4 / 7
『初恋の女の子』④婚約披露宴
しおりを挟む
◇・◆◆◆・◇
王都貴族学園。
第一王子のディソン殿下が、隣国の王女を学園でエスコートしたことで爆発的に広まった侯爵令嬢のメアリーンとの婚約解消と、新たな婚約に騒ぎになった。
そして、忽ち、その傷心のメアリーン嬢に辺境伯の跡取りであるアルリックが婚約を申し込んだことも、同時に話題を盛り上がらせた。
二つのビッグカップルの話題。
ディソンと王女は美談にされがちで、メアリーンの方は、ディソンに捨てられたからといって、変わり身が早すぎると悪く言われた。
解せない。それを言うなら、ディソンはどうだ。
ずっとよそ見し、蔑ろにして、捨てるなり王女の手を取った。
不機嫌な顔をするアルリックに、卒業までの辛抱だから、とメアリーンは明るく笑って見せた。
そちらの話題よりも、メアリーンはもう一つの方が、顔を曇らせてしまうことだ。
隣国の王女がディソン殿下の探していた『初恋の女の子』疑惑の話題は、あくまで憶測の噂程度。
でも、もしも公にしたら、王女は多くを騙すことになる。
それは、果たしていいのだろうか。
そんなことをして、本当にいいのだろうかと、メアリーンは悶々とした。
隣国アドバーンダの第三王女アンジュ・サリー・アドバーンダ。
白銀の髪と緑の瞳の可憐な少女だ。
おしとやかな性格の彼女が、国同士を巻き込むきっかけになった嘘をついた。
押し潰されないだろうか。メアリーンも知っているだけで不安に押し潰されそうだ。
でも、学園内で見かけるアンジュに憂いは見えず、幸せそうにディソンに微笑む姿だった。
ちなみに、ディソンはアンジュに危害を加えると本気で思っているらしく、睨みで近付くことを拒む。
こちらも友人の集まりでは、アルリックに連れられて、先に席を外させてもらっている。
メアリーンに婚約を申し込んだことについては、アルリックはディソンに「手綱はしっかり握っておけよ」と注意しただけだった。アンジュに危害を加えないように、アルリックが見張るならちょうどいいと考えているのだ。
「失望が増えるわ……」
ディソンの言動に、そうため息を零すメアリーン。
「アンジュ王女殿下も、嘘を重ねないといいけれど…………」
「メアリーン。君がそんなに顔を曇らせることはない。君の罪じゃないのだから」
「うん……そう、ね」
メアリーンの吐露を聞き、アルリックは励ますが、イマイチ割り切れないメアリーンの気は晴れない。
そうして、手にする招待状を見た。
卒業前に、ディソンとアンジュの婚約披露宴が開かれる。その招待状だ。
これはディソンに直接渡されて「やましい気持ちがなければ祝福出来るよな?」と挑発的な言葉を投げられた。
メアリーンが何を考えていると決めつけているかはわからないが、少なくとも、ちゃんと祝福している姿勢を見せないといけない。
その婚約披露宴で、メアリーンが恐れていたことが起きた。
改めて発表されたディソンとアンジュの婚約。演説でディソンは、ついにアンジュが長年捜していた『初恋の女の子』だと語ったのだ。
「私の真実の愛が、実ったのだ!」
ご機嫌にグラスを掲げて自慢するディソンの傍らで、頬を赤に染めて微笑むアンジュ。
メアリーンは生きた心地がしなかった。
「(言ってしまわれた……公にされてしまった……)」
なんでアンジュがあんな顔をしていられるのか、メアリーンには理解出来なかった。
ディソンを騙して、双方の王国を欺いて、微笑んでいられる意味がわからない。
「メアリーン。帰るかい?」
「いえ……。私、少しお酒を飲むわ」
心配して顔を覗き込むアルリックに首を振って見せる。祝福している姿勢を見せるためにすぐに帰るわけにはいかなかった。気を紛らわせるために、メアリーンはウエイターからお酒を受け取る。
