幼馴染

kisaragi

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一章

18. 恋人

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「美蘭、起きれる?」

「ん。うん。」

30分くらい寝れたみたい。

「美蘭、先生たちが話を聞きたいって。話せる?」

「う、うん。」

思い出したくないけど、ちゃんと言わなきゃ。保健室の机に、ほくと私、保健の先生と担任の先生で座り、担任の先生に話を聞かれる。

「二宮、まずなんで体育館にいたんだ?」

「えっと、キャリア学科の子に呼ばれてついて行ったら体育館に着きました。」

「それで、体育館倉庫は?」

「体育館に着いたら先輩達がいて、無理矢理連れてかれました。」

「体育館倉庫で何かされた?」

「は、はい。」

怖くて少し動揺していると、机の下でほくが手を握ってくれた。

「何された?」

「お腹や背中を蹴られました。顔も一回叩かれました。」

「美蘭ちゃん大変だったわね…。」

「そうだったのか。大変だったな。何で呼び出されたか分かったりするか?」

「先輩の中の1人が北斗のことが好きで、私が北斗とよく一緒にいるから、それが気に入らなかったみたいです。」

「そうか…。お前は何も悪くないからな。」

「はい…。」

体育館でのことを話すのは少し怖いけど、本当に優しい先生でよかった。
「あと、バスケットゴールの件は何か分かるか?」

「分かりません。」

「さすがにあいつらの仕業ではなさそうだしな。そっか。二宮話してくれてありがとうな。」

「いえ。」

「今日は早退するか?病院いったほうがいいかもしれないしな。」

「はい、そうします。」

「分かった。親御さんにも連絡しとくな。」

「じゃあ、私が連絡しときますね。」

「先生、北斗も早退してもいいですか?」

「一之瀬もどこか怪我したのか?」

「え、えっと…。」

「俺は、バスケットゴールから避ける時足挫いたかもしれないです。」

「そうか、じゃあ2人とも病院に行って来い。」

「はい。ありがとうございます。」

「じゃあ、俺は職員室戻るな。何かあったら言ってくれ。」

「はい。」

先生とのお話が終わった。ほくも早退できることになった。

「2人とも親御さんに連絡するわね。」

「あ、片方の親でいいですよ。」

「そう?どちらの親御さんがいいかしら。」

「美蘭で。」

「分かったわ。ちょっと待っててね。」

保健室の先生がママに連絡をしてくれた。

「30分くらいしたら着くみたいよ。もう少しここで待っててね。」

「わかりました。ありがとうございます。」

アザがひどいからママに心配かけちゃうかな…。

「美蘭、また少し寝る?」

「30分だし起きてる。」

「そっか。」


ママを待ってる間ほくはずっと体のことを気にかけてくれた。

「美蘭ちゃん、お母さん来たわよ。」

「あ、はい。」

「美蘭!?大丈夫??」

「うん。ごめんね。心配かけて。」

「そんなこといいのよ。北斗も大丈夫?」

「うん。ごめん、俺美蘭のこと守れなかった。」

「北斗はいつも美蘭のことを助けてくれてたでしょ。たまにはお休みも必要よ。北斗、気にしないでね。」

「うん。」

「じゃあ、病院行こっか。2人とも歩ける?」

『うん。』

ママが学校に到着した。すごく優しく包み込んでくれた。ほくのことも。ママがお母さんでよかった。

「2人とも診察終わったら何食べたい??今日は北斗が生き返ったパーティでもする??」

「実紅さん、俺死んでないから笑」

「そうだよ、ほくを勝手に殺さないでよ。笑」

「ごめんごめん。笑 とにかく食べたいもの考えといてね!」

「はーい。」

ママっていつでも本当に明るい。見習わなきゃな。

「病院着いたよー!北斗は診察してもらう?」

「俺は、どこも怪我してないから大丈夫。美蘭に付き添って診察行ってこようか?」

「そう?じゃあお願いしようかな。ママより北斗の方がちゃんと先生のお話聞けそうだし…。」

「それはあるかも。笑 じゃあほくと行ってくるね。」

「はーい、駐車場で待ってるわね~。」

ママは天然で少し抜けてる。だから、病院とかはよくパパに付き添ってもらってたなぁ。そういば、病院来るのすごく久しぶりだな。

「みぃ、行こっか。」

「うん。」

診察をしてもらい、薬局で湿布と飲み薬を貰った。あまり混んでなくて良かった。

「ほく、着いてきてくれてありがとう。」

