒でブルブルと震えた。

「お待ちを!」
「! カイト!」

 そこで出てきた人物に、デーベンは顔が明るくなる。

「カイト・ティートリー公爵令息ですか。デーベン王子殿下と、ベリーバー公爵令嬢と、同じく幼馴染という関係ですね」

 冷ややかに見据えるミスティスの言う通り、出てきたのはカイト・ティートリー公爵令息は、デーベンとシェリーの幼馴染である。
 緑色の髪の長身の少年は、書類を手に持っていた。

「こちらに、シェリー・ベリーバー公爵令嬢の取り巻き令嬢達が、エレンノア嬢を嵌めるために企んだ案や証言をまとめたものにございます」
「!! カイト!?」
「何を言うの!? カイト!」

 それを掲げて、カイトはエレンノアに差し出して、片膝をつく。
 信じられないと、デーベンとシェリーは声を上げた。

「カイト! お前っ、エレンノアの罪をまとめておくって!」
「オレは最初からエレンノア嬢が、シェリー嬢に嫌がらせをしたとは思っていなかった。だからこそ、無罪の証明を集めただけのこと」
「なッ! なんで、僕に言わなかった!?」

 こんなにも身近に、エレンノアの無罪を信じていた者がいたことに、悲鳴のような声を上げてしまうデーベン。

「オレからすれば、何故婚約者のエレンノア嬢を信じなかったかがわからない」
「ッ」

 冷ややかな軽蔑がこもった眼差しを向けられて、デーベンは震え上がる。

「一理ありますが、結局のところ、あなたは秘かに想いを寄せるエレンノア様を、第一王子から奪う絶好の機会を掴むことにした。そのため、浅はかな幼馴染の悪事に乗っかったまでのこと」
「はっ……おま、え?」

 エレンノアの代わりに、ミスティスが歩み寄り書類を受け取りながら、冷淡に告げた。
 それを聞いて、デーベンは真実を知る。
 気まずげに、俯くカイトは、ちらちらとエレンノアを見上げた。

「私を想っているのでしょう? それで浅はかにも、想いを寄せる幼馴染の王子を奪うために私を嵌めようとするシェリー嬢達の悪事の詳細をまとめた。これで、婚約破棄を言い渡した時点で、幼馴染の王子は、婚約を台無しにして私の婚約者の座が空く。自分はそこに収まる。略奪愛ね」
「っ……」

 恥ずかしさで頬を赤らめて、物欲しげにエレンノアを見上げるカイト。
 怒りで、デーベンは顔を真っ赤にした。
 自分から奪うために、罠に嵌めたのだ。なんて幼馴染なのかと、怒りでクラクラした。

「あはははっ。愛でも示したかったのかしら。幼馴染の王子相手でも奪うという愛の証明? 冤罪から助けられる自分の方が相応しいっていう証明?」

 ころころと笑って見せて、こてん、と首を傾げたあと、エレンノアはスンと真顔になる。


「要らないから。アンタの愛なんて」

「……えっ」


 想いに対しての明白な冷たい拒絶。見ていたデーベンの肝の方が冷えた。
 理解が追い付かずに瞠目するカイトだったが。

「これも必要ありません。あなたが見逃した幼馴染の愚行なら、こちらで調べはついております故」

 ミスティスは受け取った書類を宙に放り投げて、深紅の死神のカマが細切れに引き裂く。

 追い打ちに、カーティスが指を一つ鳴らすなり、細切れになった紙には火がついて空中で燃え尽きた。

 エレンノアのために集めた無罪の証拠は、本人に要らないと拒まれたという事実。
 そして、一瞬の揺らぎもなく、フラれた事実に打ちのめされて、その場に力なく座り込む。


「アハハハハハッ! さいっこー!! 絶品の絶望の感情だわぁ!!」


 哄笑がどこからか、響き渡った。それは、エレンノアの影からだったから驚きだ。
 のっそりと出てきたのは、美女だ。純黒で細かいウェーブが広がった髪をポニーテールにした美女は、頬を紅潮させて、放心しているカイトに巻き付くようにくっついた。黒いドレスが、まるで煙のように揺らめく。

「あっはーん! アタシ達のエレンノアに愛を要らないってキッパリ拒否されて、絶望で何も見えてなーい! アハハ! なんて美味しい絶望なの! ホント、エレンノアが与える絶望の味は美味しいー!」

 色艶めく息を吐いて、ぴったりと背中にくっつかれても、カイトは無反応。

「カイト! おい、カイト!」
「彼女は、妖魔のミワール。惑わし、感情を食す魔物です。今、なので邪魔しないように」

 エレンノアは、なんてことないように微笑んだ。
 ミワールと紹介された妖魔は、不敵な笑みを深めると、カイトの目を塞ぐ。それでも、カイトが反応をすることはなかった。

!? お前! カイトは、ティートリー公爵令息だぞ!?」

 ティートリー公爵だけではない。ベリーバー公爵も、王家の次に権力のある四大公爵家だ。

「まだわかっていないのですね。このパーティーは、婚約破棄の茶番劇ではなく、とっくに断罪の場となっています。私が裁く側で、あなた方は断罪される側。それから、面白半分で見物に来ている貴族も一部だけいらっしゃいます」
「はっ……!?」

 顎を引くエレンノアの言葉で、今一度周囲を確認した。
 ほとんどが青ざめて震えて怯えていたが、ほんの一握りだけが、真っすぐ立ち、飲み物まで優雅に飲んで傍観しているではないか。
 しかも、よくよく見えれば、いない貴族の方が多い。四大公爵家の一つ、ベリーバー公爵家主催のパーティーに、有力権力者の貴族がほぼいない状態。あの旧知の仲のティートリー公爵当主までいない、おかしな状況だった。

「(仕組まれていた……!? そんなッ! これはっ! ベリーバー公爵家の主催パーティーなのに、出席者が操作されているなんて!!)」

 デーベンはシェリーやベリーバー公爵を見てから、カイトを見たが、答えは出ない。



 
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