ゴクゴクと飲み干すメアリーン。
なんとか挨拶をしてくる貴族を捌きつつ、そのペースを落とそうとするアルリックだったが、だめだった。メアリーンはすっかり出来上がってしまった。
無理もない。
アルリックはどれほどその秘密に押し潰されそうになっているか、理解しているからこそ、気を紛らわせる飲酒を止めきれなかった。
「すまない、皆。メアリーンを見ていてくれ。水を持ってくる。絶対に目を離さないでくれ」
「わかっているよ、心配性だな」
「わたくし達がちゃんと見ておりますわ」
親しい友人達がテラスのテーブルで集まっているので、風に当たりながら酔いを醒ましてもらおうと、アルリックは頭をゆらゆらしているメアリーンを託す。
婚約してからのアルリックの過保護さに、令息達は苦笑を隠せない。
令嬢達からすれば、気持ちはわかるので微笑みで見送る。
「結局、殿下の『初恋の女の子』って、アンジュ王女殿下だったんだな」
「ちょっと!」
「おい!」
デリカシーの足りない令息がぼやくように零したそれに、キッと睨みつける反応を見せた令嬢達。
隣にいた令息もそれはマズい発言だろうと、肘で小突いた。
ここには、婚約者でありながら、長年『初恋の女の子』に苦しめられたメアリーンがいたのだから。
しかし、酔っているメアリーンは鼻で笑った。
「殿下が話している『初恋の女の子』は、かなり美化されているけれど、私のことよ」
秘密を暴露して、友人達に聞かせてしまった。
抱えられない秘密を、酔いによってポロリと零してしまったのだ。
「えっ」と、誰かが声を漏らす。
メアリーンはまだ足りないと、隣の令嬢のシャンパンを奪って飲み干してしまった。
「元々、政略結婚は建前で、婚約も彼の気持ちが先走ってちょっと強引に結ばれたもの。そのあと高熱が出てすっかり忘れてしまったのよね」
一度口にしてしまえば、もう躊躇もなくなる。
「嘘……じゃあ、今まで『初恋の女の子』なのに、メアリーンは比べられていたの?」
「本人なのに? 比べて貶されたというの?」
「え、待ってくれよ。メアリーン嬢。なら、なんでディソン殿下に……――っ!」
信じられないと顔色を悪くする令嬢達よりも、言いかけた令息が一番顔色を悪くして固まった。
振り返って見れば、そこには親しい友人達の元に来たディソンとアンジュが来ていたのだ。
慌てて一同は、立ち上がる。遅れて、ふらつくメアリーンも立ち上がった。
「……何をくだらない嘘をついている」
親の仇を見るかのような目付きでディソンは睨みつける。
「どちらが嘘をついているか。アンジュ王女殿下はご存じてすよね?」
酔っているにもかかわらず、メアリーンは目敏く真っ青なアンジュに気付いて指摘した。
嘘をついてまで嫁ぐ隣国の王女への怒りが、メアリーンの中に燃え上がっていたのだ。容赦はしない。
王都貴族学園。
第一王子のディソン殿下が、隣国の王女を学園でエスコートしたことで爆発的に広まった侯爵令嬢のメアリーンとの婚約解消と、新たな婚約に騒ぎになった。
そして、忽ち、その傷心のメアリーン嬢に辺境伯の跡取りであるアルリックが婚約を申し込んだことも、同時に話題を盛り上がらせた。
二つのビッグカップルの話題。
ディソンと王女は美談にされがちで、メアリーンの方は、ディソンに捨てられたからといって、変わり身が早すぎると悪く言われた。
解せない。それを言うなら、ディソンはどうだ。
ずっとよそ見し、蔑ろにして、捨てるなり王女の手を取った。
不機嫌な顔をするアルリックに、卒業までの辛抱だから、とメアリーンは明るく笑って見せた。
そちらの話題よりも、メアリーンはもう一つの方が、顔を曇らせてしまうことだ。