「うん。みぃ歩ける?」

「うん、なんとか。」

ゆっくりほくに支えてもらいながら駐車場に戻る。

「2人ともおかえりー!どうだった??」

「骨は折れてなかった。打撲だって。湿布と薬を貰ってきた。」

「よかったー!ひとまず安心ね。今日は、麻美達と北斗の家で食べることになったよ。」

「あ!そうなの!やったー!」

「何食べたい?あんまり時間ないし出前とる??」

「いいね!みぃ、ピザ食べたい。」

「私もピザ食べたいわぁ。北斗は?」

「俺もピザでいいよ。」

「決まりね。麻美に注文してもらうね。」

車に戻り、ママに診察の結果を伝えると安心したみたい。よかった。

「ただいま。」

「おかえり!!!美蘭、大丈夫?」

「麻美ちゃん、大丈夫だよ。」

「北斗も?」

「大丈夫。」

「良かったわ。美蘭本当にありがとう。」

「美蘭のほうがいつもほくに助けてもらってるよ。」

「そんなことないわよ。
じゃあ、早速食べましょ!」

麻美ちゃんが自分のことの様に心配してくれた。ほくを守れて本当によかった。

「2人とも本当に無事でよかったな。北斗も美蘭も生きててくれてありがとうな。」

「パパ大袈裟すぎ。笑」

心配させちゃうから今日のことをほんの少し話すとみんな泣きそうになってた。本当にいい家族。

「じゃあ、ママ達そろそろ帰るね。美蘭、なんかあったら連絡してね。」

「分かった。ばいばい!」

ご飯を食べ終わり、少し雑談をしてママとパパが家に帰って行った。

「みぃ、部屋行こ。」

「うん。」

ほくに言われて、部屋に行く。

「みぃ、痛いよね。」

「うん…。」

「今日はもう寝る?」

「…まだ。ほくとお話しする。」

「俺とお話しするの?」

「うん。」

「美蘭。」

「何?」

「俺のこと好きなの?」

「うん。」

「俺も好き。」

「うん。」

「俺と付き合ってくれる?」

「うん!」

「ありがとう。まじで嬉しい。あー、ハグしたい。」

「また、治ったらね。」

「うん。」

今日は散々な一日だったけど、ほくと付き合えることになったから嬉しい。幸せ。

「美蘭、いつから俺のこと好きだったの?」

「最近だよ。ほくが女の子と喋ったりしてて嫉妬して、気づいたの。」

「最近、みぃが怒りっぽかったのはそういうことか。笑」

「怒ってないもん!」

「あ、怒ってなかったね。笑 あー、もう可愛すぎる。俺、みぃが彼女なんて幸せすぎる。」

「みぃも幸せだよ。ほく、大好き。」

「待って。俺本当に襲っちゃうからやめてよ。」

「襲わないでしょ。笑 ほくそんなライオンとかみたいに凶暴じゃないでしょ。」

「そういう意味じゃないんだよな…。」

「どういうこと??」

ほくが襲おうとしてくる。ただでさえ体がアザだらけなのに…。笑

「美蘭ちゃんにはまだ早かったかな。いつか教えてあげる。」

「えぇ。なにそれ…。」

「みぃ、今日はお風呂入る?」

「うーん、汗かいたし頑張って入る…。」

「分かった。学校は明日休む?」

「休もうかな…。映像も明日見る。」

「分かった。俺も休む。」

「ごめんね。」

「俺がみぃと一緒に居たいからいーの。」

「ありがとう。」

明日はさすがに学校に行けそうにないので、休むことにした。お風呂だけ入らなきゃ。

「みぃ、お風呂行ける?」

「うん。」

「行こっか。」

お風呂へ行き、髪や体を洗う。体が痛い…。

「みぃ、頑張ったね。明日はゆっくり休もっか。」

「うん。」

「ほく、体育館きてくれてありがとう。本当はすごく心細かったんだ。」

「うん。俺、ずっとみぃと一緒にいるって言ったのにいれなくて危険な目に合わせて本当にごめん。」

「大丈夫だよ。」

ほくは少し泣きそうな声をしていて心配になった。

「ほく、大好きだよ。」

「俺も。」

ほくにキスされる。唇に。ファーストキスだ。

「なんか恥ずかしい。」

「みぃ、可愛い。」

「もう…。笑」

「今日はここまでね。そろそろあがろっか。」

「うん。」

すごく幸せ。ちょっぴり恥ずかしいけど、ほくと一緒にいられることがとても嬉しい。

「みぃ、背中痛くない?」

「うん。大丈夫。」

「良かった。夜、途中で起きたら起こしてね。」

「うん。分かった。」

ほくに湿布を貼ってもらいベッドに寝る。また、月曜日から学校行けるように明日と土日でしっかり休もう。


「おやすみ。」

「おやすみ。」







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