隣国の王女がディソン殿下の探していた『初恋の女の子』疑惑の話題は、あくまで憶測の噂程度。
でも、もしも公にしたら、王女は多くを騙すことになる。
それは、果たしていいのだろうか。
そんなことをして、本当にいいのだろうかと、メアリーンは悶々とした。
隣国アドバーンダの第三王女アンジュ・サリー・アドバーンダ。
白銀の髪と緑の瞳の可憐な少女だ。
おしとやかな性格の彼女が、国同士を巻き込むきっかけになった嘘をついた。
押し潰されないだろうか。メアリーンも知っているだけで不安に押し潰されそうだ。
でも、学園内で見かけるアンジュに憂いは見えず、幸せそうにディソンに微笑む姿だった。
ちなみに、ディソンはアンジュに危害を加えると本気で思っているらしく、睨みで近付くことを拒む。
こちらも友人の集まりでは、アルリックに連れられて、先に席を外させてもらっている。
メアリーンに婚約を申し込んだことについては、アルリックはディソンに「手綱はしっかり握っておけよ」と注意しただけだった。アンジュに危害を加えないように、アルリックが見張るならちょうどいいと考えているのだ。
「失望が増えるわ……」
ディソンの言動に、そうため息を零すメアリーン。
「アンジュ王女殿下も、嘘を重ねないといいけれど…………」
「メアリーン。君がそんなに顔を曇らせることはない。君の罪じゃないのだから」
「うん……そう、ね」
メアリーンの吐露を聞き、アルリックは励ますが、イマイチ割り切れないメアリーンの気は晴れない。
そうして、手にする招待状を見た。
卒業前に、ディソンとアンジュの婚約披露宴が開かれる。その招待状だ。
これはディソンに直接渡されて「やましい気持ちがなければ祝福出来るよな?」と挑発的な言葉を投げられた。
メアリーンが何を考えていると決めつけているかはわからないが、少なくとも、ちゃんと祝福している姿勢を見せないといけない。
その婚約披露宴で、メアリーンが恐れていたことが起きた。
改めて発表されたディソンとアンジュの婚約。演説でディソンは、ついにアンジュが長年捜していた『初恋の女の子』だと語ったのだ。
「私の真実の愛が、実ったのだ!」
ご機嫌にグラスを掲げて自慢するディソンの傍らで、頬を赤に染めて微笑むアンジュ。
メアリーンは生きた心地がしなかった。
「(言ってしまわれた……公にされてしまった……)」
なんでアンジュがあんな顔をしていられるのか、メアリーンには理解出来なかった。
ディソンを騙して、双方の王国を欺いて、微笑んでいられる意味がわからない。
「メアリーン。帰るかい?」
「いえ……。私、少しお酒を飲むわ」
心配して顔を覗き込むアルリックに首を振って見せる。祝福している姿勢を見せるためにすぐに帰るわけにはいかなかった。気を紛らわせるために、メアリーンはウエイターからお酒を受け取る。
ゴクゴクと飲み干すメアリーン。
なんとか挨拶をしてくる貴族を捌きつつ、そのペースを落とそうとするアルリックだったが、だめだった。メアリーンはすっかり出来上がってしまった。
無理もない。
アルリックはどれほどその秘密に押し潰されそうになっているか、理解しているからこそ、気を紛らわせる飲酒を止めきれなかった。
「すまない、皆。メアリーンを見ていてくれ。水を持ってくる。絶対に目を離さないでくれ」
「わかっているよ、心配性だな」
「わたくし達がちゃんと見ておりますわ」
親しい友人達がテラスのテーブルで集まっているので、風に当たりながら酔いを醒ましてもらおうと、アルリックは頭をゆらゆらしているメアリーンを託す。
婚約してからのアルリックの過保護さに、令息達は苦笑を隠せない。
令嬢達からすれば、気持ちはわかるので微笑みで見送る。
「結局、殿下の『初恋の女の子』って、アンジュ王女殿下だったんだな」
「ちょっと!」
「おい!」
デリカシーの足りない令息がぼやくように零したそれに、キッと睨みつける反応を見せた令嬢達。
隣にいた令息もそれはマズい発言だろうと、肘で小突いた。
ここには、婚約者でありながら、長年『初恋の女の子』に苦しめられたメアリーンがいたのだから。
しかし、酔っているメアリーンは鼻で笑った。
「殿下が話している『初恋の女の子』は、かなり美化されているけれど、私のことよ」
秘密を暴露して、友人達に聞かせてしまった。
抱えられない秘密を、酔いによってポロリと零してしまったのだ。
「えっ」と、誰かが声を漏らす。
メアリーンはまだ足りないと、隣の令嬢のシャンパンを奪って飲み干してしまった。
「元々、政略結婚は建前で、婚約も彼の気持ちが先走ってちょっと強引に結ばれたもの。そのあと高熱が出てすっかり忘れてしまったのよね」
一度口にしてしまえば、もう躊躇もなくなる。
「嘘……じゃあ、今まで『初恋の女の子』なのに、メアリーンは比べられていたの?」
「本人なのに? 比べて貶されたというの?」
「え、待ってくれよ。メアリーン嬢。なら、なんでディソン殿下に……――っ!」
信じられないと顔色を悪くする令嬢達よりも、言いかけた令息が一番顔色を悪くして固まった。
振り返って見れば、そこには親しい友人達の元に来たディソンとアンジュが来ていたのだ。
慌てて一同は、立ち上がる。遅れて、ふらつくメアリーンも立ち上がった。
「……何をくだらない嘘をついている」
親の仇を見るかのような目付きでディソンは睨みつける。
「どちらが嘘をついているか。アンジュ王女殿下はご存じてすよね?」
酔っているにもかかわらず、メアリーンは目敏く真っ青なアンジュに気付いて指摘した。
嘘をついてまで嫁ぐ隣国の王女への怒りが、メアリーンの中に燃え上がっていたのだ。容赦はしない。
485
お気に入りに追加
1,392
あなたにおすすめの小説
どうして別れるのかと聞かれても。お気の毒な旦那さま、まさかとは思いますが、あなたのようなクズが女性に愛されると信じていらっしゃるのですか?
石河 翠
恋愛
主人公のモニカは、既婚者にばかり声をかけるはしたない女性として有名だ。愛人稼業をしているだとか、天然の毒婦だとか、聞こえてくるのは下品な噂ばかり。社交界での評判も地に落ちている。
ある日モニカは、溺愛のあまり茶会や夜会に妻を一切参加させないことで有名な愛妻家の男性に声をかける。おしどり夫婦の愛の巣に押しかけたモニカは、そこで虐げられている女性を発見する。
彼女が愛妻家として評判の男性の奥方だと気がついたモニカは、彼女を毎日お茶に誘うようになり……。
八方塞がりな状況で抵抗する力を失っていた孤独なヒロインと、彼女に手を差し伸べ広い世界に連れ出したしたたかな年下ヒーローのお話。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID24694748)をお借りしています。

これでお仕舞い~婚約者に捨てられたので、最後のお片付けは自分でしていきます~
ゆきみ山椒
恋愛
婚約者である王子からなされた、一方的な婚約破棄宣言。
それを聞いた侯爵令嬢は、すべてを受け入れる。
戸惑う王子を置いて部屋を辞した彼女は、その足で、王宮に与えられた自室へ向かう。
たくさんの思い出が詰まったものたちを自分の手で「仕舞う」ために――。
※この作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。

夫の告白に衝撃「家を出て行け!」幼馴染と再婚するから子供も置いて出ていけと言われた。
window
恋愛
伯爵家の長男レオナルド・フォックスと公爵令嬢の長女イリス・ミシュランは結婚した。
三人の子供に恵まれて平穏な生活を送っていた。
だがその日、夫のレオナルドの言葉で幸せな家庭は崩れてしまった。
レオナルドは幼馴染のエレナと再婚すると言い妻のイリスに家を出て行くように言う。
イリスは驚くべき告白に動揺したような表情になる。
子供の親権も放棄しろと言われてイリスは戸惑うことばかりでどうすればいいのか分からなくて混乱した。

理不尽な理由で婚約者から断罪されることを知ったので、ささやかな抵抗をしてみた結果……。
水上
恋愛
バーンズ学園に通う伯爵令嬢である私、マリア・マクベインはある日、とあるトラブルに巻き込まれた。
その際、婚約者である伯爵令息スティーヴ・バークが、理不尽な理由で私のことを断罪するつもりだということを知った。
そこで、ささやかな抵抗をすることにしたのだけれど、その結果……。

初恋の結末
夕鈴
恋愛
幼い頃から婚約していたアリストアとエドウィン。アリストアは最愛の婚約者と深い絆で結ばれ同じ道を歩くと信じていた。アリストアの描く未来が崩れ……。それぞれの初恋の結末を描く物語。

思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。

私を運命の相手とプロポーズしておきながら、可哀そうな幼馴染の方が大切なのですね! 幼馴染と幸せにお過ごしください
迷い人
恋愛
王国の特殊爵位『フラワーズ』を頂いたその日。
アシャール王国でも美貌と名高いディディエ・オラール様から婚姻の申し込みを受けた。
断るに断れない状況での婚姻の申し込み。
仕事の邪魔はしないと言う約束のもと、私はその婚姻の申し出を承諾する。
優しい人。
貞節と名高い人。
一目惚れだと、運命の相手だと、彼は言った。
細やかな気遣いと、距離を保った愛情表現。
私も愛しております。
そう告げようとした日、彼は私にこうつげたのです。
「子を事故で亡くした幼馴染が、心をすり減らして戻ってきたんだ。 私はしばらく彼女についていてあげたい」
そう言って私の物を、つぎつぎ幼馴染に与えていく。
優しかったアナタは幻ですか?
どうぞ、幼馴染とお幸せに、請求書はそちらに回しておきます。
お姉様のお下がりはもう結構です。
ぽんぽこ@書籍発売中!!
恋愛
侯爵令嬢であるシャーロットには、双子の姉がいた。
慎ましやかなシャーロットとは違い、姉のアンジェリカは気に入ったモノは手に入れないと気が済まない強欲な性格の持ち主。気に入った男は家に囲い込み、毎日のように遊び呆けていた。
「王子と婚約したし、飼っていた男たちはもう要らないわ。だからシャーロットに譲ってあげる」
ある日シャーロットは、姉が屋敷で囲っていた四人の男たちを預かることになってしまう。
幼い頃から姉のお下がりをばかり受け取っていたシャーロットも、今回ばかりは怒りをあらわにする。
「お姉様、これはあんまりです!」
「これからわたくしは殿下の妻になるのよ? お古相手に構ってなんかいられないわよ」
ただでさえ今の侯爵家は経営難で家計は火の車。当主である父は姉を溺愛していて話を聞かず、シャーロットの味方になってくれる人間はいない。
しかも譲られた男たちの中にはシャーロットが一目惚れした人物もいて……。
「お前には従うが、心まで許すつもりはない」
しかしその人物であるリオンは家族を人質に取られ、侯爵家の一員であるシャーロットに激しい嫌悪感を示す。
だが姉とは正反対に真面目な彼女の生き方を見て、リオンの態度は次第に軟化していき……?
表紙:ノーコピーライトガール様より
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる